看護師が友人・知人の紹介で転職するメリット・デメリット!注意点を確認し検討しよう
病院や施設に勤務している看護職員が、知人や友人に声をかけて自院の採用につなげることをリファラル採用と言い、採用手法の1つとして用いられます。
病院側にとっては、採用コストを下げることができる点や、友人・知人にとっては仲が良い看護師が一緒に働いてくれることで心強く感じるものです。
知人や友人の看護師から「うちの病院で働かない?」と誘われた場合、あなたはどのように検討するでしょうか。
実際に友人・知人の紹介で転職した看護師の成功事例と失敗事例、メリット・デメリット、知人に転職先を紹介された場合に注意することや確認事項を解説していきます。
執筆・監修当サイトを運営する株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。国家資格であるキャリアコンサルタント資格も取得。
- エリア:神奈川県在住
- 保有資格:看護師
- 職務経験:総合病院、特別養護老人ホーム、クリニック、介護老人保健施設、デイサービス、健診センター、イベントナース、健康相談員
- 診療科経験:脳外科、神経内科、内科、皮膚科、美容皮膚科、整形外科
食べること、スポーツ観戦が好きな看護師。社会勉強と称していろいろなところで働いた経験を綴っています。派遣看護師の経験もあり、派遣では回復期の病棟業務、デイサービス、検診センターで仕事の経験があります。
看護師転職の成功・失敗事例
友人・知人紹介での転職成功事例
人間関係に苦労しなかった
私は知人の紹介で同じ病院へ転職を行いました。
知人と同じ診療科ではないことは事前に説明があり、知人が私の直属の上司に前もって伝えてくれたことで、他の同僚の看護師が私をフォローしてくれました。
知人は病院内では一目置かれる存在だったため、その知り合いと言うことでプレッシャーもありましたが、人間関係に困ることはありませんでした。
また、事前に福利厚生や待遇についてもざっくばらんに確認ができたので、満足しています。
聞きたい情報を収集できた
友人の紹介で病院へ転職しましたが、働いている看護師からしか聞けない情報をすべて知ることが出来たため、転職しました。
もちろんデメリットもありましたが、それ以上にメリットを感じました。
例えば、残業手当や前残業のことや、研修の有無、教育体制や人間関係、お局の看護師など、初めから情報をしっていることでとても働きやすかったです。
また、私は小さい子どもがいるのですが、友人が子育て中であることを直属の上司に猛アピールしておいてくれたおかげで罪悪感なく帰れています。
友人・知人紹介での転職失敗事例
退職してしまい友人と気まずくなった
友人の紹介で病院に転職しましたが、違う部署に配属となりました。
その部署では人間関係に苦労し、私が思っていた看護とはまた違うものでした。
結果、1年程度で退職することになりました。その後、友人との関係が気まずくなったのであまり良い転職ではありませんでした。
紹介された友人の評判が悪かった
仲が良い友人ではありませんでしたが、病院内の情報も詳しく教えてくれ、待遇や福利厚生なども確認し、問題ないと思い転職しました。
また、直属の上司(師長)の人柄も良く安心して働くことが出来ると思っていました。
ところが、病院を紹介してくれた友人が職場内での評判が悪く、自分も同様に見られてしまい、人間関係に苦労する結果となりました。
最初についた印象は、なかなか変わらず、自分という人間を分かってもらえるまで時間が掛かりました。
その紹介された友人は退職し、私は勤務しています。
友人・知人の紹介で看護師転職するメリット
スムーズに採用してもらうことが可能
友人・知人の紹介で転職する場合、スムーズに採用してもらうことが可能です。
また、採用してもらいやすくなることもメリットとして挙げられます。
人と話すのが苦手な看護師や、日ごろから第一印象が悪い思う看護師などは、知人の紹介での転職するメリットが大きいといえます。
補足説明
紹介された転職先の採用担当者は、友人・知人にあなたの印象や人柄を確認しています。
友人・知人の場合、悪く言うことはありませんので、とても印象が良いと言えます。
人間関係に苦労することなく働ける可能性が高い
転職後に友人・知人と同じ部署やチームで働くことが可能であれば、人間関係で苦労することは少ないと言えます。
また、事前に友人・知人から人間関係を聞いておくこともできるため、よりクリアな状態で転職することが可能です。
看護師の人間関係の問題はどの職場でもありますが、悩まれている場合は大きなメリットと言えます。
院内情報や看護師の働き方が明確に分かる
友人・知人から通常の転職活動では聞き出しにくい以下の情報を得ることが可能です。
- 給与・賞与・昇給についての詳細
- 残業・前残業の有無
- 残業手当の申請が行いやすいか
- 研修の参加の有無
- お局看護師の有無
- 医師との関係性
- 人間関係 等
以上のことなど、通常の転職時には聞き出しにくい情報が明確に知れることがメリットと言えます。
また、可能であれば良いことも悪いことも聞いておきましょう。
労働条件に関する交渉が行いやすい
友人・知人から紹介を受けている場合、あなたには断る選択肢もあるため、比較的条件の交渉が行いやすいと言えます。
また、場合によっては友人・知人が交渉の仲介をしてくれる可能性もあり、メリットと言えます。
ただし、交渉仲介をしてもらう場合でも、雇用契約書や労働条件通知書を必ず確認をし、伝えられた条件かどうかを見直しておきましょう。
注意すべきデメリットとは?
過大評価されやすい
友人・知人の紹介で転職する場合、噂がひとり歩きする場合や、友人・知人の伝え方によっては過大評価さてしまうデメリットがあります。
そのような過大評価は、入職後に先入観を持たれ、仕事が行いにくいケースや、過大評価されていた手前、評価が地に落ちる可能性もあるので注意が必要です。
特に一緒に働いたことがない友人・知人の場合は、どのように伝わっているかを確認しましょう。
紹介者によって評判が左右される可能性がある
友人・知人の院内・施設内での評判が悪い場合、知人・友人であるあなたも同じだと思われる可能性があります。
そのため、友人・知人の評判によって、あなたの評価も左右されます。
仲の良い信頼できる友人なら問題ありませんが、知人の場合は注意しておきましょう。
退職する場合の言い出しにくい
友人・知人の紹介での入職後、退職する場合はとても言い出しにくいことがデメリットです。
さらに、周囲の看護師や直属の上司からはコネで転職したと思われるケースもあり、退職交渉が難航する危険性があります。
また、病院や施設がどうしても合わず、早期退職となってしまった場合、友人・知人との人間関係が気まずくなる可能性も否めません。
知人に転職先を紹介された場合に注意すること
知人が自分のことを理解してくれているか
知人が転職先を勧めてくれた場合、一番注意しておきたいことは、その知人が本当にあなたという人間を理解した上で勧めてくれている求人かどうかです。
知人というのはいつ知り合った人でしょうか。
例えば、看護師の免許取得から仕事までの過程でも以下のように知人となりうる人はいます。
- 一緒の中学、高校で看護師を志しながら別々の学校に通って看護師免許を取得した知人
- 専門学校・大学の同級生で、看護師免許を取得した後、別々の場所で働いていた知人
- 過去にどこかの職場で一緒に働いていた知人
- 友達の親、知り合いの知り合いなどの知人
知人が紹介するときに最も使う言葉が「あなたに合うと思って」です。
しかし、いつ知り合った人で、いつぶりに再会する人かによって、本当に自分に合うかどうかを分かっているのか考えなければなりません。
そのため、出会った時期や関わった時間ではなく、自分自身を理解してくれているかどうかで判断するようにしましょう。
善意で紹介してくれている知人かどうか
転職先を紹介してもらった知人が、一緒に働きたいから、本当に善意をもって働きやすい職場だからと言って勧めてくれているか見極める必要があります。
例えば、以下のようなことが考えられます。
- 「自分(知人)が辞めたいけど、看護師の人手不足で辞められない」
- 「人手不足で忙しいから1人でも労力が欲しい」
このように善意ではない知人による転職先の紹介はデメリットをはるかに上回るリスクとなりえます。
自分のために転職先を勧めてくれているのかをよく考えてください。
知人とライフスタイルが同じかどうか
知人とあなたのライフスタイルが一緒の場合、知人の言う通り働きやすくて良い職場なの可能性は高いでしょう。
しかし、ライフスタイルが異なった場合、あなたが働きやすい職場とは言えない場合もあり注意が必要です。
例えば、子育てをしながら看護師をしている知人が「本当に働きやすくて人間関係も良好だ」と伝える職場が、独身看護師から見ると、働きやすくてみんなが良い人に思えるとは限りませんし、またその逆もあります。
そのため、自分自身と知人のライフスタイルが同じかどうかを考え、知人と同じ働き方で自分も働き続けられるのかどうかを確認してください。
職場の悪い部分を聞きだすこと
知人は一緒に働いてほしいという気持ちが先行するあまり、職場の良いことは沢山話してくれますが、悪いことはほとんど教えてくれない場合があり注意が必要です。
そのため、知人から職場を紹介してもらう場合には、悪いと感じるところもしっかりと聞き出すことが必要となります。
注意点
良い部分については転職してほしいため、誇張して伝える場合がありますが、悪い部分に関しては矮小することが多いので注意してください。
そのため、伝えられた悪い部分の最悪のケースを想定し、その状況でも自分が許せるかどうかを検討しましょう。
悩む場合は看護師転職サイトを活用しよう
友人の紹介で転職することを悩んだ場合や、決めかねる場合は、看護師転職サイトの活用をおすすめします。
以下の流れで無料会員登録し、「求人紹介してもらうこと+紹介してもらった病院・施設の情報を入手」しましょう。
- 看護師転職サイトに登録
- 担当者に転職時の希望条件を伝える
- 同時に友人の紹介で紹介された病院・施設に悩んでいることも相談する
- 同時に院内・施設内情報を教えて欲しいとも伝える
- 提案された求人と比較し、改めて検討する
看護師転職サイトは看護師の転職活動を完了(内定)してもらうことが目的ですが、情報収集や転職の相談もサービスとなり、看護師は利用することが出来ます。
そのため、客観的に第三者の意見を貰い、検討することが可能です。
担当者が丁寧であり、院内・施設内情報を多く保有している看護師転職サイトは以下の2つから選んでください。
(比較のために2つとも複数登録することも可能であり、問題ありません。)
1.レバウェル看護(旧 看護のお仕事)「院内・施設内情報に強い!」
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
---|---|---|---|
総合評価 | 担当対応 | 求人の質 | サービス |
3.9 | 4.1 | 3.6 | 4.0 |
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、病院・クリニック、美容クリニックはもちろんのこと、介護施設や保育園などもカバーする看護師求人数の多さが、一番に挙げられます。さらに、年間5000を超える病院・施設へのインタビューを実施し、求人を新しいものに更新しながら病院・施設の情報を集めており、院内情報に強い看護師転職サイトです。
2.マイナビ看護師「丁寧な転職のプロ!」
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
---|---|---|---|
総合評価 | 担当対応 | 求人の質 | サービス |
3.8 | 3.9 | 3.7 | 3.7 |
看護師転職サイトの中でも担当者(キャリアアドバイザー)が「転職が良く分からない」「悩みがある」などの転職の相談から受けてくれることが一番の特徴です。また、情報収集に利用するだけでも現在の看護師市場の説明を行ってくれます。
転職の相談から、情報収集のみで利用することも可能なため、是非利用しましょう。
紹介での転職を決めた場合の確認事項
友人・知人の紹介で転職することを決めた場合、以下で説明することを確認しておきましょう。
確認のポイントとしては、
- 友人・知人にまずは確認し、内容をメモしておくこと
- 採用担当者に可能であれば同じ質問をし、再度確認すること
この2つが失敗しないポイントだと言えます。
もちろん、以下にはありませんが、待遇面の確認は必ず行いましょう。
友人・知人はその職場を続ける気があるのかどうか
友人・知人がその職場でまだ働き続ける気があるのかどうかは、必ず確認しておきましょう。
半年から1年は一緒に働く確認を取っておくと良いでしょう。
友人・知人が入れ替わりで退職した場合には、友人・知人の紹介で転職するメリットがなくなる可能性があるため、注意しましょう。
友人・知人と同じ部署で働くことができるのか
友人・知人とは、同じ部署又は、同じチームなのかを確認しておきましょう。
慣れるまで同じ診療科や病棟で、1ヶ月後に異動させられることや、同じ部署でもチームは別となる場合があるため、自分の希望に合わせて聞いておきましょう。
採用担当者どのように伝えているか
デメリットでもお伝えしましたが、友人・知人の伝え方によっては過大評価されている可能性があります。
また、一度も一緒に働いていない友人・知人の場合は必ず、どのように伝えているのかを確認してください。
そして、聞き出した内容と採用担当者の求める人材に差異がないかを確認しましょう。
余りにも過大評価されていた場合、仕事に影響を及ぼす可能性もあり、転職を考え直す必要もあるでしょう。
そのため、採用担当者にどのように伝えているのかを確認することは必ず行いましょう。
関連リンク
良くある質問
- 「現在の勤務先も看護師が不足していて転職ができない」
- 「今の職場で看護師として頑張りたいと思っている」
- 「ありがとう、気持ちだけで十分、転職は自分で決めたいと思っているから」
友人ではなく、知人の場合、角が立つと良くないため以下のように回答しましょう。
など、上記のような伝え方を参考に紹介で転職する意志がないことを伝えましょう。
以下の例を参照に、あなたに合う志望動機を書いてください。
●●で●●年勤務し、経験を積んだことで、●●科の基礎知識を身につけることができました。今後はさらに、この分野での奨励を知り、専門的な知識を蓄積したいと考えており、この度貴院の応募させていただきました。
知人から貴院の紹介を受け、患者様と真摯に向き合った医療を提供しているため大変興味を持ち志望いたしました。
これまでの経験を活かして、貴院の一員となり患者様を支えていきたいと考えております。
志望動機を記載し、「知人から貴院の紹介を受けた」とプラスしておくことを忘れないようにしましょう。
詳しい書き方は「看護師転職時の履歴書・書き方マニュアル」を参照してください。
まとめ
看護師が友人・知人の紹介で転職する(リファラル採用)場合、転職成功のカギは紹介してくれる友人・知人が以下のことを行ってくれているかどうかにあります。
- どこまで気を回して環境を整えておいてくれるか
(又は事前に伝えておいてくれるか) - 職場に紹介するあなた(看護師)のことをしっかりと説明してくれているか
- 紹介する職場の良い面も悪い面も包み隠さず説明してくれるか
あらためて、友人・知人の紹介で転職を行う場合は確認しておきましょう。
また、転職先を友人・知人に紹介してもらう場合、人間関係には安心できる一方、紹介してくれた友人・知人との人間関係が仕事に対して大きく左右するということ忘れないようにしましょう。
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資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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