看護師が定年退職後に働くメリット・デメリット「次の働き方」
昨今、年金支給年齢が原則65歳に引き上げられたことで、「定年」という概念そのものが曖昧になりつつあります。65歳前後を定年とする病院やクリニックが増えてきた一方で、定年後も再雇用や再就職という形で看護師として働き続ける人が増えているのが現状です。再雇用制度を活用する人、介護施設や訪問看護へ転職する人、さらには単発バイトや派遣でマイペースに働く人など、働き方のスタイルは多様化しています。
一方で、「定年後も本当に看護師として働き続けられるのだろうか?」「体力は心配だけど、社会との関わりは持ち続けたい」といった不安や迷いを抱える方も多くいます。そうした気持ちが芽生えたときこそ、定年後の働き方を見つめ直す絶好のタイミングです。「現場についていけるか不安」「職場が高齢の看護師を受け入れてくれるか」「実際にはどんな働き方があるのか」など、知っておくべきことは少なくありません。
このページでは、定年前の看護師の方に向けて、定年後に働くメリット・デメリットを客観的に整理し、後悔しない働き方を選ぶための準備や選択肢について詳しく解説していきます。
※年金に関して、一定の要件を満たす場合や、繰り下げ受給する場合は、60歳から受け取ることが可能です。詳しくは「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額(日本年金機構)」を参照してください。
執筆・監修
- エリア:神奈川県在住
- 保有資格:看護師、がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
- 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
- 専門分野:消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科
看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
定年後も看護師として働く人が増えている理由
日本では、看護師が定年退職後も現場で働き続けるケースが年々増加しています。その背景には、社会構造の変化と医療現場の深刻な人手不足、そしてベテラン看護師に対する現場からの強いニーズが存在します。以下ではその主な理由を詳しく説明していきます。
高齢化社会と医療現場の人手不足
日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進行しており、医療・介護ニーズは今後も増大し続けると見込まれています。「厚生労働省の看護職員需給分科会 報告書(令和5年)」によると、2040年には全国で約213万人の看護職員が必要になると推計されており、これは現在よりも約30万人以上多い水準です。
また、地域医療構想や在宅医療の推進により、医療提供体制そのものが変化するなかで、病院・診療所だけでなく、訪問看護ステーションや介護施設などでも看護職の需要が拡大しています。
若手看護師の離職率は依然として高い
一方、若手看護師の離職率は依然として高く、慢性的な人手不足は続いています。
日本看護協会が2025年3月に公表した「2024年 病院看護実態調査」によると、2023年度の新卒看護師の年度内離職率は8.8%となり、これは2年ぶりに10%台を下回る改善傾向にあることが示されています 。また、正規雇用看護職員全体の離職率は11.3%、既卒看護職員は16.1%である一方、新卒者に関しては8.8%という数値が示されており、およそ「10人に1人」が入職1年以内に離職している実態が裏付けられています 。
さらに、病院規模別のデータでは、規模の小さい病院(99床以下)では新卒離職率が12.1%、既卒離職率は21.8%に達しており、中小規模病院や高齢者施設などでは、より離職率が高くなっていることが明らかです 。
このように、最新データからも「新卒看護師の約1割が1年以内に離職」しており、その傾向は特に中小規模施設で強く表れていると言えます。こうした背景から、経験豊富な看護師の再雇用や定年後の継続勤務が医療現場の支えとなっているのです。
一般的に、看護師の定年退職年齢は65歳が目安?
一般的に、看護師の定年退職年齢は60歳を原則としつつ、近年は65歳を一つの目安として引き上げる動きが広がっています。
2021年の高年齢者雇用安定法の改正により、事業主には「70歳までの就業機会確保」が努力義務として課されました(厚生労働省:高年齢者就業確保措置に関する制度概要)。
この背景を受け、病院やクリニックにおいても、60歳定年に加え、65歳までの再雇用制度の整備や、定年そのものを65歳・70歳に引き上げるケースが増えてきています。また、一部では定年を廃止し、能力と健康状態に応じて年齢制限を設けず勤務を継続できる体制を取る医療機関も見られます。
日本看護協会の「2024年 病院看護実態調査」でも、回答病院のうち約9割以上が再雇用制度を導入しており、65歳を超えて勤務する看護師も一定数存在する実態が示されています。
このように、現時点で看護師の「定年」は明確に統一されているわけではありませんが、60歳を基本としつつ、65歳以降の継続雇用や就業確保措置が標準的になりつつあるというのが実情です。したがって、「65歳」は現在の制度や運用上、定年の目安の一つと捉えることが可能です。
経験豊富な人材が求められる背景
ご存じのように看護師が勤務する医療現場では、単なる「人手」ではなく、質の高い「実践力」が求められます。定年を迎える看護師は、急性期医療から慢性期、終末期、在宅医療まで幅広い経験を積んでいることが多く、新人教育や後進指導の面でも非常に高い評価を受けています。
日本看護協会も、「高齢看護職の活用」に関する提言の中で、年齢に応じた柔軟な働き方の導入や、定年後の継続雇用の推進を掲げており、医療機関側もこうした人材の確保に前向きです。特に、夜勤のない日勤帯での勤務や、時短・パート勤務へのニーズが高まりつつあり、働き方を調整すれば定年後も十分に活躍できる環境が整いつつあると言えるでしょう。
看護師を続けることに定年はない
そのため、年齢を問わず、看護師を続けることはできます。逆を言えば、自分が看護師を辞めようと決めた年齢が「定年」ともいえると私は感じます。
看護師が定年退職後も現場で働き続けるケースは確実に増えている
日本では、看護師が定年後も再雇用や再就職といった形で現場にとどまり、働き続けるケースが年々増加しています。
実際、日本看護協会の調査によれば、2022年時点で60歳以上の看護職員は全体の約12.8%を占めており、7.8人に1人が60歳以上という結果が出ています(日本看護協会「プラチナナース活躍促進サポートBOOK」2024年版)。これは、2000年代と比較しても明らかに増加傾向にある数値です。
また、厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査(令和2年)」でも、60歳以上の就業者比率は1996年の約3.8%から2020年には11.8%へと増加しており、この約25年間で3倍以上の伸びを見せています。訪問看護や介護施設など、高齢者看護のニーズが高まる分野では特に、シニア層の看護師が多数活躍している実態があります。
さらに、定年制を設けている多くの医療機関でも、定年後の再雇用制度を整備している割合が94.7%に達しているという調査結果もあります(日本看護協会「2023年度 病院看護実態調査」)。再雇用された看護師の49.7%が「期待以上に業務を遂行できている」と現場から高評価を受けていることも報告されており、経験豊富な人材としての価値が改めて見直されています。
このように、制度面・実態面の両側から見ても、看護師が定年後も引き続き活躍する環境は確実に整いつつあると言えるでしょう。体力や勤務条件を考慮しながらも、「まだ働きたい」「役に立ちたい」という意欲をもつ看護師にとって、定年後もキャリアを続ける道はごく自然な選択肢になりつつあります。
看護師が定年退職後に働くメリット
定年を迎えた後も「まだ働きたい」「誰かの役に立ちたい」と考える看護師は少なくありません。実際に私もその看護師の一人です。
看護の仕事は年齢に関係なく求められており、定年後に働くことにはさまざまなメリットがあります。以下では看護師が定年退職後に働く一般的なメリットについて説明していきます。
社会とのつながりを保てる
定年退職後、最も変化を感じやすいのが「社会との距離」です。
現役時代には毎日誰かと接し、責任ある役割を担っていた看護師も、退職後は一気に人との関わりが減少することがあります。とくに一人暮らしや、配偶者もすでに退職している場合は、孤独感や閉塞感を感じやすくなります。
再び看護師として働くことで、そうした孤立リスクを自然に回避できるというメリットがあります。患者さんとのやり取りはもちろん、同僚や多職種との連携、施設利用者との会話など、人とのつながりが日常的にあることは、心の健康を保つうえでとても大切です。
看護師の体験談
経済的な安心につながる
看護師に限らず、多くの人が老後に不安を感じる要因として、最も大きいのが「お金」の問題です。
年金支給額は個人差がありますが、持ち家があっても生活費や医療・介護費をすべてまかなうには不十分と感じる人も少なくありません。また、インフレや物価上昇、介護保険料の増加など、老後の支出は不確定要素が多く、精神的にも不安がつきまといます。
定年退職後に看護師として再び働くことは、経済的なセーフティーネットを自分で確保できる手段になります。特に看護師は、定年後でも比較的高い時給で働ける数少ない職種の一つです。例えば訪問看護や健診バイト、夜勤専従などは、60代以上でも活躍でき、1日で1万5千円〜2万円以上を稼げるケースもあります。
こうした収入は、生活費にあてるだけでなく、孫への支援や旅行、趣味、将来の介護費用の備えにも使えます。自分で稼ぎ続けられることが「自由の保障」につながるという安心感は、老後の生活の質を大きく高めてくれるでしょう。
専門職としてのやりがいを再発見できる
看護師という職業は、年齢を問わず「必要とされる仕事」です。定年を過ぎても、長年の経験やスキルを活かして現場で即戦力として働けるケースが多く、後進の指導や難しい患者対応など、経験者だからこそできる仕事が数多く存在します。
とくに教育熱心なベテラン看護師は、若手スタッフのロールモデルとして信頼され、「頼りにされる存在」であることが大きなモチベーションとなります。また、患者さんからの感謝の言葉や、チーム医療の一員として評価される機会もあり、「自分はまだ社会に必要とされている」と実感できるのは、精神的にも大きな励みになるでしょう。
仕事の中で達成感を味わえる、誰かの役に立っているという実感が持てる、ということは、収入以上に働く原動力になります。定年退職後に看護職に復帰した方の中には、「若いころ以上にやりがいを感じている」と話す人も多く、看護の原点に立ち返るような充実感があることも、定年後就業の大きな魅力といえるでしょう。
自分のペースで働ける
看護職は、比較的柔軟な勤務形態が選べる仕事でもあります。これは、定年後に再び働く上で大きな利点となります。医療機関や訪問看護ステーション、介護施設などでは、短時間勤務・曜日固定・夜勤なし・扶養内パートなど、多様なシフト対応が可能な職場が増えています。
たとえば、「週2回・午前中のみ」「月に数回の夜勤」「通勤時間が短い範囲のみ」など、自身の体調や家族状況に応じて無理のない働き方を選べる自由度の高さがあります。(看護師資格のない人から見たらうらやましいほどの自由度です。)
これにより、退職後の自由な時間や家族との生活を大切にしながら、社会に関わり続けることができるのです。
また、季節やライフイベントに合わせて働くペースを調整しやすいのも、フルタイム勤務とは違うメリットです。これからの人生を「仕事に縛られず、でも仕事を楽しむ」スタイルに変えていくためには、看護職の柔軟性は大きな味方になるでしょう。
人生後半の生きがいにつながる
看護師に限らず退職後の生活は、自由である反面、「何を目標に過ごせばいいのか分からない」「自分の役割がない」と感じてしまうこともあります。特に、長く看護職として人の命や健康に向き合ってきた人ほど、その喪失感は大きい傾向があります。
定年後に再び看護師として現場に戻ることで、看護を通じて再び人生の軸を取り戻すことができるのではないでしょうか。患者との心の交流、終末期ケアでの寄り添い、家族からの信頼などは、心の深い部分に響く経験であり、まさに「生きがい」そのものと言えるでしょう。
さらに、社会貢献性が高い仕事であることから、自己肯定感を高める効果もあり、「自分はまだ誰かのために生きている」という想いが、毎日の生活を支える力になります。これは、金銭的報酬だけでは得られない、心の報酬です。
看護師が定年後に働くデメリット・注意点
定年後に看護師として再び働くことには多くのメリットがありますが、一方で年齢を重ねてから働くがゆえの課題や注意点も存在します。看護師が定年退職後に再就職を考える前に、あらかじめ把握しておきたい一般的なデメリットを説明していきます。
体力・健康面の不安がある
ご存じのように看護師の仕事は、身体的にも精神的にも負荷が大きい専門職です。
特に病棟勤務では、長時間の立ち仕事や夜勤、移乗介助など、想像以上に体力を要する業務が日常的にあります。60代以降になると、個人差はあるものの、以前と同じようなペースで働くことに限界を感じる場面が出てくることも少なくありません。
さらに、年齢とともに持病や疲労の蓄積が出やすくなるため、「働きたい」という意欲と「体がついてこない」という現実のギャップに悩まされるケースもあります。体調管理を怠ると、かえって健康を損ねることになりかねません。
無理をせず、自身の体力や通院の必要性も考慮した働き方を選ぶことが重要です。
職場の待遇や仕事内容のギャップ
定年後、看護師として再就職する場合、前職と比べて給与や待遇が大きく下がる可能性があります。
特に再雇用制度(嘱託)やパート勤務などでは、時給制に切り替わることが一般的で、正職員時代と比べると年収ベースで大きく減少することもあります。さらに加えて、福利厚生の対象外となる場合も多く、交通費や有給の取り扱いなど、条件面での違いに戸惑う看護師もいます。
また、定年退職後、看護師の業務や仕事内容そのものが異なることもあります。
たとえば、かつては急性期病棟で最前線の看護に携わっていたとしても、再就職先では外来補助や療養型施設での看護が主となり、「物足りなさ」を感じることも少なくありません。一方で、想定よりも業務負担が大きく「思っていた以上に大変だった」と感じる看護師もいます。
そのため、看護師が定年退職後に働く場合は、雇用条件や業務内容は事前にしっかり確認することが欠かせないでしょう。
働き方の選択肢が限られる場合もある
高年齢層の看護師を積極的に受け入れている職場は増えているとはいえ、希望する働き方や職場が必ずしも見つかるとは限りません。特に都市部以外では、病院・施設の数そのものが限られており、定年退職後の看護師の再就職に選択肢が少なくなる傾向があります。
また、病院によっては「○歳以上は採用しない」といった(条件に記載していない)年齢制限を設けていたり、夜勤ができないと採用対象にならなかったりするケースもあります。加えて、再就職市場では「すぐ辞めてしまうのでは」という不安から、シニア層に消極的な看護師の職場も依然として存在します。
そのため、看護師が定年退職後に働く場合は、希望条件を絞りすぎず、柔軟なスタンスで情報収集を行うことが必要です。
最新の医療知識や技術にギャップを感じる
医療・看護の現場は年々進化しており、電子カルテや医療機器、記録様式、感染対策の方法なども日々アップデートされています。定年後にしばらくブランクがある状態で復職した場合、「ついていけるか不安」「手技に自信がない」と感じる看護師も多く見られます。
特にICT(情報通信技術)を活用した業務に慣れていない場合、記録業務やシステム操作が精神的なストレスになることもあるでしょう。
また、若い看護師との世代間ギャップを感じることで、「自分のやり方はもう古いのでは」と不安になることや、老害、お局化してしまうこともあるでしょう。そのため、看護師が定年退職後に働く場合は、自ら新しい知識を学び直す姿勢が必要とされます。
職場での役割や立ち位置に戸惑うこともある
定年後に新しい職場へ入る場合、かつてはリーダーや管理職として活躍していた看護師でも、新たな環境ではゼロからのスタートになることが一般的です。
そのため、「以前は周囲の看護師に教える立場だったのに、今は一スタッフナースとして指示を受ける側」という立場の変化に戸惑いを感じることがあります。
また、年下の看護師や上司、プリセプターから指導を受けることに抵抗感を覚える方もいます。こうした心理的な摩擦は、表面化しなくてもストレスの原因になります。そのため、看護師が定年退職後に働く場合は、職場との良好な関係を築くには、謙虚さや柔軟性、協調性がより一層求められるのです。
定年前に知っておきたい!退職後の働き方の選択肢
「定年=引退」と考える時代は過去のものになりつつあります。
看護師という専門職は、退職後も知識や経験を活かして柔軟に働くことができる数少ない職種です。とはいえ、定年後にどんな働き方があるのかを事前に把握しておかなければ、選択肢は大きく狭まってしまいます。以下では、定年前から知っておきたい看護師の退職後の働き方を紹介します。
パートや嘱託勤務などの再雇用制度を活用する
現在、多くの病院や施設では60歳以降も継続して働ける再雇用制度を設けています。よく言われる嘱託職員です。定年前と比べて雇用形態や待遇は変わるものの、勤務先や業務内容が大きく変わらないため、職場環境への順応ストレスが少ないのが最大の利点です。(※職場によっては夜勤を求められるケースや、業務内容が大きく変わる可能性があるため注意してください。)
看護師としてパート勤務や嘱託職員としての再雇用であれば、勤務日数や時間を調整できるケースも多く、「週3日・日勤のみ」など、体力やライフスタイルに合わせた働き方が可能です。また、退職金や企業年金制度との両立も考えやすいため、経済的な計画を立てやすいメリットもあります。
ただし、雇用延長には本人からの申請や上司との面談などが必要であること、契約期間が1年単位である場合もあるため、制度の内容や申し込み時期は定年前に必ず確認しておくべきです。
定年を定めていない職場を選ぶ
看護師として働くことができる職場で、個人病院やクリニック、福祉・介護施設などは、社内制度として定年を定めていない場合があります。60歳を過ぎて、大学病院などを定年退職した後も、それまでのキャリアとやる気と体力があれば、70歳を超えても働き続けている看護師は多くいます。
若い看護師にあまり人気のない、福祉・介護施設や、精神科、内科系クリニックなどでは、年齢を問わずに、看護師募集を一般的に行っています。
そのため、年齢を理由に選択肢を狭めるのではなく、自分の経験やライフスタイルに合った職場を柔軟に探してみることが、定年後も長く活躍するためのポイントと言えるでしょう。
介護施設や訪問看護などの柔軟な勤務先を選ぶ
看護師として病院勤務から少し離れ、介護施設や訪問看護の現場に転職するという選択も定年後には増えています。介護施設や訪問看護の職場では急性期のような緊急対応が少ない反面、利用者との関係性が深まりやすく、落ち着いたペースで看護師として働くことができるという特徴があります。
とくに特別養護老人ホーム(特養)やデイサービスでは、夜勤なし・日中勤務のみという施設も多く、看護師として体力的な負担が軽減されます。訪問看護では、1日に数件の訪問をこなすスタイルが主流で、自動車移動や地域密着型のサービスが中心となるため、「人とじっくり向き合う看護」を重視する看護師には向いている働き方です。
介護施設や訪問看護ステーションによっては、60代以降のスタッフが主力となっているところもあり、同世代の仲間と安心して働ける環境が整っている点も魅力でしょう。
派遣や単発バイトで自分のペースを保つ
「毎週決まった日には働けないけど、時々なら働きたい」という方に適しているのが、看護師派遣や単発バイトです。健診、デイサービス、イベント救護、ワクチン接種など、1日から勤務可能な案件が豊富にあり、看護師の希望日程に合わせて働ける自由度の高さが特徴です。
また、派遣会社を通じて案件を探せば、事前に仕事内容・勤務条件が明示されており、ミスマッチが起きにくいのも利点です。時給も比較的高く、例えば健診バイトなら1日1.5万〜2万円の報酬が見込めることもあります。
このようなスポット勤務は、体力的に長時間働くのが難しい方や、家族の介護・育児と両立したい方にも好まれており、「無理なく社会参加を続けたい」層にフィットした働き方です。
看護師以外の関連職にキャリアチェンジする
看護師としての資格や経験を活かしながら、直接の臨床業務から離れた働き方を選ぶ人も増えています。たとえば、介護支援専門員(ケアマネジャー)、福祉用具専門相談員、医療事務、健康相談窓口(コールセンター)など、看護の知識を土台としながら身体的な負担が少ない職種が注目されています。(追加で資格が必要な職種も多いので注意しましょう。)
また、自治体や企業による保健事業の補助スタッフ、看護学校の実習指導員、講師といった教育系のポジションも定年後の選択肢として現実的です。これらの職場では、体力面よりも「経験」や「人柄」が重視される傾向が強く、ベテラン看護師が歓迎されることも少なくないでしょう。
「もう現場は体力的に厳しい」と感じる場合でも、看護の世界で貢献する道は多様に存在します。看護師としてのキャリアチェンジも含めて視野を広げておくことで、退職後の人生に新たな可能性が広がるでしょう。
定年後・定年前に活用できる看護師求人サイト
定年前・定年後にかかわらず、「次にどこで働くか」は、看護師としての人生を大きく左右する重要な選択です。定年前であれば、体力やライフスタイルに合わせて長く安心して働ける職場を選ぶことが大切です。一方、定年退職後には、パートや単発勤務など、条件や働き方に柔軟性のある職場を探すことがポイントとなります。
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対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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親身になって相談してくれる!ナースではたらこ
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
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サイト名 | ナースではたらこ |
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運営会社 | ディップ株式会社 |
公開求人数 | 94,878件(2025年6月2日時点) |
非公開求人 | 豊富 |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応 勤務形態 | 常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・非公開求人が豊富 ・希望条件に合う求人が見つかりやすい ・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある |
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60代以上が活躍する職場が豊富!マイナビ看護師
転職相談 | 面接対策 | 条件交渉 | 退職相談 |
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サイト名 | マイナビ看護師 |
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運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 81,306件(2025年6月2日時点) |
非公開求人 | とても豊富(保有求人全体の約40%非公開) |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー |
対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・転職の相談から行える ・キャリアアドバイザー親切丁寧 ・退職交渉も可能 ・企業系のレア求人を豊富に保有 |
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公式サイト:https://kango.mynavi.jp/
まとめ
定年を迎えたからといって、看護師としてのキャリアが終わるわけではありません。むしろ、豊富な経験や人間力を武器に、より自分らしい働き方を選べる「看護師としてのセカンドキャリアの入り口」と言えるのが定年後の看護人生だと、私は感じています。
社会とのつながりを保ち、やりがいを感じながら収入も得られる、そんな理想的な看護師としての働き方が、パートや派遣、訪問看護、教育支援などの多様な選択肢の中から見つかる可能性があります。ただし、その一方で、体力の限界や医療現場の変化、待遇の違いなど、現実的な課題にもきちんと向き合っておく必要があるでしょう。
大切なのは、「なんとなく」看護師として定年を迎えるのではなく、自分の希望や家庭状況、健康状態をふまえて計画的に備えることです。看護師の求人情報をリサーチし、スキルを見直し、必要であれば資格や知識をアップデートしておくことで、選べる道は大きく広がります。
60代以降も自分らしく働き続けるために、今こそ一歩踏み出してみませんか?あなたのこれまでの看護師としての経験は、これからも誰かの力になるはずです。
最後まで、ありがとうございました。
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運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
|
厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
お問い合わせ | https://peko.co.jp/inquiry |
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