看護師の転職活動は、必ず看護師転職サイトやハローワークなどの公的機関を利用しなければいけないことはありません。
もちろん、自分の力だけで、直接応募することも可能です。
看護師が自分で転職活動を行うメリット・デメリット、転職活動の流れと注意点を説明していきます。
目次
自分で直接応募する流れ
看護師が転職を行う場合、新卒の看護師入職と違い複数病院に応募できるので、人気の病院や有名な病院等は、必ず他の病院にも同時に応募することをおすすめします。
「気になる求人を見つけたらすぐに応募すること」が自分の力だけで行う方法の転職の第一歩です。
以下のような流れで進みます。
1 | 気になる病院・施設のサイトや看護部ページを確認する |
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2 | 履歴書と職務経歴書の作成を行う |
3 | 電話・メール(応募フォーム)・送付等で応募し、書類選考の結果を待つ |
4 | 病院・施設の面談・見学を行う |
5 | 内定(勤務中の看護師は退職手続き) |
看護師が自分で直接応募する流れについて説明していきます。
(1)病院・施設のサイトを確認
自分で直接応募するために一番初めに行うことは、自分が希望する病院・施設等の雇用先が看護師求人を募集しているかどうか調べることです。
病院の場合は特に「看護部の特集ページ」や「採用ページ」を閲覧してみましょう。
募集している場合 | 募集要項や応募要項に従い応募する |
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募集していない場合 | 自分で看護師を募集しているか問い合わせを行う |
募集要項に記載している内容はしっかりと守って行い、電話の場合は採用担当者の指示をしっかりと確認することが必要です。
(2)履歴書と職務経歴書の作成
応募方法が確認出来たら、履歴書や職務経歴書の作成となります。
メールで送る場合もあるため、手書きの場合はPDFなどでも保存できるようにしておきましょう。
特に初めて作成する場合は、添削する人がいないため、上記のページをチェックしマナーを守って提出しましょう。
注意点・ポイント
応募要項等に職務経歴書の提出が求められない場合でも、必ず面接前までには作成し、鞄の中に入れておくようにしましょう。
中途採用の看護師は今までの職歴の話がメインとなるため、面接もスムーズに進みやすいです。
(3)電話・メール・送付等で応募する
基本的には応募は以下のような流れになることが一般的です。
- 履歴書・職務経歴書を送付又はメールする
- 書類選考
- 選考後、面接の日程調整
上記の間に電話やメールなどを繰り返し採用担当者と行うことになるので、マナーには注意しておきましょう。
キャリアアドバイザー
特に病院の場合は、面接時に院内見学をさせていただきたい旨を「面接の日程調整」時に伝えておきましょう。
(4)病院・施設の面談行う
初めての転職の場合や、直接自分で応募したことがない場合は必ず独自で面接対策を行っておきましょう。
面接時のマナーや、想定される質問の準備などを行い、面接で失敗しないように注意しましょう。
(5)内定(勤務中の看護師は退職手続き)
内定を貰えたら、雇用契約書又は労働条件通知書を必ず貰うようにしましょう。
PDFなどメールで届く場合や、書類が郵送で届きます。
貰うことが出来ない場合は、病院・施設側に問い合わせを行いましょう。
自分で問合せる例文紹介
「お世話になります。」
「私、神田かん子(名前)と申します。御院の採用ページを見てご連絡させていただきました。」
「担当の方、お手すきであればお願いできますでしょうか。」
(担当者に電話がつながる。)
「お忙しいところ申し訳ございません。私、看護師の神田かん子と申します。御院の採用ページを見てご連絡させていただいたのですが、看護師の募集は現在行っていないでしょうか。」
【募集を行っている場合】
「ありがとうございます。是非、御院に入職したいと考えており、どのような流れで進みますでしょうか。」
「また、もし可能であれば、病院(施設)の見学もさせていただけたら、ありがたいです。」
【募集を行っていない場合】
「ありがとうございます。お忙しいところお手数をおかけいたしました。」
「恐れ入りますが、中途採用を行う場合、時期が決まっているのでしょうか。」
「また、今後、看護職を採用する予定はあるのでしょうか。」
ポイント解説
看護師求人を募集していない場合、基本的には電話で問い合わせを行うようにしましょう。
メールでも問い合わせを行うことが可能ですが、電話の方がスムーズに進む場合が多いでしょう。
問い合わせのポイントとしては、病院や施設のホームページに採用募集がないため、
- 採用ページを確認していること
- 忙しい中で対応してもらえる感謝
- 現在の募集の有無
を上記の順番で伝えていきましょう。
採用担当に電話がつながっている時点で、面接がスタートしていると思いましょう。
自分で転職活動を行うメリット
自分で転職活動をするメリットは、以下の通りです。
1 | 行きたい病院・施設のみのため転職活動に無駄がなくなる |
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2 | 自分のペースで転職活動ができる |
3 | 採用されやすい可能性がある |
4 | この病院・施設に入職したいとい熱意を伝えやすい |
5 | 雇用側(病院・施設)に採用コストがかからず雇用しやすい |
看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)へ雇用側の病院・施設が依頼した場合、看護師の年収の20%から30%程度が成果報酬として支払う必要があります。
そのため、病院・施設は採用にコストが掛からない分、看護師として採用されやすい可能性が高いことが言えます。
しかし、看護師に人気がある職種や、人気の病院・クリニックなどの場合は、ビジネスマナーを守って最大限準備しないと受からない可能性が高いといえ、履歴書や面接時の対応は、厳しくチェックされます。
また、中途採用の看護師の採用活動を積極的に行っていない場合は、デメリットとなります。
自分で転職活動を行うデメリット
看護師が自分で転職するデメリットですが、大きく分けると以下の4つになります。
1 | 転職活動をすべて自分で行う必要がある |
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2 | 行きたい病院に落ちると、改めてチャレンジしにくくなる |
3 | 雇用側の求人募集のタイミングを把握できない |
4 | 自分に合った転職先なのか客観的に選択できない |
気になる場合は「看護師転職サイト」などの転職支援サービスを利用することをお勧めします。
「看護師転職サイト」を利用することで、自分で転職をする場合のデメリットを払拭することができます。
理由としては、
- 転職活動に必要なほとんどのサポートを受けることができる
- 病院の採用に落ちても対策を講じて再度チャレンジが可能な場合もある
- 担当者が希望する病院の情報をリサーチし入念な転職対策が行える
特に、履歴書作成の方法など不明な看護師は看護師転職サイトを利用しましょう。
自分で転職活動する注意点
看護師が自分で転職活動を行い、直接応募する場合に注意しておきたいことは以下の通りです。
- メールや電話のやり取りが評価されること
- 応募する病院・施設は妥協しないこと
- 応募条件が曖昧な場合がある
- 病院・施設見学は必ず行うこと
- 希望条件の交渉は注意すること
- 内定後に雇用契約書を貰うこと
詳しく説明していきます。
(1)メールや電話のやり取りが評価されること
自分で直接応募する流れで説明したすべての病院・施設とのやり取りがあなたの評価となります。
特に、メールや電話のやり取りは、すべてあなたの評価となり、内定を貰うことに直結します。
ビジネスマナーが守られているかどうか、繰り返し確認をしながら対応していきましょう。
(2)応募する病院・施設は妥協しないこと
自分が希望の転職をすることに最後までこだわりながら転職活動を行いましょう。
自分で転職活動を行うのであれば忍耐力が必要になり、
- なかなか希望に合う求人には出会うことができない
- 希望の求人に出会えても病院・施設が求めている人材とは違う
以上のことも起こり、このようなことが続けば、少し希望の条件から外れてもこの職場で我慢しようなどと妥協してしまいます。
妥協した時点で「何のための誰のための転職活動なのか」分からなくなります。
さらに「自分で転職活動を行った意味」が無くなってしまいます。
そのため、妥協しないように転職活動を進めてください。
(3)応募条件が曖昧な場合がある
病院や施設によっては、1年前・2年前の求人募集をそのまま掲載している場合があります。
そのため、応募条件が古く曖昧となっているケースがあります。
書類選考もせずに断られてしまうケースや、看護師の雇用条件が曖昧になっているケースもあるため特に注意が必要です。
(4)病院・施設見学は必ず行うこと
自分で直接応募する場合、看護師転職サイトを利用した場合と比較すると、どうしても病院や施設の取得できる情報量が限られてしまいます。
そのため、入職決定の判断のために、必ず病院見学を行わせてもらいましょう。
面接と同時に病院見学を行わせてもらえれば、先方にも負担は少ないため、面接のアポイントの際に忘れずに伝えましょう。
(5)希望条件の交渉は注意すること
休みや希望のシフトなど、勤務するための「希望条件」に関しては注意する必要があります。
- 条件として伝えるのではなく、まずは面接で相談する
- 希望条件は、なるべく最低限で伝える
- 承認してもらった条件は書面で貰う
以上の対策が必要です。
まず、希望条件が通る職場なのか自分で見極める必要があり、大きな病院や施設になればなるほど希望条件は通らなくなるでしょう。
(希望条件を伝え過ぎると面接に落ちる可能性が高くなると考えましょう。)
(6)内定後に雇用契約書を貰うこと
雇用契約書や労働条件通知書を働く看護師に書面で通知することは、病院・施設側の義務となります。
そのため、雇用契約書又は、労働条件通知書を内定が出たタイミングで受け取るようにしましょう。
この際に、先ほどお伝えした希望条件が通る勤務先の場合、必ず書面(雇用契約書)などで条件を記載してもらうか、メモを取るようにしましょう。トラブルを事前に防ぐことが大切です。
希望の勤務先に落ちた場合
希望の勤務先が「看護師求人を募集していない場合」や「面接や選考で落ちてしまった場合」にどうしても諦めることができない場合があります。
この場合は、看護師転職サイトを利用し、担当者に仲介してもらうことをお勧めします。
担当者に断られた経緯などを説明することにより、
- 自分のスキルが足りずに応募が断られた
- 応募の時期が遅かった
- 応募方法に間違いがあった
- 面接で採用されなかった理由
など、なぜ求人応募が断られたのか、理由を知ることが出来る可能性があり、理由を知ることで再チャレンジできる可能性があります。
また、希望条件を伝えることで、条件に見合う求人が出てくる可能性も高いと言えます。
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良くある質問
有利な場合と不利な場合があり、応募する病院・施設によって異なります。
自分で応募する場合は、雇用側の採用コストが掛からなくなるため受かりやすい傾向にあります。
しかし、看護師転職サイトを利用した場合には、条件交渉の面や求人を比較できる点から看護師にメリットが大きいと言えます。
さらに、看護師人材の質を重視している病院・施設や、看護師のキャリアを精査して採用したい病院・施設などもあることから、看護師転職サイトの利用はおすすめします。
もちろん、退職する前に転職するのは問題ありません。
ただ、直接応募の場合、印象が悪くなる可能性があるため、現在の勤務先を退職してから行った方が無難と言えます。
どうしても退職できない場合は退職日を明確にし、入職日がはっきりわかっている状態で応募しましょう。
応募する看護師求人さえ見つけることが出来れば、応募から2週間程度で内定を貰うことが可能と言えます。
事前に求人を探すことや、履歴書の作成などは自分のペースで進めてみましょう。
自分で転職する場合の直接応募にはなりません。
求人サイトに掲載している病院・施設は求人掲載料や、看護師を採用した場合に成果報酬で費用を払っているためです。
今回お伝えしている「自分で転職する場合の直接応募」は、病院・施設に直接問い合わせて応募することを指しています。
まとめ
看護師が自分で転職活動を行い、直接応募することは決して無理な事ではありません。
しかし、転職知識が十分に備わっていない場合、転職は自分ひとりの力ではなく、看護師転職サイトの担当者の力を借りることや、ナースセンターやハローワークで転職の相談を行うことも必要です。
転職支援サービスなどの力を利用しながら、最終的に自分で応募する方法を目指して活動してみると良いでしょう。
また、この記事では看護師が自分で転職を行う方法について、注意点を踏まえて説明しましたが、初めての転職であれば担当コンサルタントのサポートが受けられる看護師転職サイトへの登録をすることをおすすめします。