看護師のライフスタイル別転職

非常勤(パート)看護師で働く注意点7つとメリット・デメリット

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非常勤看護師とは、いわゆるアルバイト・パートで働く看護師のことを一般的には言います。

常勤(正職員)に比べると給与や福利厚生などの条件面は劣る場合が多いですが、短時間での勤務などフレキシブルな働き方が可能ということで、現在人気が高まっています。

ただし、非常勤(パート)での勤務は勤務先や働き方によって雇用条件(福利厚生や待遇・社会保険など)が変わってきます

非常勤であっても福利厚生が整っている職場や、賞与を貰うことが可能な職場もあり、できるだけ条件の良い病院・施設を選びたいものです。

初めて非常勤(パート)看護師として働く場合、以下の選び方表を参照してください。

初めて非常勤(パート)看護師として働く場合の選び方

非常勤(パート)看護師として看護師資格が必要ない雑務などを仕事で行いたくない場合は、「透析施設」や「病床数の多い病院の病棟勤務」などを検討しましょう。

以上の結果になっている理由も含めて、以下で非常勤と常勤の違い、非常勤看護師が多い病院・施設、非常勤(パート)で働く看護師のメリット・デメリット、平均時給・相場の目安、非常勤(パート)看護師として働く7つの注意点を説明していきます。

執筆・監修
監修・執筆者
執筆・監修看護師
東野 看護師
東野 看護師
  • エリア:兵庫県在住
  • 保有資格:看護師
  • 施設経験:公立病院、訪問看護
  • 専門分野:小児科、一般内科

兵庫県の公立病院の小児科、一般内科の病棟に2年、新生児科で約1年勤務。その後結婚とともに退職。5年のブランクを経て訪問看護の事業所でパート看護師として勤務しています。育児中の仕事はいろいろな不安や悩み事がありますが、その中でも楽しく仕事を続けています。自分の経験を生かし、ママさん看護師や潜在看護師、職場で悩んでいる人のお役に立てるように頑張ります。

著作・監修記事一覧

執筆・監修看護師

目次

非常勤と常勤看護師の違いとは?

非常勤と常勤看護師の違いとは?

非常勤看護師常勤看護師
意味常勤職員以外の職員を指すフルタイムで働く看護師
勤務時間1週間の勤務時間が40時間未満
(例:週3回8時間勤務など)
1週間の勤務時間が最大40時間
(5営業日で1日8時間計算)
給与形態時給・日給月給
雇用形態パート・アルバイトの場合が多い正職員(正職員)・契約職員等
福利厚生充実していない場合が多い手厚く充実している
研修等参加不要な場合が多い研修や委員会の参加は必須

非常勤看護師は、フルタイム(常勤)ではない(1日8時間・週5日勤務)看護師のことを指します。

そのため、非常勤の働き方は職場によって様々であり、一般的にパートタイムの働き方になる場合が多いでしょう。

また、公的病院等である「会計年度任用職員」も、地方公務員法(e-Gov法令検索)第22条の2の規定に基づき任用される非常勤職員のことを指します。

おすすめの非常勤看護師の割合が多い病院・施設

非常勤看護師の割合が多い病院・施設

非常勤(パート)看護師が多く在籍している職場(約40%~50%が非常勤看護師)を5つご紹介します。

※以下で説明するすべての職場が該当するとは限らないため注意してください。

地域や病院・施設規模によって異なるため、目安程度に確認しましょう。

大学病院(規模が大きい病院)の外来勤務

大学病院(規模が大きい病院)の外来勤務

大学病院や規模の大きい病院では、非常勤(パート)看護師の割合が多いです。

このような病院の外来では複雑な疾患を抱える患者も多く来院するため、非常勤(パート)看護師の働き方でも十分知識や技術を深めることが可能です。

そのため、働く看護師の特徴としては、

  • 働きながらスキルを磨きたい看護師
  • いずれは病棟の正職員として復帰したい看護師

など、今後を見据えて働く意識の高い看護師が多い印象です。

自分の代わりとなる看護師がたくさんいるため、大学病院、規模の大きな病院は非常に融通の利く職場といえます。

他の部署から応援を呼ぶことが可能であるため、前もっての休日申請や急な休みに対してもとても寛容な場合が多いでしょう。

また、3次救急の大学病院よりも、2次救急、1次救急の規模が大きな病院の方が穏やかに勤務することができます。

外来勤務の非常勤(パート)看護師の仕事内容

外来勤務の場合、仕事内容は患者に係わることが多いですが、病棟で行うような看護技術はほとんどありません。

  • 診療科の準備
  • 診療の補助
  • 処置の介助(もしくは実施)
  • 検査の説明
  • 外来オペ、検査の準備・補助
  • 入院になった場合に手配、病棟看護師への申し送り

などが一般的な外来の仕事内容です。

外来看護師の1日のスケジュール

以下は、一般的な外来のスケジュールです。診療科によって違いがあるので注意しましょう。

8時30分外来全体の申し送り
8時45分各外来の診療準備
9時午前中の診療開始
11時30分午前中の診療終了
12時~13時休憩
13時午後の診療開始
16時30分午後の診療終了
16時45分記録、片付け、明日の外来診療の準備
17時30分退勤

外来が勤務の非常勤(パート)看護師がおすすめの方

  • 忙しいのは苦手な方
  • ゆったり仕事をしたい方
  • 時間内(定時)で絶対に帰りたい方
  • 休みの融通が必要な方
  • 専門分野を極めたい方(診療科による)
  • チームで働くのが苦手な方
  • 勉強する時間が少ない(またはない)方

上記の考えを持っている看護師の方には、外来が向いているでしょう。

看護スキルを持続したい場合は病棟勤務も考えよう

  • 看護スキルを持続したい場合
  • 次の転職する場合にスキルで、困らないようにしたい場合
  • 病棟の感覚を忘れたくない場合
  • 非常勤(パート)看護師でも部屋持ちしたい場合
  • 患者に対して直接介助をしていきたい場合

などの考えをお持ちの看護師の方は、規模が大きな病院の病棟勤務も検討してみましょう。

仕事内容としては、常勤(正職員)の看護師とさほど変わりません。

回復期・慢性期・療養型病院

回復期・慢性期・療養型病院

回復期、慢性期、療養型などの病院では、穏やかな環境で働くことができ、また残業も比較的少ないことから、非常勤(パート)看護師の割合が高いです。

働く看護師の特徴としては、

  • 病院を選択して働きたい看護師
  • 定時で帰宅したい(残業したくない)看護師
  • 親の介護を行っている看護師
  • 子育て中の看護師

などが、在籍している場合が多いです。

慢性期や療養型の病院は、ベテラン看護師や子育てをしている看護師など、同じような生活環境にある看護師が多く在籍しています。そのため、急な休みにも周囲の理解が得られ、対応してもらいやすく、融通が利きやすいシフトで働くことができます。

介護施設(老健・特養・有料老人ホーム)

介護施設(老健・特養・有料老人ホーム)

看護師が勤務できる介護施設は、さほど忙しくはなく残業もほぼありません。そのため、非常勤(パート)看護師の割合が多く、介護施設は「病院」ではないため、複雑な医療処置はほとんどありません

介護施設の中でも医療処置が多い施設があります。特に「介護老人保健施設」の場合、医療処置が多くありますので、注意が必要です。

働く看護師の特徴としては、

  • 看護スキルに不安がある若手やブランク明けの看護師
  • 医療処置が得意ではない看護師

などの看護師が多く在籍します。

介護施設で働く職員の主体は介護職であるため、看護師の数が少ないものの、比較的融通が利きやすい(休みが取りやすい)職場です。

クリニック

クリニック

クリニックは、非常勤(パート)看護師と常勤(正職員)の割合が半分ぐらいのクリニックが多いです。

しかし、病院と比べると在籍するスタッフが少ないため、即戦力が求められる職場です。そのため、スキルに自信のある看護師が多い特徴があります。

クリニックの注意点としては、常勤職員が少なく、パート勤務の職員でシフトを調節しているため、急なシフト変更が難しい可能性があります。そのため、融通が利かない(休みが取れない)ことがあるでしょう。

なお、クリニックの中でも美容クリニックの場合は、常勤(正職員)が多いので注意しましょう。

その他、クリニックの特徴として、昼休みが2時間程度ある場合があります。そのため、自宅近くのクリニックで働く主婦には人気があるようです。

健診センター

健診センター

健診センターは基本的に非常勤(パート)看護師の割合が多いです。さらに、独立型の健診センターは、より非常勤(パート)の割合が多い場合があります。

働く看護師の特徴としては、主に問診と採血がメインになるため、

  • 患者とのコミュニケーションが得意な看護師
  • 採血に自信のある看護師

などが多いです。

さらに詳しくは「健診センターへ転職する看護師のメリット・デメリット!楽な仕事ではない?」を確認しておきましょう。

非常勤(パート)看護師の働くメリット

非常勤(パート)看護師の働くメリット

常勤看護師と比べ、何かと自由度が高い非常勤(パート)看護師はプライベートを重視しつつも、効率的に稼ぎたい看護師にとっては最適な働き方だと言えそうです。

非常勤(パート)看護師として働くメリットを詳しく確認していきましょう。

自分に都合に合う時間に働くことが可能

非常勤(パート)の看護師として働くメリットは、何といっても自分の都合に合う時間に働くことができるという点です。

例えば、日勤のみで夜勤は行わず、子どもが学校に通っている間だけの勤務というのも非常勤であれば可能でしょう。

働く職場にもよるので注意しましょう。

常勤看護師であれば月末まで翌月のシフトがわからないというケースも少なくありませんが、非常勤(パート)看護師であれば自分の都合でシフトを組むことも職場によっては可能です。

時間外労働(残業)がない、又は少ない

非常勤(パート)看護師は時間給のため、基本残業は行わない病院・施設が多く、常勤の看護師に引継ぎを行い帰宅できるものメリットです。

もしも、時間外労働(残業)があった場合でも、残業手当は貰うことが出来ます。

また、非常勤(パート)看護師は時給が高いこともメリットでしょう。非常勤(パート)看護師は拘束時間・働いた時間で給与が支給されます。そのため、拘束時間を時給換算すると、常勤看護師よりも高い時給の場合もあります。

常勤(正職員)の看護師より責任がない

常勤(正職員)看護師はプライマリーナースとして、自分の受け持ちの患者を持つことがない場合が多いです。

(※病院によって異なります。)

そのため、プライマリーナースの依頼されているものを淡々とこなしていくだけなので、仕事の負担が少ない部分もメリットといえます。

責任感がないと言ってしまうと語弊がありますが、「常勤(正職員)の看護師より責任や負担が少ない」仕事量と言えるでしょう。

また、非常勤(パート)看護師は研修や委員会の参加をしないことが一般的です。

割り切って仕事を行うことが可能

非常勤の場合は勤務時間の関係もあり、病院などにありがちな人間関係の問題に巻き込まれないのも魅力です。

非常勤(パート)看護師が多い職場の場合、働きやすい反面、人間関係は少なからずありますが、割り切って働いている看護師も多いです。

そのため、看護師として働きやすい傾向にあります。

仕事と家庭の両立がしやすくダブルワークにも最適

非常勤(パート)看護師は、仕事にもゆとりがある場合が多く、仕事と家庭の両立がしやすいこともメリットです。

仕事より家庭に重点を置いている看護師の場合は、非常勤(パート)看護師はおすすめです。

看護師のダブルワークにも最適

常勤の看護師よりも非常勤(パート)看護師はダブルワークがしやすいでしょう。

時間と身体が許す限りダブルワークとは言わず、トリプルワークもできるのが非常勤(パート)看護師の魅力です。

お金を稼ぎたいと思っている看護師には非常勤(パート)看護師はメリットと言えるでしょう。

非常勤(パート)看護師の働くデメリット

非常勤(パート)看護師の働くデメリット

非常勤(パート)看護師としての「自由」が手に入る分、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

色んな意味で「安定」を求める看護師であれば、非常勤の働き方は向かないことが分かります。

常勤看護師よりも待遇が悪い

非常勤(パート)看護師として働く一番のデメリットは、常勤看護師よりも待遇が悪いということです。

また、雇用の安定も現在は全国的に看護師が不足している状態なので、非常勤とはいえ余程のことがない限り、リストラということはありませんが、各種保険や福利厚生面では非常勤であるがために、常勤のように手厚い保証をされていないという職場がほとんどです。

退職金制度は適用外がほとんど

基本的に非常勤(パート)看護師は、何年働いても退職金制度がない病院・施設が一般的です。

仕事がすごくでき、常勤の看護師のようなスキルもあり、あなたがいないと仕事が回らない、頼りになる存在でも、非常勤(パート)看護師の場合は退職金がでることはありません。

何十年も同じ職場で働く看護師にとっては大きなデメリットになるでしょう。

一部の福利厚生が受けられない場合もある

非常勤(パート)看護師の場合、常勤看護師と差をつけるために、一部の福利厚生が受けることが出来ない場合が多いです。

例えば、旅行での割引や施設利用や、各種割引チケット、院内保育施設の利用、看護寮の利用などが該当します。

働く時間によっては各種保険が加入できない

勤務先にもよりますが、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などは、働く時間等で加入条件が決められています

非常勤(パート)看護師として働く場合で、社会保険に加入を希望しているけど、条件に該当しない場合は加入できないため、デメリットになるでしょう。

常勤看護師と比べると年収は下がる

給与が常勤看護師より安くなるのも、非常勤で働く大きなデメリットです。

非常勤(パート)看護師の時給は、一般的なアルバイトなどに比べると高い金額ではありますが、基本的に昇給や賞与がない分、年収は下がってしまいます

待遇が良いところは非常勤でも賞与が支給されますが、金額は常勤とは比べ物になりません。

非常勤であるために辛くあたられる職場がある

基本的には人間関係のトラブルにはなりにくい非常勤ですが、中には非常勤であるために辛くあたられる職場も存在します。

非常勤で働く看護師が少なく、看護師の数が足りずに、ひとりひとりの負担が大きい職場などでは、キツイ仕事を非常勤(パート)看護師に押し付けるケースもあります。

この問題は非常勤(パート)看護師の割合が多い職場を選ぶことで、ある程度回避することが可能です。

看護スキルが上がらない(上がりにくい)

常勤看護師のように、強制的に勉強会や研修などに参加することもありませんので、自分で勉強しない限り非常勤(パート)看護師のスキルは上がっていきません。

また、看護技術的なものが少ない施設系の非常勤(パート)の看護師だとさらに看護師としてのスキルは上がりません。

職場によりますが、常勤看護師と非常勤看護師の仕事内容が違う場合なども、看護スキルは上がりにくいと言えるでしょう。

期間が長いと、転職の際は不利になることもある

例えば、理由なく非常勤(パート)看護師を継続しており、期間が長い場合、次の常勤看護師での転職で不利になる場合があります。

人気の職場などでは、できるだけ常勤(正職員)でしっかり働いていた人を採用したいと考えているケースが多く、非常勤(パート)が悪いわけではありませんが、そういった目で見られてしまい、不利になるケースもあります。

例えば、子育てや介護などの周囲が納得しやすい理由であれば、不利になることもありませんが、職場によっては看護師の経験としてカウントされない場合もあるため注意が必要です。

非常勤看護師の平均時給・相場の目安

最低賃金が年々上昇傾向にあるため非常勤(パート)看護師の時給も多くなっています。

以下は、あくまで一般的な看護師の平均時給の相場・目安です。

最高額の時給最低額の時給
北海道・東北エリア時給3,360円時給950円
甲信越・北陸エリア時給2,500円時給1,000円
関東エリア時給4,500円時給1,100円
東海エリア時給3,360円時給1,300円
関西エリア時給4,000円時給1,450円
中国・四国エリア時給2,000円時給1,200円
九州・沖縄エリア時給3,500円時給905

(看護求人サイト「はたらきナース」から2021年10月データより独自に調査)

働くエリアや仕事内容によって、非常勤(パート)看護師は大きく時給が変わり、外来勤務の非常勤(パート)看護師が一番安い時給になっている場合が多いです。

また、准看護師の場合は、正看護師よりも時給が安くなります。

高額時給は「訪問看護」や「訪問入浴」

非常勤(パート)看護師の仕事で高額時給の職場は、主に訪問看護や訪問入浴です。

平均で時給2500円~3000円が相場となっている地域が多いです。

いずれも体力的にはかなり消耗する仕事ですが、これだけ高時給であればそれを励みに頑張っていけるのではないでしょうか。

注意点

訪問看護は1人で行動することがほとんどで、訪問入浴も大体はグループの中で看護師は1人という場合であるため、前もってグループが組まれていたり、休みの連絡が取りづらかったりして融通が利かない(休めない)ことも多いため注意しましょう。

夜勤専従看護師も時給は高い

夜勤専従看護師求人の中でも「病院への交通アクセスが悪い」「激務で勤務量の割に看護師が少ない」「看護師1人とヘルパー1~2名と勤務する」等の職場の場合、時給が高い場合が多いです。

日勤と夜勤を不規則に繰り返す勤務に比べると、夜勤専従看護師は勤務帯が一定していることや朝早く起きなくていいことは気分的に楽ですが、プライベートで友人と時間を合わせづらいというデメリットもあります。

さらに詳しくは「夜勤専従看護師の働き方と転職するメリット・デメリット・職場の選び方」を参照してください。

非常勤(パート)看護師として働く7つの注意点

非常勤(パート)看護師として働く場合の注意点を説明していきます。

1.即戦力の看護師だと思われる場合が多い

即戦力の看護師だと思われる場合が多い

非常勤の場合は長い目で見て成長を促す常勤と違い、雇用契約している時間内だけしっかり看護師としての職務を全うすることが求められます。

そのため、教育を受ける面ではあまり期待できず、逆に即戦力としてのスキルが求められることでキャリアの浅い看護師には難しい働き方でしょう。

求められる看護スキルについては、勤務先によって異なるため、その点も事前にしっかり確認しておきましょう。

経験が浅い方は「新人看護師でもアルバイトでスムーズに働ける職場5選」を確認しておきましょう。

補足注意点

即戦力と見られるからと言って、面接時には「出来ないことは出来ない」とはっきりと意志を伝えておきましょう。

できると思われて入職した場合、入職後にトラブルになるケースもありますので、注意してください。

2.なるべく自分の経験分野で働ける職場を選ぶ

なるべく自分の経験分野で働ける職場を選ぶ

非常勤(パート)看護師としてプライベートを充実させたい、急な休みにも対応したいと考えるのであれば、自信を持って働くことができる職場・経験のある診療科を選ぶ方が仕事を行いやすいでしょう。

また、雇用側にとっても経験者を採用することは大きなメリットです。そのため、看護師側の融通は利いてもらいやすいでしょう。また、経験者を採用したい職場も多いため、職場の選択肢の幅も広がるでしょう。

新しい分野にチャレンジしたい場合は、内定を貰うことが難しくなる場合もあります。そのため、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を必ず利用し、内定を貰えるよう努力しましょう。

3.非常勤(パート)看護師が多い病院・施設の方が働きやすい

非常勤(パート)看護師が多い病院・施設の方が働きやすい

すべての職場に該当するわけではありませんが、常勤看護師のみの職場は、非常勤(パート)看護師は肩身が狭い思いをしがちです。

常勤と非常勤では担う責任も違い、立場的には常勤の方が「上」となるためです。

また、常勤と非常勤では生活背景も異なることも多々あるため(代表的な例で言うと常勤は独身が多く、非常勤は既婚が多いなど)価値観なども合わず、場合によっては孤立してしまうことがあります。

その職場で長く働き続けられるかどうかは人間関係によるところが大きいため、できるだけ非常勤(パート)看護師が多い職場の求人を見つけるようにしましょう。

同じ状況の看護師が働いているか確認しよう

非常勤(パート)看護師求人を探す上で、同じ状況の看護師が働いている場合、自分にとっても働きやすい可能性が高いといえます。

面接時などに例えば、

  • 「シングルマザーの看護師は何人いますか?」
  • 「小さい子どもがいる看護師は何人在籍していますか?」
  • 「非常勤(パート)看護師は病棟内に何人いますか?」

などの質問を行い、事前に非常勤(パート)看護師理解のある職場を選択しましょう。

4.転職と同様に職場の人間関係や雰囲気は確認する

転職と同様に職場の人間関係や雰囲気は確認する

給与や待遇以外にも注意点としてチェックしておきたいのは、実際の職場の雰囲気です。

例えば、以下のような内容です。

  • 非常勤の看護師が他にも活躍している職場かどうか
  • 非常勤の働き方に理解がある職場かどうか
  • 看護師の人間関係は円満かどうか
  • 良くない病院・施設(ブラック病院)ではないかどうか

以上のことも必ずチェックしておきましょう。

常勤看護師ばかりで、非常勤が自分だけという環境では、なかなかなじめない可能性もあります。そうなると、良好な人間関係を築くのは難しいでしょうし、看護師の定着率の悪い職場で仕事を続けるのは厳しいでしょう。

こうした情報は公開されている募集要項等では分からないことも多く、看護師転職サイトに登録するなどして、担当者に相談するのが良いでしょう。

※非常勤、パート・アルバイトの求人探しでも、看護師資格を持っていれば看護師転職サイトを利用することが出来ます。

補足注意点

非常勤看護師だからといって、正職員(常勤)のように転職活動に力を入れない方もいますが、それは大きな間違いです。

実際には非常勤看護師のほうが、求める条件が多く、職場の理解が必要な場合が多いため、正職員(常勤)の転職のようなイメージで求人を探し、就職活動を行いましょう。

5.保険関係を確認して働く時間を決める

非常勤看護師の場合、非正規雇用(正職員ではない雇用)となるため、働く時間によって健康保険・厚生年金保険などの(社会保険)加入条件が異なります。

健康保険
厚生年金保険
1週間の所定労働時間が正職員の4分の3以上であること
又は

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が88,000円以上であること
  • 学生でないこと
  • 雇用元の従業員が501人以上であること
雇用保険1週間の労働時間の合計が20時間を超えており、なおかつ31日以上の雇用が予想されること
(1ヶ月が30日未満の月は、条件から外れるため注意)
労災保険働く職場が1人でも労働者を雇用していること

※詳しくは日本年金機構の「適用事業所と被保険者」を確認しましょう。

また、家族の扶養に入りたい場合などは、全国健康保険協会の「被扶養者とは?」を確認しておきましょう。

6.雇用契約書は詳細を確認する

雇用契約書は詳細を確認する

非常勤(パート)看護師として働く場合、病院・施設から出される雇用契約書又は、雇用条件通知書は必ず詳細を確認しておきましょう。

非常勤という働き方を選択している方の場合、「プライベートを充実させるため」「育児と家庭を両立するため」など、働き方の条件が細かくあると思います。1日の勤務時間や1週間で働ける日数、賃金形態、福利厚生(託児所の利用など)など、人によって働く条件は様々あるため、その条件をクリアしているかどうかの確認は重要です。

確認を怠った場合「話していた条件との相違」や「聞いていない条件やルールがあった」などの問題が起きやすいです。

そのため、面接時に決められた条件なども雇用契約に記載してもらい、働いてからトラブルがないように努めましょう。

補足注意点

求人掲載時の「募集要項」と「雇用契約書(雇用条件通知書)」の条件は必ずしも同じではありません

そのため、雇用契約書(雇用条件通知書)を必ず確認しておきましょう。

7.看護師転職サイトは利用できる

看護師転職サイトは利用できる

看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)は、常勤や正職員の転職活動にのみ、利用できるイメージがありますが、非常勤(パート)看護師求人を探すことにも利用できます。

しかし、非常勤(パート)看護師求人を取り扱っていない看護師転職サイトも存在しており選択する必要があります

(非常勤でも様々な働き方があるため、募集要項はしっかりと確認しましょう。)

以下で説明する看護師転職サイトは看護師に人気があり、非常勤・パート看護師求人を取り扱っている転職サイトです。

自分自身で求人を比較するために、2社程度は必ず無料会員登録して比較しましょう。

非常勤(パート)看護師でも長く続けていくためには求人は吟味する必要があります。

非常勤看護師におすすめの転職サイト3選!

非常勤(パート)看護師の求人が豊富であり、転職支援サービスが充実している看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)をご紹介します。

※以下は、非常勤(パート)でも、常勤と同じように活用可能な転職サイトです。

1.非常勤の看護師求人が多いレバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数158,398件
(2024年11月1日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤、派遣、紹介予定派遣
対応施設総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職サイトの中でもダントツに非常勤看護師(パート看護師)の求人が多いです。

また、非常勤の求人も、常勤の転職と同様に、担当者が丁寧にサポートしてくれるので、とても安心して利用することが可能です。

保有している求人もハローワークを含む、様々な施設があるため、非常勤看護師求人を探すのであれば、必ず利用しておきましょう。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

2.病院・企業系求人が多いマイナビ看護師

マイナビ看護師

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名マイナビ看護師
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数81,585件
(2024年11月1日時点)
非公開求人とても豊富(保有求人全体の約40%非公開)
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
対応 雇用形態正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
対応 勤務形態常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
対応施設病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他
対応 診療科目美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
対応配属先病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・転職の相談から行える
・キャリアアドバイザー親切丁寧
・退職交渉も可能
・企業系のレア求人を豊富に保有

マイナビ看護師は、非常勤看護師(パート看護師)の求人も全国的に豊富で、規模が大きな病院外来や、企業系の求人が多いため、該当する方は必ず利用しておきましょう。

担当者も親切丁寧で非常勤看護師(パート看護師)でも転職支援サービスを利用することが可能です。

公式サイト:https://kango.mynavi.jp/

3.非公開求人が豊富なナースではたらこ

ナースではたらこ

転職相談面接対策条件交渉退職相談
まる2重丸2重丸三角
サイト名ナースではたらこ
運営会社ディップ株式会社
公開求人数95,585件
(2024年11月1日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある

ナースではたらこは、他の看護師転職サイトに比べて非公開求人が豊富です。

そのため、好条件の非常勤看護師求人を求めている場合や、上記の転職サイトで希望する求人が見つからない場合は必ず利用しておきましょう。

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

良くある質問

非常勤看護師は、1週間の労働時間が40時間未満(週5勤務の場合、1日8時間未満)で働く看護師を指します。

そのため、雇用形態はパートタイムとなる場合が多く、施設や雇用条件によって働き方は様々です。

(また、非常勤はパートタイムを指す場合がほとんどです。)

働く職場と労働時間等によりますが、条件を満たすことで社会保険に加入できます。

1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上で加入することができ、加入できない場合でも、2016年10月からの法改正で以下の条件が緩和されました。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が88,000円以上であること
  • 学生でないこと
  • 雇用先の従業員が501人以上であること

などの条件です。

また、2022年の10月から健康保険・厚生年金保険の適用が拡大されます。

詳しくは日本年金機構の「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」を確認しておきましょう。

職場によって様々で、基本的にはボーナス(賞与)は出ないことが一般的です。

しかし、すべての看護師が非常勤であるクリニックなどは賞与(ボーナス)が出る場合もあります。

ただし、正職員の看護師よりも一般的にボーナス(賞与)金額は低くなります。

まとめ

非常勤は「給与よりも自由がほしい!」「プライベートを充実させたい」という看護師に最適な働き方です。

また、家庭や子育てと両立しなければならない看護師にとっても非常勤の働き方はメリットが大きいでしょう。

非常勤(パート)看護師として働く(転職・就職する)注意点としては、以下の通りです。

  1. 即戦力の看護師だと思われる場合が多いため注意すること
  2. なるべく自分の経験分野で働ける職場を選ぶことがおすすめ
  3. 非常勤(パート)看護師が多い病院・施設の方が働きやすい傾向にある
  4. 転職と同様に職場の人間関係や雰囲気は確認すること
  5. 保険関係を確認・理解して働く時間を決めること
  6. トラブルを避けるため雇用契約書は詳細を確認すること
  7. 看護師転職サイトは非常勤(パート)でも利用できるため、活用がおすすめ

非常勤(パート)看護師だからと言って転職・就職活動での確認等を怠ることなく、正職員と同様の気持ちで、しっかりと行いましょう。

自分が一番大切にしたいものは一体何であるかを明確にし、今一度働き方を検討してみてはいかがでしょうか。

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総合監修者

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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