看護師の円満退職ガイド

看護師の退職届と退職願の書き方と例文!どちらを提出する?

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退職届や退職願は、看護師に限らず退職時に提出を求められることの多い書類ですが、病院勤務の看護師の中には「書き方が分からない」「そもそも何が違うのか?」と不安を抱く方が少なくありません。特に初めて退職を経験する看護師の場合、提出のタイミングや書き方のルール、封筒の選び方など、わからない点が多いと感じやすいものです。

また、転職経験がある看護師でも「退職届と退職願、どっちを出すのが正解?」「提出しなくても退職できるのでは?」と迷うケースはよくあります。病院の規模や就業規則によって扱いが異なる場合もあり、正しい知識を知らないまま進めると、引き止めや誤解によるトラブルにつながる可能性もあります。

以下では、退職届と退職願の意味の違い・看護師としての使い分け・提出のタイミング・郵送時の注意点・封筒や書き方のルール・具体的なサンプル例文まで、初めてでも迷わないように体系的に解説します。看護師として円満に退職するために必要なポイントを、実務的かつ分かりやすく整理しているため、これから退職を検討している方も、すでに相談段階にある方も、ぜひ参考にしてください。

ココがポイント!

  • 退職届=退職を確定させる書類/退職願=退職を希望する書類で役割が異なる
  • 看護師の場合は、まず上司への相談→退職願の提出が一般的
  • 退職届は提出後の撤回が原則できないため慎重に扱う
  • 退職届・退職願は提出しなくても法的には退職可能(ただしトラブル防止には有効)
  • 病院の就業規則に提出期限が定められているケースがあるため、有無を確認しておく
  • 郵送も可能だが、基本は手渡しが望ましい(やむを得ない事情がある場合のみ郵送)
執筆・監修
監修・執筆者
執筆・監修看護師

目次

看護師の退職届と退職願の違い

看護師の退職届と退職願の違い

看護師の退職手続きでは、「退職届」と「退職願」は似ているようで役割が大きく異なります。特に病院勤務では、上司への相談を経て退職願を提出する流れが多く、どちらを使うべきか迷いやすいポイントです。以下では、2つの書類の性質・効力・実務上の違いを分かりやすく整理します。

まず理解しておきたい点は、退職届は「退職を確定させる書類」であり、退職願は「退職を希望する意思表示の書類」であることです。見た目はほぼ同じでも、提出後の扱いが大きく変わります。

退職届
  • 退職の決定を正式に届け出る書類
  • 自主退職扱いとなり、提出後は原則として自分の意思で撤回できない
  • 病院側の承認が不要なため、提出=退職確定という扱いになりやすい
退職願
  • 退職を希望する意思を伝える書類
  • 病院側との合意によって退職が成立する
  • 受理前であれば取り下げできることもある

つまり、退職願は「退職を認めてもらえますか?」という柔らかい意思表示であり、退職届は「私は退職します」と確定的に伝える書類です。
特に病院・クリニックでは、まず上司に相談し、了承を得た後で退職願を提出する流れが一般的なため、看護師は退職願を用いるケースが圧倒的に多いと言えます。

また、退職願・退職届を提出しなくても退職は法律上可能ですが、病院では人員配置・シフト調整・引き継ぎの重要性から、書面での提出が求められることが多いです。書面として残ることで、後々の「言った・言わない」のトラブル防止にもつながります。

退職届と退職願の看護師の使い分け

退職届と退職願の看護師の使い分け

退職届と退職願は、どちらも退職時に使用される書類ですが、提出するタイミングや目的が明確に異なります。特に看護師の退職手続きは、師長・看護部長・人事など複数の管理者を経由するため、書類の扱いを正しく理解しておくことで、手続きの停滞や誤解によるトラブルを防ぐことができます。

看護師が退職手続きを進める際の基本的な使い分けは以下の通りです。

  • 退職の相談がすでに終わっている → 「退職届」を提出
  • これから退職の相談をする → 「退職願」を持参する

退職願はあくまでも「退職したいと考えています」という意思表示であり、上司や病院側と相談しながら退職日や引継ぎの方法を決めていく段階の書類です。一方で退職届は退職が確定した後に提出する最終書類であり、提出すると原則、看護師側から撤回することはできません。

看護師の現場では、退職の相談を経てから書類を提出するのが一般的なため、まずは退職願から提出するケースが圧倒的に多いと言えます。

現場での意見!退職願・退職届どっちが一般的?

実際の医療現場では、退職願を提出する看護師が大多数です。理由としては、看護師は業務の特性上、退職前に必ず師長や看護部長へ相談し、配置調整・引継ぎ・夜勤体制などをすり合わせる必要があるためです。

相談を経てから書類を提出する流れが一般的である以上、「退職願」の方が人事手続きの流れに合っています。また、退職届は提出=退職が確定という扱いになりやすいため、感情的な対立が起きないよう、医療現場では柔らかい印象のある退職願が選ばれやすい傾向があります。

師長や看護部長側から「退職願で良いよ」と言われるケースも多く、提出方法やフォーマットについても施設ごとに独自の運用があるため、まずは相談 → 施設のルールに合わせることが最も確実です。

退職届と退職願はどちらかを提出すれば問題ない

退職届と退職願には役割の違いがありますが、病院や施設などの職場側が求めているのは看護師の「退職の意思が確定しているかどうか」であり、書類はどちらか一方を提出すれば問題ありません。両方を出す必要はありません。

「退職願を提出した後に退職届も提出してください」と求められるケースも一部ありますが、これは施設の内部手続きによるものです。 医療法人・大規模病院では、看護部と人事部の間で「願→届」の二段階プロセスを運用しているところもあるため、必要な場合はその職場の指示に従いましょう。

いずれにしても、どちらかの書類を提出すれば退職の手続きは進められますので、「両方提出しなければならないのでは?」と心配する必要はありません。

退職届・退職願は必ず提出する必要があるのか

退職届・退職願の提出は、法律上、義務ではありません。 民法第627条により、看護師を含む労働者は、退職日の「14日前まで」に退職の意思を伝えれば退職は可能です(雇用は、解約の申入れの日から2週間で終了する)。

つまり、書類を出さなくても法的には退職できますが、医療現場では以下の理由から、書面での提出が非常に役立ちます。

  • 退職を言った言わないのトラブルを防げる
  • 強引な引き止めを避けられる
  • 退職希望日が明確に残るため、引継ぎがスムーズ
  • 就業規則上、書面提出が求められている場合がある

看護師の現場では、業務の特性上、「引継ぎができていないから退職できない」という誤解が起こることもあります。こうしたトラブルを避けるためにも、退職の意思を正式に書面で残すことで、無用な摩擦を減らすことができます。

そのため、退職願または退職届は必ず提出しなければならないわけではありませんが、「退職の意思を明確に残す」という意味では提出しておく方が安全と言えます。

看護師が退職届と退職願を提出する理由

看護師が退職届と退職願を提出する理由

退職届・退職願は、看護師が退職する際に必ず提出しなければならない書類ではありません。しかし、医療現場では引き止めや誤解、意思伝達の行き違いが発生しやすいことから、書面として残すことで退職手続きを円滑に進められます。法律上の根拠・トラブル防止・会社都合退職との違いなど、看護師が書類を提出すべき実務的な理由を整理します。

退職時のトラブルを防ぐことができる

慢性的な看護師不足のある医療現場では、退職を申し出た際に強い引き止め「言った・言わない」のトラブルが起きることが珍しくありません。 退職願・退職届を提出しておくと、退職意思や退職希望日が明確に残るため、口頭ベースの不確実さを避けられます。

特に、夜勤体制や人員配置の関係で慎重に進める必要がある看護部では、 書面を残すことで「退職の意思」を確定させ、引継ぎが円滑に進むメリットが大きいと言えます。

看護師の体験事例

退職の相談をしたのに聞いていないと言われ、退職日を延ばされそうになりました。 退職願を提出すると、看護部内で共有され、スムーズに話が進んだ経験があります。

雇用契約と法律(民法・労働契約法)に基づいて退職できる

看護師を含む労働者は、就業規則で「退職は◯か月前までに届け出ること」と定められていても、 民法第627条1項によって、退職日の14日前に退職の意思表示をすれば退職が可能です(期間の定めのない雇用の場合)。

意思表示自体は口頭でも可能ですが、書面があれば「いつ退職意思を示したのか」が客観的に残るため、 退職妨害・引き止めの長期化を防ぐ効果があります。

また、労働契約法でも労働者の保護が定められており、過度な引き止めや退職妨害は違法となる可能性があります。 そのため、退職願・退職届は看護師自身の権利を守るための重要な証拠として機能します。

民法第627条1項(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。 この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。 出典:民法第627条1項

法律を相手に主張する必要はないが、知識として知っておくと安心

実際に退職するとき、上司に「民法では〜」と伝える必要はありません。

しかし、法律上は退職を妨げられないという知識があることで、精神的な負担が大きく減ります。 普通の退職であれば、法律を持ち出す必要は一切ありません。

退職届・退職願が不要なケースもある(会社都合退職)

病院や施設の事情で退職する場合、 会社都合退職(倒産・経営悪化・退職勧奨など)に該当するケースがあります。 この場合、退職届や退職願を提出すると自己都合退職として扱われてしまうリスクがあります。

会社都合退職
  • 退職理由が病院・施設側にある
  • 倒産・経営破綻・リストラ・退職勧奨など
自己都合退職
  • 看護師本人の事情による退職
  • 家庭事情、人間関係、転職、妊娠など

会社都合退職の場合は、退職届を提出せず、 病院側から「会社都合で退職させる」という文書をもらうことが重要です。 もし書類の提出を求められたら、「一身上の都合」ではなく 「貴院の退職勧奨に伴い」と記載します。

自己都合退職と会社都合退職での失業保険の違い

失業保険では、会社都合退職の方が優遇されます。

  • 会社都合退職:給付開始は7日後/給付日数も長い
  • 自己都合退職:給付開始が約2か月後になる

この差は看護師にとって非常に大きいため、退職理由が正しく処理されるよう注意が必要です。

さらに詳しく知りたい場合は、 ハローワークインターネットサービス よくあるご質問(雇用保険について) を確認しておきましょう。

看護師の退職届や退職願を郵送するのはあり?

看護師の退職届や退職願を郵送するのはあり?

本来、退職届や退職願は上司へ直接手渡しするのが基本ですが、看護師が入院中・療養中・家庭の急な事情などでやむを得ず職場に行けない場合、郵送で提出しても全く問題ありません。法律上、郵送が禁止されているわけではなく、看護師の状況によっては合理的で適切な方法と言えます。

ただし、郵送の場合は「届いていない」「見ていない」といったトラブルが発生しやすいため、送付方法・マナー・確認の仕方を正しく理解しておくことが重要です。この章では、看護師が退職届・退職願を郵送する際に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

郵送の場合は内容証明付きで送るのが安心

通常の郵便では、退職届・退職願が相手の手元に確実に届いたかどうか確認できないという問題があります。 そのため、郵送で提出する場合は、次の方法を選ぶと安心です。

  • 内容証明郵便:いつ誰にどんな文書を送ったかを郵便局が公的に証明
  • 簡易書留・書留・レターパックプラス:配達記録が残り、受け取り状況を確認できる

特に、退職をめぐるトラブルが起きそうな場合や、すでに引き止めが強いと感じている場合は、内容証明郵便を選ぶことで「確実に送った」という証拠が残るため非常に有効です。

内容証明郵便の詳細は日本郵便の公式サイトを参照してください。

退職届・退職願が届いているか必ず確認する

郵送しただけでは不十分で、相手が受け取っているかの確認連絡が重要です。 退職願・退職届を郵送後、3日〜1週間ほど経ったタイミングで、勤務先へ次のように確認を入れましょう。

「先日、退職願(退職届)を郵送しました。お手元に届いていますでしょうか?」

郵便局側の記録(追跡番号・配達状況)を確認しながら連絡することで、「届いていない」と言われた際も冷静に対応できます。 トラブル防止のため、この確認作業は必ず行うことをおすすめします。

退職届を入れる封筒には住所を書かない(封筒は二重にする)

郵送する際は、退職届・退職願を入れた封筒に直接住所を書かず、さらに外側にもう一枚封筒を用意します。 これは、正式な書類である退職届を「提出封筒」として扱うためのビジネスマナーです。

退職届の封筒は二重にする

具体的には次のように準備します。

  • 内側の封筒:白・無地。表に「退職願」「退職届」と記載(住所は書かない)
  • 外側の封筒:一回り大きい封筒。こちらに職場の住所を書いて郵送

封筒を二重にすることで、提出時と同じ正式な体裁を保てます。

郵送で提出する場合は必ず添え状をつける

手渡しではなく郵送になる場合は、添え状(送付状)を同封するのがマナーです。 退職届・退職願そのものには個人的な事情を書かないため、「郵送になった理由」「お詫びの言葉」を添え状で簡潔に伝えます。

添え状を必ずつける

添え状は退職届を入れた封筒ではなく、外側の封筒に同封するのが基本です。

添え状の例文(看護師向け)

医療法人看護会 ペコ病院
看護部
(提出する上司の名前)様

看護部 (自分の名前)

拝啓 貴院ますますご清栄のことと存じます。
この度、一身上の都合により退職させていただくこととなりました。
つきましては、同封の通り退職願(または退職届)を送付申し上げます。
本来であれば直接ご挨拶のうえお渡しすべきところ、郵送での提出となりましたことをお詫び申し上げます。
短い間ではございましたが、大変お世話になりました。
末筆ながら、貴院のご健勝と皆様のご活躍をお祈り申し上げます。

敬具

送付書類:退職願(または退職届) 1通

以上

退職届・退職願の提出先とタイミング

退職届・退職願の提出先とタイミング

退職届や退職願は、看護師が退職を進めるうえで「誰に」「いつ」提出するかが非常に重要です。医療現場は人員配置や夜勤体制のバランスがシビアなため、適切なタイミングで提出しなければ、引継ぎの混乱やトラブルにつながる可能性があります。この章では、看護師が退職手続きを進める際の最適な提出先とタイミングをわかりやすく整理します。

退職願と退職届は、それぞれの性質上、提出するタイミングが少し異なります。以下が基本の目安です。

退職届上司(師長)の了承が得られ、退職日が確定したタイミングで提出
退職願これから退職の相談を行う段階、または相談後すぐに提出

退職届・退職願の提出先は「直属の上司」が一般的

退職届・退職願の宛名は病院長(法人の場合は理事長)になりますが、実際に提出する相手は直属の上司(師長・看護主任など)が基本です。 看護師が直接病院長へ手渡しするケースはほとんどなく、看護部を通して人事へ回されるのが一般的な流れです。

注意点としては次の通りです。

  • 書類の宛先は病院長(または法人代表)にする
  • 手渡しは師長または看護部長で問題ない
  • 組織によっては看護部→人事→病院長へと回収ルートが決まっている

最初に相談すべき相手も師長です。看護部内での調整が必要なため、正式な書類提出より前に必ず相談を行いましょう。

就業規則で提出期限が決まっている場合の注意点

病院や施設によっては、就業規則に「退職の申し出は退職日の1か月前までに」などのルールが定められている場合があります。 このような規定がある場合は、まずその期限を守って相談するのが望ましいです。

ただし、就業規則の期限が過ぎたとしても、法律(民法第627条)では退職日の14日前の意思表示で退職が可能なため、期限を超えたからといって退職できないわけではありません。 トラブルを避けるためにも、まずは師長に状況を説明し、できる範囲で調整してもらいましょう。

既に退職の報告を上司にしている場合の提出タイミング

すでに職場へ退職の意思を伝えており、師長から了承されている場合は、退職日の約1か月前を目安に退職届を提出します。 その前提として、退職相談は一般的に退職日の2か月前に行われているケースが多いです。

退職届退職日の約1か月前に提出

ただし、医療現場は人員配置の都合で「退職日」だけが決まっていても、引継ぎの進め方や夜勤シフトなど調整が必要になる場合があります。 そのため、退職届を出した後も、できる限り丁寧に引継ぎを進めることが円満退職につながります。

退職の相談と合わせて提出する場合(退職願)

まだ上司へ退職の報告をしていない段階では、退職願を持参して相談するのが最も無難です。 円満退職を希望する場合、退職日の約2か月前に相談し、必要に応じてその場または後日に退職願を提出します。

退職願遅くても退職日の約2か月前に提出

すでに2か月前を過ぎてしまっている場合でも、師長に早めに相談し、退職願を提出して意思を明確にすることで、シフト調整や引継ぎを円滑に進めることができます。

退職願・退職届の書き方のルールとサンプル

退職願・退職届の書き方のルールとサンプル

退職願・退職届は一見すると形式が難しそうに感じますが、実際には書くべきポイントが決まっている非常にシンプルな書類です。内容を盛り込みすぎることや、個人的な事情を書きすぎる必要はありません。看護師としてスムーズかつ丁寧に退職手続きを進めるために、正しい形式・必要項目・封筒の書き方などの基本ルールをしっかり押さえておきましょう。

退職願・退職届の書き方の基本ルール

看護師の退職願・退職届には、手書き・パソコン、縦書き・横書きなど、絶対的な決まりはありません。しかし、医療機関では「丁寧さ」を重視する傾向があるため、職場によっては手書き文書の提出を求められるケースもあります。 以下の基本ルールを押さえておくと、どの施設でも問題なく提出できます。

手書き or パソコンどちらでも可。ただし、病院によっては手書きが好まれる場合あり(黒のボールペンまたは万年筆)。
縦書き or 横書きどちらでも可。看護師は縦書きの提出が多い傾向。
用紙サイズA4用紙が一般的。
封筒白無地の封筒を使用。長形3号が一般的。
退職理由どのような理由であっても「この度一身上の都合により」と記載する。 ※病院都合退職の場合は「貴院の退職勧奨に伴い」と記載。

特に「退職理由」は余計な説明を加えてしまいがちな部分ですが、退職願・退職届では詳細を書く必要はありません。人間関係や家庭事情などの個人的な内容は書かず、形式的な記載で問題ありません。

病院によっては手書きを求められる理由

看護部の多くは「退職届は礼儀を表す公式文書」という考え方が根強く、 手書き=誠意がある、丁寧に書いている、と受け取られることがあります。 迷う場合は、先輩看護師や師長に確認すると安心です。

看護師の退職願・退職届のサンプル

退職願・退職届は、いわゆる「手紙形式」で書きますが、文章構成や記載項目は決まっています。 ここでは、看護師が使える代表的なサンプルを示します。

※サンプルは用紙上の配置を説明するため、画像形式で提示します。

<退職願サンプル>

看護師 退職願

<退職届サンプル>

看護師 退職届

退職願・退職届に書くべき項目と注意点

退職願・退職届には、書く場所・記載内容がはっきり決まっています。 以下の項目が揃っていれば、実務上は【完成された退職届・退職願】として扱われます。

(1)1行目に「退職願」「退職届」と記載

一番上に正式名称を記載します。「たいしょくねがい」「たいしょくどどけ」などの送り仮名は不要です。

(2)2行目に「私事(わたくしごと)」または「私儀(わたくしぎ)」と記載

これは、自分の私的な用件であることを示す慣例表現です。

(3)3行目に退職日を添えて退職意思を記載

退職願「この度、一身上の都合により、来る令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」
退職届「この度、一身上の都合により、来る令和○年○月○日をもって退職いたします。」

日付は必ず「提出日」と「退職希望日」を区別して記載します。

(4)提出日・所属部署・氏名・押印を記載

提出日の記入漏れは非常に多いミスです。横に所属部署(看護部など)と氏名を記載し、認印を押します。
シャチハタは不可な職場が多いので注意しましょう。

(5)宛名は病院長・施設長・理事長などの最高責任者

提出先が師長であっても、宛名は必ず「病院長」「理事長」など組織の代表者にします。 肩書→フルネーム→「殿(どの)」の順に記載するのが一般的です。

退職願・退職届の封筒の書き方

封筒は白無地の長形3号が一般的で、表面と裏面に書くべき内容が決まっています。

退職願、退職届の封筒

  • 表面:中央に大きく「退職願」または「退職届」
  • 裏面:左下に所属部署(看護部)と自分の氏名
  • 封は糊付けする(提出前に中身を確認してもらいたい場合は糊付け不要)

退職願・退職届を書く際の注意点

退職願・退職届を書くときに最も多いミスは、必要項目の書き漏れです。特に、提出日・退職日・宛名の記載漏れはやり直しになりやすいため注意しましょう。

また、退職理由に個人的な感情や職場への不満、内部状況などを書きすぎてしまう看護師もいますが、正式な書類には不要です。 「一身上の都合により」の一文だけで十分です。

シンプルで簡潔な書き方が、誤解を招かず最も礼儀正しい形式となります。

退職前に使える!おすすめ看護師転職サイト

退職前に使える!おすすめ看護師転職サイト

退職願・退職届の提出を検討する段階では、同時に「次の職場選び」を進めておくことが非常に重要です。看護師の転職は平均1〜3か月ほどかかり、退職手続きと並行して情報収集を行うことで、退職後の空白期間を作らずにスムーズに働き始めることができます。また、看護師転職サイトを活用することで、院内の雰囲気や人間関係、働き方といった内部情報を知れるため、職場選びの失敗を防ぐ大きな助けになります。

ここでは、看護師から特に支持されている大手転職サイトを厳選して紹介します。どれも退職前の相談から利用できるため、働きながらの転職でも安心して利用できます。

院内情報に詳しい!レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数126,942件(2025年11月3日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤
対応施設総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護は、求人数・情報量ともに国内トップクラスの看護師転職サイトです。病院・クリニックに加えて、美容クリニック、介護施設、保育園まで幅広くカバーしており、ハローワーク求人を含む圧倒的な求人数を保有しているのが特徴です。

また、年間5,000件以上の病院・施設に訪問し、現場スタッフや看護管理者から直接ヒアリングしているため、人間関係・看護部の方針・離職率・働きやすさなどの内部情報に非常に詳しいことも大きな強みです。 担当者のフォローも丁寧で、「退職するべきかどうか」という段階からの相談も可能。わがままな条件でも親身に対応してくれると利用者から高評価を得ています。

公式サイト: https://kango-oshigoto.jp/

丁寧で的確なアドバイス!マイナビ看護師

マイナビ看護師

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名マイナビ看護師
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数91,670件(2025年11月3日時点)
非公開求人とても豊富(保有求人全体の約40%非公開)
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー
対応 雇用形態正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他
対応 勤務形態常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従
対応施設病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他
対応 診療科目美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科
対応配属先病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・転職の相談から行える
・キャリアアドバイザー親切丁寧
・退職交渉も可能
・企業系のレア求人を豊富に保有

マイナビ看護師は、全求人の約40%が非公開求人という特徴があり、好待遇・好条件の求人に出会いやすい転職サイトです。特に大手病院・急性期病院・大規模法人など、教育制度の整った職場の求人が豊富で、キャリアアップを目指す看護師から高い支持を得ています。

担当者は業界知識が豊富で丁寧な対応に定評があり、場合によっては「今は転職しない方が良い」とアドバイスされることもあるほど。利用者に寄り添った客観的な提案ができる点が信頼されています。

公式サイト: https://kango.mynavi.jp/

キャリア相談から可能!ナースではたらこ

ナースではたらこ

転職相談面接対策条件交渉退職相談
2重丸2重丸2重丸2重丸
サイト名ナースではたらこ
運営会社ディップ株式会社
公開求人数15,027件(2025年11月3日時点)
非公開求人豊富
対応職種正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある

ナースではたらこは、「転職するべきかどうか」の相談から利用可能な点が特徴で、退職を迷っている看護師や、自分がどれくらいの条件で転職できるのか知りたい人に適しています。 現場の給与相場・働き方・地域ごとの求人傾向など、キャリア形成に役立つ情報も多く得ることができます。

非公開求人が多く、勤務時間・エリア・託児所・看護寮・夜勤回数などの細かい条件のすり合わせが得意なため、こだわりの条件がある看護師から特に評価されています。

公式サイト: https://iryo-de-hatarako.net/

看護師の退職届・退職願の良くある質問

看護師が退職届・退職願を提出する際によく寄せられる疑問をまとめました。 法律面・実務面・マナー面を整理し、すぐに判断できるように簡潔かつ正確に回答しています。

Q. 退職届と退職願はどちらを提出すればよいですか?

看護師の場合は「退職願」を提出するのが一般的です。 その理由は次の通りです。

  • 退職願:退職を希望する意思表示(相談・了承の段階)
  • 退職届:退職を確定させる最終書類(撤回は原則不可)

医療現場では、まず師長へ相談したうえで承認をもらう流れが主流のため、 相談段階では退職願を提出 → 退職確定後に退職届(必要な場合のみ) という手順がスムーズです。

Q. 退職届・退職願はいつまでに提出すればよいですか?

法律(民法第627条1項)では、退職日の14日前に意思表示をすれば退職できます。 ただし、看護師の場合は人員配置・夜勤の調整が必要なため、実務上は以下を目安にしてください。

  • 退職願:退職日の2か月前を目安に提出(相談と同時でも可)
  • 退職届:退職日の約1か月前に提出(退職が確定した段階)

就業規則に期限が定められている場合は、まずその日付までに上司へ相談しておきましょう。

Q. 退職届・退職願の理由はどう書けば良いですか?

正式書類では、どのような事情であっても「この度一身上の都合により」と記載します。 家庭事情・人間関係・体調など、詳細を書き込む必要はありません。

ただし、病院側の都合で退職させられる場合(倒産・退職勧奨など)は、 「貴院の退職勧奨に伴い」と記載します。 この違いは、失業保険の扱いに影響するため非常に重要です。

Q. 退職届・退職願は郵送しても大丈夫ですか?

はい、やむを得ない事情がある場合は郵送でも問題ありません。 法律上、手渡しでなければならないという決まりはありません。

郵送する際のポイントは以下の通りです。

  • 内容証明郵便や簡易書留など、配送記録の残る方法で送る
  • 3〜7日後に、相手へ到着確認の電話をする
  • 退職届を入れる封筒には住所を書かず、外側にもう一枚封筒を用意する(二重封筒)
  • 郵送になった理由とお詫びを記載した添え状を同封する

円満退職を目指す場合は、可能であれば手渡しの方が望ましいですが、 病気療養中などの事情がある場合は郵送でも全く問題ありません。

Q. 退職届・退職願の封筒はどう書けばよいですか?

封筒は白無地(長形3号)を使用します。 書き方は以下の通りです。

  • 表:中央に「退職届」または「退職願」
  • 裏:左下に所属部署(例:看護部)と自分の氏名
  • 提出前に中身を確認してもらう場合は封をしない。提出後は糊付け

封筒の書き方が整っていると、相手に丁寧な印象を与えることができます。

まとめ

退職願・退職届は、形式さえ押さえてしまえば難しい書類ではありませんが、看護師の退職ではトラブル防止円満退職のために非常に大きな役割を果たします。医療現場は人員配置がシビアで、業務の属人性も高いため、退職の意思を口頭だけで伝えると誤解が生まれやすく、退職日が曖昧になることや、強い引き止めに発展するケースも少なくありません。

書面で退職意思を伝えることは、自分の意志を明確に残すだけでなく、師長・看護部長・人事間での共有がスムーズになり、引継ぎや退職日程の調整が行いやすくなります。また、看護師自身が「どのように退職したいか」を整理する機会にもなり、無用なトラブルを避ける助けにもなります。

退職前には、次の職場選びも同時に進めておくことで、退職後の不安を減らし、より良い職場環境を選ぶことができます。転職サイトを利用して内部情報を得ることや、キャリア相談を活用することで、看護師としての働き方をより良い方向へ進めることもできます。

退職願・退職届は、看護師がキャリアを前向きに切り替えるための大切なステップです。形式に沿って丁寧に記入し、自分らしい働き方へ進んでいきましょう。

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キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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