呼吸器内科で働く看護師の仕事内容体験談と感じたやりがい
私が働いていた呼吸器内科病棟では、主に肺炎、肺がん、じん肺、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの患者を扱っていました。それに加え、気胸・膿胸・喘息発作の短期入院、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査入院も定期的に一定数行っていました。
呼吸器内科は、看護師として吸引や人工呼吸器の操作、酸素マスクの管理などの技術を習得でき、内科全般の疾患にも強くなるため、若手の看護師にも非常に人気の高い診療科です。
私が呼吸器内科病棟で働いた経験をもとに、看護師の仕事内容や働いて感じたこと、やりがいについてご紹介していきます。
執筆・監修看護師- エリア:静岡県在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:総合病院、特別養護老人ホーム
- 専門分野:循環器科、内分泌内科、救急外来、小児科、整形外科
2人の男の子の育児真っ最中の現役看護師です。小さな頃に見たテレビドラマに憧れ、看護の道に進みました。総合病院の循環器科・内分泌内科を含む総合内科、救急外来、小児科、整形外科の勤務を経て、現在は特別養護老人ホームの施設看護師として働いています。看護職は現在活躍場所が幅広くあり、働き方もある程度選択できるとても良い職業です。病院勤務と施設勤務の違いや、子育てしながら働くことなど、私が経験した中でなにか役立てる情報がひとつでもあればと思っています。
呼吸器内科病棟で働く看護師の仕事内容
私が働いていた、呼吸器内科病棟での看護業務・仕事内容は、基本的には他の内科系疾患を扱う病棟と大きな違いはなく、具体的にいえば、患者のバイタルサイン測定、聴診器を使った全身状態の確認、SpO2測定、採血、点滴施行、医師の回診介助と処置介助などが主です。
また、睡眠時無呼吸症候群の検査のため一泊入院したり、治療器具を装着して実際に効果があるか脳波をとったりするための検査入院も多く、看護師の仕事は多様化しています。
私が呼吸器内科病棟で働いた際の1日(日勤)のスケジュール例は、以下の通りです。
8時30分~ | 出勤:情報収集、勤務帯に施行予定の点滴準備、処置準備 |
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8時40分~ | 病棟全体朝礼、勤務帯引継ぎのための申し送り |
9時00分~ | 受け持ちナースとリーダーナースとのショートカンファレンス |
9時30分~ | 部屋巡回業務 |
10時30分~ | 必要時、医師への状態報告、介助が必要な患者の清拭や保清ケア |
11時30分~ | 交代で休憩 |
12時30分~ | 昼食後の内服薬を配薬、口腔ケア |
14時00分~ | ・必要時、医師への状態報告、介助が必要な患者の清拭や保清ケア ・チーム別にカンファレンス |
15時00分~ | 必要時、医師への状態報告、介助が必要な患者の清拭や保清ケア |
16時00分~ | 業務の漏れの確認、明日の検査の準備、申し送り準備 |
16時30分~ | 夜勤帯勤務者を交えた業務の引継ぎ、申し送り |
17時00分~ | 終業時間(残った業務や看護記録を再開する) |
その他、呼吸器内科病棟特有の看護師の仕事内容について、私の経験から以下で説明していきます。
受け持ち患者のケア
呼吸器内科病棟で働く看護師は、各受け持ち患者のもとへ順番に回り、以下がメインの仕事です。
- 患者のバイタルサイン・SpO2測定・呼吸チェック等
- 患者の全身状態の確認
- 酸素投与中の患者の酸素流量のチェックや加湿水の補充
- 必要な患者には吸引施行
- 点滴を開始や継続のための交換 等
さらに平行して、看護師は寝たきりの患者や点滴ルートが多く、一人では着替えや入浴ができない患者の介助も行います。
ターミナル期の看護
急性期病院、慢性期病院に関わらず、呼吸器内科病棟には、肺がんのターミナル期の患者が入院しています。
そのため、呼吸器疾患に関する知識の他に、ターミナル期の疼痛コントロールや看護が、呼吸器内科病棟で働く看護師の仕事です。
看護師の体験談
そのため、人工呼吸器の機械そのもの操作方法、モニターの見方、またモードの設定の種類、人工呼吸器適応の呼吸状態、または全身状態なのかという緊急性の判断は医師でなく看護師にも必要な知識でした。
さらに呼吸器内科では、とにかく挿管や、人工呼吸器装着時の処置介助にも看護師は関わりました。
酸素量の管理や酸素吸入に必要な物品の管理
呼吸器疾患を持つ患者たちの多くは、症状の軽い・重いに関わらず、酸素療法を行いながら入院生活を送っている方がほとんどでした。
そのため、酸素量の管理や酸素吸入に必要な物品の管理、また労作時に起きる呼吸の変化にすぐに対応して。患者の呼吸症状の苦痛を軽減できるようにすることも、呼吸器内科病棟で働く看護師の大事な仕事です。
患者の退院支援や生活指導
呼吸器内科病棟に入院した患者が急性期を脱し、退院を迎える方たちには、生活指導も重要な看護師の仕事です。
外来との連携
呼吸器内科病棟に慢性閉塞性肺疾患の患者などが入院する場合、感染性肺炎を起こし症状が重症化した場合などが多い印象でした。
そのため、入院時以外にも自宅で酸素療法を行なっていることが多く、外来との連携も呼吸器内科病棟で働く看護師の仕事の1つでした。
呼吸器内科病棟で働いて感じたデメリットやつらいこと
私が呼吸器内科病棟で働いて感じた、他の診療科との違いやデメリットに感じたこと、つらかったことを紹介していきます。
もちろん、すべての呼吸器内科病棟が、私が経験した内容には当てはまらないと思いますので注意してください。
患者の急変が多い職場だった
呼吸器内科病棟では、病気の性質上、患者が急変することも多い印象でした。
多くの患者は呼吸器をつけています。呼吸器は酸素を取り込むために必要な器官であり、そこに問題が起こると命に関わるため、看護師としてプレッシャーに感じることもありました。
残念ながら、急変からそのまま亡くなる患者も少なくありませんでした。
また、私が勤務していた呼吸器内科病棟では、肺がんのターミナル期の患者が大勢入院しており、時期によっては毎日のように「お看取り」に立ち会う場面がありました。
そのため、呼吸器内科病棟は他の診療科と比較して「精神的な負担が大きい」と感じる看護師もいました。
看護師の体験談
そのような患者から、ある日「家族や孫と一緒に声をだして話したかった」「生まれてきた孫の名前を呼べない」「声も覚えてもらえない」と涙を流して訴えた患者に治療上必要なことだったと理解していても、人間として心が痛くなりました。
自分がその立場なら、看護師の立場からという気持ちの整理がなかなかつけられない日々があり、その期間は仕事がとてもつらく感じました。
基本的に忙しい病棟だった
私が勤務していた呼吸器内科病棟は、基本的に満床であることが多く、ナースコールが鳴り止まないことも多かったです。
特に冬の時期は、肺炎をこじらせた患者の緊急入院も多く、毎日のように残業することもありました。
また、呼吸状態が悪化するとすぐに急変につながり、その発生は時間帯に関わらず起こる為、時間外勤務が多い印象でした。
自己学習が多い職場でした
特に新人看護師の頃はとにかく、日々の業務をこなすにも時間がかかり、分からないことを家に持ち帰り、課題をひたすら学習する生活でした。
それを行わなければ、呼吸器疾患の理解や、カンファレンスについていくことができず、寝不足状態で疲れが取れないということも、つらかった経験です。
呼吸器内科病棟で私が感じた看護師のやりがい
呼吸器内科病棟では、つらいこともありましたが、つらい中にも「やりがい」を持って看護師として仕事ができたことも事実です。
私が感じた呼吸器内科病棟での看護師のやりがいについて、以下で紹介していきます。
専門的な知識と介助スキルが向上し、やりがいを感じた
私は、勤務していた病院が3次救急指定の病院だったこともあり、かなりの急性期病棟である呼吸器内科でした。
その呼吸器内科病棟では、患者への挿管・抜管・人工呼吸器の装着や離脱はかなり頻繁に行っていましたが、その緊迫した医療現場では、看護師として専門的な知識と介助方法を知らなければ仕事についていけませんでした。
そのため、自身で勉強し看護師として実践できた時は喜びを感じ、自分の成長にやりがいを感じました。
スキルを高め合うことが出来る仲間に出会えたこと
私が勤務した呼吸器内科病棟では、患者の急変時にスピード感を持ち、医師や他の看護師たちと救命に関わっていました。
その際に、本当に全スタッフが「患者を助けたい!」という強い信念をもって動いていました。
そのため、現場は「ひとつのチーム」となります。
これも私が看護師として働いているうえで、やりがいと喜びを感じられるものでもあり、スキルを高め合うことが出来る仲間に出会えたのは、私の財産だと感じます。
患者指導を通して患者との関係性がより良いものとなる
呼吸器内科病棟の看護師の仕事である、患者へ退院指導や生活習慣指導などから、患者、その家族が次第に信頼をしてくれました。
私の場合、普段から患者との会話量も増え、世間話や冗談なども言い合えるようになりました。
入院生活を送る患者の身の上話を聞く機会もあり、想像もつかないような過去があることや、ギャップに驚いたり、おなかを抱えて笑ったりと忙しい呼吸器内科病棟でも楽しんで患者と関われました。
担当以外の日にも、名前で声をかけてもらえるような雰囲気は働いていて楽しいですし、看護師としてやりがいを感じました。
症状の改善が目に見えて実感できる時もある
看護師として患者への働きかけの成果が出やすいのも呼吸器内科の特徴だと感じます。
呼吸器疾患は、一時的に酸素投与の必要性から医療機器を身につける期間もあります。
しかし、治療を通して少しずつ活動範囲を広げたり、短時間の酸素投与を中止できる時間が設けられたりと、客観的に患者の症状の改善を実感しやすい診療科でもあります。
私は、看護師として患者の症状が改善されたときに、やりがいを感じました。
希望の診療科への求人探しは看護師転職サイトを活用しよう
看護師が病院へ転職を検討した際に調べる看護師求人は、一般的に病棟、オペ室、外来等では区分されています。
そのため、看護師が病院への転職時に希望の診療科への配属を考えた場合、面接時に交渉する必要があります。面接時に交渉は行ったことがない、どうやって交渉して良いか分からない看護師の方が大半だと思います。
だからこそ、交渉の代行を行ってくれる看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用をおすすめします。
看護師転職サイトは、あらかじめ条件に合う(希望の診療科に配属される)病院求人をピックアップしれくれますし、面接を含めた前後に交渉も行ってくれるため、スムーズに希望の診療科への転職活動を進めることができます。
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対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
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対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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マイナビ看護師は、丁寧で親切な対応と、的確な転職のアドバイスを行ってくれることから、利用する看護師にとても人気が高い看護師転職サイトです。
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まとめ
呼吸器内科病棟で働く看護師の仕事内容ややりがいについて、紹介してきました。
看護師として、呼吸器の看護スキルを極めたいと考える方は、なるべく高度な治療を行っている、規模が大きな病院や大学病院への転職を検討することをおすすめします。
また、今回は呼吸器内科病棟にしぼって紹介しましたが、呼吸器内科はクリニックも沢山あり、夜勤ができない看護師方は、クリニックを希望してチャレンジしても良いでしょう。
なお、呼吸器内科クリニックの場合は、病棟で扱われる疾患の他にも睡眠時無呼吸症候群を扱うところも多く、呼吸器内科クリニックごとで特徴が異なます。
上記でおすすめした、看護師転職サイト等を活用し、下調べを行うことが大切です。
呼吸器内科は忙しい病棟であり、大変さもありますが、看護師としての学びが多く、これからの社会で需要が増え続ける領域です。
興味がある看護師の方は一度経験してみてください。
私は、この記事を執筆している中で、もう一度、育児が落ち着いたら、呼吸器内科病棟の現場に戻りたくなりました。
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代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
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