地域包括支援センターで働く看護師・保健師の仕事内容と転職注意点
看護師、保健師として「今までの経験を活かしながら地域に関わる仕事がしたい」と感じたことはありませんか。
地域包括支援センターで働く保健師や看護師は、高齢者からの相談や介護予防を行いながら、医療機関や介護施設など、第三者への橋渡し役として、地域に貢献することができる仕事です。
このページでは、看護師が域包括支援センターで働くために必要な経験や、地域包括支援センターで働く保健師・看護師の仕事内容、看護師・保健師として転職する注意点を説明していきます。
執筆・監修当サイトを運営する株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。国家資格であるキャリアコンサルタント資格も取得。
- エリア:北海道在住
- 保有資格:看護師、保健師
さすらい道産子ナースです。東北、関東など転々としながらも看護師7年目。地域包括支援センターで勤務経験があり、現在は精神科勤務。毎日慣れないながらも奮闘中。
看護師から見た地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターとは、公的な「高齢者の総合相談窓口」です。市町村が設置主体となって、地域住民・高齢者の健康保持や生活を安定させるために必要な援助を行い、保健医療の向上や保健福祉サービスの促進を支援する目的としている施設です。
2005年4月からの介護保険制度の見直しにより、地域包括ケアの体制を支える地域の中核機関として「地域包括支援センター」の設置が定められました。
厚生労働省の地域包括支援センターの設置状況によると、2023年4月末時点では、地域包括センターの設置数は全国で5,431ヵ所です。ブランチやサブセンターを含めると7,397ヵ所あります。 設置の目安として人口2万人~3万人に1ヵ所設置されています。
地域包括支援センターで働いた看護師や保健師のイメージとしては「地域高齢者のよろず屋」という印象を持つ場合も多いでしょう。
地域包括支援センターで働く職員は、主に保健師(保健師に準ずる看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャー(介護支援専門員)等が在籍しており、各々の専門知識を活かしながら外部機関と連携してサポートしていきます。
また、地域包括支援センターの具体的な機能や役割としては、以下の通りです。
総合相談支援 |
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権利擁護 |
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包括的・継続的ケアマネジメント支援 |
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介護予防ケアマネジメント |
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介護予防 |
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多面的(制度横断的)支援の展開 |
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現在では、地域包括支援センターを利用する高齢者は、介護や介護の予防、福祉サービスに関することや、日常生活で困ったことを相談し、介護保険の申請窓口としても活用されています。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
地域包括支援センターで働く保健師・看護師の仕事はデスクワークが主ですが、自宅訪問に行くこともありますし、公共施設に介護予防の啓蒙活動に行ったり、家族会に参加したり、区役所や医療機関での会議に参加することもあります。
一緒に働いているのは、保健師(看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャーですが、居宅介護事業所のケアマネジャー、区役所職員、保健センター、社会福祉協議会、介護サービス事業所、病院や診療所の看護師・MSW・医師とも関わる機会が多いです。
地域の様々な機関や職種と関わりながら仕事できるので、面白いなと感じています。
看護師が域包括支援センターで働くためには?
看護師が地域包括支援センターで働くためには、保健師に準ずる者として「地域ケア、地域保健等に関する経験」と「高齢者に関する公衆衛生業務経験が1年以上」必要です。
(※保健師免許を保有している場合は、一般的な定年などの年齢制限をクリアし、主任ケアマネジャー、又はケアマネジャー(介護支援専門員)の資格や、地域包括支援センター勤務の経験があれば尚良いと言えるでしょう。)
以下で、看護師が地域包括支援センターで働くための詳細を説明していきます。
地域包括支援センターで看護師が働く要件
地域包括支援センターで看護師として働くためには、2018年5月10日以降より「地域包括支援センターの設置運営についての一部改正について(厚生労働省)」の中で、「地域包括支援センターに保健師に準ずる者として配置する要件」が改正になりました。
そのため、看護師として地域包括支援センターで働くためには、改正された要件を満たす必要があります。(※准看護師は働くことが出来ませんので注意してください。)
保健師免許があった方が求人の幅も広がりますが、正看護師免許のみでも、以下の条件を満たすことで、看護師として地域包括支援センターで働くことが可能です。
地域包括支援センターに保健師に準ずる者として配置する要件
(地域包括支援センターに保健師に準ずる者として配置する要件は、以下のような変更がなされました。)
改正前(旧) | 保健師に準ずる者として、地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師。なお、この経験のある看護師には准看護師は含まないものとする。 |
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改正後(新) | 保健師に準ずる者として、地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師。なお、この経験のある看護師には准看護師は含まないものとする。なお、平成31年度(2019年)より、上記かつ、高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有するものとする。 |
出典:厚生労働省 「地域包括支援センターの設置運営について」の一部改正について
つまり、2022年時点では「高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有するもの」が追加されています。
具体的な地域ケア、地域保健および高齢者に関する公衆衛生業務経験とは?
地域ケア、地域保健および高齢者に関する公衆衛生業務経験とは、具体的には以下のような施設等で働いた看護経験となります。
- 地域包括支援センターでの勤務経験
- 老人介護支援センター(在宅介護支援センター)居宅介護支援事業所等に勤務し在宅介護等に関する相談・支援を行っていた経験
- 保健所での勤務経験
- 医療機関の地域連携室等での勤務経験
- 訪問看護の勤務経験
- 一般企業等での65歳以上の方の保健指導等、健康の保持・増進に係る業務に従事していた経験
現在、看護師免許のみを保有しており、上記経験がない場合は、居宅介護支援事業所(一般的にケアマネジャーが常駐している事業所)、訪問看護ステーションに訪問看護師として勤務し、経験を得ることが一番の近道と言えるでしょう。
訪問看護師を希望する場合、詳しくは「看護師転職時の訪問看護ステーションの選び方!11つの確認項目」を確認しておきましょう。
地域包括支援センターの看護師求人の募集要項例
以下は、実際に地域包括支援センターで看護師求人を募集している募集要項例(必要資格・必要な経験)です。
A地域包括支援センター |
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B地域包括支援センター |
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C地域包括支援センター |
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高齢者の自宅に訪問することもあり、地域によっては自動車免許が必要な場合もあるため、注意しましょう。
採用に有利となる資格
地域包括支援センターには、保健師(保健師に準ずる者:看護師)や、主任ケアマネジャー、社会福祉士がチームを組んで高齢者の対応を行います。
そのため、看護師として主任ケアマネジャー、又はケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を保有していれば、地域包括支援センターへ転職する場合有利となるでしょう。
また、仕事内容でも説明しますが、高齢者のケアプランの作成なども行うため、ケアマネジャーは持っていて損はない資格です。
主任ケアマネジャーについて
主任ケアマネジャーは、ケアマネジャーのまとめ役となる専門職であり、地域包括支援センターと居宅介護支援事業所で活躍している資格職です。
しかし、主任ケアマネジャーは、専任のケアマネジャーとして通算5年以上の勤務経験等が必要となるため、看護師を行いながら資格を取得するのは難しいでしょう。
ケアマネジャーについては「看護師からケアマネジャーになるには!メリットや兼務する場合の給料とは?」を確認してください。
地域包括支援センターで働く保健師・看護師の仕事内容
地域包括支援センターで働く職員は、地域の高齢者が安心・安全に生活していけるように、寄り添った支援することが主な仕事内容です。保健師(正看護師)、主任ケアマネジャー、社会福祉士、生活支援コーディネーターなどの専門職が協力しながら実行していきます。
主に、地域包括支援センター全体の仕事内容は「包括的支援業務」と「介護予防支援業務」に分けられます。具体的には以下のことを行っていきます。
- 高齢者・高齢者家族から相談を受け、必要な制度・機関につなぐこと
(医療機関やボランティアとの連携) - 高齢者・高齢者家族の権利擁護(成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応など)
- 介護予防ケアプランの作成・ケアマネジャー支援
- 地域課題を解決するための地域ケア会議開催
(地域支援ネットワークの構築・地域課題の把握など) - 在宅医療・介護の連携推進
- 認知症施策の推進
- 生活支援サービスの基盤整備
- 介護予防講座・教室・セミナーの開催
(運動拠点の開発などを通じた介護予防支援、地域住民に介護予防等についての啓発活動) - 緊急対応・オンコール対応
勤務する地域包括支援センターによって看護師・保健師が上記のすべての業務に携わる場合もありますが、担当する主な仕事内容は、以下の5つがメインになる場合が多いと言えるでしょう。
- 高齢者の相談対応・医療機関やボランティアとの連携
- 在宅医療・介護の連携推進
- 介護予防ケアプランの作成
- 介護予防講座・教室・セミナーの開催
- 緊急対応・オンコール対応
地域包括支援センターで働いた経験がある看護師・保健師の体験事例を踏まえながら詳しく説明していきます。
1.高齢者からの相談対応
地域包括支援センターで働く保健師・看護師は、仕事内容が多岐に渡る場合が多いです。施設内で自宅訪問のアポ取りをしたり、介護予防教室の構想を練ったり、チラシ作成したり、デスクワークを中心に行っています。
そのため、基本的には外に出ない日には、施設内で作業を行い、高齢者の相談対応などにあたることが主な仕事です。
高齢者に関することについては、地域包括支援センターが担い、然るべき機関への橋渡しを行います。
場合によっては、相談対応をした高齢者の担当となって、その高齢者が安全に自分らしく生活できるよう、時には手助けをすることや、時にはアドバイスを行っていきます。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
相談に来た高齢者が最初は困り顔をしていても、解決策を共に考え、様々な策を提示して「あ、なんとかなるものだね」と安堵して帰っていく時の、あのホッとした顔を見ることは、私にとってやりがいに感じていました。
また、自分が担当している高齢者から相談を受けたり、頼られたりすることも、時には嬉しく感じるものです。
病院と場所は違いますが、共に考え歩んでいくという基本的な姿勢は変わらないと思います。
看護師の体験事例
地域包括支援センターの保健師・看護師は様々な業務がありますが、基本的には窓口や電話での相談業務を受けと、担当している要支援のケママネジメント業務でした。
私は転職し、介護予防や関係機関のネットワークづくりなどに関わる業務も多く、自分が期待していた以上に地域との関わりが強い業務内容に満足しています。
2.在宅医療・介護の連携推進
地域包括支援センターで働く保健師又は看護師は、1人暮らしの高齢者の家庭訪問を行い、在宅医療・介護の連携推進を行うことも仕事のひとつです。担当している高齢者にアポイントを取って訪問する場合もあれば、電話相談から、様子を見に行くこともあります。
一人暮らしでも何とか生活できる高齢者でも、見守りや手助けが必要な(要支援1~2)高齢者を担当する場合が多いと言えるでしょう。
その際に、どのような生活をしていくことで、今の生活を継続していけるのかを共に考え、目標を立てながら相談に乗ります。必要であろう介護予防サービスの提案や、介護予防教室への参加を促すことも合わせて行います。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私が勤務していた地域包括支援センターでは、電話などで「●丁目の●●さん、何日前から姿が見えなくて…」などの電話相談が来ることもありました。
そのときに、看護師・保健師は様子を見に行いくことも仕事でした。
単に旅行に行っていた、というパターンもありますが、家の中で孤独死していた、というケースも残念ながらあります。このようなケースは独居高齢者には珍しいことではありませんでした。
看護師の体験事例
私が勤めていた地域包括支援センターでは、認知症が疑われる高齢者などには、定期的に自宅訪問を行い、安否確認や生活状況の把握を保健師・看護師が行っていました。
そのため、高齢者へのアセスメントを徹底する必要があり、「健康状態はどうか」「内服はできているか」「食事はどうか」などを確認していました。
また、自治体と連携し、独居高齢者をピックアップし、個別に支援を行い、認知症予防にも力を入れていました。
3.介護予防ケアプランの作成
介護予防ケアプランとは、要支援1~2の判定を受けた高齢者の介護予防と自立支援を目的として予防サービスなどを利用するために作成する計画書のことです。
地域包括支援センターで働く保健師・看護師は、その居住地の高齢者が、要支援から要介護にならないようにサポートすることが主な仕事です。
保健師・看護師が担当する高齢者は医療ニーズが高い可能性があります。例えば服薬の管理や、転倒のリスクをどう減らしていくかを共に考えていくことが多いと言えるでしょう。
(こちらは地域包括支援センターから委託された居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作成することもあります。)
また、作成した介護予防ケアプランを基に「サービス担当者会議」を開きます。これは各サービスに関わる事業所の関係者が集まり、プランの方向性を決め統一を図る会議です。例えば訪問看護のサービスであれば、訪問看護師などに会議に出席してもらいます。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私が勤務していた地域包括支援センターでは、介護予防ケアプランを作成する上で大切なことは、一方的に提案するのではなく、あくまで高齢者と「共に」考えていくことでした。
そのため、介護予防ケアプランの作成は、高齢者と看護師・保健師との共同作業となっていました。
看護師の体験事例
実際に介護予防ケアプランを立ててみて最初はとても迷いました。以前は病棟勤務で働いていたため、入院患者の看護計画はもちろん立てていましたが、やはり「看護」と「介護」は違うと感じました。
そのため、地域包括支援センターへ勤務当初は手探りで介護予防ケアプランを立てていました。
看護師の体験事例
私は、高齢者の様子を見て「きちんと最近お薬が飲めていないのかな」「服薬管理をきっちりしないと病状が悪化しそう」と感じれば訪問看護のサービスを導入し、服薬管理をしてもらいました。
また「家に閉じこもってばかりであまり外出していないのかな」「足腰が弱って今後歩くのに支障がでそう」と感じれば、デイケアやデイサービスの機能訓練を利用してもらっていました。
その高齢者の病状や家庭での暮らし、家族の協力などを見据えて介護予防ケアプランを立てるのが一番苦労しました。
4.介護予防講座・教室・セミナーの開催
地域包括支援センターで働く保健師・看護師は、地域に住む高齢者が今以上に元気に生活できるように、要介護状態にならないように機能訓練などを行う、教室やセミナーなどの介護予防講座の企画、運営を行うことも仕事です。
そして、これらの教室、講座については、看護師・保健師などの医療職が内容などを全て企画し、チラシなども作り、地域住民に配布したりします。
具体的な内容としては運動・栄養・口腔・閉じこもり予防などがあり、地域の理学療法士や栄養士、歯科衛生士などを巻き込み教室やセミナーを運営していきます。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私が在籍していた地域包括支援センターの介護予防教室では、認知症予防のためのプチ講座、転倒予防のための体操などを、保健師・看護師が毎月、もしくは隔月で企画していました。
どんな内容なら高齢者に喜んでもらえるか、どんな体操なら無理はないか、など色々調べながら企画していました。
また、認知症予防講座では、認知症予防に効果的な食べ物や、頭を使ったゲーム、プチ講座などを行っていました。皆で行い、地域住民同士の交流を深めてもらうことも目的にしていました。
看護師の体験事例
私が地域包括支援センターで働いていた際は、理学療法士さんに来てもらってウエイトを使った足の運動の指導、栄養士さんには栄養指導、歯科衛生士さんには唾液の分泌がよくなる口腔体操などを指導してもらっていました。
また、教室に毎回、保健師・看護師は参加し、バイタルサインを測定したり、健康相談を受けたりしていました。
時には自分で前に出て講話をし、介護予防についての知識の普及啓発活動も行いました。
介護予防教室などは、定期的に開催するため、地域の高齢者ととても仲良くなることができ、教室に参加する高齢者の健康状態を把握することもできました。
5.緊急対応・オンコール対応
地域包括支援センターで働く保健師・看護師は、高齢者の健康状態に何かあれば現場に駆け付けることも仕事の一つです。
また、施設によってはオンコール勤務を求められる場合もあります。
保健師・看護師は、簡単な問診を行い血圧・体温などを図り、緊急性が高いかの判断を行い、高い場合は救急車を呼び、そのまま同乗して病院へ行くこともあります。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
地域包括支援センターに勤務している際に、緊急対応の依頼がかかった場合、血圧計などの基本的なグッズを持ち、具合の悪い高齢者がいる場所に駆けつけていました。
多かったのは、お店などから地域包括支援センターに電話がはいり、駆けつけるといった具合でした。
隠れた認知症なども発見されることや、健康志向の高齢者の単なる疲労、夏場などでは重度の脱水症状などもありました。
地域包括支援センターへ看護師・保健師として転職する注意点
看護師や保健師が地域包括支援センターへ転職する場合や求人を探す場合に注意しておきたいことを説明していきます。
地域包括支援センターの看護師求人は全体の約半分程度
2022年5月30日時点の弊社調べでは、地域包括支援センターの看護師・保健師求人で、全国のハローワークに出ていた件数は555件でした。都道府県の数で平均すると約11件程度の募集があることが分かります。
また、555件の内、看護師免許のみでも可能な求人募集は249件でした。これは全体の44.8%です。地域包括支援センターに転職を考えている場合は、保健師免許を保有していたほうが有利になることが分かります。
そのため、看護師として地域包括支援センターへ転職を考える方は、狭き門であることを理解し、履歴書・職務経歴書の対策や、面接対策などを行っておきましょう。
採用試験は書類選考と面接が多い
地域包括支援センターの採用試験や選考方法は、書類選考(履歴書・職務経歴書)と、面接(1回~2回程度)が多いです。ただ、各センターによって試験内容が異なるため注意しましょう。
運営は市町村直営が少なく、約8割が委託している
地域包括支援センターを設置する主体は、市町村と決められていますが、市町村から委託を受けた一部の法人(地域支援事業・包括的支援事業の実施を市町村から委託を受けた者)も設置することが可能で、2021年4月末時点では約8割が委託となっております。
そのため、看護師や保健師が地域包括支援センターを探す場合、
- 老人介護支援センター・在宅介護支援センターの運営法人
- 社会福祉法人※
- 医療法人等※
(※老人介護支援センター ・在宅介護支援センターの設置者、その他の厚生労働省令で定める者:介護保険法第115条の40)
上記の委託を受けた法人を探すことで、比較的スムーズに求人を見つけ、看護師・保健師として転職することが可能です。
地域包括支援センターは公的施設のため、市町村の求人を探してしまいますが、看護師の転職と同様のイメージで求人を探すと良いでしょう。
(※大規模な自治体では老健施設などに数か所、小規模な自治体では直営で設置しているなど、各自治体や委託企業によって様々です。)
地域包括支援センターの直営・委託の推移地域包括支援センターの直営・委託の推移
地域包括支援センターは、2022年4月末時点で、市町村運営(直営)が20.0%、委託が80.0%となっており、委託しているところが年々増加傾向となっています。
センター・ブランチ・サブセンターの種類には注意する
地域包括支援センター(センター)には、その他にサブセンターとブランチがあるため、看護師・保健師として転職する場合は注意が必要です。
※サブセンターやブランチは、地域包括センターの業務全般を効果的に促進するために設置されます。
センター |
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サブセンター |
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ブランチ |
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※施設数は2022年4月末時点
※施設数合計:7,409ヵ所
※出典:厚生労働省 地域包括支援センター
看護師・保健師として、地域包括支援センターの求人を探した場合、ブランチやサブセンターの募集をしている求人は少ないでしょう。しかし少ない中でも、必ず勤務地のブランチやサブセンターの情報をチェックしておき、定期的な異動があるかの確認を行っておきましょう。
また、サブセンターの場合は支所となるため、地域包括支援センターによって行う業務内容も多少異なるケースもあるため注意しましょう。
職場見学はお願いして面接時等に行う
地域包括支援センターで保健師・看護師として働く場合、多くの仕事はデスクワークで行い、職場にいる時間も長くなります。
また、先ほど説明したように運営元や地域包括支援センターの規模によって、職場の雰囲気が異なります。
そのため、職場見学をさせてもらうようにお願いしておきましょう。
基本的に行っている場合は少ないため、面接時や面接の日程を調整する際に合わせてお願いしましょう。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私は地域包括支援センターの職場のイメージがつかなかったため、採用面接の依頼をする時に、合わせて職場の見学を依頼しました。
2社の採用試験を受けて、どちらも見学させてもらったのですが、同じ地域包括支援センターでも雰囲気がまったく違うことに驚きました。
また、見学は直属の上司である所長に施設を案内してもらったので、上司がどんな方なのかも知ることが出来ましたし、見学して選ぶ基準が変わり適切な職場を選べたと思います。
今は楽しく働いているので、見学したことで今の職場を選んで本当に良かったと思います。
オンコール勤務があるかを確認する
地域包括支援センターによって、看護師・保健師にはオンコール勤務を求められる施設もあります。
そのため、以下の項目をオンコールの有無やオンコール手当が出るのかなども含めて確認しておきましょう。
- 持ちまわる人数と月の回数を確認
- オンコール勤務時のルールや規制などの確認
- オンコールの頻度の確認
また、オンコール勤務がある地域包括支援センターへ転職を考える場合、緊急で出勤しなければならないため、なるべく自宅の近くを選択する必要があります。
給与や待遇は施設によって大きく違う
地域包括支援センターでは、近隣の市町村などでも、施設によって看護師・保健師の給与や待遇などは大きく違うため注意しておきましょう。
例えば、基本給が月24万円からスタートする施設もあれば、17万円前後での場合もあり、さらにボーナスの実績も3.0ヶ月分から4.0ヶ月分などの幅もあります。
あまり転職になれていない看護師の場合は、看護師転職サイトなどを利用し、条件面を比較しながら決めていきましょう。
地域包括支援センターの看護師・保健師の平均給与
平均給与 | 217,931円~257,465円/月 |
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平均賞与割合 | 3.40ヶ月分/年 (740,965円~875,381円) |
平均年収 | 3,356,137円~3,964,961円 (手当を含まない) |
上記は、弊社で運営するはたらきナース求人に掲載されている地域包括支援センターの正職員、看護師・保健師求人の平均となります。
平均年収には手当等が含まれていないので注意してください。
求人探しは看護師転職サイトとハローワークを併用する
地域包括支援センターの看護師・保健師求人を探す場合、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)と、ハローワークを併用して求人を探しましょう。
理由としては、
- 看護師転職サイトにのみ掲載されている求人
- ハローワークのみに掲載されている求人
以上の2つの可能性があるためです。
また、看護師転職サイトを利用し、転職支援サービスを受けることで、履歴書・職務経歴書の対策・添削や、面接対策(模擬面接や回答例の練習)などを行ってくれるため、入職するための対策も行うことが可能となります。
そのため、以下で紹介する看護師転職サイトを利用するとともに、ハローワークインターネットサービスの求人検索などを利用して、求人をチェックしておきましょう。
※病院等に転職する気持ちで臨むと失敗するので注意しましょう。
地域包括支援センターの看護師・保健師求人が多い転職サイト
地域包括支援センターの看護師・保健師求人が多い看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)をご紹介します。
先ほど説明したように、特に地域包括支援センターの看護師求人は少ないため、以下の3社すべてに複数登録し、まずは求人を見つけること、提案してもらうことに注力してください。
各社から提案してもらう求人を比較しながら、自分に合った転職先を選択していきましょう。
また、求人を絞り込めたら合わせて面接・見学のアポイント設定や、履歴書・職務経歴書などの添削なども行ってもらってください。
地域包括支援センターの求人最多!レバウェル看護
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
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サイト名 | レバウェル看護(旧:看護のお仕事) |
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運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
公開求人数 | 140,163件 (2024年12月2日時点) |
非公開求人 | 豊富 |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・看護師の転職求人が豊富 ・転職支援サービスが手厚い ・転職の相談から行える ・院内・施設内情報に強い |
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師転職サイトの中でも、一番看護師求人数が多く、地域包括支援センターの看護師・保健師求人を多く保有しています。
さらに、ハローワーク求人もカバーしているため、もれなく地域包括支援センターの求人を提案してもらうことが可能です。
また、転職支援サービスも利用した看護師に人気があり、丁寧に履歴書・職務経歴書、面接等のアドバイスを行ってくれます。
地域包括支援センターへ保健師、看護師として転職する場合は必ず利用しておきましょう。
公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/
全国で600件以上の求人数!マイナビ看護師
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
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サイト名 | マイナビ看護師 |
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運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 82,343件 (2024年12月2日時点) |
非公開求人 | とても豊富(保有求人全体の約40%非公開) |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー |
対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・転職の相談から行える ・キャリアアドバイザー親切丁寧 ・退職交渉も可能 ・企業系のレア求人を豊富に保有 |
マイナビ看護師は、全国で600件以上の地域包括支援センターの求人を保有しており、地域によっては多くの看護師、保健師求人があります。
そのため、地域包括支援センターの転職に自信がない場合や、希望条件が多い保健師・看護師の方は必ず利用しておきましょう。
担当者が丁寧で親切に対応してくれるため、利用する看護師に人気があります。
公式サイト:https://kango.mynavi.jp/
相談から始めることが可能!ナースではたらこ
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
---|---|---|---|
サイト名 | ナースではたらこ |
---|---|
運営会社 | ディップ株式会社 |
公開求人数 | 95,367件 (2024年12月2日時点) |
非公開求人 | 豊富 |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応 勤務形態 | 常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・非公開求人が豊富 ・希望条件に合う求人が見つかりやすい ・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある |
ナースではたらこは、看護師転職サイトの中でも、看護師のキャリアやライフスタイルを重視した転職活動を推奨しており、情報収集のみの利用も可能となります。
また、地域包括支援センターの保健師・看護師求人も多く保有しているため、相談から始めたい方や、転職するかどうか悩んでいる方は利用しておきましょう。
公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/
まとめ
地域包括支援センターで看護師や保健師として働く場合、施設内に保健師や看護師は基本的に1名体制の場合がほとんどで、緊急対応などを担うことも多く、看護師としての経験も必要です。
そして、病院に勤務する看護師と異なり、高齢者に一方的に歩み寄って行くのでなく、共に考え、共に歩んでいく姿勢が看護師・保健師には求められます。
そのため、今まで医療の現場に勤務していた看護師は、看護の方向性が違うため、戸惑いを感じてしまうかもしれません。
しかし、地域包括支援センターでは、病院では見ることが出来なかった高齢者の生活を知ることができ、「元気で過ごし続けるための支援」という看護を行うことが可能です。
近年は介護保険制度が大きく広まり、地域で生活する高齢者の支援が充実しています。
介護保険を利用し、看護職だけでなく様々な職種が関わり、住み慣れた地域で安心して暮らしていく、そのような高齢者の手伝いを地域包括支援センターでは行うことができます。
興味がある看護師・保健師の方は是非、転職先の1つの候補に入れてみてください。
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運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
お問い合わせ | https://peko.co.jp/inquiry |
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