看護師の体験談

ブランク看護師のクリニックへの復職・体験談

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結婚・出産・育児・介護、あるいは自分自身のライフスタイルの変化によって、一度は看護の現場を離れたものの、「もう一度働きたい」と考える看護師は少なくありません。

私自身、ブランクを経て看護師として復職しようと考えたとき、病棟への復帰は正直とてもハードルが高く感じました。医療技術の進歩や、忙しい業務についていけるのかという不安が大きかったです。そんな中で、私が選んだのは看護師としてのクリニックでの復職でした。
クリニックでは、看護師が主体的に判断する場面が少なく、求められる看護技術も病棟ほど複雑ではない場合が多いと感じました。そのため、ブランクのある私にとっては復職先としてのハードルが低く、安心して一歩を踏み出すことができました。
ただし、クリニックと一口に言っても、そこで求められる仕事内容や役割はさまざまです。実際に働いてみて、事前にしっかり情報収集しておくことの大切さを痛感しました。

この記事では、私のようにブランクのある看護師がクリニックで復職する際に、知っておいた方がよいメリット・デメリットや注意点について、実体験を交えながらお伝えしていきたいと思います。

執筆・監修看護師
執筆・監修看護師
さよ 看護師
さよ 看護師
  • エリア:京都府在住
  • 保有資格:看護師
  • 施設経験:大学病院(混合病棟)、総合病院
  • 専門分野:脳神経外科、呼吸器内科、腎臓内科、放射線治療科、皮膚科、麻酔科、血液内科、内分泌内科

地方の大学病院で約6年勤務し、その間妊娠・出産も経験し出産後も子どもを保育園に預けながら中核病院で正社員として働いていました。その後京都に移り住み現在は子育てしながら訪問入浴・デイサービス・健診など派遣看護師として働いています。私自身子どもを育てながら色々な勤務形態で勤務した経験があるのでママさんナース、これから結婚・出産を経験する方々に私の経験をもとに情報を発信していきたいと思います。

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目次

ブランク看護師(潜在看護師)は全国に約71万人、復職希望者は4割近く

ブランク看護師(潜在看護師)は全国に約71万人、復職希望者は4割近く

厚生労働省が公表した「看護職員の現状と推移(令和5年)」によると、2022年時点で看護師免許を保有している有資格者数は約165万人、そのうち医療現場で実際に就業している看護師は約94万人とされています。

この差から、看護師免許を持ちながら就業していない「ブランク看護師(潜在看護師)」は、全国で約71万人にのぼると推計されています。

参照:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況(厚生労働省)

また、過去の日本看護協会の調査では、「条件が合えば働きたい」と考えるブランク看護師(潜在看護師)が約40%も存在しており、多くの方が「また看護師の仕事に戻りたい」という希望を持っていることがわかります。つまり、「看護師としてブランクがある=少数派」ではなく、同じ悩みを抱えながら再スタートを切ろうとしている仲間は非常に多いです。

参照:日本看護協会「看護職の再就業支援」調査結果

こうした背景を知るだけでも、「看護師免許は持っているが自分だけが取り残されているのではないか」という不安が少し和らぎ、客観的な視点で復職を検討する一歩になるのではないでしょうか。

ブランク看護師がクリニックの復職で抱える不安とは?

ブランク看護師がクリニックの復職で抱える不安とは?

私が復職先を探していたとき、いちばん気になったのが「自分にまだ看護の仕事ができるのか」という不安でした。特に夜勤がない、時短勤務やパート勤務が可能なクリニックは、家庭との両立を考えていた私にとって魅力的な選択肢でしたし、実際に人気が高いという話もよく耳にしていました。
でも一方で、「長く現場を離れていた自分が、本当にやっていけるのだろうか」「仕事のスピードや内容についていけなかったらどうしよう」と、不安ばかりが頭に浮かんでしまって、なかなか最初の一歩が踏み出せずにいました。

以下では、ブランクがある看護師がクリニックへの復職を考える際に直面しやすい代表的な不安について、私の経験も含めて、説明していきます。「自分だけが悩んでいるわけではない」と感じることで、少しでも心が軽くなるきっかけになれば嬉しいです。

看護師の医療知識・技術に対する不安

看護師として数年にわたって現場を離れていた場合(ブランクがある場合)、もっとも大きな不安となるのが「医療の進化についていけるかどうか」だと感じます。

例え看護師免許を持っていたとしても、医療技術や制度は年々進歩しており、以前のやり方が通用しない場面も実際には少なくありません

たとえば、病院やクリニックでは紙カルテが当たり前だった時代から、今や電子カルテやデジタル記録が主流となっており、パソコン操作が必須の職場がほとんどです。

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実際に私も、復職を考え始めた頃は「採血や点滴の手技なんてもう何年もやっていないし、ちゃんとできるか不安…」「感染対策や予防接種の流れも、今はどうなってるんだろう」と、できないことばかりが気になってしまっていました。正直、医療機器の使い方もかなり忘れていて、自分が現場に戻るなんて無理なんじゃないかと思ったこともあります。
さらに、クリニックは教育体制がしっかりしていないところも多いと聞いていたため、「何のフォローもなくいきなり現場で仕事ができるのだろうから」と、なかなか踏み出せずにいました。
しかし、調べていくと各自治体やナースセンターなどで行われている復職支援研修や再就業セミナー等のブランクのある看護師向けのサポート制度が意外と整っていることを知り活用しました。

不安な方は、「ブランク明けの看護師の復職マニュアル!準備やおすすめの職場」で詳細を確認しておきましょう。

人間関係や職場の雰囲気に馴染めるか不安

ブランクがある看護師の復職において見落とされがちですが、実は大きな不安要素が職場の「人間関係」です。

特にブランクが長い看護師の場合、「若いスタッフの中で浮いてしまうのではないか」「年下の上司や先輩とどう接すればいいかわからない」「最新の職場文化についていけるか不安」といった悩みを抱える方が多くいます。

また勤務するクリニックの分野や規模にもよりますが、医師・看護師・事務スタッフ・検査技師など、多職種で連携しながら業務を進める「チーム医療」が一般的になりつつあり、単に看護師自身の業務をこなすだけでなく、周囲と円滑にコミュニケーションを取りながら働くことが求められるでしょう。

看護師の体験談

ブランク明けの私にとって、クリニックの看護師として、久々の職場復帰は人間関係の不安がいちばん大きな壁でした。「またうまくやっていけるのかな」と心配で、なかなか一歩が踏み出せなかったことを今でもよく覚えています。
しかし、まずは職場見学をして雰囲気を確認し、短時間勤務から少しずつ慣れていく方法を選んだことで、気持ちにも余裕ができました。段階的に復職できる環境だったのが、安心につながったと思います。人間関係が不安な方は、パート看護師や、短時間勤務等から始めることがおすすめです。

家庭との両立や体力面への不安

ブランクがある看護師の多くは、看護師を離れた理由が「出産」「子育て」「介護」など家庭の事情であることが多く、復職後もそれらとの両立が大きな課題となります。

たとえば、「子どもが急に熱を出したらどうしよう」「家族の送迎と勤務時間がバッティングするかもしれない」といった日常的な悩みは、特に女性看護師にとって非常に現実的な問題です。

さらに、「久しぶりに立ち仕事をして体力がもつか心配」「朝早く起きるリズムに戻せるだろうか」など、身体的な負担に対する不安もつきまといます。多くのクリニックは、看護師の夜勤がない分、スケジュールの安定性という意味では家庭との両立がしやすい環境ですが、その一方で短時間の中に業務が凝縮されるため、集中力と体力が求められる場面もあります。

そのため、ブランクがある看護師がクリニックに勤務する場合は、週2~3回のパート勤務や午前診療だけのシフトから始めるなど、自分の生活ペースに合った働き方を検討することが、長く働き続けるための現実的な方法です。

ブランク看護師がクリニックへ復職するメリット

ブランク看護師がクリニックへ復職するメリット

「もう一度、看護師として働きたい。でもフルタイムや夜勤は体力的に難しそう…」そんな想いを持つブランク看護師にとって、復職先の選択は非常に重要なポイントです。病院勤務に比べて、より柔軟な働き方が可能なクリニックは、ブランク明けの看護師から高い注目を集めています。

以下では、私の経験も含め、一般的なブランク看護師がクリニックへ復職するメリットを説明していきます。

夜勤がない・残業が少ない

クリニックの最大の特徴のひとつは、(有床クリニックを除き)夜勤が基本的に存在しないことです。

クリニックの診療時間は多くの場合、午前・午後に分かれており、夜間診療を行っていないところが大多数を占めます。これにより、復職を希望する日中のみの勤務が可能で、生活リズムが安定しやすいのが大きな魅力です。

ブランクのある看護師にとって、夜勤は体力的にも精神的にも大きなハードルとなる要素です。特に出産や育児を経た後であれば、「夜は家族のケアが必要」「夜勤後の回復に時間がかかる」といった現実的な制約も多くあります。そうした中で、夜勤がない看護師としての働き方は、復職に対するハードルをぐっと下げてくれます

さらに、多くのクリニックでは定時退社が多く、残業が少ないのもクリニック勤務の大きなメリットです。

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私がクリニックで働いてみて感じたのは、患者数が限られていて診療時間もはっきり決まっているので、業務が時間内にきちんと終わることが多いという点でした。
子供の保育園の送り迎えや家のことを考えると、「決まった時間に帰れる」というのは本当にありがたくて、家庭と仕事を両立したい私にとっては大きな安心感がありました。

時短勤務やパート勤務がしやすい

多くのクリニックでは、午前のみ・午後のみ・週3日勤務といった柔軟な看護師としての働き方が可能な場合が多いです。

看護師のライフスタイルに合わせて働く時間を調整できるため、いきなりフルタイムで復職することに不安を感じている方でも、無理なくスタートすることができます。

また、家庭の事情で「扶養の範囲内で働きたい」と考えている方にも適しており、労働時間や収入のバランスを自分で選べるという点で自由度が高い勤務形態です。

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私が復職したクリニックでは、午前のみのパート勤務からスタートできたのが本当に助かりました。
いきなりフルタイムで働くことに不安があったので、自分の体力や生活リズムに合わせて働けたことが大きな安心につながりました。

看護師の業務範囲がある程度限定されている

クリニックでは、看護師に求められる業務が比較的限られていることも、ブランクのある方にとって魅力的なポイントです。総合病院や急性期病棟のように複雑で多岐にわたる看護業務が求められる環境とは異なり、クリニックで働く看護師は、ある程度ルーチン化された業務を、安定的にこなすことができます。

例えば、診察の補助、バイタルサインの測定、注射や採血、問診、簡単な処置の介助などが主なクリニックでの看護師の業務内容となります。診療科によっては、特定の処置に特化して業務を習熟できるため、「一度覚えれば安心して働ける」という声も多く聞かれます。

看護師の体験談

実際にクリニックで働いてみて感じたのは、業務の内容が比較的シンプルで、一つひとつの仕事にじっくり向き合えるということでした。
もちろん、清掃や受付の補助、電話対応なども任されることはあり、勤務するクリニックによっては看護師免許がなくても行える業務が多い場合もあるため、注意が必要です。
ただ、病棟のように覚えることが多すぎて圧倒される…という感じはなかったため、ブランクのある私にとっては、クリニック勤務は安心して取り組める環境でした。

責任の範囲が明確で、精神的な負担が少ない

クリニックでは、患者の入院管理や夜間対応、複数のスタッフとのチーム医療といった複雑な業務連携が求められることはほとんどありません。

基本的には医師の診療の補助・処置・説明といった役割に専念できるため、仕事の責任範囲が明確です。

これにより「自分の役割は何か」「何を求められているのか」がはっきりしており、精神的な負担が軽減されます。仕事に慣れるまでの期間も比較的短く、復職後も無理なく職場に馴染んでいける傾向があります。

患者との距離が近い・地域密着型

病院とは違い、クリニックは地域住民の「かかりつけ医」としての役割を担っています。そのため、患者との関係もより密接で、同じ方が定期的に通院するケースが多く、看護師と患者の間に自然な信頼関係が築かれていきます

ブランクがある看護師の方の中には、「もう一度、誰かの役に立っている実感を得たい」「温かい人間関係の中で働きたい」といった動機を持つ方も多くいます。そうした看護師にとって、一人ひとりの患者と丁寧に向き合えるクリニックの雰囲気は、大きなやりがいにつながるはずです。

また、地域に根ざしたクリニックでは、患者さんとの関係だけでなく、職員同士の距離感も近く、アットホームな雰囲気の中で仕事ができるところも多くあります。「大人数の職場は不安…」という方にとっても、クリニックは安心して復職を始められる環境だと言えるでしょう。

ブランク看護師がクリニックへ復職するデメリットとは?

ブランク看護師がクリニックへ復職するデメリットとは?

ブランクがある看護師にとって、クリニックの看護師として勤務することは比較的ハードルが低い復職先とされていますが、実際に働いてみると「思っていたのと違った」とギャップを感じる場面もあります。

以下では私の経験も含め、ブランクがある看護師が、クリニックへ復職する場合の一般的なデメリットについて説明していきます。

教育・研修体制が整っていないことが多い

病院では新人看護師や中途採用者向けの研修プログラムが体系的に整備されていることが一般的ですが、クリニックではそのような研修制度が存在しない、または非常に簡素であるケースが多く見られます。

特に個人経営のクリニックでは、教育担当の先輩看護師が決まっているわけではなく、「見て覚える」「いきなり現場に入る」ことが前提になっていることもあります。

ブランクがある看護師にとっては、いきなり患者対応や採血、点滴といった実技を求められるプレッシャーは相当なもので、「できなかったらどうしよう」「失敗したら取り返しがつかない」という不安がつきまといます。

また、最新の感染対策や予防接種の手順がアップデートされていることも多く、確認する機会や指導を受ける機会が限られていることは、大きな不安材料となります。

院長の方針に職場環境が大きく左右される

クリニックの運営は、病院のような組織構造ではなく、院長がトップダウンで方針を決定するケースがほとんどです。そのため、働く環境や人間関係、業務のやり方に関しても、院長の性格や考え方が色濃く反映されます。

例えば、「効率重視」で説明なく仕事を任される院長もいれば、「患者第一主義」でスタッフには余裕を持たせる方針の院長もいます。

職場選びを間違えると、自分の価値観や働き方と大きくズレを感じてしまい、精神的なストレスにつながることもあります。さらに、小規模であるがゆえに人間関係のトラブルが起きやすく、逃げ場がないというリスクもあります。

看護以外の雑務も任されることが多い

クリニックでは、看護師を含む、スタッフの人数が限られているため、受付対応や電話対応、備品管理、清掃などの「看護師以外の業務」を任される場面が多々あります

ブランク明けで「まずは看護師としての業務に集中したい」と考えていた人にとっては、「雑務が多くて肝心の看護に集中できない」と感じることもあるかもしれません。

とくに午前・午後で診療科が変わるクリニックや、季節によってインフルエンザ予防接種などの業務が一気に増える場合、臨機応変にさまざまな役割をこなすスキルが求められます。柔軟な対応が得意でない人や、役割が明確に分かれている環境を望む人にとっては、クリニック特有の看護師の働き方がストレスになる可能性もあります。

少人数ゆえに急な変化に対応しづらい

クリニックでは、看護師が1〜2名体制で回していることが珍しくありません。

そのため、誰かが急に休んだ場合や、予想以上に患者が来院した場合、看護師一人ひとりの負担が急激に増すことがあります。

ブランクからの復職直後は「少しずつ感覚を取り戻したい」「落ち着いて仕事に慣れたい」と思っていても、現実にはそう悠長に構えていられない場合もあります。とくに午前中の外来が集中する時間帯などは、次々に患者対応をこなす必要があり、焦りやプレッシャーを感じやすくなります。

さらに、少人数体制のクリニックでは、子育て中の看護師にとって、子どもが急に熱を出した場合などに早退の対応が難しい職場も少なくありません

スキルアップ・キャリア形成の機会が限られる

クリニックでは業務がルーチン化しやすく、特定の診療科に偏った看護業務になる傾向があります。

たとえば内科や皮膚科では注射やバイタルチェックが中心となり、複雑な処置や高度な技術を使う機会はあまりありません。

そのため、「せっかく復職したからにはスキルアップしたい」「将来的にはまた病棟勤務も考えたい」という看護師にとっては、物足りなさを感じることがあります。また、専門性を磨く場が少ないことから、転職市場での評価が伸びにくいといった側面もあります。

ブランク看護師がクリニック復職を成功させるポイント・体験談

ブランク看護師がクリニック復職を成功させるポイント・体験談

ブランクがあるからといって、看護師としての再スタートを諦める必要はまったくありません

むしろ、多くの医療機関が慢性的な人手不足に悩んでおり、経験豊富な看護師の復職は強く求められています。中でもクリニックは、働きやすい環境と柔軟な勤務体系を提供していることから、ブランク明けの看護師にとって理想的な復職先といえるでしょう。

しかし、看護師として復職を成功させるためには、自分に合った職場選びや、準備の仕方が非常に重要です。

何となく再就職先を決めてしまうと、早期離職やミスマッチにつながる可能性もあり、ブランク看護師がクリニック復職を成功させるために意識したいポイントを私の経験を含めて説明していきます。

ブランク看護師に教育する余裕がないクリニックは避ける

クリニック選びの大前提として、ブランクのある看護師を教育する余裕がない職場は避けるべきです。

クリニックには、病棟勤務とは異なる独自の業務内容が存在することが多く、いくら病棟経験が豊富でも「やり方がわからない」「初めて経験する業務」に直面することがあります。たとえば、診療補助以外に、薬の準備や会計補助、事務作業、予防接種や診察予約の対応など、クリニック特有の役割を担うこともあります。そのため、特にクリニック勤務の経験がない方は、これらの業務を丁寧に教えてくれる教育的な余裕と雰囲気のある職場を選ぶことが重要です。

また、注意したいのは看護師が1〜2人しかいない少人数体制のクリニックです。

このような職場では、「わからないことがあっても聞ける相手がいない」「即戦力として即座に動くことを求められる」といった状況に陥りやすく、ブランク明けで不安がある看護師にとっては非常にプレッシャーの大きい環境となります。小規模なクリニックではこのような体制が珍しくないため、事前に職場の規模やサポート体制を確認することが大切です。

看護師の体験談

私がクリニックへ復職した際は、初めは看護の手技や対応のひとつひとつに自信が持てず、不安で仕方ありませんでした。
しかし、クリニックに常勤で勤務している看護師が多い職場で、無理に即戦力を求められない環境でした。そのため、看護業務に焦らずに少しずつ慣れていくことができました。
看護師のブランク明けの復職には、安心して学べるクリニックを選ぶことが大切だと感じています。

見学・職場体験で雰囲気を確認する

クリニックの看護師求人票だけではわからないことが、職場の「雰囲気」や「人間関係」です。

看護師として復職する際に、実際に働くスタッフや職場の空気感が自分に合うかどうかは、長く働くうえで非常に大きなポイントになります。そのため、可能であれば事前に職場見学や体験勤務をお願いしてみるのがおすすめです。

実際に見学してみることで、「スタッフ同士のコミュニケーションは活発か」「忙しすぎてピリピリしていないか」「院内は清潔で整っているか」など、細かい点にも気づくことができます。看護師としてブランクがあるからこそ、無理なく働ける職場を見極めるために、現場の空気を感じ取ることは非常に重要です。

看護師の体験談

私が復職を考えていたとき、実際にそのクリニックに見学を申し込んでみたところ、スタッフの雰囲気や働き方を自分の目で確認できたことで、「ここならやっていけそう」と前向きな気持ちになれました。最近では見学歓迎のクリニックも多いため、思い切って見学に行くことをおすすめします。

クリニックの面接では看護師のスキルを正直に伝える

ブランクのある看護師がクリニックに復職する際、面接で自分のスキルや現状を正直に伝えることは非常に重要です。入職後に「思っていた仕事内容と違った」「もっとできると思っていたのに…」といったミスマッチが起こらないためにも、面接時の自己申告は慎重に行いましょう。

特に、クリニックは看護師も含め、少人数体制で業務を回していることが多く、フォロー体制が病棟ほど手厚くない場合があります。そのため、「すぐに動けます」「だいたいのことはできます」といった看護師としてのスキルの過剰な自己評価は、かえって自分を苦しめる原因になってしまいます。

実際にブランクがあっても看護師としてのスキルに自信がある場合でも、面接では過信せず、事実だけを冷静に伝えることを心がけましょう。正直な自己申告が、入職後のギャップを防ぎ、自分自身を守ることにもつながります。

看護師の体験談

私自身もクリニックの面接の際、「ブランクが長くて看護師の技術に不安はあるけれど、できるようになるよう努力していきたい」と正直に伝えました。
最初は「そんなふうに言って採用されるのか」と不安もありましたが、逆にその誠実な姿勢を評価してもらえたと感じています。
「できない」ことは「できない」と伝えた上で、学ぶ意欲があることをしっかり示すことや、看護師としての経験・プライドを手放し、もう一度一から学ぶ覚悟を持つこと。それがブランク明けの復職には欠かせない姿勢なのだと私は感じます。

必ず復職セミナーを受けてからクリニックへ復職する

ブランク看護師がクリニックへの復職が決まったとしても、油断は禁物です。復職前には必ず復職セミナーを受講し、看護技術の再確認など事前の準備を万全にしておくことがおすすめです。

(※クリニックに採用が決まってからでは不安な方は、採用前にお住まいの地域のナースセンター等の復職セミナーに参加しておきましょう。)

復職セミナーは、各都道府県の看護協会、市町村、病院などが主催しており、地域によって内容や形式が異なりますが、多くは無料で受講できるものが多く、インターネットなどで情報を簡単に検索できます。

講義内容には多少の違いがあるものの、クリニックの看護師として必要な採血や点滴は多くの復職セミナーで共通して扱われており、そのほかにも救急蘇生法や感染対策などが含まれる場合もあります。自分のブランク年数や不安のある分野に合わせて、適切な内容の講座を選んで受講することがおすすめです。

看護師の体験談

クリニックでは高度な看護技術を求められることは少ないものの、採血や点滴の技術はほとんどの職場で必要とされます。ブランクがあると、看護師としての知識や経験があっても手技の感覚が鈍っていることがあり、「手順は理解していても、いざ患者を前にすると自信がない」と不安に感じることもありました。
また、クリニックによっては求められる看護技術に違いがあります。例えば、小児科クリニックなどの場合は、点滴や採血は医師のみが行うケースなどです。実際に働く前にその職場でどのような技術が必要なのかを確認しておくことも大切だと感じます。

家庭との両立を意識した職場選び

出産・育児や介護などを経てクリニックへの復職を考える看護師にとって、家庭との両立ができるかどうかは非常に大きな課題です。

「保育園の送り迎えに間に合う勤務時間か」「学校行事に対応できる休暇制度があるか」「急な欠勤に理解があるか」といった点は、事前に確認しておきたい要素です。

特にクリニック勤務は、午前診・午後診の2部制が多く、働き方の選択肢が広がりやすい環境である場合が多いです。「午前中のみ」「週3日だけ」などの時短勤務を希望する場合でも、柔軟に対応してくれるクリニックは少なくないでしょう。

また、子育て中などの看護師が多いクリニックでは、スタッフ同士で協力しながらシフト調整をしている職場であれば、突発的な家庭の事情にも対応しやすいのが魅力です。

看護師の体験談

私も復職するときは「フルタイムが当たり前」と思い込んでいましたが、クリニックで週2〜3日・1日4時間の看護師パートから始めることができて、本当に助かりました。
無理のないペースで少しずつ職場に慣れていけたことが、ブランク明けの私にはちょうど良かったと思います。また、夫の扶養内で働けるシフトを調整してもらえたのも安心材料でした。

ブランク看護師のクリニックへの復職求人が多い転職サイト

ブランク看護師のクリニックへの復職求人が多い転職サイト

ここまでご紹介してきたような、看護師がクリニック復職を成功させるためのポイントは、「教育体制の整った職場を選ぶ」「見学で雰囲気を確認する」「無理のない働き方からスタートする」といったことは、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することで、よりスムーズに実現できるためおすすめです。

以下でご紹介する看護師転職サイトは、ブランクのある看護師が働きやすい職場や、教育やサポートが整っているクリニックなど、希望に合った求人を提案してくれます。また、面接の前に職場の雰囲気や人間関係、求められる技術レベルなども詳しく教えてくれるため、「入ってからのミスマッチ」が起きにくくなります。

さらに、勤務日数や時間、扶養内での働き方など、家庭との両立を考慮した条件交渉も代行してくれるので、看護師ひとりで探すよりも安心して復職準備を進めることができます

看護師としてブランクがあるからこそ、転職活動を「一人で頑張りすぎない」ことが大切です。

各看護師転職サイトから提案される求人が異なるため、3社とも登録しながらより条件が良い、クリニックの求人を紹介してもらいましょう。

看護師求人数No.1!レバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数130,165件(2025年6月2日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤
対応施設総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護(旧・看護のお仕事)は、ブランクのある看護師や復職を目指す方に特におすすめの看護師転職サイトです。

その理由のひとつは、業界トップクラスの求人数を保有しており、選択肢が非常に豊富であること。復職にあたって「自分に合った職場をじっくり選びたい」という看護師にとって、大きな安心材料になります。

また、院内の雰囲気や人間関係など、実際に働く前にはわかりにくい情報も詳しく把握しているため、「入職してからのミスマッチ」を防ぎやすい点も魅力です。さらに、転職支援サービスの内容が非常に手厚く、履歴書の添削から面接対策、条件交渉までフルサポートしてもらえるため、久しぶりの就職活動でも安心して進められます。

そして何より、担当者がブランクのある看護師の不安や課題をよく理解しており、一人ひとりに寄り添った対応をしてくれる点も、多くの復職者に選ばれている理由のひとつです。

復職に不安を感じている方は、レバウェル看護は必ず活用しておきましょう。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

担当者が丁寧で親切!マイナビ看護師

マイナビ看護師

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名マイナビ看護師
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数81,306件(2025年6月2日時点)
非公開求人とても豊富(保有求人全体の約40%非公開)
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
対応 雇用形態正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
対応 勤務形態常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
対応施設病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他
対応 診療科目美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
対応配属先病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・転職の相談から行える
・キャリアアドバイザー親切丁寧
・退職交渉も可能
・企業系のレア求人を豊富に保有

マイナビ看護師は、担当者は非常に丁寧で親切な対応をしてくれるうえ、看護師の仕事内容や職場の実情にも詳しく、安心して相談することができます。

ヒアリングでは、看護師のライフプランやキャリアプランにしっかりと耳を傾けたうえで、それに合った求人を提案してくれるため、「今後どのように働いていくか」を一緒に考えていきたい方にもぴったりです。

復職を検討している看護師の方は、まず登録をして相談してみることをおすすめします。

公式サイト:https://kango.mynavi.jp/

熟練した転職プロ!ナースではたらこ

ナースではたらこ

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名ナースではたらこ
運営会社ディップ株式会社
公開求人数94,878件(2025年6月2日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある

ナースではたらこは、担当者が熟練した転職のプロであるため、復職時の希望条件が多い方や、ブランクが10年以上ある方、すでに検討中の病院・施設がある方に特におすすめです。

担当者が親身になって復職後の働き方を一緒に考えてくれるだけでなく、掲載されていない非公開求人を紹介されることも多く、勤務時間や勤務地、託児所・看護師寮の有無など細かな条件にも柔軟に対応してもらえるのが魅力です。

ブランクがあって復職を希望する看護師の方は、併せて活用しておきましょう。

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

まとめ

看護師としてのブランクがあると、「自分にできるだろうか」「迷惑をかけないか」といった不安がつきものです。しかし、同じような悩みを抱えながらも、多くの看護師がクリニックという職場で無理なく、そして自分らしく再スタートを切っています。

夜勤なし・残業少なめの働き方、地域密着で患者との距離が近い環境、そして柔軟な勤務スタイル等のメリットを活かせば、家庭や生活と両立しながらも看護のやりがいを再発見できるはずです。また、復職支援制度やパート勤務など、ブランクを前提にした受け入れ体制も少しずつ整ってきています。

大切なのは、「ブランク=弱み」ではなく、「経験の幅」として自信に変えていくことが重要だと私は考えています。

あなた(看護師)の経験や思いやりが、いま必要とされている場所が必ずあると思います。復職への一歩は勇気がいりますが、応援しています。頑張ってください。

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代表取締役辻󠄀 昌彦
設立2015年6月
資本金14,000,000円
事業内容
  • 有料職業紹介事業
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厚生労働大臣許認可有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509
(厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細
特定募集情報等提供事業:51-募-000760
連絡先03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00)
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総合監修者

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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