眼科看護師の悩みやつらいこと！体験事例から解決策まで

看護師の中でも、「眼科」は特殊な診療科として位置づけられています。「楽そう」「清潔で綺麗な仕事が多い」など、メリットばかりが強調されがちですが、実際に働いてみると他の診療科とは異なる悩みも多く存在します。

眼科クリニックならではの業務内容や職場環境に戸惑い、「思っていたのと違った」と感じる看護師も少なくありません。しかし、事前に悩みのポイントを把握し、適切に対処することで、眼科看護師としてのキャリアを充実させることが可能です。

この記事では、眼科看護師が直面しやすい悩みやつらいことをピックアップし、その解決策を私の経験から詳しく解説していきます。眼科でのキャリアに不安を感じている方、今まさに悩んでいる方へ向けて、経験豊富な眼科看護師がスッキリ解決するヒントをお届けします。

執筆・監修看護師

森野 看護師

• エリア：香川県在住
• 保有資格：看護師
• 職務経験：総合病院、クリニック、有料老人ホーム
• 診療科経験：手術室、眼科

総合病院の手術室勤務を3年ほど経験した後、主に眼科クリニックで看護師としての経験を20年以上積んでまいりました。けっして順風満帆とはいえない失敗や挫折だらけの看護師人生でしたが、悩んだり辛い思いをしたりしている看護師さんたちを笑顔にする記事を提供できるよう頑張りたいと思います。

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勉強・スキルアップに関する眼科看護師の悩み・つらいこと

眼科看護師として働く中で、多くの人が「何を勉強すればいいのかわからない」「スキルアップできないのでは」といった悩みを抱えます。実際に私もその看護師のひとりでした。

眼科は他の診療科とは異なり、看護業務の範囲が限られることが多いため、不安に感じることもあるでしょう。以下では、そうした勉強・スキルアップに関する眼科看護師の悩み・つらいこと
の解決策を紹介します。

何を勉強したら良いのか分からない

眼科の仕事に携わるのが初めての看護師によくある悩みの一つです。眼科は他の診療科と比べて、看護師本来の業務とは異なる要素が多く、看護学生時代に詳しく学ぶ機会も限られています。

そのため、「何を勉強すればよいのかわからない」と途方に暮れるのも無理はありません。

まず看護師として取り組むべきこと

最初に、眼科の新人看護師向けの分かりやすい参考書を手に入れることが大切です。「眼科ケア」という眼科領域の医療・看護専門誌が毎月刊行されており、新人向けの特集号や基本的な内容を取り扱った別冊が役立ちます。

これらを活用することで、「眼科看護」という未知の世界を歩くための地図を手にすることができます。

最低限、押さえておきたい知識

眼科クリニックによって看護師の業務内容は異なりますが、多くの場合、新人のうちは医師の診察介助に携わることで眼科の知識を深め、できることを増やしていく流れになります。

最初は何をしているのか分からず戸惑うかもしれませんが、眼科看護師として経験を積むことで全体像が見えてきて、次に自分が何をすべきかを予測できるようになります。

実践の中で学ぶべきこと

例えば、患者が「白内障」と診断された場合、その後の対応は経過観察か手術の予定を立てるかで変わります。

このように、日々の業務の中で先輩や医師から指導を受けながら学び、復習を重ねることが重要です。

地道な努力を積み重ねることで、一つずつ確実にスキルを身につけていくことができます。眼科の業務はパターン化されている部分が多いため、一度しっかり覚えてしまえば、後は楽になるのも事実です。

看護師の体験事例

看護師としてスキルアップできないと感じる

眼科看護の現場では、一般病棟と比較して看護師らしい業務が少ないというのは事実です。注射や点滴の機会は限られ、排泄介助・体位変換・清拭などの基本的な看護業務もほぼありません。医療処置を行う機会も少ないため、「看護師としてのスキルアップが難しいのではないか」と不安に感じることもあるでしょう。

しかし、この事実をどのように受け止めるかが重要です。自身のキャリアビジョンを明確にすることで、この悩みを解決する道が見えてきます。

眼科看護師としてのスキルを磨く選択肢

看護師が眼科クリニックで働き続けることで、一般的な看護スキルは身につきにくいかもしれませんが、眼科看護の専門知識や技術を深めることはできます。

「看護師らしい仕事がしたい」なら早めの決断を

一方で、「看護師らしい業務をしたい」「スキルアップを重視したい」という思いが強いのであれば、早めに他の診療科への転職を検討するのも一つの選択肢です。

この決断は、あなたの将来にとって大きな意味を持ちます。自分がどのような看護師になりたいのかをしっかり考えた上で、後悔のない決断をすることが大切です。

給料などの待遇に関する眼科看護師の悩み・つらいこと

眼科看護師として働く中で、給料や待遇に関する悩みを持つ人も多いでしょう。夜勤がない分、一般病棟よりも給料が低い傾向にありますが、その分のメリットも存在します。ここでは、待遇に関する悩みとその解決策について解説します。

給料が少ない

眼科クリニックは、夜勤がない・残業が少ないという理由から、一般的な看護師よりも給料が低い傾向にあります。しかし、すべての眼科が低給与というわけではなく、待遇が手厚いクリニックも存在するため、条件の良い職場を根気強く探すことが重要です。

ただし、給料が高い職場では、「仕事がハード」「人間関係が悪く、定着率が低い」などの裏事情がある場合もあるため、慎重に判断しなければなりません。

給料と働きやすさのバランスを考える

現在、あなたが働いている眼科クリニックの職場が給料は低くても、以下のようなメリットがある可能性もあります。

「給料の高さ」だけを基準に転職を決めると、「転職したものの、以前の職場のほうが良かった」と後悔する可能性があります。給与面だけでなく、働きやすさやライフワークバランスを考慮し、慎重に判断することが重要です。

眼科は楽だと思って転職したのに思った以上に忙しい

「眼科は楽そう」というイメージを持って転職したものの、実際には忙しくて大変だったというケースもあります。

眼科クリニックの業務量は、施設の規模や運営方針によって大きく異なります。しかし、その実情を知らずに転職を決めてしまうと、想像以上の業務負担に戸惑うことになります。

眼科でも忙しい職場の特徴

もし現在の職場にやりがいを見出せず、勤務形態の変更も難しい場合は、転職の選択肢も視野に入れるべきです。

ただし、次の職場を決める際には、以下のポイントをしっかり確認しましょう。

転職前に確認すべきこと

「忙しくない職場」を優先すると、給料が低くなる可能性があるため、給与と業務負担のバランスを見極めることが大切です。転職を決める際には、実際に働いているスタッフの声を聞いたり、見学をしたりすることで、リアルな職場環境を把握することをおすすめします。

仕事の苦手意識に関する眼科看護師の悩み・つらいこと

眼科看護師として働く中で、「検査が苦手」「手術介助が苦手」といった苦手意識を持つ人もいます。最初は誰でも戸惑うことがありますが、経験を積むことで克服できることも多いです。

以下では、仕事の苦手意識に関する眼科看護師の悩み・つらいことへの解決策を紹介します。

眼科の検査が苦手

眼科では、視力検査や機器操作が多く、苦手意識を持つ人も少なくありません。最初はうまくできなくて当然なので、焦らず慣れることが大切です。

操作に慣れるためには、できるだけ多くの人に患者役になってもらい、検査機器に触れる機会を増やすことが効果的です。

また、手順を記載したメモをポケットに忍ばせることや、機器に操作方法を貼ると戸惑うことが少なくなります。ただし、患者に負担をかけないよう、難しい場合は先輩看護師に交代をお願いしましょう。

手術の介助が苦手

眼科の手術介助に苦手意識を持つ看護師の場合、繰り返しシミュレーションを行い、手術の流れを体で覚えることが大切です。

眼科の手術は基本的な流れが決まっているため、慣れればスムーズに対応できるようになります。しかし、医師との相性が合わず、手術介助している看護師がプレッシャーを感じることもあります。その場合は、手術介助を外してもらうか、転職を検討するのも選択肢の一つです。

看護師として苦手意識を持つことは自然なことですが、対策を講じることで克服できる場合が多いです。焦らず、自分のペースで成長していくことがおすすめです。

患者やスタッフに関する眼科看護師の悩み・つらいこと

眼科看護師として働く中で、患者やスタッフとの関係に悩むことも少なくありません。特に、視能訓練士（ORT）との関係や、患者対応での苦労は多くの看護師が直面する問題です。ここでは、それぞれの悩みへの対処法を紹介します。

視能訓練士（ORT）との関り方が難しい

視能訓練士（ORT）は眼科のプロであり、眼科検査に関しては看護師とは比べ物にならないほどの知識と技術を習得しています。

眼科クリニックによって看護師とORTの関係性はさまざまです。看護師の上司がすべてを管理しているケースもあれば、ORTがリーダーシップをとる職場もあります。ORTがトップである眼科クリニックでは、仕事への取り組み方が異なることもあるでしょう。

看護師が勤務している眼科クリニックが、どのような体制であっても、ORTとの関わりなしに眼科業務をこなすことは難しいため、謙虚な姿勢で学び、良好な関係を築くことが重要です。

看護師の体験事例

優柔不断で要求の多い患者に振り回されてしまう

眼科クリニックでは、眼鏡作成やコンタクトレンズ処方の際に、優柔不断な患者の対応に苦労するケースが多くあります。

例えば、何度も眼鏡の調整を求める患者、コンタクトレンズを片っ端から試したがる患者、コンタクトを怖がって装着できないのに処方を強く希望する患者など、眼科看護師にとって負担の大きい対応が求められる場面が少なくありません。

もちろん、患者に対して誠実に対応することは大切ですが、度を越した要求には適切に対応し、必要に応じて誘導することも重要です。

患者への対応の工夫

以下は、私が優柔不断だと思われる患者に行っていた対応例です。

通常、眼科クリニックには多くの患者が訪れるため、一人の患者に必要以上に時間をかけると、他の患者の診療が遅れる原因になります。新人看護師のうちは対応が難しいかもしれませんが、先輩看護師の対応を観察しながら、適切な対処法を身につけていくことが大切です。

患者が神経質すぎて正確な検査ができない

眼科クリニックで行う視力検査では、患者の自己申告が結果を左右するため、神経質な患者に対する対応が重要になります。

几帳面で完璧主義な性格の患者は、「はっきり見えないなら答えない方がよい」と考えてしまい、正確な視力を測定できないことがあります。このような状況を防ぐためには、看護師は患者に対し、検査の意義を事前にしっかり説明することが大切です。

視力検査の目的やデータを明確に伝え提供する

眼科クリニックで行う視力検査の目的は、「はっきり見えなくても、切れ目がわかるかどうかを判断すること」です。

そのため、「なんとなく右かな？左かな？と思ったら答えてください」と促すことで、正確なデータを得ることができます。患者が「確実に正解しなければならない」とプレッシャーを感じることなく検査に臨めるよう、リラックスした雰囲気を看護師が作ることも重要です。

また、視力検査の結果が不正確だと、誤った治療方針につながる可能性があります。

神経質な患者に適切に対応し、正しいデータを提供できるよう努めることが、眼科看護師としての大切な役割です。患者の心理に配慮しながら、医師が信頼できる検査結果を得られるよう工夫しましょう。

患者とのコミュニケーションを工夫する

神経質だと思われる患者には、以下のようにコミュニケーションを工夫することで、解決することもあります。

看護師として適切な声掛けやサポートを行うことで、患者の不安を和らげ、よりスムーズな検査につなげることができます。

子供の患者が泣き出したり、飽きてしまったりする

子供の視力検査は、泣いたり飽きたりしてしまうと進めるのが難しくなります。病院に対する恐怖心や不安から抵抗を示すこともあり、スムーズに検査を進めるためには工夫が必要です。

子供の警戒心を解く工夫

以下の方法を活用しながら、子供の緊張を和らげ、協力を得やすい環境を整えましょう。

特に、褒めたり励ましたりすることで、子供のモチベーションを高めることができます。少し大げさなくらいリアクションを取るのも効果的です。

診察時の注意点

充血や目のトラブルで来院した場合、泣いてしまうと正確な診察ができなくなります。そのため、以下のような工夫が求められます。

子供の扱いに慣れていないと難しいこともありますが、焦らず子供のペースに合わせながら対応することで、負担を軽減することができます。

待ち時間のクレームが多い

患者数の多いクリニックでよく聞かれる悩みです。眼科は他の診療科と比べて検査が多く、散瞳検査など一定時間待つ必要があるため、診察の順番が多少前後するのは避けられません。

そのため、あらかじめ患者に順番が前後する可能性を説明することが重要です。また、こうしたクレームの背景には「待ち時間が長い」という根本的な問題がある場合が多く、業務の効率化を図り、患者をできるだけ待たせない工夫を行うことが求められます。

クレームを防ぐための工夫

以下は私が患者のクレームを防ぐために工夫していることです。

参考にしていただきながら、対策を行っていきましょう。

看護師の体験事例

眼科看護師におすすめの求人・転職サイト

新しい眼科クリニックの看護師求人を探す場合や、眼科クリニック以外の職場を選択する場合は、看護師転職サイト（看護師専用の転職エージェント）を活用することをおすすめします。

看護師転職サイトを利用すると、院内の詳細な情報を提供してもらえる場合があり、不明な点や疑問点など直接聞きにくいことも、担当者が代わりに問い合わせてくれるため安心です。

また、新しい職場を検討している場合、転職・退職の理由整理や面接対策のサポートも受けられます。

さらに、希望する勤務条件や給与・時給を伝えるだけで、条件に合った職場の看護師求人をピックアップしてもらえます。事前見学のアポイントの設定も行ってくれるため、スムーズに転職活動を進められます。

以下で紹介する看護師転職サイトは、看護師求人が豊富で、常勤（正職員）や非常勤（パート・アルバイト）の求人も取り扱っています。まずは3社すべてに会員登録を行い、看護師求人を探すことが転職成功のポイントです。

看護師求人数No.1！レバウェル看護

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レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職サイトの中でも断トツに病院の看護師求人が豊富で、ハローワークの看護師求人もカバーしています。

さらに、年間5,000件以上、病院等に対してインタビューや情報収集を行っているため、眼科クリニックを始め、各施設の情報も正確に把握している可能性が高いです。また、担当者も丁寧にヒアリングを行ってくれるため、利用する看護師にも人気があります。

そのため、眼科クリニックから転職を希望する看護師の方は、必ず活用しておきましょう。

公式サイト：https://kango-oshigoto.jp/

病院や施設求人に強い！ナース専科 転職

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ナース専科 転職（旧 ナース人材バンク）は、各支店に専任担当が在籍しており、保有求人数も豊富で、病院や特に介護施設の転職に強い看護師転職サイトです。

地域担当制のキャリアパートナーが、各地域の詳細情報をもとに最適な求人を提案してくれるため、希望の求人が探しやすい特徴があります。

さらに、LINEで気軽に相談できるため、眼科クリニックに勤務中の忙しい看護師の方でもスムーズに転職活動を進められるため、登録を行っておきましょう。

公式サイト：https://www.nursejinzaibank.com/

キャリアの相談から可能！ナースではたらこ

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ナースではたらこは、非公開求人が豊富で。レバウェル看護の次に保有している看護師求人数も多く、バランスが取れた看護師転職サイトです。

また、看護師の正職員からパート・アルバイトまでの転職支援を積極的に行ってくれます。

さらに、看護師のキャリアの相談やライフスタイルの相談から始めることができる転職会社のため、眼科クリニックからの転職に悩んでいる看護師の方は活用がおすすめです。

公式サイト：https://iryo-de-hatarako.net/

まとめ

眼科看護師の仕事には、他の診療科にはない特有の悩みや課題があります。しかし、それらを理解し、適切に対処することで、より働きやすい環境を作り、スキルアップにつなげることができます。

私自身、何年経験を積んでも「まだまだ学ぶことがある」と感じることが多く、眼科看護の奥深さを実感しています。どれだけ勉強しても、どれだけ経験を重ねても、成長の余地は常にあるものです。

また、この記事で紹介した内容以外にも、より良い解決策があるかもしれません。経験豊富な眼科看護師の方々の意見や工夫も、ぜひ共有していただければと思います。

「さすが」と信頼される眼科看護師を目指し、日々努力を重ねていきましょう。皆さんの眼科看護のキャリアが、より充実したものになることを願っています。

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参考文献等

• 厚生労働省：探検・発見・看護！
• 日本看護協会：看護師のワーク・ライフ・バランス
• 厚生労働省：看護職員の現状と推移
• 厚生労働省：看護職員就業状況等実態調査結果
• 厚生労働省：看護師のキャリアと働き方支援サイト
• 厚生労働省：いきいき働く医療機関サポートWebいきサポ
• 職業紹介優良事業者認定制度
• 適正な有料職業紹介事業者の認定制度
• 労働基準法 | e-Gov法令検索
• 職業安定法 | e-Gov法令検索