第二新卒の看護師は転職できる?おすすめ職場とメリット・デメリット
「第二新卒の看護師は転職できるの?」「自分はいつまで第二新卒と呼ばれるの?」看護学校を卒業後1〜3年の早い段階でキャリアを見直そうとすると、多くの看護師がこうした疑問を抱きます。
早い段階での看護師としての方向転換は決してマイナスではなく、むしろ将来を見据えてキャリアを整えるための大切な機会でもあると、私は考えています。
第二新卒の看護師という立場は、臨床経験が浅いことから不安を感じやすい一方で、若さや柔軟性を評価されやすく、新しい環境で再スタートを切りやすいという大きな強みがあります。
以下では、第二新卒看護師の定義や扱われ方、一般的な新卒・既卒・中途との違い、よくある転職理由、メリットとデメリット、転職先の選び方、そして成功させるための具体的なポイントまでを、私の経験を踏まえながら、わかりやすく説明していきます。
執筆・監修
- エリア:千葉県在住
- 保有資格:看護師
- 経歴:総合病院、クリニック
- 診療科経験:呼吸器外科・内科、消火器外科・内科、循環器内科、心臓血管外科、婦人科、小児科、眼科
都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約5年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。
第二新卒看護師とは?
第二新卒看護師とは、看護学校や大学を卒業して一度は医療機関に就職したものの、1〜3年程度の早い段階で転職を検討する若手看護師を指します。
以下では、まずは第二新卒の看護師について詳しく説明していきます。
第二新卒の看護師はいつまで?
「第二新卒の看護師はいつまで第二新卒と呼ばれるのか」という点は、多くの転職希望者が気にする部分です。一般的には、第二新卒とは学校を卒業してから1〜3年以内に転職活動を行う人を指します。
看護師の場合もこの基準は大きく変わりませんが、臨床経験が3年を超えると「一人前」と認められる傾向が強いため、目安としては臨床経験2年目まで(社会人2年目程度の看護師)を「第二新卒看護師」として扱うケースが多いのが実情です。
看護師の体験談
一般的な第二新卒と看護師の違い
看護師は国家資格を持つ専門職であるため、一般企業のように「卒後何年で一律に区切る」というよりも、採用側は「どのくらい臨床経験を積んでいるか」「新人教育の延長線上にあるか」を基準にしています。
皆さんもご存じのように実際の看護師の現場では次のように見られる傾向があります。
- 卒後1〜2年で転職:典型的な第二新卒看護師。教育体制を重視して採用されやすい。
- 卒後3年で転職:第二新卒として扱われることは少なく、臨床経験を3年積んだ1人前の看護師として認められる傾向にある。
- 卒後4年以上:「第二新卒」というより、基本的には中途採用扱い。ただし経験の浅さによっては第二新卒に準じる扱いを受ける場合もある。
このように、「いつまでが第二新卒か」は明確に法律や制度で決まっているわけではなく、あくまで採用側の認識や教育体制の受け入れ方針に左右されます。とはいえ、看護師の転職市場においては卒後2年~3年目までを一つの区切りと考えるのが現実的でしょう。
第二新卒・既卒・中途等の看護師の違い
第二新卒と似たような言葉である「新卒」「既卒」「中途」との違いは以下の通りです。
第二新卒 | 看護学校卒業後1〜2年程度の若手看護師 |
---|---|
新卒 | 看護学校や大学を卒業して、初めて就職する看護師 |
既卒 | 看護学校卒業後にまだ就職経験がない看護師 |
中途 | 看護学校卒業後に一定の臨床経験(3年以上)を積んでいる看護師 |
注意点として、自治体が運営する公立病院(市立病院・町立病院など)や、市区町村の募集要項では「既卒」と表記されることがあります。
しかし、この場合の「既卒」は必ずしも「卒業後に一度も就職していない人」を意味するのではなく、一般的な「中途採用」と同じ意味で使われているケースもあるため注意が必要です。
公立病院や自治体の採用は、なぜ「既卒」が「中途」なのか
そのため、自治体の募集要項における「既卒」は、臨床経験の有無に関わらず、すでに資格を持っている看護師全般を指すことが少なくありません。
第二新卒の看護師が転職を考える理由
第二新卒の看護師が転職を考える背景には、人間関係や教育体制、配属先のミスマッチ、夜勤による体調不良など、さまざまな理由があります。経験が浅い時期だからこそ不安を抱えやすく、将来を見据えて早めに働く環境を見直す人も少なくありません。
以下では、第二新卒の看護師が転職を考える理由と私の経験を含めて説明していきます。
職場の人間関係が合わない
これは、第二新卒に限ったことではありませんが、看護師が離職を考える理由の中で、最も多く挙げられるのが「人間関係」です。
特に新人や第二新卒といった経験の浅い看護師は、日々の業務をこなしながら先輩や上司との関わり方に悩むことが少なくありません。教育係との相性が合わなかったり、職場特有の上下関係の厳しさに戸惑ったりすると、大きなストレスとなりやすいです。
さらに、経験が浅い段階では自分のスキルに自信が持てないため、指導の受け方ひとつでも心理的な負担が増してしまいます。その結果、「この環境で本当に長く働き続けられるのか」という不安が強まり、転職を考えるきっかけになるケースは少なくないでしょう。
看護師の体験談
配属先の病棟では教育係の先輩看護師と相性が合わず、苦労していたそうです。分からないことを質問しても「それくらい自分で考えて」と突き放されることが多く、業務中にミスをすると厳しい言葉をかけられる日々が続きました。
そのような環境で心身の負担が大きくなり、最終的には体調を崩して休職。その後、退職という選択を余儀なくされたのです。
教育体制やサポート不足を感じる
第二新卒の看護師は、まだ臨床経験が浅く、自立して働くためには研修や先輩からのフォローアップが欠かせません。本来であれば、基礎を振り返りながらスキルを段階的に身につけられる教育環境が必要です。
しかし、勤務する病院や施設によっては、看護師の人手不足や体制の不備から、十分な研修制度が整っていない場合があります。
その結果、まだ不安が残る段階にもかかわらず「看護師一人で患者対応を任される」「質問しにくい雰囲気の中で業務をこなさなければならない」といった状況に追い込まれることもあります。
看護師の体験談
さらに先輩看護師からの嫌がらせもあり、仕事を十分に教えてもらえず、自信を持てないまま働き続ける日々が続いていました。そのような状況では、不安や焦りが積み重なり、「もっと成長できる環境に身を置きたい」と考えるのは自然なことです。私自身の経験からも、早めの転職を選択肢として考えることをおすすめします。
配属先や診療科が希望と異なる
新卒で入職した看護師の多くは、必ずしも希望通りの診療科に配属されるとは限りません。人気の高い診療科や専門領域は希望者が集中するため、病院の人員配置や組織の事情によって、想定していなかった病棟に配属されるケースも珍しくありません。
その結果、「小児科を希望していたのに外科病棟に配属された」「急性期で経験を積みたいのに療養型に配属された」など、理想と現実のギャップを感じることがあります。
特に将来的に専門性を高めたいと考えている看護師にとっては、キャリア形成に直結する問題であり、このまま勤務を続けても自分の目標に近づけないという焦りにつながります。
夜勤や勤務体制が身体的に合わない
病棟勤務の大きな特徴のひとつが、夜勤や不規則なシフト勤務です。昼夜逆転の生活は体内リズムを乱しやすく、睡眠不足や疲労の蓄積を招きます。
特にまだ夜勤に十分慣れていない第二新卒の看護師は、体調管理が難しく、頭痛や胃腸不良、強い倦怠感といった不調を繰り返すケースも少なくありません。
また、変則勤務は生活リズムを整えにくいため、プライベートや家族との時間が確保しづらくなります。「このままの働き方を続けていけるのだろうか」という将来への不安が募り、転職を検討する大きな理由につながります。
看護師の体験談
その結果、病棟での夜勤勤務を「長くは続けられない」と感じ、日勤のみのクリニックや、美容に関心を持ち美容クリニック(美容外科・美容皮膚科)へ転職する看護師も増えています。
キャリア形成への不安がある
看護師として長く働くうえで、「どの分野で専門性を磨きたいのか」「将来どのようなキャリアを描きたいのか」を考えることは欠かせません。しかし、第二新卒の段階では、今の職場で十分にスキルや経験を積めていないと感じるケースが多々あります。
例えば、急性期医療に携わりたいのに慢性期病棟に配属されてしまった場合や、専門看護師・認定看護師を目指したいのにキャリア支援制度が整っていない病院に勤務している場合です。
このような環境では、自分が思い描くキャリア像と実際の経験との間にギャップが生じやすく、早い段階で「このままで大丈夫だろうか」という不安が募っていきます。経験が浅いからこそ軌道修正がしやすい時期でもあるため、キャリア形成への不安は転職を検討する大きな理由の一つとなります。
ワークライフバランスを重視したい
第二新卒の時期は、結婚や将来のライフスタイルを意識し始めるタイミングとも重なります。
そのため「もう少し休みを取りやすい職場で働きたい」「仕事だけでなくプライベートの時間も大切にしたい」と考えるのはごく自然なことです。まだキャリアの方向性が固まりきっていないからこそ、働き方を見直す柔軟性を持てるのも第二新卒の強みといえるでしょう。
近年は看護師の転職理由として「ワークライフバランスを重視したい」という声が増えており、病院や施設側も柔軟な働き方を提供する取り組みを進めていますが、すべての病院ではありません。
看護師の体験談
こうした職場は生活リズムを整えやすく、家庭や趣味との両立が可能になるため、長期的に安定して働く基盤を作ることができるためです。
第二新卒の看護師が転職するメリット
第二新卒の看護師には、若さや柔軟性を活かして転職活動を進められるという大きな強みがあります。以下では、一般的な第二新卒の看護師が転職するメリットを私の経験も含めて説明していきます。
転職時に若さと柔軟性が評価されやすい
第二新卒の看護師は20代前半が中心で、社会人経験や臨床経験がまだ浅い分、柔軟性や吸収力を高く評価されやすい傾向があります。
採用側からすると「新人に近いので教育がしやすい」「一から丁寧に育成すれば長期的に戦力になってくれる」という期待を持ちやすく、ポテンシャルを重視した採用が行われやすいのです。
採用側からは長く働いてくれる期待もある
第二新卒看護師の20代前半という若さは体力的な面でも評価されやすく、急性期病棟など体力を必要とする職場でも「長く勤務を続けてくれるだろう」と考えられるケースが少なくありません。さらに、社会人としての考え方が固まりすぎていないため、職場の文化や方針に馴染みやすい点もメリットです。
同期との差を感じにくい
第二新卒の看護師は、新しい職場でも同世代や同じように経験の浅い看護師が多いため、同期との差を感じにくいというメリットがあります。
経験年数に大きな差があると「自分だけスキルが足りないのではないか」と不安を感じたり、周囲と比較して劣等感を抱いたりすることがあります。しかし第二新卒であれば、まだ看護師のキャリアのスタートラインに近い仲間と働ける可能性が高く、安心して成長を目指せるます。
また、同じ時期に転職してきた看護師や新卒に近い世代の同僚が多い環境では、互いに励まし合ったり情報交換をしたりしながらスキルを伸ばすことができます。孤立感が少なく、自然と人間関係を築きやすいため、働きやすさや定着率の向上にもつながります。
教育体制のある病院で再スタートできる
第二新卒の看護師は、新卒に近い立場として扱われることが多く、研修や教育プログラムを再度受けられる病院が多い点も大きなメリットです。
特に大規模な総合病院や公立病院では、新人研修に加えてフォローアップ研修やメンター制度が整っていることが多く、第二新卒も対象に含まれるケースがあります。
そのため、一度臨床現場を経験したうえで「基礎を改めて学び直したい」「看護技術を再確認したい」と考える人にとっては、再スタートを切る大きなチャンスになります。
また、教育体制が整っている病院に転職することで、技術や知識の不足を補いながら自信を取り戻すことができ、結果として長期的な看護師のキャリア形成につなげやすくなるでしょう。
看護師の体験談
早期にキャリアの方向転換・修正がしやすい
第二新卒の看護師は、働き始めてから1〜3年以内のタイミングであるため、臨床経験が浅い分だけキャリアの方向転換がしやすいという大きなメリットがあります。
さらに、看護師としてのキャリアがまだ固定化されていないため、方向転換を早めに行いやすいのが特徴です。「夜勤が合わない」「希望と違う診療科に配属された」といった気づきを、経験が浅いうちに修正できるのは大きな強みです。
例えば、急性期病院で忙しい勤務に追われていた看護師が「もう少し患者さん一人ひとりと向き合いたい」と考えて慢性期病院に転職するケースや、夜勤のある病棟から日勤中心の外来やクリニックへ移るケースは珍しくありません。
早い段階で自分に合った環境を選び直すことで、長期的に安定して働ける基盤を築くことができます。
ライフスタイルに合った職場を選びやすい
第二新卒の看護師は、社会人として働き始めて間もない時期だからこそ、自分のライフスタイルに合った職場を選び直しやすいというメリットがあります。
例えば「夜勤が少ない職場で働きたい」「家庭や趣味との両立を優先したい」「休日が安定して取れる環境に移りたい」といった希望を反映しやすく、柔軟に方向転換できるのは第二新卒ならではの強みです。
この段階であればキャリアが固定化されていないため、急性期病院から日勤中心のクリニックやデイサービス、訪問看護などへの転職も比較的スムーズに受け入れられます。また「まだ将来のキャリアを模索している時期」という理解を採用側から得やすいため、働き方を重視した転職がマイナス評価になりにくい点も特徴です。
第二新卒の看護師が転職するデメリットとは?
第二新卒の看護師は転職で得られるメリットがある一方で、経験の浅さゆえに不利になる場面もあります。採用側の評価や職場環境によっては、思わぬデメリットにつながることもあるため注意が必要です。
以下では、一般的な第二新卒の看護師が転職するデメリットを説明していきます。
すぐ辞める看護師という印象を持たれる可能性
第二新卒の看護師は、入職から比較的短期間で転職を検討するケースが多いため、採用側から「またすぐ辞めてしまうのではないか」という印象を持たれるリスクがあります。病院や施設は、看護師の人材育成に時間とコストをかけているため、早期離職は大きなマイナス要素と捉えられやすいです。
特に、履歴書や面接で「短期間で職場を変えた」という事実だけが目立つと、採用担当者に不安を与えてしまう可能性があります。
そのため、転職理由を伝える際には「前職の環境が自分に合わなかった」という説明だけでは不十分です。看護師として「なぜ環境が合わなかったのか」「次の職場ではどのように長期的に働きたいのか」を具体的に示すことが大切です。
看護師の体験談
教育体制が不十分な職場を選ぶリスクがある
すべての病院や施設が、第二新卒の看護師に対して十分な教育体制を整えているわけではありません。特に小規模の医療機関や慢性期病院では、中途採用は「即戦力」として働ける人材を前提にしていることが多く、入職後に手厚い研修や指導を受けられないケースもあります。
そのような環境に入ってしまうと、基礎を固める機会を逃してしまい、スキルが十分に身につかないまま業務を続けることになります。結果として「思うように成長できない」「このままではキャリアに不安が残る」と感じ、再度の転職を余儀なくされる可能性もあるのです。
第二新卒の転職では、教育体制やフォローアップ制度がどの程度整っているかを事前に確認することが非常に重要です。研修制度の有無やプリセプター制度、定期的な面談などの仕組みがあるかをしっかり調べ、自分の成長を支えてくれる環境を選ぶことが、長期的に安定して働くためのポイントとなります。
看護師の体験談
実際、私も病院から病院へ第二新卒時に転職した際は、教育体制を中心に求人を探しました。
「忍耐力が足りない」と見られるリスク
第二新卒の看護師が入職から早い段階で転職を考えると、採用側から「またすぐに辞めてしまうのでは」「忍耐力が足りないのではないか」と懸念されるリスクがあります。特に大学病院や急性期病棟といった厳しい環境を短期間で離職した場合、「困難を乗り越える力が弱いのでは」と受け止められる傾向が強まります。
看護師の採用や育成には多大なコストと時間がかかるため、病院や施設側としては「長く働いてくれる人材」を重視するのが当然です。そのため、早期離職の経歴はネガティブに映りやすく、転職活動においては不利に働く可能性があります。
看護師の体験談
面接や応募書類で「なぜ前職では続けられなかったのか」「次の職場ではどのように腰を据えて働きたいのか」を前向きに伝えることで、採用側に納得感を持ってもらうことができます。例えば「夜勤が続き体調を崩したため、日勤中心の職場で安定して働きたい」「教育体制の整った環境で基礎を学び直し、長期的にキャリアを築きたい」といった理由であれば、誠実さと成長意欲が伝わりやすいでしょう。
給与・待遇面で不利になることも
第二新卒の看護師は、経験者としての実績が少ないため、転職時に提示される給与や待遇が新卒とあまり変わらない場合があります。場合によっては「中途採用だから即戦力」と期待されながらも、給与は新卒寄りという矛盾を抱えるケースも見られます。
こうした転職時の給与のギャップは、働き始めてから不満につながる要因のひとつです。
看護師の体験談
その一方で、小規模な病院やクリニックでは「経験が浅い割に即戦力を期待される」という不公平感を覚える場面も少なくありません。
キャリアの積み重ねが浅いため選択肢が狭まることも
第二新卒の看護師は臨床経験が浅いため、希望するすべての診療科や職場に応募できるとは限りません。特に専門性が求められる診療科や、責任の重いポジションでは「臨床経験3年以上」といった応募条件が設定されているケースも多く、第二新卒では応募の対象外となってしまうことがあります。
その結果、「本当は専門領域で経験を積みたいが条件を満たせない」「役職に就きたいが実務経験が不足している」といった制約を感じる可能性があります。
キャリアの積み重ねが浅いからこそ、第二新卒での転職は「今後どのようにキャリアを築いていきたいか」を見据えた選択が欠かせません。短期的な条件だけで判断するのではなく、数年先を意識した職場選びをすることが、長期的な成長につながります。
看護師の体験談
ただし、ご自身のキャリアプランが明確であり、臨床経験が浅くても働ける職場で着実にキャリアを築けるのであれば、それも一つの選択肢と言えるでしょう。
この職場は第二新卒の看護師でも転職できる?
第二新卒の看護師は「経験が浅いから応募できる職場は限られているのでは」と不安に感じる方が多いかもしれません。ところが実際には、総合病院や公立病院だけでなく、クリニックや美容クリニック、さらには精神科やリハビリ病院といった幅広い職場が第二新卒を積極的に受け入れています。
ここでは「こんな職場も可能なのか」と意外に感じるかもしれない転職先について、それぞれの特徴と第二新卒でも採用されやすい理由を解説していきます。
大学病院・規模が大きい総合病院
第二新卒の看護師でも大学病院や規模が大きい総合病院への転職は十分に可能です。
これらの大規模病院は常に多くの看護師を必要としており、採用活動を積極的に行っています。夜勤体制や幅広い診療科を維持するには人員が欠かせないため、新卒だけでなく第二新卒や既卒も採用対象として歓迎されるのが特徴です。
大学病院の場合は、組織を重視する傾向があるため、ベテラン看護師よりも、仕事を一から教えることができる、第二新卒の看護師の方が入職しやすいと言えるでしょう。
補足説明
求人自体は豊富にありますが、勤務環境は忙しく体力的な負担が大きいため、転職する際には「教育体制があるか」「無理なく続けられるか」を見極めることが重要です。
公立病院(市立病院等)
第二新卒でも公立病院や市立病院への転職は十分に可能です。
これらの病院は地域医療を支える役割を担っており、常に一定数の看護師を確保する必要があります。そのため、新卒採用に加えて第二新卒や既卒を対象とした求人募集も多く、採用の門戸は広く開かれています。
また、公立病院は教育体制や研修制度が比較的整っている傾向があり、臨床経験が浅い第二新卒でも受け入れやすい環境があります。採用側も「地域に根ざして長く働いてほしい」という意識が強いため、年齢が若く柔軟性のある第二新卒は歓迎されやすいのです。
一方で、
補足説明
人気の高い公立病院(市立病院等)では応募者が多く競争率が上がる場合もあるため、「教育体制」「キャリア支援制度」「勤務地の安定性」などを見極めたうえで、自分に合った病院を選ぶことが大切です。
クリニック
第二新卒の看護師でも、クリニックへの転職は十分に可能です。
クリニックは地域に根ざした外来診療が中心で、規模が小さい分だけ常に安定した人材確保が求められています。病棟勤務とは異なり夜勤がない職場も多いため、ライフスタイルを重視して転職を希望する看護師から人気があり、その分求人も豊富に出されています。
採用側にとっても、第二新卒は柔軟性があり基礎的な看護スキルを習得しているため、業務に馴染むのが早いと評価されやすいのが特徴です。特に採血やバイタル測定、診療補助といった基本的な処置ができれば即戦力として期待され、教育コストも抑えられるため歓迎されるケースが多いです。
補足説明
また、診療科ごとの専門性が強く、入職後すぐに実務を任されることも少なくありません。そのため「どの診療科で働きたいか」「自分の適性に合うか」を明確にして応募することが重要です。
美容クリニック
第二新卒の看護師でも、美容クリニックへの転職は十分に可能です。
美容医療はここ数年で市場が拡大しており、全国的に新規開院が相次いでいるため、常に看護師の募集ニーズがあります。美容クリニックの多くは自由診療を中心にしており、夜勤がなく日勤勤務が基本となるため、ワークライフバランスを重視する若い世代の看護師からも人気があります。
採用側の視点から見ると、第二新卒は基礎的な臨床経験を持ちながらも、まだ柔軟に新しい知識やスキルを吸収できる点が評価されやすい立場です。美容クリニックでは医療行為に加えて接遇やカウンセリングスキルも重視されるため、社会人経験が浅く固定観念にとらわれにくい第二新卒は、患者対応に順応しやすい人材として歓迎されることが多いのです。
補足説明
給与水準が比較的高い一方で、売上や施術件数に応じた成果主義の側面があるため、「美容に関心がある」「接遇やサービス業的な対応にも前向きに取り組める」といった適性が必要になります。
精神科病院・精神科病棟
第二新卒の看護師でも、精神科病院や精神科病棟への転職は十分に可能です。
精神科医療は慢性的な人材不足が課題となっており、全国的に看護師の求人ニーズが高い領域の一つです。そのため、臨床経験が浅い第二新卒であっても応募できる求人が多く、採用の間口は広く開かれています。
精神科の現場では、医療行為そのものよりも観察力やコミュニケーション能力、患者さんの生活支援といったスキルが重視される傾向があります。第二新卒は臨床経験が浅い一方で柔軟性があり、新しい知識や対応方法を吸収しやすいため、教育や指導のしがいがある人材として評価されやすいのです。
また、精神科病院の多くはプリセプター制度や段階的な研修を設けており、経験が浅い看護師を受け入れる体制を整えています。採用側としても「若いうちに精神科の基礎を身につけてほしい」と考えるため、第二新卒の採用に前向きな病院は少なくありません。
補足説明
療養型病院・リハビリテーション病院
療養型病院やリハビリテーション病院も、第二新卒の看護師が転職しやすい職場の一つです。
これらの病院は長期的な入院患者や在宅復帰を目指す患者が多く、急性期病院に比べてゆったりとした環境で看護を行うのが特徴です。人員体制を安定させる必要があるため、慢性的に求人が出ており、臨床経験が浅い第二新卒でも採用されやすい傾向があります。
仕事内容としては、点滴や服薬管理といった基礎的な看護業務に加え、患者さんの日常生活のサポートやリハビリスタッフとの連携が中心となります。そのため、第二新卒でも無理なく業務に慣れることができ、基礎をじっくり身につけたい看護師にとっては適した環境です。
教育体制が比較的整っている病院も多く、「新人に近い立場」としてフォローを受けられることも少なくありません。
補足説明
そのため、将来的に専門性を磨きたいのか、患者と向き合う丁寧な看護をしたいのかといったキャリアの方向性を考えたうえで選択することが重要です。
第二新卒看護師におすすめの求人サイト
第二新卒として転職を考える看護師にとって、どの求人サイトを利用するかは非常に重要なポイントです。
臨床経験が浅い段階での転職は「自分のキャリアをどう築いていくか」を左右するため、できるだけ情報量が多く、第二新卒や若手看護師向けのサポートが充実しているサービスを選ぶことが大切です。
特に、看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)では、第二新卒を歓迎する求人がまとめて掲載されているほか、教育体制や研修制度が整った病院・クリニックの情報も豊富に掲載されています。さらに、担当のキャリアアドバイザーがついて、履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策、転職理由の伝え方まで丁寧にサポートしてくれるため、「第二新卒だから不利なのでは」と不安を感じている看護師でも安心して活動を進められるのが魅力です。
以下では、第二新卒の看護師に定評があり、かつ利用した看護師から満足度が高い看護師求人サイトを2つご紹介します。
第二新卒の看護師歓迎!レバウェル看護
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
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サイト名 | レバウェル看護(旧:看護のお仕事) |
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運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
公開求人数 | 129,415件(2025年9月1日時点) |
非公開求人 | 豊富 |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・看護師の転職求人が豊富 ・転職支援サービスが手厚い ・転職の相談から行える ・院内・施設内情報に強い |
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、第二新卒や若手の看護師から高い支持を得ている大手の看護師求人サイトです。全国の病院・クリニック・介護施設など幅広い求人を扱っており、その中には「第二新卒歓迎」や「教育体制あり」と明記された求人も数多く取り扱っています。
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転職を考える第二新卒の方や、求人をまずは探そうと思っている看護師の方は、必ず活用してください。
公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/
若手看護師にも利用しやすい!ナース専科 転職
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サイト名 | ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク) |
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運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
公開求人数 | 20万件以上 |
非公開求人 | 豊富(会員限定のレア求人あり) |
対応職種 | 正看護師、認定看護師、准看護師、助産師、保健師、管理職 |
対応 勤務形態 | 常勤、常勤(日勤のみ)、常勤(夜勤あり)、常勤(夜勤のみ)、非常勤 |
対応施設 | 病院、クリニック、訪問看護、企業、保育園、幼稚園、学校、その他 【介護施設】 居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問介護事業所、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、デイケア事業所、小規模多機能、訪問入浴事業所、看護小規模多機能居宅介護、有料老人ホーム、デイサービス事業所、グループホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者専用住宅、ショートステイ事業所、訪問リハビリ事業所、介護医療院 |
対応 診療科目 | 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
対応配属先 | 病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・東証プライム上場企業 ・支店が多く地域密着&チーム制で転職をサポート ・職場のリアルな情報を共有することも可能 ・2025年オリコン顧客満足度®調査 看護師転職3年連続No.1 ・LINE対応 |
ナース専科 転職は、看護師向けの専門サイトとして長年の実績を持ち、第二新卒や若手看護師にも利用しやすい転職サービスです。
新卒看護師の時に「ナース専科」にお世話になった方も多いのではないでしょうか。
提案される求人は病院からクリニック、介護施設まで幅広く、特に「教育体制あり」「研修制度が充実」といった第二新卒向け看護師求人も豊富です。
レバウェル看護と併せて活用してきましょう。
公式サイト:https://www.nursejinzaibank.com/
まとめ
第二新卒の看護師は「卒後1〜3年以内に転職を考える若手層」を指し、経験の浅さゆえに不安を感じる方も多いですが、若さと柔軟性を武器にキャリアを修正できる大きなチャンスでもあります。
教育体制の整った総合病院で基礎を学び直す、公立病院で安定した待遇を得る、クリニックや療養型でワークライフバランスを整える、専門病院で特定領域に特化するなど、選択肢は多岐にわたります。
重要なのは「なぜ転職するのか」「将来どんな看護師になりたいのか」を明確にし、ポジティブに伝える準備を整えることです。短期間での離職はマイナスに映る可能性がありますが、前向きな理由と今後の成長意欲を示せば不利にはなりません。
情報収集を怠らず、自分に合う職場の条件を整理し、転職時期を見極めることで、納得のいく再スタートを切ることができます。
第二新卒での転職は「失敗のやり直し」ではなく「未来を見据えた軌道修正」です。焦らず、戦略的に行動することで、長く安心して働ける看護師としてのキャリアを築いてください。
最後までありがとうございました。
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運営会社 | 株式会社peko |
---|---|
会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
|
厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
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