現役看護師の「なるには」ガイド

看護師からケアマネジャーになるには!メリットや兼務する場合の給料とは?

ケアマネジャーは、介護支援専門員とも呼ばれ、「ケアマネ」とも略されます。

介護支援専門員は、介護保険法に基づき、要介護者や要支援者、家族などからの相談に応じて要介護者等が心身の状況に応じた適切なサービスを利用できるよう、支援する職種です。サービス事業者などとの連絡調整を行い、要介護者等のケアプランを作成する業務を担います。
(引用:東京都福祉保健局

看護師にとってケアマネジャー(介護支援専門員)は、特に、介護分野や高齢者に関わる仕事をしていきたいと考えている方や、ライフスタイルに合わせて様々な働き方を検討していきたいと考えている方には、適した資格であることが言えます。

以下で、看護師からケアマネジャーになるためには、看護師がケアマネジャー資格を取得するメリット、看護師とケアマネを兼務する場合を看護師の体験事例も合わせて説明していきます。

看護師からケアマネジャーになるには

看護師からケアマネジャーになるには

看護師からケアマネジャーになるためには、年に1回行われる「介護支援専門員実務研修受講試験」(通称:ケアマネ試験)を受けて合格する必要があります。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務に従事するためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格後、実務研修を修了し、各都道府県の介護支援専門員名簿に登録を行い、介護支援専門員証の交付を受けることが必要です。
引用:東京都福祉保健局

更にその後、研修を数日受け、資格証の交付を受けることで、ケアマネジャーとして働くことが可能です。

参照:介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等(厚生労働省)

しかし、介護支援専門員実務研修受講試験を受けるための条件が必要になるため、以下で詳しく説明していきます。

看護師がケアマネジャー試験を受ける条件

看護師がケアマネジャー試験を受ける条件

ケアマネジャーとなるための介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)を受けるためには、以下のいずれかに該当する必要があります。

  1. 特定の国家資格を保有している方
  2. 介護施設等で相談援助業務に従事している方

看護師からケアマネ試験を受けるためには、「(1)特定の国家資格を保有している方」を選択する方がスムーズとなり、看護職では、看護師、准看護師、助産師、保健師免許が該当します。

また、追加の条件があり、「国家資格に基づく業務の実務経験が5年以上、かつ従事した日数が900日以上」が要件となり、受験資格を得ることが可能です。

※900日は、1ヶ月20日出勤だとしたら45ヶ月間(3年9カ月間)以上従事していることが必要です。

補足注意

  • 算入できる当該業務従事期間は、 当該資格の登録日以降の期間です。
  • 業務については、要援護者に対する直接的な対人援助業務が、当該資格の本来業務として明確に位置づけられていることが必要です。
    ※国家資格等を有していても、要援護者に対する直接的な対人援助ではない教育業務、研究業務、営業、事務等を行っている期間は、実務経験には含まれません。

ケアマネジャーの筆記試験の日程

ケアマネジャーの筆記試験の日程

ケアマネジャーの筆記試験の日程については、例年、以下の日程になる場合が多いと言えます。

日程発表毎年4月頃
申し込み期限毎年5月~7月頃
試験日毎年10月頃

※都道府県によって日程が違う可能性があるため注意しましょう。

先ほど説明したように、お住いの各都道府県で受験するため、1年に1度しかケアマネ試験を受けることが出来ません。

ケアマネジャーの筆記試験内容

ケアマネジャーの筆記試験内容

介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)は、5択選択のマークシート方式で、全60問、以下の内容を120分で出題されます。

  • 介護支援分野25問
  • 保健医療福祉サービス分野35問

※参考書も沢山販売されているのため、過去問題と共にいくつか購入しておくことがおすすめです。

ケアマネジャーの試験合格率

ケアマネジャーの試験合格率

第24回(令和3年度)の介護支援専門員実務研修受講試験は、54,290人が受験し合格者が 12,662人となり、合格率が23.3%と低いため、筆記試験の勉強することが必須と言えます。

(また、合格率が一番低い年で、10.1%と難関と言えます。)

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率

受験者数合格数合格率
第24回
(令和3年度)
54,290人 12,662人23.3%
第23回
(令和2年度)
46,415人8,200人17.7%
第22回
(令和元年度)
41,049人8,018人19.5%
第21回
(平成30年度)
49,332人 4,990人10.1%
 第20回
(平成29年度)
 131,560人 28,233人21.5%
第19回
(平成28年度)
124,585人 16,281人 13.1%

出典:厚生労働省 介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況

働く看護師のケアマネジャー取り方・勉強方法

働く看護師のケアマネジャー取り方・勉強方法

フルタイム(正職員)で働いている看護師でも、ケアマネジャーの資格取得は勉強方法によっては可能といえ、現役で看護師を行いながら資格取得を目指す方も多いと言えます。

  • 試験勉強は遅くても試験6ヶ月以上前に始めること
  • まとめて学習せずに、1日1時間など時間を決めて取り組むこと
  • 参考書と過去問題集を繰り返し3回は勉強すること
  • 参考書以外でも必要な部分を調べその事柄を理解すること

以上が、看護師として働きながらケアマネ試験に合格するコツです。

ケアマネ試験は残念なことに参考書のみでは合格できない難しさとなっている場合が多く、必要な部分についてはより詳しく自分で調べる必要があると言えます。

そのため、参考書を丸暗記するよりは、その事柄をしっかり理解しているほうが試験では有利なる場合が多く、ノートにまとめて覚える作業をすることをおすすめします。

ケアマネジャー試験合格後の実務研修

ケアマネジャー試験合格後の実務研修

筆記試験に合格しただけではケアマネの資格は取得できません。

合格後、実務研修(介護支援専門員実務研修)を修了して資格証の交付をもって資格取得となります。

実務研修は、試験合格後1年以内に修了する必要があり、自分で申し込みを行います

(試験の翌年の3月頃から募集が開始され、受講費用は61,000円となります。)

実務研修は15日間(87時間)の講義・演習と居宅介護支援事業所での3日間の実習で構成される研修となります。

(都道府県によっては「オンライン研修コース」を設けている場合があるため、確認しておきましょう。)

実習研修を修了すると研修修了証明書が渡されます。

その後は各都道府県に登録申請を行い、約1カ月程度で資格証の交付を受け、無事にケアマネ資格を取得したこととなります。

介護支援専門員実務研修のまとめ

名称介護支援専門員実務研修
期間試験合格後1年以内に修了する
内容15日間(87時間)の講義・演習
居宅介護支援事業所での3日間の実習
(※オンラインコースがある場合もあり)
受講費用61,000円
申し込み自身で申し込みが必要
期間試験翌年の3月頃から募集開始
※第1期、第2期と期間が複数ある
申請研修終了後、3ヶ月以内に申請しケアマネジャー資格を取得する

※参照:介護支援専門員実務研修

ケアマネジャー資格は5年毎の更新となり研修を受ける

ケアマネジャー資格は5年毎の更新となり研修を受ける

ケアマネジャー資格は5年の更新制となり、更新のたびに以下の所定の研修を受ける必要があります。

介護支援専門員の更新研修と維持費用

※年度により変更の可能性があるため、確認しておきましょう。
※以下は例東京都の介護支援専門員更新研修を参照しています。

資格取得後
ケアマネ未経験
受講料は39,000円
・11日間の講義・演習で構成される54時間の研修
・うち5日間はDVD視聴により自宅で履修することも可能
実務経験者で
更新が1回目
受講料34,000円(実務従事者で就業後6カ月以上の者)+受講料24,000円(実務従事者で就業後3年以上の者)
・更新研修88時間は、16日間の講義・演習で構成される研修
・うち4日間はDVD視聴により自宅で履修することも可能
実務経験者で
更新が2回目
受講料24,000円
・更新研修32時間は、6日間の演習を中心とした研修
・うち1日はDVD視聴により自宅で履修することも可能

看護師がケアマネジャー資格を取得し、職務につかなかった場合でも更新費用は「受講料として39,000円」掛かるので注意してください。

ケアマネジャー資格は維持にお金が掛かる資格と言えます。

看護師がケアマネジャー資格を取得するメリット

看護師がケアマネジャー資格を取得するメリット

看護師がケアマネジャー資格を取得し、看護師と兼用した場合に考えられるメリットをご紹介します。

多角的な視点を養える

ケアマネジャーの仕事は、自宅や入所施設など利用者の生活の中から援助が必要なことを見つけ出すことも重要です。

医療的な目線だけでなく、利用者の人生観や生活環境を観察する目線を持ち、利用者の生活状況をくまなく把握し、健康上の問題だけでなく、生活上の問題や金銭的な問題にも目を向けて、その方に最適なサービスを考える必要があります。

看護師がケアマネとして新たな目線をもって利用者と関わる経験をすることは、看護師としての観察眼を養えることにもなり、看護力の向上にもつながると言えます。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例看護師とケアマネジャーを兼務することで、患者の今後の方向性について理解でき、先々の治療や疾患の方向性を一緒に考える時に、本人や家族のニーズにより応えられることが出来たと感じます。
例えば、「この疾患はいずれこうなります。最近その兆候が出てきているので、そろそろ最期の時にどうするか考えましょう。」と説明し、看護師だからこそ説得力も生まれます。

地域連携を学べる

ケアマネの仕事は、利用者の困りごとや必要なサービスに応じて様々な関係者に連絡調整をする必要があります。介護サービスを提供する事業所、医療サービスを提供する事業所やクリニック、市区町村、入院が必要な場合は病院、施設入所が必要な場合は入所施設、地域の社会福祉サービス提供者、利用者の家族などと連絡調整を行い、連携して利用者を援助できる体制を作っていくことが求められています。

看護師の仕事だけでは関わることがない様々な職種の働きを知ることができますし、地域の連携を直に学べる機会にもなります。

看護師の仕事でも地域との連携が求められる場面が増えていますので、ケアマネで働く経験を看護師の仕事にも活かせるでしょう。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例看護師とケアマネジャーを兼務することで、利用者が、ディサービスやショートスティなど施設利用をするとき、訪問医療・訪問看護などの在宅サービスを受けるときなど、施設側に既往歴、医療的処置の有無、内服薬など詳しく説明することが可能でした。
利用者に何か起こった際に、まずはケアマネジャーに連絡が入るため、患者の状態を説明ができるのは、大変重要で重宝されました。
しかし、利用者に何か起こり連絡が入る場合、ケアマネジャー(介護支援専門員)として時間外でも対応しなくてはなりませんでした。

働き方の幅が広がる

看護師がケアマネジャーを兼任することで、働き方の幅が広がり、看護師の仕事だけでは関われなかった人と出会うことが可能です。

また、ケアマネジャーの仕事は、平日日勤の仕事がほとんどで、土日や年末年始は固定で休みとなっていることが多く、看護師と兼任した場合、職場によっては夜勤が免除される可能性もあります。

※ケアマネジャー仕事はデスクワークが多く、体力的な負担は少なく、自分の裁量で仕事のスケジュールを立てて動きやすいので、自分の希望日に休みを取得しやすいこともあります。

そのため、ご自身のライフワークや体力・健康状態に合わせて、ケアマネジャーをメインに仕事をすることも可能になります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例ケアマネジャーの仕事は、利用者の困りごとや必要なサービスに応じて、様々な関係者に連絡調整をする必要があり、実際には、
・介護サービスを提供する事業所
・医療サービスを提供する事業所やクリニック、市区町村
・入院が必要な場合は病院
・施設入所が必要な場合は入所施設
・地域の社会福祉サービス提供者
など、連絡調整を行いながら連携して利用者を援助できる体制をつくっていきます。
そのため、看護師の仕事だけでは関わることがなかった様々な職種の人達と出逢えたと感じます。

看護師とケアマネを兼務する場合

看護師とケアマネを兼務する場合

看護師がケアマネジャー資格を取得した場合でも、給料面などが低いことからケアマネジャーだけで働く看護師は少なく、看護師とケアマネジャー(介護支援専門員)を兼務して働く看護師が多いといえいます。

看護師とケアマネジャーを兼務する場合について説明していきます。

看護師とケアマネジャーを兼務する場合の給料は?

看護師の給料に比較すると、ケアマネジャーの給料の方が低いことが多く、平均年収のデータでも以下のような内容となります。

看護師ケアマネ
平均年収4,918,300円3,928,000円
平均月収338,400円275,000円
平均賞与857,500円628,000円
平均年齢41.2歳49.9歳
勤続年数8.9年9.3年

※参照:厚生労働省:令和2年賃金構造基本統計調査
※年収の計算方法:所定内の給与金額×12+年間賞与・その他特別給与額

そのため、看護師とケアマネジャーを兼任していた場合でも、「多少給料アップ」や「資格手当」が付く場合がありますが、月2万円から5万円程度の昇給であることを多いと言えます。

※条件は職場で大きく異なるので注意しましょう。

看護師とケアマネジャーを兼務できる職場・求人

ケアマネジャーの看護師求人は、介護分野での募集が多いと言えます。

介護分野は大きく分けて、「居宅」と「施設」があります。

居宅自宅で生活する利用者を対象に介護サービスを提供
施設入所施設に入居する利用者を対象に介護サービスを提供

以下で、ケアマネジャーと看護師を兼務できる職場・求人を説明していきます。

居宅介護支援事業所と訪問看護ステーション併設

ケアマネジャーの多くは居宅介護支援事業所に所属してケアマネジメントを行なっていますので、この求人が最も多くあります。

居宅介護支援事業所とは、利用者が適切に介護サービスを利用できるように援助し、ケアプランを作成してサービス内容を定めることを目的としている事業所です。

居宅介護支援事業所の求人は、ケアマネジャーのみの場合が多いようですが、訪問看護ステーションに併設されている事業所の場合は、看護師とケアマネジャーの両方を募集していることもあります。

併設されている事業所の場合は、看護師とケアマネの仕事を兼任できることや、看護師の給与が反映されることがあるため兼務するための職場として向いています。

介護施設(介護老人保健施設・特別養護老人ホーム等)

介護施設は施設ごとにケアマネジャーが在籍する必要があるため、求人も多いと言えます。

入居者のケアプランを作成し、施設での生活を円滑に送れるよう援助します。

看護師が常駐している施設の場合(特に介護老人保健施設・特別養護老人ホーム)は、看護師との兼任ができるか相談も可能です。

地域包括支援センターや保健所

ケアマネジャーは地域包括支援センターや保健所などで相談対応をする仕事もあります。

地域包括支援センターでは要介護の前段階である要支援者にケアプランを作成することもあり、相談以外にケアマネジメント業務も担います。

地域包括支援センターや保健所は、ケアマネジャーと看護師の両方が在籍することもあり、兼務が可能な場合があります。

兼務する場合は看護師の仕事のみの日もある

介護施設等では、ケアマネジャーよりも看護師が不足している場合があり、兼務の求人に応募し、採用されたとしても看護師としてメインで働く場合もあるため注意が必要です。

また、兼務していた場合でも、「看護師の仕事のみを行う日がある」等もあるため、転職する場合などは仕事内容や条件の詳細を確認すると良いでしょう。

 

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務していた職場(介護老人保健施設)では、ケアマネジャーよりも看護師の方が不足していました。
そのため、最初は看護師とケアマネジャーを兼務する条件で入職していましたが、看護師の仕事だけを任される日が続いたことがあります。
また、友人の話では、「何年か看護師として仕事をしてもらって、少し看護師が増えてきたら、ケアマネジャーで働いてほしい」など、面接時に言われたそうです。
結局ケアマネジャーの資格を持ちながら看護師として働いてしまうことになる場合があるため、注意が必要だと言えます。

まとめ

看護師がケアマネジャーの資格を取得することは、試験の内容、合格率を見ても年々ハードルが上がっていると言えます。

大変な思いをしてケアマネジャーの資格を取得しても、収入アップに直接つながらないこともあるため、何を目的にケアマネジャー資格を取得するかを明確にした方が良いと言えるでしょう。

また、現在病院勤務の看護師は、介護施設や訪問看護ステーションに転職することで、よりケアマネジャーとも連携することになるため、仕事のイメージが付きやすく、資格取得の励みになるでしょう。

ケアマネジャーの資格を取得することで、看護師以外の仕事を経験することでき、それによって看護師としてのキャリア形成につながることや、働き方の選択肢を広げて仕事を検討することができるようになるなど、メリットも多くあります。

特に、介護分野や高齢者に関わる仕事をしていきたいと考えている方や、ライフスタイルに合わせて様々な働き方を検討していきたいと考えている方には、とても適した資格と言えるでしょう。

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