看護師転職サイトは、専任の担当者(キャリアアドバイザー)がつき、転職完了や転職後のアフターフォローまで行ってくれますが、なぜ看護師は完全無料で利用できるのでしょうか。
看護師転職サイトの仕組みについて説明していきます。
目次
看護師転職サイトとは?
基本は看護師専用の転職エージェント
看護師が利用できる看護師転職サイトは、選べないほど多くありますが、そのほとんどが転職エージェントです。
転職エージェントとは、看護師の職業紹介に関し、雇用先(求人紹介先)から手数料又は報酬等の対価を受け事業を行っている職業紹介事業者を指します。
そのため、転職完了からその後のアフターフォローまで完全無料でサポートしてくれる看護師専用の転職エージェントのことを指しています。
「看護師転職サイト=看護師専用の転職エージェント」である可能性が高いと認識しておきましょう。
転職サイトと転職エージェントの違い
転職サイト | 看護師(求職者)が求人サイトで求人を探し、面接の日程やアポイント設定を直接雇用主(病院・施設)と行う |
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転職 エージェント | 転職を希望する看護師(求職者)にキャリアアドバイザーと呼ばれる担当者がつき、求人紹介、面接のアポイント設定など、看護師の転職完了までを雇用主(病院・施設)との間に入って行う転職支援サービス |
求人を看護師が選び、直接応募する「転職サイト」と、専任担当者が転職のサポートする「転職エージェント」に分けられます。
具体的な看護師転職エージェントのサービス内容については、以下を確認してください。
看護師等の資格保有者が利用できる
看護師転職サイトは看護師専用の転職エージェントですが、一般的に以下の資格を保有している方が利用することが出来ます。
- 看護師資格
- 准看護師資格
- 保健師資格
- 助産師資格
- 看護学生(一部のエージェントのみ)
上記の資格者が使えるため、保健師や助産師の求人の提案も可能となります。
そのため、保健師資格はあるが保健師として働くか看護師として働くかを迷っている方にも利用はおすすめです。
厚生労働省から「有料職業紹介事業許可」を受けている
有料職業紹介事業とは、営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し手数料又は報酬等の対価を受けて行う職業紹介事業をいいます。(引用:厚生労働省)
そのため、利用する看護師は「有料職業紹介事業許可があるサイト=看護師転職エージェント」だと判断することが可能です。
良く「厚生労働省から許可を得ているからお墨付きの転職サイトだ!」と思われる方もいると思いますが、転職エージェントを運営していく上では必ず必要な許可となります。
看護師転職サイトの利益を得る仕組み
看護師転職サイトの利益の仕組みとして、看護師人材を提供する看護師転職サイト側と報酬を支払う病院や施設との間で金銭的なやり取りが行われています。
看護師転職サイトは成功報酬で利益を得ている
看護師転職サイトの利益は以下の流れで成果報酬を得ています。
- 看護師が無料会員登録で申し込む
- 看護師へ病院・施設の求人を紹介し、転職サポートを行う
- 施設へ人材を紹介する
- 看護師と施設で雇用契約を結ぶ
- 成果報酬として利益を得る
つまり、基本的に採用が決まり看護師が入職しなければ、看護師転職サイト側は利益を得ることが出来ません。
看護師転職サイトは看護師の転職を斡旋し、入職が完了した成功報酬型で利益を得ています。
転職する看護師年収の30~35%が報酬金額となる
看護師転職サイト側の報酬金額は、入職時に予想される看護師年収の25~35%程度、病院側から成功報酬として受け取っています。(独自調査2021年11月)
一般的な転職と比較すると、看護師の転職斡旋にかかる費用は高くなっています。
例えば、転職する看護師年収が600万円の場合、およそ150~210万円が看護師転職サイトの利益となります。1人の営業目標が月10件の場合は約2,000万円の売り上げがあがる計算になります。
注意点
看護師転職サイト側の報酬金額は、会社によって個別に決められており、成果報酬ではない場合もありますので注意しましょう。
報酬は雇用側から貰うため看護師は無料で利用できる
看護師転職サイトにとって「転職する看護師は大切な人材」であり、採用する病院はそれを求めています。
このことから、「看護師転職サイト」「転職する看護師」「採用する病院・施設」の三者はwin-winの関係であると言え、報酬は完全に雇用側(病院・施設)から受け取るため看護師は無料で利用することができます。
※ごく稀にですが、看護師(求職者)から登録料等の報酬を得る転職エージェントもあるので注意しましょう。
なぜ病院・施設は報酬を支払ってまで利用するのか?
なぜ病院・施設は看護師転職サイトに報酬を支払ってまで利用するのでしょうか。
病院・施設側(雇用側)は、看護師転職サイトを利用することで、
- 人事に掛ける人件費と手間が省けるため
(希望する条件の看護師人材が集まりやすい) - 成功報酬なのでリスクが少ないため
- 質の良い看護師人材の確保するため
以上のようなメリットがあり、病院・施設は転職エージェントに依頼します。
また、看護師不足の昨今、病院や施設は採用コストより、質の良い看護師人材を重視している傾向にあります。
人事に掛ける人件費と手間が省ける
看護師転職サイトの仲介がなければ、看護師の希望条件の確認や、書類審査や面接設定や見学の有無の確認まで、病院側がすべて行わなければなりません。
しかし、看護師転職サイトの仲介があれば事前に転職する看護師の情報を得ることができ、採用する病院側は人件費や手間を省いて希望条件に該当する看護師人材を採用することが出来ます。
完全成功報酬なのでリスクが少ない
採用がなければ看護師転職サイト側に病院・施設が費用を支払うことはありません。
また、採用となる場合でも病院へ紹介した看護師が採用後すぐに退職してしまった場合、
- 看護師転職サイトが受取った報酬を病院に返金する
- または、(早期退職した人数分)看護師を無償で病院に紹介する
以上の対応を行っている看護師転職サイトが一般的です。
このことにより、病院は高い報酬金を支払ったとしても優秀な人材を集めるとともに、採用コストや採用リスクを軽減できると言えます。
質の良い看護師人材の確保
病院や施設のホームページで募集した場合や、求人掲載型の転職サイトで募集した場合には、特に看護師の年齢を限定することが難しく、掲載することはNGです。
その他、もとめる看護師の看護スキルや職務経験を一から確認する手間も出てきます。
そのため、看護師転職サイトが看護師の職歴やプロフィールを把握することで、病院や施設が希望する看護師人材をより効率的に確保することが可能になります。
関連リンク
良くある質問
言われることはありません。
看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)としての報酬の受け取り方は、転職業界の中で一般的なためです。
また、雇用側も了承して看護師人材を募集しています。
給与や年収が下がることはありません。むしろ、上がることがあると言えます。
理由としては、看護師転職サイトは転職する看護師の想定年収の20%から30%程度を成果報酬としてもらいます。
そのため、担当者が雇用先に年収を上げてもらう交渉を行い、看護師の年収が上がる方が、利益が高くなるためです。
まとめ
看護師転職サイトは求人を紹介した病院・施設から利益を得ることができ、病院は人件費や手間を省いて看護師を採用ことが可能になります。
また、転職する看護師は看護師転職サイトを利用して転職活動をスムーズに行うことが出来ます。
このような絶妙な仕組みで看護師転職サイトの仕組みが成り立っています。
看護師転職サイトを利用する際には複数登録(掛け持ち)することをおすすめします。
理由として、看護師転職サイトによって得意としている求人内容が異なるためです。
例えば、正社員以外にもアルバイトやパートの求人情報が豊富である等、看護師転職サイトによって個性があります。
複数の看護師転職サイトに登録することで求人情報を吟味することができ、さらに担当者(エージェント)も比較できるようになります。
看護師転職サイトを効率よく活用し、有利に転職活動をすすめていきましょう。