勤務先別の看護師転職

手術室(オペ室)看護師の仕事内容や向き不向き!転職する注意点

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手術室(オペ室)で働く看護師の呼び方は様々で、「手術室看護師」「オペ看」「オペナース」「手洗い看護師」などと呼ばれます。

手術室看護師は、テキパキとかっこよく仕事をしているイメージや、他の病棟から見ると「怖い」イメージがある方も多いのではないでしょうか

病院の手術室は、閉鎖的で独特な雰囲気があり、病棟とは全く異なった空間です。

このページでは、手術室(オペ室)で働く看護師の仕事内容(器械出し・外回り)、働くメリット・デメリット、手術室看護師の向き不向き、初めて手術室へ看護師転職する場合の注意点とポイントを看護師の体験事例も含めて解説していきます。

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目次

手術室(オペ室)で働く看護師の仕事内容

手術室(オペ室)で働く看護師の仕事内容

手術室(オペ室)で働く看護師は、医師(執刀医)やその他のスタッフ(麻酔科医、臨床工学技士など)・患者の手術を安全に円滑に行うことが出来るよう支援することが大切な仕事内容となり、看護師はチームが連携してベストを尽くせるよう調整役として立ち回ります。

手術室で看護師として勤務する場合、仕事内容の詳細は以下の2つに分かれていることが一般的です。

  1. 直接介助(機械出し):手術中に直接医師に器械出し介助を行う仕事
  2. 間接介助(外回り):手術をスムーズに行うために手術前・手術後のサポート全般を行う仕事(器械出し看護師の仕事以外の全てを担当する)

どちらの仕事に関しても、看護師は手術室という非日常的で極度の緊張状態に置かれる患者に一番近い存在として、代弁者となることも大切な仕事になります。

意識のある患者の不安の軽減に努めることや、全身麻酔下で何も言うことの出来ない患者の状況を看護師が判断し、出来る限り苦痛のないようにケアを行います。

看護師としては、患者が安全・安楽に手術を終えることが大きな目標となる仕事です。

以下で具体的に「直接介助(機械出し)」「間接介助(外回り)」の手術室看護師の仕事内容について、体験事例も含めながら詳しく説明していきます。

直接介助(機械出し)の仕事内容

直接介助(機械出し)の仕事内容

手術室(オペ室)で働く看護師の仕事内容の1つに「直接介助(機械出し)」があり、医師(執刀医や助手)の介助を直接行う器械出しを行います。

※よくテレビドラマである『医師「メス!』『看護師「はいっ!」』というのは直接介助・器械出しの看護師です。また、直接介助(機械出し)の看護師は、執刀医や助手と同様に手を洗い手術に臨むことから「手洗い看護師」とも呼ばれています。

看護師は、手術準備・手術開始から終了まで医師が使う器械を言われたら手渡し、時には次に何を使うか予測してあらかじめ準備し、手術が滞りなく行われるよう介助します。

 

直接介助(器械出し)を行う看護師の仕事の流れ

「直接介助(機械出し)」の仕事は以下のような流れで進みます。

手術準備
  • 使用予定の器械と資材を準備
  • 器械と資材を清潔野に出す
  • 手洗いし器械展開を実施
  • ガーゼ、針、器械などの術前カウントを実施
患者入室
  • 執刀医に必要なものを確認
  • 間接介助(外回り)の看護師と一緒に患者への麻酔導入の準備・介助
手術開始
  • 適切なタイミングで執刀医や助手に器械類を渡す
  • 間接介助(外回り)の看護師に手術の進行状況を報告
  • 足りない器械や資材を間接介助(外回り)の看護師に準備を依頼
  • 検体の取り扱いを執刀医・助手に確認
手術終了
  • ガーゼ、針、器械のカウント(数が合っているかを確認)
  • 患者のレントゲン撮影の介助
  • 患者の退室まで間接介助(外回り)の看護師を支援
患者退室
  • 手術室の片づけを行い終了
看護師の体験事例

執刀医や助手への手術器具を看護師が手渡しするのですが、医師が手術に集中する事ができるよう全面的にサポートする事が重要した。
また、私は自分で判断し的確に手術器具を手渡しする事ができる知識も必要で、経験と勉強が常に必要でした。

 

器械を素早く準備・予測し、安全に手渡す

手術室(オペ室)で直接介助(器械出し)を行う看護師の一番の仕事内容は、医師が求める器械(メス、ガーゼ、針など)を素早く準備・予測し、執刀医や助手に安全に手渡すことです。

患者や執刀医、助手のことを考え、出来るだけ手術時間を短くする必要があり、看護師はどのような手術が行われており、どのような器械が必要になるか予測することで器械類の準備を行います。

看護師の体験事例1

看護師の体験事例手術中はいつ何時状況が変わるかわからないため、患者を初め、その手術室で対応する全ての医療従事者のチームワークを大切に仕事していました。
術式変更、患者様の状態変化等が生じた時は状況を把握している必要がありますので声を掛け合っていました。
また、手術ではメスや注射針、縫合新など危険物を取り扱う場面が多く、とても危険です。

看護師の体験事例2

看護師の体験事例手術で使用する器械は鋭利なものが多く、看護師も含めたスタッフが感染のリスクと背中合わせの環境となるためスタッフの安全を守ることも看護師の仕事です。
また、私は緊急時に必要になるものもすぐに使える位置に準備しておくことでリスクを最小限に抑えること看護師として行っていました。

看護師の体験事例3

看護師の体験事例私は手術室で働いていた新人看護師の頃は、この器械出し業務に緊張する気持ちが強くありました。
また、想像以上の出血をした場合でも医師に「ガーゼ」と言われるまでガーゼを渡さないことがあり、医師に「言われなくても出血したときは絶対ガーゼが必要なのだからすぐにちょうだい!手渡さなくても僕がとれる場所に置いておくだけでもいいから」と言われたことを鮮明に覚えています。
初めは誰でも緊張すると思いますが、私は徐々に慣れてくるうちに、この器械出し業務「楽しい」という気持ちに変わりました。

 

器械の滅菌状態を保つこと

術野(手術を行っている、目で見える部分のこと)で使う器械は全て滅菌されたものを利用する必要があり、器械が常に清潔な状態にあるようにしっかり管理を行うことも、直接介助(機械だし)を行う看護師の仕事内容の一つです。

また、多くの出血を伴う手術では、器械に血が多く付着してしまうため、看護師は手元に濡らしたガーゼ等を用意し、綺麗に拭き、執刀医や助手に看護師が手渡します。

看護師の体験事例

看護師の体験事例器械は落としてしまうと使えなくなる為、医師が無意識に術野付近に置いた器械にも目を向けて落ちないようにする必要があります。
しかし、執刀医や助手は器械を看護師に返してくれず、よく自分の近くにポンと置くだけのことがあります。そのため、私はすぐにまた使用するものでなければタイミングを見計らって回収するように心がけていました。

間接介助(外回り)の仕事内容

間接介助(外回り)の仕事内容

手術室(オペ室)の間接介助(外回り)を行う看護師は、手術中はもちろん、手術前、手術後のサポート全般の仕事内容となります。

 

間接介助(外回り)を行う看護師の仕事の流れ

間接介助(外回り)を行う看護師の仕事は以下のような流れで進みます。

手術準備
  • 手術室のセッティング
  • ME機器の確認
  • 点滴ライン等固定するテープの用意
  • 手術中使用する薬の用意
患者入室
  • 病棟看護師から申し送りを受ける
  • 患者にモニター類を装着(患者の不安の軽減に努める)
  • 麻酔導入の介助を行う(ライン確保や挿管介助など)
  • バルーンカテーテルを挿入
  • 体位固定を行う(患者の安全安楽を意識)
  • 執刀医・助手や器械出しオペ看が動きやすいようセッティング
手術開始
  • ME機器や無影灯の調節
  • 適宜患者の体位の確認
  • 看護記録を入力
  • 器械類や薬剤を準備
  • 出血量のカウントを行う
  • 執刀医の代わりに電話に出る
  • 執刀医・助手の汗を拭いたりする
  • 術後病棟へ帰るベッドを準備
手術終了
  • 患者の清拭
  • 患者のレントゲン撮影の介助
  • 患者の麻酔からの覚醒を確認し、抜管介助を行う
  • 衣服を着用させ病棟へ帰室するベッドへ移乗
患者退室
  • 回復室で患者の状態を観察する
  • 病棟看護師へ申し送りを行う
看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務した病院では、間接介助(外回り)を行う看護師は、手術が無事に終了した後に看護記録の作成や病棟看護師への申し送りを行っていました。
そのため、直接介助(器械出し)を行う場合は、看護記録などの仕事はありません。
ローテーションで、間接介助(外回り)や直接介助(器械出し)を決めていました、間接介助(外回り)は、手術全般に対してのフォローが求められるため、広い視野を持って仕事にあたる必要があり大変でした。

 

患者の術前訪問

勤務する病院によっては、手術前日に、担当する患者が入院している病棟へ看護師が出向き、患者へ挨拶すると共に以下のことを行います。

  • 患者情報が正しいかどうかの確認
  • 患者からの質問の受け答え

以上のことは、間接介助(外回り)を行う看護師の仕事内容となります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室で働く間接介助(外回り)を行う看護師が、事前に患者と顔を合わせて話をすることは、しない場合に比べると患者は安心して手術室へ入室することができると思います。
私は、少しでも患者が不安な気持ちを取り除けるように、患者の気持ちを受け入れ安心できるような声掛けをすることを心がけていました。
また、担当する患者と顔合わせをすることでどこかほっとした気持ちになれました。

 

手術室全体の把握

間接介助(外回り)を行う看護師は、手術が滞りなく行われるために手術室全体を把握している必要があり、一番の仕事内容と言えます。

手術室全体を把握するためには、直接介助(器械出し)の仕事経験がないと行うことができないため、手術室(オペ室)のリーダー看護師などが担当する場合も多いと言えます。

さらに、場合によっては臨時で必要になった器械を直接介助(器械出し)の看護師に渡すことや、不足しそうな物品(薬品・輸血など)を準備、モニター状況を執刀医に報告、無影灯(むえいとう)の細やかな調整なども業務内容となります。

また、他部署と連絡や調整を行うことも大切な仕事となり、以下のようなことを行います。

  • 手術中に患者へ予定外の緊急な輸血が必要になった場合は速やかに輸血部へ連絡する
  • 手術中の病理を依頼するときは病理部へ連絡する
  • 人工心肺機器など臨床工学技士が管理を行うものを必要とするときは速やかに臨床工学技士へ連絡する

の必要事項に応じて、他部署との連携や連絡調整を行うことも間接介助(外回り)を行う看護師の役目です。

看護師の体験事例1

看護師の体験事例私が勤務した病院では、スキルが高い看護師は、その手術において重要な仕事である「リーダー」又は、術後利用する回復室(リカバリールーム)を担当し、時には、フリーで各手術室の部屋に支援へ行っていました。
一般の看護師(スタッフナース)は直接介助(器械出し)が多く、私の働いていた病院では麻酔科の外来を担当することや、夜勤時は救急科のサポートに回される場合もありました。
ところもありました。

看護師の体験事例2

看護師の体験事例私が勤務していた手術室では、間接介助(外回り)の看護師が手術室でよく使われている無影灯の調整を行っていました。
医師が自ら調整することもありますが、手術に夢中になっていると無影灯の調整にまで気が回らないこともある為、看護師が常に術野が明るくなるように調整をすることは必要な仕事でした。

病棟・ICU看護師への申し送り・看護記録

手術後に病棟・ICU看護師へ手術中に行った特記事項や手術中の患者の状態、手術室を出る時の患者のバイタルサインなど、分かりやすくまとめて申し送りをすることは、間接介助(外回り)を行う看護師の仕事です。

また、その後に正確に看護記録を作成します。

看護師の体験事例

看護師の体験事例看護記録を作成することは間接介助(外回り)を行う看護師の仕事でした。
病院・手術室によって違うと思いますが、私の勤務先では看護記録には身体に挿入された管の場所や傷の場所を図で表すことや、患者に対して手術中に行った看護を記入することを行っていました。また、私は記入漏れがないよう、一つひとつ確認をしながら看護記録作成に取り組んでいました。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務していた手術室では、申し送りの際に記録用紙も一緒に渡しますが、病棟看護師に知っておいてほしいことを自分で判断し、しっかりと伝えることを心がけていました。
新人の頃は、何を伝えたらよいのかよく分からなかったのですが、経験していくに伴い病棟やICUの看護師が何を知りたいのか分かるようになり、上手に要点をまとめて話せるようになっていました。

手術室(オペ室)看護師1日のスケジュール例

手術室(オペ室)看護師1日のスケジュール例

手術件数が多い病院の場合、3交代制で行われることや、変則2交代制で遅番勤務もありますが、分かりやすいように2交代制で手術室(オペ室)看護師1日のスケジュール例をご紹介していきます。

2交代制・日勤

8:30~
  • 勤務開始
  • 全体ミーティング
9:00~12:00
  • 開腹手術の患者入室
  • 麻酔がかかり次第手術開始
  • 手術終了後、病棟看護師への申し送り
  • 手術室の片づけ
12:00~
  • 昼休憩のため、看護師交代
    (1時間休憩)
    (直接介助者は時間通りに休憩にいけないことのほうが多い)
13:00~16:00
  • 開腹手術の患者入室
  • 麻酔がかかり次第手術開始
  • 手術終了後、病棟看護師への申し送り
  • 手術室の片づけ
16:00~
  • 翌日担当する手術の準備
  • 夜勤の看護師へ申し送り
  • 看護記録など
17:00~
  • 勤務終了

看護師の体験事例

看護師の体験事例短時間で終わる手術の時は一日に2~5件担当することもあり、とても長い手術では朝一番の開始で翌朝まで続いた手術もありました。
医師は手術が終わるまで交代することが出来ませんが、看護師は基本的に時間で交代が来てくれるので、残業はありますが、病棟勤務の看護師に比べると少ない印象でした。
また、緊急手術でない限り、病院の休日には手術が行われないため、手術室看護師は平日の日勤での勤務が主で規則正しくカレンダー通りの生活でした。

 

2交代制・夜勤

16:45~
  • 日勤の看護師から申し送り
17:00~
  • 進行中の手術があれば日勤者と交代する
18:00~
  • 手術介助・緊急手術対応
  • 随時部屋の片付け
  • 翌日の部屋の準備
  • 器械の洗浄
  • 器械組み
1:00~6:00
  • 休憩
  • 緊急手術対応
6:00~
  • 各部屋の麻酔器の準備・チェック
  • (夜勤中に洗浄、滅菌した器械を連日で使うことが多いため、各部屋に配る)
8:45
  • 日勤者への申し送り
  • 勤務終了

看護師の体験事例

看護師の体験事例夜勤は月に2回程度、16時45分~翌朝8時45分の勤務で、日によって本当に忙しさが異なりました。
17時にはほとんどの手術が終わり、翌朝まで何もない平和な夜勤もあれば、日勤帯の手術がたくさん残っている上に緊急手術が何件も入ってしまい、朝まで休む暇もないような夜勤もあります。
また、私が勤務している病院では、手術のない時間は病棟や救急外来に駆り出される場合や、手術の件数がない場合は、オンコール制を行っている日もありました。

手術室看護師のやりがい

手術室看護師のやりがい

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室看護師としてのやりがいは、複数科の疾患に携わることができると言うことです。
救命するための手術はもちろん、帝王切開などは赤ちゃんの誕生に携わることができます。この目で命の誕生を見ることができるのは本当に嬉しいことでした。
体を拭くことや、患者さんに直接「ありがとう」と言ってもらえる職場も好きですが、影で支えている手術室看護師も大好きです。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は器械出し看護師を担当したときは、医師に言われる前に次の器械を渡せた時、手術が終わってから医師に「君の器械出しはやりやすかったよ、ありがとう」と言われた時はとてもやりがいを感じます。
そして、段々難しい手術を担当させてもらえるようになると周りに認めてもらえてきたと実感し、更にやりがいも増していきます。
また、外回り看護師の時は、患者の不安に寄り添い「あなたがいてくれてよかった」と言われた時や、意識のない患者に変わって術中体位に注意し、皮膚トラブルなく退室出来た時はやりがいを感じます。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室は緊迫した雰囲気の中でいかに正確に仕事をするかが大切になり、看護師としてプレッシャーを私は感じます。
しかし、どんなに辛いな、辞めたいな、と思う瞬間があっても、他職種と連携してチーム医療を実感できることや、患者が無事に病棟へ帰っていく姿を見る度に達成感とやりがいを感じます。「毎日、毎手術の度にやりがいを感じられる場所なんてない」と思いながら手術室看護師を続けています。

手術室(オペ室)で働く看護師のメリット・デメリット

手術室(オペ室)で働く看護師のメリット・デメリット

病棟勤務の看護師と比較して、手術室(オペ室)で働く看護師の一般的なメリット・デメリットを体験事例も含めてご紹介します。

メリットとデメリットは看護師によっては一長一短でもあります。

幅広い分野の疾患を学べ、解剖生理学にも強くなる

幅広い分野の疾患を学べ、解剖生理学にも強くなる

多くの病院では、各診療科に手術室(オペ室)を持っておらず「中央手術部」などの部署となっており病院で行われる手術すべてが集約されています。

一つの診療科の中にも疾患や術式は数多くあり、手術室看護師は、そのすべてに立ち会うため勉強するチャンスが毎日あります

そのため、幅広い疾患を学べることが手術室看護師のメリットと言えるでしょう。

手術室で働く看護師は、手術の術式や器具など専門性が高いことや解剖生理、麻酔についての知識も身につき勉強することができるため、他の診療科では経験できないことが多く、看護師のスキルアップにつながると言えるでしょう。

また、特に直接介助(機械出し)の場合、教科書で模式的に示されていた解剖が、全て目の前にあるため、嫌でも解剖生理学に強くなります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は手術室看護師として勤務し、実際にオペに立ち会うことで教科書だけでは知り得なかったことも多くありました。
ちょっとした臓器の色の違いや、一生懸命動いている心臓を見ていることで、解剖生理学にも興味が出てきたぐらいです。
ただ、様々な疾患や術式を把握しなければならないので、得られる知識の量は非常に膨大で大変です。
初めて手術室へ転職する看護師の方は、大変ですが、診療科が揃っている病院をおすすめします。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室看護師は、病棟のみの勤務経験では、見ることができない患者の頭の中も心臓の中も沢山見ることができます。
そして、腹部外科の再建手術などでは、胃や膵臓を切りとり、腸を使って再建するなど、職人のような外科医の手さばきに私は感動しました。そして長時間の新造手術について終了した後は、やりがいと達成感を感じます。また、そのような患者が「またご飯を食べられるようになるのだ」と思うと、人間の強さを実感します。

1回の手術で看護師の仕事が完結する

1回の手術で看護師の仕事が完結する

一般病棟では、看護体制にもよりますが、患者が入院している限り毎日顔を合わせ、看護を行います。

しかし、手術室で働く看護師は、場合により患者に対して術前・術後訪問に伺うこともありますが、一般的に手術を担当したその日に、その患者に対する看護師の仕事は終了します。

そのため、看護師は、毎日仕事を新鮮な気持ちで臨むことができ、失敗や落ち込んだ際などにも気持ちの切り替えが行えることがメリットとなります。

ただし、1人の患者の看護師をしたいと考える場合は、手術室看護師になるデメリットともなります。

手術室看護師は「やりがい」がある、看護師としてスキルアップにつながることをメリットに考える看護師が多いです。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例私はその日の手術で例え不快な気持ちになるような嫌なことがあったとしても、明日はまた違う患者で違う手術だから頑張ろうという気持ちになっていました。
その日その日で気持ちを切り替えることができ、働きやすかったと言えます。
私の手術室勤務は、2年間という短い間でしたが、手術室で学んだ術式や器具、解剖整理などは、後に外科病棟やクリニックに勤務したときに生かすことができました。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は新卒の頃からずっとオペ室看護師として勤務していますが、残業が少なく「ON・OFF」の区別がしやすいこともあり、常に高いモチベーションを保ちながら働くことが出来ています。
また、オペ室看護師ほど専門性が高くやりがいのある仕事は他にないと思っています。オペ室という専門性の高い仕事で得られるやりがいは特別です。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室で働く看護師は、毎日の仕事を新鮮な気持ちで臨むことができるため、手術室ならではのメリットだと思います。
私はその日の手術で例え不快な気持ちになるような嫌なことがあったとしても、明日はまた違う患者で違う手術だから頑張ろうという気持ちになり、その日その日で気持ちを切り替えることができていました。

夜勤が少なく・土日休みなどの労働条件が良い

夜勤が少なく・土日休みなどの労働条件が良い

病院により異なりますが、手術室(オペ室)勤務の看護師は、オンコール体制を取っている場合は夜勤が少なく、夜勤があった場合でも緊急手術が少ない病院は、比較的仕事が楽であることから、プライベートも充実しやすいことがメリットです。

また、一般的に定期手術は土日に行わないため、手術室看護師は土日休みの場合も多く、仕事内容から日勤のみで働く看護師も多いと言え、病棟勤務の看護師と比較すると労働条件が良いです。

しかし、一部の病院では、手術室看護師は他の部署(診療科)と兼任する場合や、夜勤がないため夜勤手当がない分、給与が少なくなってしまう傾向があり、デメリットと言えます。

さらに、緊急手術が続いた場合の夜勤は、とにかく休む暇もなく仕事をする必要があるため大変です。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務していた病院では、手術中で合っても、勤務終了時間の少し前には次の勤務帯の看護師が交代してくれることが頻繁にあり、残業は少なかったです。
(手術室看護師の場合は、集中力が必要となる仕事のため、残業を行う病院が少ないといえます。)
プライベートと仕事の両立がしやすく、友人との約束などで遅れることはありませんでした。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務していた大学病院では、残業が非常に少なかったです。夜勤の回数も月2回程度でした。
その分、給与は少なくなりますが、プライベートを充実させることができ、手術室はQOLの高い職場だと感じます。
医師は手術が終わるまで交代することが出来ませんが、看護師は基本的に時間で交代が来てくれるので、残業はありますが、病棟勤務の看護師に比べると少ないです。

看護師の体験事例

看護師の体験事例病棟勤務の場合、残業は特に「仕事量」と「自分の仕事の速度・処理能力」が関係しますが、手術室看護師の場合、「残業は手術に時間がかかったため」となり、誰が見ても明確です。
そのため、残業申請に申し訳なさなどはありませんし、自分の仕事した分はきっちり申請することができます。

患者との関わり・コミュニケーションが少ない

患者との関わり・コミュニケーションが少ない

手術室看護師が患者とコミュニケーションを取ることができる時間は、間接介助(外回り)業務の術前と術後(術後訪問を行う場合)だけであり、病棟勤務と比較するとはるかに短いです。

患者と看護師の関わりをやりがいに感じる看護師にとって、手術室勤務では満足して働くことができない可能性が高くデメリットと言えます。

一方、患者との会話が苦手、なるべく患者とコミュニケーションを取りたくないと考える方にとっては、看護師として働きながらメリットを感じやすい職場と言えます。

ただし、短時間で患者の情報を収集し、看護師としてケアを行わなくてはならないため、大変な仕事でもあります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例オペ室にいると、意識のある患者と接する時間は本当に短いです。全身麻酔の場合、麻酔導入までの30分に満たない時間しか会話することができません。
術後は麻酔覚醒直後のため意識が朦朧としている患者が多く、まず患者の記憶に残ることは稀です。(術前訪問や術後訪問でベッドサイドへ出向くこともありますが、それでも患者の一瞬一瞬を見ているだけです。)
そのため「看護師としてこれで良いのだろうか?」と疑問を持つ場合もあります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は看護師として働き始める頃に「患者とたくさんコミュニケーションをとり、治療に対する不安を軽減できるような関わりがしたい」と思っていました。
しかし、手術室に配属され勤務してみると、患者と関わる時間がほとんどないという現実を実感し、どこか物足りなさを常に抱いていました。

医師と看護師との関係性が近い

医師と看護師との関係性が近い

特に直接介助(機械出し)の場合、看護師は医師との連携が重要になるため、病棟看護師より手術室看護師のほうが医師と密な会話が出るようになります。

さらに、術前の打ち合わせから始まり手術が終わるまで連携が必要となり、医師も対等な立場で看護師の話を聞いてくれるようになることがメリットです。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例医師によっては時間外に緊急で手術を行う場合、むしろ医師のほうが看護師に頭を下げている場面なども手術室では見られる場合もあります。
そういった普段とは違った一面を見られる手術室看護師は楽しかったですね。

看護師の体験事例

看護師の体験事例病棟では医師がすぐそばにいるような状況はあまりなく、看護師が緊急時には医師にすぐ連絡をして来てもらうという流れになっています。
しかし、手術室ではすぐ近くに医師がいる為、看護師が緊急時に1人でいるという状況はほとんどなく、どこか安心して勤務できていました。気持ちが違うだけで、働きやすいと思います。

スタッフとの人間関係が辛い場合もある

スタッフとの人間関係が辛い場合もある

勤務する病院によって異なりますが、直接介助(器械出し)・間接介助(外回り)看護師の2人1組で1日行動する場合も多いです。

そのため、苦手な看護師とペアになってしまうと辛い1日になります。

また、新卒看護師や中途採用などの新人看護師に関しては、(仕事を覚えてもらうため)風当たりが強いと感じる職場も多いといえ、人間関係で悩む場合もありデメリットです。

さらに、医師にとって手術は失敗の許されない緊張の場であり、普段の性格と変わる方や、苛立ちで助手の医師や看護師に当たり散らされてしまう場合もあります。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例オペ室看護師は新人に対しての風当たりが強い傾向にあり、外回りの先輩に資材をお願いしても出してもらえなかった、といった嫌がらせの話はよく聞きますし、実際にありました。
患者の命を預かるので医師のストレスは大きいと思いますが、心無い言葉を投げられて傷ついてしまったことは多かったです。
このようなことが続くと、せっかく身に付けたスキルを放り出してでも辞めたくなってしまうのは、当然のことかもしれません。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室は仕事内容が特殊である為、自分に合うと感じる看護師と合わないと感じる看護師にきっぱり分かれる職場だと思います。
スムーズに看護師業務ができなければ医師に強く叱られることもよくあり、合わない看護師にとっては大きなストレスとなる職場だと感じます。

看護処置の機会がなく病棟に異動しにくい

看護処置の機会がなく病棟に異動しにくい

手術室で勤務する看護師の仕事内容は病棟とは違い、さらに点滴や注射は麻酔科医が行うことが多く、ほとんど看護処置をする機会がありません

さらに長い間手術室で勤務している場合、

  • 病棟での治療の流れなどから離れてしまう
  • 最新の治療やリハビリ方法などの情報に疎くなってしまう
  • 外科的治療が必要にならない内科的疾患の患者を診ることができない
  • 病棟勤務の看護師とは記録方法が違い

以上のような理由から、病棟へ異動や転職しにくくなることがデメリットになります。

また、新卒看護師の時から手術室に配属された場合は、採血や注射のスキルを身に着けることができないまま経験年数だけ増えてしまうことになり、ライフスタイルなどの変化によってクリニックや一般病棟へ転職する可能性がある看護師にとって、一般的な看護処置をスムーズにできないことは大きなデメリットとなるでしょう。

ただし、手術室看護師をこの先ずっと続けていきたい看護師にとっては問題がありません。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例看護師としての将来を考えると、病棟も経験してよりスキルアップしたいと考える手術室看護師は多いです。
しかし、病棟へ異動すると何もできない新人状態になってしまうのではと不安になり、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくありません。実際に異動してしまえば、手術室での経験は病棟看護師から重宝されますし、大変なのは最初の数か月だけだと言われています。そのため、自分の目標がしっかりあれば不安に思う必要はありません。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は新人看護師から手術室勤務でしたが、採血や注射のスキルを身に着けることができないまま3年勤務したので、その後の転職に困りました。
専門的なスキルは身に付いた実感がありますが、病棟の業務は出来ないため将来に不安を感じます。

職場は常に緊張感があり精神的・肉体的に負担がある

職場は常に緊張感があり精神的・肉体的に負担がある

手術中は常に緊張感を持っており、長時間の手術になるほど看護師の精神的なストレスが大きくなります。

また、いつ起こるか分からない急変に備えることや、急な術式変更など、その場その場で臨機応変に対応できるよう、常時臨戦態勢でいるのはとても看護師として疲れます

さらに、手術中は直接介助(器械出し)も間接介助(外回り)の看護師も立ちっぱなしとなり、場合によっては足りない資材を取りに行くため走ります。

そのため、職場が常に緊張感があり精神的にも肉体的にも看護師に負担が大きいことが手術室看護師のデメリットです。

看護師の体験事例

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術中は器械出し看護師も外回り看護師も立っています。(術式によっては座るものもあります)
器械出し看護師の時はじっと執刀医の横に立ち続けなくてはなりませんし、外回り看護師の時は患者の体位を確認するためにドレープ(手術などの際、患者の体を覆うカバーのこと)の下に潜り込むことや、必要な資材を取りに部屋の外まで走って行くなど、動き回ります。精神的なストレスと重なり、辛いと感じることもやっぱりあります。

手術室(オペ室)看護師の向き不向き

手術室(オペ室)看護師の向き不向き

手術室(オペ室)を経験した看護師の体験事例を元に、手術室看護師の向き不向きについて解説していきます。

手術室は仕事内容が特殊である為、自分に合うと感じる看護師と合わないと感じる看護師にきっぱり分かれる職場だといえ、合わない看護師にとっては大きなストレスを感じるため、注意して確認しましょう。

手術室(オペ室)の看護師に向いている方・性格

手術室(オペ室)の看護師に向いている方・性格

手術室(オペ室)の看護師に向いている方や向いている性格を体験事例も含め説明していきます。

以下に当てはまらない場合でも、仕事に慣れていくうちに備わってくるものもあり、「手術室で働きたい」と思う気持ちが一番大切です。

(1)機転が利き、臨機応変の対応ができる看護師

(1)機転が利き、臨機応変の対応ができる看護師

機転が利き、臨機応変の対応ができる看護師

手術室(オペ室)では、看護師は可能な限り機転を利かせながら仕事をこなすことが求められ、機転が利くことで医師の手術がスムーズに進むかどうかが決まります

手術室看護師の仕事として、直接介助(器械出し)、間接介助(外回り)のどちらを担当することになった場合でも、その時の進行状況や状態を把握して次にすべきことを予測し、どのような方向になったとしても臨機応変に素早く対応していく必要があります。

以上のことにより、自然と機転が利く方や、臨機応変で冷静に対応できる看護師は看護師には向いており、頼りにされる存在になるでしょう。

(2)スピーディーに動ける反射神経の良い看護師

(2)スピーディーに動ける反射神経の良い看護師

スピーディーに動ける反射神経の良い看護師

手術室(オペ室)では患者は決められた時間に手術室に入り、可能な限り予定された時間の中で手術を終える必要があります。

特に直接介助(器械出し)を担当する看護師の場合、針・刃物を取り扱うことも多く、タイミングを合わせて手渡せない場合、医師にも自分にも危険が及びます。

複雑で扱う器械が多い手術になればなるほど、てきぱきと器械をさばくことができる反射神経の良い人は重宝されます。

実際に医師にとっても、

  • この看護師なら心穏やかに手術を手早く進めることができる
  • この看護師だと遅くてイライラしてしまう

など、口には出さなくても心の中では思うことがあるそうです。

医師が手早く手術を進めるために、必要な物品や器械を滞ることなく用意するなど、迅速な動きができる看護師が必要とされる人材であり、手術室に向いている看護師と言えるでしょう。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は手術室で産婦人科の緊急手術を直接介助(器械出し)した際、頭では急がなければならないと分かっていましたが、身体が追いついていかないという状態を経験しました。
間接介助(外回り)をしていた先輩看護師にも「スピードがとても大事だよ、ちゃんと次に何を使うか考えながら、医師に要求されると同時に器械を手渡すようにね」と言われました。
スピーディーに動ける看護師が手術室に向いているとつくづく感じた出来事でした。

(3)コミュニケーションや伝える能力が高い看護師

(3)コミュニケーションや伝える能力が高い看護師

コミュニケーションや伝える能力が高い看護師

手術室(オペ室)で意識のある患者に接する時間は本当に短いです。

その短時間の中で患者の安全・安楽を守るためのケアを行うためにもコミュニケーションスキルは、オペ室で働く看護師に必要なことです。

また、オペ室では他職種との連携が必須となり、外回り看護師は手術室全体の調整役として、他職種とコミュニケーションをとらなくてはなりません。

そのため、仕事としてのコミュニケーションがしっかりと行える看護師は手術室に向いているでしょう。

(4)打たれ強い性格で精神的に強い看護師

(4)打たれ強い性格で精神的に強い看護師

打たれ強い性格で精神的に強い看護師

打たれ強い心を持つということは、看護師にとってどの診療科で働く上でも大切なことです。

しかし、医師が最も神経を使い、慎重になる手術室では普段の医師の人柄とは異なることもある為、より打たれ強い看護師であるべきでしょう。

手術は、たった少しのミスで患者の命にかかわることにつながる為、医師は手術室では気を引き締めており、ピリピリしていることが多いと言えます。

医師に怒鳴られたとしても、受け止めながら「次は同じ失敗をすることは絶対に避けよう」という前向きな気持ちを持てるような、打たれ強い看護師であることが手術室には向いているでしょう。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は、心臓血管外科の手術に立ち会い、針の糸を一時的に1本なくしてしまうというミスを犯しました。「何をやっているのだ!患者の身体の中に入ってしまったらどうするのか!」と執刀していた医師に強く言われました。
幸いなことに針の糸は見つかり、自分が悪いことは分かっているものの、やはり怒鳴られたことで気持ちがかなり沈んでしまいました。
「こんなことで毎回落ち込んでいるようでは、手術室の看護師は務まらないよ」と先輩看護師に言われ、手術室では打たれ強くあるべきであることが痛いほどよくわかりました。

(5)いつも仕事に新鮮さを求めている方

(5)いつも仕事に新鮮さを求めている看護師

いつも仕事に新鮮さを求めている方

手術室(オペ室)では、担当する患者も手術も医師も毎日異なり、看護師として、その日その日がフレッシュな気持ちで仕事に打ち込むことができます

病棟など毎日同じ患者を受け持つ継続した看護に不満な気持ちや、マンネリの気持ちを抱いていているような新鮮さを求めている看護師にとっては、手術室は最適な職場であり、向いていると言えます。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室では、毎日継続して同じ医師と一緒に、同じ患者の看護をするわけではありません。
もし前日に落ち込む失敗をしたとしても、いつまでもひきずったまま仕事に臨むことはあまりなく、心機一転して翌日の業務に取り込めることが出来ると思います。

手術室の看護師に向いていない方・性格

手術室の看護師に向いていない方・性格

もし、以下の内容を見て手術室(オペ室)の看護師に向いていないと感じる場合でも、手術室看護師という仕事が好きな気持ちや、やる気があれば、問題ありません

参考程度に手術室の看護師に向いていない方や性格を確認していきましょう。

(1)マイペースで仕事を行う看護師

(1)マイペースで仕事を行う看護師

マイペースで仕事を行う看護師

マイペースに仕事を行う看護師は、手術中急に慌ただしくなる状況についていけないことが多く、医師や一緒に直接介助(器械出し)を行う看護師にも迷惑をかけてしまう可能性があり向いてないと言えるでしょう。

手術室(オペ室)では、いつでもマイペースに仕事を行う看護師や、急ごうとするとついていけず一杯一杯になるような看護師には、難しい職場と言えます。

看護師の体験事例

看護師の体験事例手術室看護師の同期に一人だけ、何をするときもゆっくりで、マイペースな看護師がいました。
その看護師は、とにかく先輩に「そんなにのんびりしていて大丈夫?」と言われており、手術前の準備や後片付けが遅いのは日常茶飯事でした。
本人も「私はマイペースだから手術室には向いていないと思う」とよく話しており、後に退職をしてしまい、今では内科病棟で楽しく働いているそうです。

(2)気持ちが落ち込みやすい看護師

(2)気持ちが落ち込みやすい看護師

気持ちが落ち込みやすい看護師

手術室(オペ室)では、看護経験の有無に関わらず、その日の医師のコンディションや手術の進み具合により、10年以上のベテラン看護師でも、医師に怒られる事や、厳しい注意を言われることは、ごく普通にあるでしょう。

その為、すぐに落ち込んでしまう看護師は、手術室勤務を続けることで精神的に悪い影響を及ぼしてしまうことがあり、向いていないと言えるでしょう。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私が勤務していた手術室の看護師で、医師に「ちゃんと術式を勉強してくるように!」「しっかり術野を見て!」など少し強めに言われるだけで「私はオペ室には向いていないと思う」とネガティブな発言ばかりしている方がいました。
少しでも先輩に注意されるだけで気が沈み、休憩時にも明らかに落ち込んだ様子でした。
1年後、その看護師は医師や先輩看護師に注意をされることは少なくなったものの、医師に「早く!」と急かされるだけで「やっぱり私は遅いから手術室に向いていない」とすぐに落ち込んでおり、精神科病棟への異動希望を出し、手術室を去ってしまいました。

(3)患者の看護や看護処置にやりがいを感じる看護師

(3)患者の看護や看護処置にやりがいを感じる看護師

患者の看護や看護処置にやりがいを感じる看護師

手術室(オペ室)では、点滴や注射は麻酔科医が行うことが多く、看護師は看護処置を行うことはありません。

また、手術室で患者とコミュニケーションをとれる時間は、術前と術後(術後訪問を行う場合)だけであり、病棟と比較するとはるかに短いです。

患者の看護や看護処置にやりがいを感じる看護師の方は手術室に向いていないと言えるでしょう。

看護師の体験事例

看護師の体験事例私は看護師として働き始める頃に「患者とたくさんコミュニケーションをとり、治療に対する不安を軽減できるような関わりがしたい」と思っていました。
しかし、手術室に配属され勤務してみると、患者と関わる時間がほとんどないという現実を実感し、どこか物足りなさを常に抱くようになりました。

初めて手術室(オペ室)へ看護師転職する注意点・ポイント

初めて手術室(オペ室)へ看護師転職する注意点・ポイント

病棟勤務から初めて手術室へ看護師転職する場合、求人を探す注意点とポイントについて解説していきます。

手術室看護師の教育体制を確認すること

看護師が手術室(オペ室)へ初めて転職する場合、最初はとにかく覚えることが多くて大変です。

さらに、今まで看護師としてどの診療科の病棟に勤務し、経験を積んでいた場合でも、病棟で学んだことはほとんど役に立たないと言えます。

そのため、転職先の病院・手術室が中途採用の看護師に関してどのような教育体制か、以下の内容等を必ず確認しましょう。

  • プリセプター制度があるか(中途採用者にも行ってくれるか)
  • 手術室看護師の勉強会や研修会はあるか
  • 術式を勉強できるマニュアルはあるのか
  • 手術看護認定看護師数は何人いるのか

以上のことは最低限、確認して勤務先を決定しましょう。

手術室看護師の仕事は専門性が高く、どのような病棟経験があった場合でも、初めは指導者が必要となります。

手術1件あたりの看護師の担当数を確認する

大学病院など規模が大きな病院は、手術室看護師の総数は100名~50名ほど、規模が小さな病院であれば、手術室看護師は10名前後の場合もあり、年間の手術件数や手術室が何部屋あるのかでも違います。

初めて手術室に看護師として勤務する場合、例えば以下のように「手術1件に対して看護師が何名配置されるのか」を確認しておきましょう。

  • 手術室に配属されている看護師の人数
    (正職員、パートなど常勤・非常勤の人数)
  • 手術1件に対しての担当者数(平均)

基本的に手術1件に対して、最低でも2人以上(外回り1名・器械出し1名)の看護師が担当しており、2人体制なのか、3名体制なのか、忙しい時のみ、ヘルプがいるのかなどを聞くと良いでしょう。(手術内容によっても人数が違うため、平均を確認しましょう。)

手術室看護師の教育制度が整っている病院や、人員に余裕がある場合、サポート約として1名の看護師が付くため、3名以上の担当になる場合が多いはずです。

そのため、他の診療科や病棟から初めて手術室へ転職する看護師の場合は、1手術当たり平均3名以上の看護師で担当している病院を選ぶことをおすすめします。

 

補足説明

手術室へ勤務する適正な看護師数を計算することは難しく、大学病院などの規模が大きな病院では1手術当たりの看護師数の平均は3.31人、一般病院では2.98人となります。

また、4名程度の看護師と看護助手1.5名が理想とされていますが、手術の内容によって異なるため、看護師数3人を目安に病院を探すと良いでしょう。

参考資料:「医業分化に対するアンケート調査」外連協アンケート集計

病院の診療科と手術の種類を確認する

看護師として転職を希望する病院の診療科と手術の種類を確認しておきましょう。

診療科に合わせて手術の種類が多い場合・少ない場合、以下のようなメリット・デメリットが考えられます

診療科が多い病院
手術の種類が多い病院
★メリット
  • 様々な診療科がありも多い
  • 手術件数・種類とも多く手術室看護師として多くのことを学べる
  • 看護師の教育制度が整っている場合が多い
  • 幅広い手術に対応できる力を身に付けることができる
★デメリット
  • 看護師として覚えることが多く大変
  • 看護師数も多く、人間関係に苦労する
診療科が少ない病院
手術の種類が少ない病院
★メリット
  • 手術件数は少ない傾向にあり、比較的仕事が楽
  • 単科に特化したスペシャリストになれる
★デメリット
  • 様々な手術は学ぶことでいない
  • 手術室看護師として転職する場合、選択肢が狭い

ある程度診療科が多く、手術の種類も多い病院を選択した方が、手術室看護師としての今後の幅が広がります。

そのため、初めて手術室へ転職する看護師は、なるべく規模が大きな病院の手術室勤務を選択することをおすすめします。

また、手術室看護師としての自身の目標や、どのような手術室看護師になりたいのかを考えて、病院を選択しましょう。

手術室看護師の勤務体制(専任・兼任)を確認する

勤務する病院によって異なりますが、手術室看護師と他の診療科を兼務している場合や、専任で勤務している場合があり様々です。

また、夜間の体制も「オンコール」なのか「夜勤」なのかでも違うため、以下のような確認が必要です。

  • 勤務は手術室専任なのか兼務する場合があるのか
  • 兼務する場合はどのような状況の際に兼務するのか
  • 夜勤はあるのか、ある場合は1ヶ月の回数を確認
  • オンコールはあるのか、ある場合は回数を確認
  • 2交代制か3交代制等の交替制の確認

例えば、手術室看護師として勤務し、夜勤は救急外来や病棟、ICUなどにヘルプに行く場合もあります。

そのため、以上のことは必ず確認しておきましょう。

選択する病院によっては日勤のみの勤務も可能なため、自身の希望も合わせて確認しましょう。

手術室看護師求人探しは看護師転職サイトを活用する

手術室(オペ室)の看護師求人を探す場合、他の診療科と比較して求人の全体数は少ない傾向にあります。

また、上記で説明した内容を1つ1つ確認し、自身の希望する条件も含む場合、自身で求人サイトを探すのはとても困難になります。

そのため、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することで、希望条件に合わせて求人を専任の担当者がピックアップしてもらうことが可能で、気になる詳細情報は担当者が病院に確認を取ってくれます。

さらに病院見学のアポイントも代行してくれるため、スムーズに手術室への看護師転職が可能です。

手術室(オペ室)の看護師求人が多い転職サイト

手術室(オペ室)の看護師求人が多い転職サイト

看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)は、全国で見るとかなりの数がありますが、以下の基準で選択しましょう。

  • 看護師に人気があること
  • 手術室看護師の求人があり、多いこと
  • 担当者が看護師の転職を理解していること
  • 勤務先との交渉を行ってくれること

例えば、手術室への知識が低い担当者の場合、病棟の求人を進めてくる場合や、勤務先との交渉を行ってくれない場合、手術室と他の病棟を兼任させられてしまう場合もあり、注意が必要です。

上記を基準とした場合、おすすめの看護師転職サイトは以下の3つです。

先ほどもお伝えしたように、手術室看護師求人は少ないため、3社とも複数登録を行い、最終的に条件が合う職場へ絞り込んでいきましょう

オペ室の看護師求人No.1!レバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数158,398件
(2024年11月1日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤、派遣、紹介予定派遣
対応施設総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、利用する看護師に特に人気があり、看護師求人数はどの看護師転職サイトよりも断トツで多いです。

そのため、希望条件に合わせて、手術室看護師求人を選択することが可能です。

また、看護師の転職支援サービスも充実しているため、勤務先との条件交渉はもちろんのこと、転職完了まで完全サポートしてくれます。

手術室看護師への転職を考える場合、利用は必須です。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

大規模な病院の手術室なら!マイナビ看護師

マイナビ看護師

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名マイナビ看護師
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数81,585件
(2024年11月1日時点)
非公開求人とても豊富(保有求人全体の約40%非公開)
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
対応 雇用形態正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
対応 勤務形態常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
対応施設病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他
対応 診療科目美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
対応配属先病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・転職の相談から行える
・キャリアアドバイザー親切丁寧
・退職交渉も可能
・企業系のレア求人を豊富に保有

マイナビ看護師は、ご存知のように知名度が高いため、大規模な病院の手術室看護師求人が豊富です。

ただし、公開している求人は少なく、全体の40%以上は非公開求人となるため、登録後に求人を紹介してもらいましょう

大規模な病院も合わせて検討しながら、手術室求人は探したほうが良いため、合わせて利用してください。

公式サイト:https://kango.mynavi.jp/

オペ看としてのキャリアから相談!ナースではたらこ

ナースではたらこ

転職相談面接対策条件交渉退職相談
まる2重丸2重丸三角
サイト名ナースではたらこ
運営会社ディップ株式会社
公開求人数95,585件
(2024年11月1日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある

病棟から手術室看護師へ転職する場合、看護師のキャリアや悩む場合、不安を感じることがあります。

ナースではたらこは、看護師のキャリアからじっくり相談が行える看護師転職サイトのため、まだ転職しようか悩んでいる場合には利用がおすすめです。

情報収集だけでも行おうと思う方も、合わせて利用しておきましょう。

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

まとめ

手術室で働く看護師の仕事内容は、大きく直接介助(器械出し)、間接介助(外回り)に分かれており、それぞれ業務や必要とされるスキルは違いますが、どちらを担当する場合も自分で予測して判断し、安全にスムーズに手術が終えるよう努めるという看護師としての役割は同じです。

手術室というと閉鎖的なイメージがあることから、敬遠されますが、実際に手術室で勤務してみるとそれほど閉鎖的ではありません。

むしろ医師と対等に話ができることや、ときには医師から頭を下げられるなど、病棟勤務時代には経験できなかったようなことが起こったりします。

病棟と比較して手術室に勤務する看護師は、メリット同様デメリットもあり、手術室に少しでも興味がある看護師は、デメリットを踏まえた上でチャレンジしてみることをおすすめします。

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キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

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新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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