看護師としてお世話になった病院・施設を退職する場合、なるべく気持ちよく退職しておきたいものです。
看護師が退職当日の流れ、看護師が気持ちよく退職するために必要なポイントを看護師の体験談を交えながら説明していきます。
目次
退職日が決まってからの過ごし方
1 | 今まで通りの仕事を行うこと |
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2 | 後輩に伝えられるだけの指導をすること |
3 | 他部署へ少しずつ挨拶まわりをすること |
4 | 業務引き継ぎを行うこと |
5 | 退職手続きを確認しておくこと |
退職日が決まった場合、上記の内容を意識しながら仕事を行いましょう。

キャリアアドバイザー
今まで通りの仕事を行う
退職日が決まった場合でも最後まで責任をもって今まで通り働きましょう。
退職の意向を伝えると気が抜けてしまい、仕事にも身が入らなくなりがちですが、その様子を見ていると一緒に働くスタッフは非常に不快です。
職場の雰囲気を悪くしないためにもの、退職日を気持ちよく向かえるためにも、頑張りましょう。
今まで以上に気配りも行おう
退職することを聞いて、応援してくれるスタッフもいれば、気持ちよく思わないスタッフもいるかもしれませんし、嫌な態度をしてくることもあります。
そのため、自ら進んで助っ人に入ったり物品の準備をしたり、今まで以上に周囲に気を配るようにしましょう。
後輩に伝えられるだけの指導をする
退職するその日まで、自分自身が先輩看護師たちから学んできたように、後輩にもできる限りのノウハウを伝えていきましょう。
看護師の仕事は、自ら学ぶことも大切ですが、先輩看護師から学ぶことが非常にたくさんあります。
それは看護、医療の技術や知識だけでなく、先輩や上司、困った患者との関わり方、自分なりの学習の仕方、効果的なリフレッシュ方法、休みの取り方など、その職場で働いてきたからこそわかるノウハウがあるはずです。
他部署へ少しずつ挨拶まわりをする
今の職場で働きだしてから異動を経験している場合や、他の部署にもお世話になっているという場合は、時間があるときに挨拶まわりをしておきましょう。
本人が直接挨拶に来ると、こられた看護師は気持ちが良いものです。
お世話になったからこそ、自分の口でお礼を伝えるようにしましょう。
看護師の体験談事例
他部署への挨拶の場合、お礼をしたいという相手には贈り物を渡しても問題はないと思います。
最終日に会えない可能性がある方もいるため、関わる機会が多かった他部署などには渡しましょう。また、適度にお世話になったところへは挨拶のみでも十分です。
業務引き継ぎを行う
引継ぎに関しては、上司(師長など)に相談をし、手順通り・言われた通りに引継ぎを行いましょう。
また、何もしなくて良いと言われた場合でも、今まで自分が担当してきた業務が相手に分かるよう文章にまとめることや、配布されたプリントなどがある場合は見やすいようにファイリングして渡すと良いでしょう。
また、退職希望日までに委員会等がある場合は、一緒に参加しながら内容を把握してもらうと引継ぎがしやすくなります。
退職手続きを確認しておく
退職後にしばらく働かない予定の場合や、退職後に転職する場合でも、退職する手続きや新しく入職する手続きは、思うより複雑です。
以下の内容を一度確認し、進めることが出来る手続きは準備しておきましょう。
看護師が退職する当日1日の行動
1 | 引き継ぎやロッカーの片づけは前日までに終える |
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2 | 挨拶の時間がない場合は休憩時間を利用する |
3 | お世話になった方にギフトやプレゼントを渡す |
4 | 書類やユニフォームを返却する |
看護師が退職する当日は特にいつもどおりの勤務と変わらないことほとんどです。
しかし、退職するための準備が出来ていた場合、上司の配慮などで、退職日は夜勤ではなく日勤で終了という事も多いです。
これは、退職の挨拶がなるべく多くの人が集まる勤務帯にできるようにという配慮です。

キャリアアドバイザー
引き継ぎやロッカーの片づけは前日までに終える
引継ぎやロッカーの片づけなどは前日までに終わらせておくのが通常です。
そのため、退職当日の仕事は少なくなっていることも多く、他の看護師の補助などにまわる事になるケースも増える可能性があります。
挨拶の時間がない場合は休憩時間を利用する
一日の業務を終える少し前に、挨拶回りの時間をもらえる事も多くあります。
しかし、そういった時間がもらえない場合は休憩時間などを利用して挨拶をしておくのがおすすめです。

キャリアアドバイザー
お世話になった方にギフトやプレゼントを渡す
お世話になった人に渡したいギフトなどがあるなら、上記に記載した挨拶回りのタイミングで渡しましょう。
渡すタイミングとしては、最終の出勤日が良く、早めに渡してしまうと気まずくなってしまう可能性もあるので注意しましょう。
顔を合わせる可能性が低いのであれば、所属する部署当てに伝言やギフトを預ける形になります。一人だけのひいきにならないように、みんなで食べられるお菓子を選ぶと言った気遣いも重要になります。
退職時に用意する贈り物に関して
護師が気持ちよく退職するために用意する贈り物は、規模が大きな病院を例にすると、
- 看護部長
- 師長(場合によっては主任看護師)
- 病棟看護師仲間
などへギフトやプレゼントを準備したほうが良いです。
基本的には部屋別にという考え方で、部長室、師長室、そして病棟の休憩室というイメージです。
また、退職時にはお菓子類を送る方が多く、ひとつのものを切り分ける等の手間がない、個別に包装されているものが手を伸ばしやすく喜ばれます。
看護師体験談事例
私は皆で食べることができるお菓子とは別に、同僚たちのみに小さなハンドクリームと短い手紙を一人ひとりに送りました。
ハンドクリームは手洗いで肌荒れが気になる看護師には喜ばれましたのでお勧めします。
書類やユニフォームを返却する
業務の終了時には、ロッカーのカギや健康保険証や職員証、機密に関わる書類を返却し、退職後に必要な書類を受け取ります。
また、院内貸与のユニフォームなどもこの時に返却します。返却忘れがあると二度手間になるので注意が必要です。
有休をとっての退職となる場合は、離職票などが後日郵送されてくる場合もあります。離職後に必要な書類がある場合は、受け取りをどうするか確認しておくことも重要です。
看護師の退職時・挨拶例文集
看護師を退職するとき、院長や上司、同僚に挨拶するのは社会人として当然のマナーです。
また、挨拶ではどのような退職理由であれ、一緒に働いた上司、先輩、同僚、後輩に感謝の気持ちを伝えることが大切であり、時間の目安としては、1分以内にまとめるのが良いとされています。
いずれの場合にしても、「この度、一身上の都合により本日付で退職することとなりました。」と退職を伝える一言を最初に伝え、それからお礼の言葉を述べ、最後は「ありがとうございます。」という流れが一般的です。
相手別の挨拶の文例を一部紹介します。
集合での挨拶例
「この度、一身上の都合により本日付で退職することとなりました。今日まで5年間、外科病棟では2年間、本当に多くのことを経験し学ばせていただきました。特に外科病棟にきた初日に、先輩から「経験者だからってここでは通用しないから、しっかり学んでよ」と先輩に言われたことはずっと忘れられず、日々気を引き締めて働くことができました。
その経験もあり、明日からはもっと外科看護を学ぶために新しい場所で頑張れると思います。本当にありがとうございます。」
【補足・途中で挨拶を求められる場合の付け足し】
「今日が最終日ですが、17時までしっかり働かせていただきたいので、いつも通りよろしくお願いします。」
ポイント解説
その病院や施設で何を学んだのか、どう活かしていきたいのかなど、今の職場で得た大切なものを伝えます。
その言葉が、これからもそこで働いていくスタッフの励みになり、指導してきた先輩にとっては喜びでもあるはずです。
院長への挨拶例
<退職日の挨拶例文>
「この病院にお世話になって○○年という期間でしたが、公私ともにいろいろな面で本当にお世話になりました。 これまでこの病院で働いた経験を今後に活かして日々成長していけるように精進したいと思います。」
ポイント解説
感謝の気持ちを忘れずに伝えて、心をこめて自分なりの言葉で話しましょう。
上司個人への挨拶例
<退職日の挨拶例文>
「ご丁寧に指導していただいたおかげでなんとか無事にここまでやってこられました。これもひとえに(上司の名前さん)のお陰です。これまで本当にお世話になりました。」
ポイント解説
これまで優しく、時に厳しく指導していただいたなど、具体的な表現を取り入れると、誠意の気持ちが伝わりやすいでしょう。
同僚への挨拶例
<退職日の挨拶例文>
「在職中はみなさんに大変お世話になりました。入社して5年、皆さんと仕事できたことが私の財産になっています。これからもこの財産を大切に頑張っていきたいと思います。」
ポイント解説
親しい間柄であっても、退職時の挨拶は真面目に行うのが基本です。
関連リンク
まとめ
退職理由は看護師それぞれです。
しかし、送り出す側も送り出される側も気持ちよく過ごせることが大切です。
ほんの少し意識すること、ほんの少し気を配ること、ほんの少し気を引き締めること、そのほんの少しで左右されることが沢山あります。
最終日まで、お互いに気持ちよく過ごせるよう、「ほんの少し」を意識してみましょう。
また、看護師が気持ち良く退職を迎えるためには、<その日を迎えるまで、いつも通り業務や仕事をこなし、残りの仲間に迷惑をかけないことです。
例えば、少し体調が悪いだけの理由や、いつもなら出勤できる程度の理由で急な休みなどを取らないことは大切です。仕事を辞めるときは「立つ鳥あとを濁さず」を実行すると良いでしょう。
最後まで、その勤務先の看護師として、やりきる気持ちで取り組みましょう。