妊活したいけれど、今の職場ではしづらいと躊躇している看護師も少なくないでしょう。
看護師が働く職場、特に病棟勤務ではハードな業務内容や夜勤があることにより、妊活しやすい職場への転職を考える看護師が多くいます。
妊活しながら転職するにあたりまず考えることは、「転職してどれくらいの期間で子どもを授かるべきか」「夜勤をするかしないか」「どのような職場であれば働きやすいか」等が挙げられます。
ここでは、妊活中の看護師が悩みがちなことや転職に関して、看護師の体験事例を踏まえながら説明していきます。
目次
具体的にいつ頃授かりたいかを明確にする
妊活中の看護師転職では、いつ頃授かりたいと思っているのかを明確にしましょう。
おすすめとしては、転職後1年間を経過した後が良いといえます。
転職する場合は1年以上勤務してから授かる理由
転職し、すぐに子ども授かることもあり得え、とてもハッピーなことですが、転職してすぐに妊娠した場合は、他のスタッフに気を遣わせることになる上に非常識だと思われる可能性もあります。
また、産休(産前休業・産後休業)は取得できますが、育休(育児休業)の取得が出来ない可能性があるためです。
育休(育児休業)取得に関しては「労使協定」で定められている場合が多く、「入社後1年以上勤務すること」などが定めれている場合が多いと言えます。
労使協定は、病院・施設の使用者と、労働者の過半数による労働組合(組合がない場合、労働者の過半数代表者)との間で結ばれる、書面による協定のことをいいます。(Wikipedia)
産休と育児休業の目安条件
産前休業 | 出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、請求すれば、取得できます |
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産後休業 | 出産後の翌日から8週間は就業できません。産後6週間を過ぎた後、本人が請求し医師が認めた場合は就業可能です |
育休の条件 |
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育休を取得できない方 |
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(出典:厚生労働省 あなたも取れる!育休&産休)
そのため、早くても1年以上働いた後に産休や退職を迎えたほうが良いでしょう。
ただし、職場や育休を考えた場合のため、妊活中は子どもを授かることに注力はしてください。
看護師の妊活体験事例
実際に私が1年以上働いて、医師やスタッフに喜ばれた経験を以下に紹介します。
私は、妊娠を希望しながらクリニックへ転職をし、転職後9ヶ月で子どもを授かりました。
出産の6週間前まで仕事を続けたため、結果的に1年以上勤務しましたが、医師やスタッフには「1年以上は働いてくれたから本当によかった」と何度も言われました。
就職してすぐの妊娠ではないことに周りのスタッフは安心した様子だったのです。
私が出産に向けて退職した後に、そのクリニックへ就職した妊活中の看護師は、就職後1ヶ月で子どもを授かって3ヶ月勤務した後に退職をしてスタッフや医師が困惑したという話を耳にしました。
私の経験からも、転職した場合、最低1年以上は働くという計算で子どもを授かる時期を決めるべきでしょう。
夜勤を避けるべきか確認する
妊活中の転職において夜勤の有無は、生活リズム・ホルモンバランス・体調の全てが変わってくるため、看護師にとって非常に大きな課題となるでしょう。
妊活とは、妊娠しやすい身体作りのことですが、夜勤をすることによって体調やホルモンバランスが変化して、妊娠しにくくなる可能性があるため、できれば夜勤を行わないほうが良いと言えるでしょう。
「自分自身がどうしたいか」「もし夜勤によって体調に問題が生じた際、周りに相談できるか」等の場合もよく考えて決めましょう。
夜勤を行っても問題ない看護師と夜勤を避けるべき看護師、それぞれについて説明していきます。
夜勤を行っても問題のない看護師
妊娠して体調不良などの問題があった場合に、周りのスタッフや上司にその旨をしっかり申し出ることができる看護師は、夜勤をしても問題ない可能性が高いと言えるでしょう。
自分の体調をしっかり把握して自己管理を行い、他のスタッフに相談や助けを求めることがとても大切です。
1人目の妊娠で全く問題がなく夜勤ができたとしても、2人目、3人目は夜勤ができない状況となるかもしれないため、妊活中に夜勤を行っても問題がないと言い切ることはできません。
夜勤は避けた方がよい看護師
夜勤をすることが不妊治療の妨げとなる場合があるため、不妊治療を受けている看護師の夜勤は避けた方が良いでしょう。
もし妊娠した場合、体調不良などの問題があったときに周りのスタッフや上司など誰にも相談できずに1人で悩み、無理をしてしまう看護師は、夜勤は避けるべきです。
無理をして夜勤に入り、万が一深刻な状況になったときに、自分だけではなく周りのスタッフにも迷惑がかかるということを頭に入れておきましょう。
妊活中でも働きやすい職場の特徴とは
妊活中の看護師が働きやすい職場には、どのような特徴があるのでしょうか。
子どもを持つ看護師が多い職場
妊娠・出産を経験した看護師は、妊活をしていたときの気持ちや、大変だったことなど何年経っていたとしても記憶の片隅には必ず残っています。
だからこそ、子どもを持つ看護師が多い職場は、妊活中の看護師でも働きやすいといえます。
子どもを持つ看護師が多く働いている職場では、相談したりアドバイスをもらったりできるため安心して働くことができることも利点となります。
また、子どもを持つ看護師の有無は、転職の求人には掲載されていない場合もありますが、看護師転職サイトや直接気になる職場へ問い合わせて確認することで知ることが出来ます。
人手が十分にある職場
妊活中の看護師は、できるだけ人手が十分にあり、勤務交代や業務の手助けをお互いにできるような職場が働きやすいと言えます。
転職の求人では、病棟であれば1人の看護師が1日何人の患者を受け持つのか、スタッフの数などをしっかりと確認しましょう。
職場の「休日の回数」「業務内容の詳細」「看護師の平均勤続年数」等を確認することで働きやすさを知る指標となるため、妊活中の看護師は転職の際に調べてみましょう。
産休や育休実績が多い職場
看護師の産休や育休の実績は比較的規模が大きな病院であれば、把握している可能性が高いといえます。
そのため、転職前の職場選びでは、産休や育休実績を確認するとともに、産後、復帰した看護師がどれぐらい在籍しているかも確認すると良いでしょう。
また、院内保育設備が整っている病院などは、産前産後に配慮している病院とも言えるため聞きやすいでしょう。
働き方が変更できる職場
例えば病棟から外来に異動が行える病院や、短時間勤務(一日の労働時間を短縮して勤務すること)に変更が可能な病院・施設の場合、育児休暇取得後も看護師として働き続けることが可能になります。
妊活中の転職は、妊活するために働きやすい職場を探すことが第一条件ですが、妊娠後、出産後も看護師として働き続けやすい職場を選択しておきましょう。
転職先の面接では妊活中を正直に伝える
転職先の面接では、妊活中であることを伝えることで不採用となる場合もありますが正直に伝えるべきです。
例え、何か所もの面接で不採用になったとしても、正直に伝えた方が自分自身も気持ち的に楽であり、転職先のスタッフにとっても有難いです。
無事に妊娠できた場合は、体力的に辛い仕事やシフトがあったとしても、妊活中であることを承知の上受け入れてくれた転職先のスタッフは、フォローして手助けしてくれることでしょう。
妊活中であることを面接で伝えなかった場合
面接で妊活中を隠した場合(伝えなかった場合)は、知られた際に、雇用側の管理者にも、同僚の看護師にも不信感を抱かれる可能性があります。
また、転職してからすぐに妊娠が発覚した場合には、迷惑をかけてしまうこと以外に、産休が取りにくい可能性もあります。
さらに、看護師の急な体調不良による休みや体力が必要な仕事のフォローに対応できない場合があるということを覚えておきましょう。
まとめ
妊活中の転職は、普通の転職とは違った様々な注意点があります。
様々な注意点に沿って、職場を選ぶということは大切ですが、妊活しながら働くことで最も大切なのは、自分の為にも一緒に働くスタッフに迷惑をかけない為にも無理をせず1人で悩まないということです。
自分の体調は、自分が1番よくわかる為、辛いときや手を貸してほしいときは周りのスタッフや上司にしっかりと伝えましょう。
どんな職場に転職するとしてもそれが1番の注意点だと言えます。
以下が妊活を考えて看護師転職するためのまとめです。
授かる期間 | 育休取得のため転職後1年間経過してから (1年以内に授かったらハッピーと思いましょう。) |
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夜勤 | ・不妊治療を受けている看護師の夜勤は避ける ・体調不良を申し出ることが出来ない看護師は避ける |
転職先条件 | ・子ども持つ看護師が多いこと ・看護師の人手に余裕があること ・休日の回数なども確認すること ・産休や育休実績が多いこと ・働き方が変更できること |
また、妊活中の転職は希望条件に合う病院・施設を探す必要があるため、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を利用し、担当者に条件に合う病院・施設を探してもらいましょう。