トラベルナースとは?メリット・デメリットや求人が多い転職サイト
看護師資格を活かす働き方として、トラベルナースに興味がある方もいらっしゃるかと思います。トラベルナースになると、自分の住んでいるエリアとは違う都道府県で働きたい、看護師の資格を活かして短期間働きたいなど、様々なニーズに応えることができます。
皆さんはトラベルナースと聞いて、どんな働き方が思い浮かぶでしょうか。看護師として働いている人の中にも、トラベルナースの実態をよく分かっていない人も少なくありません。
このページでは、トラベルナースで働くために知っておきたい看護師の知識や、トラベルナースとして働く場合のメリット・デメリット、トラベルナースの募集が多い転職・求人サイトを説明していきます。
執筆・監修当サイトを運営する株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。国家資格であるキャリアコンサルタント資格も取得。
- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師、保健師、養護教諭第二種
- 経歴:大学病院、公立病院、美容クリニック、訪問看護、デイサービス、大学保健室
- 経験がある診療科:消化器外科、呼吸器外科、内科、小児科、美容整形科、オペ室
看護学校卒業後、看護師として15年以上働いていました。大学病院や公立病院に勤務し、消化器外科や呼吸器外科など経験。パートで美容クリニックや訪問看護なども行い、現在在宅の看護師ライターとして頑張っています。
トラベルナースとは?
トラベルナースとは、看護師が不足した地域に派遣され、一定期間看護師として働くという「制度」のことを言います。
日本では、株式会社ナースパワー人材センターが看護師の短期高給与求人として「応援ナース」という企画をスタートさせ、現在では「トラベルナース」という考え方が看護師に広く浸透しています。
また、トラベルナースは働くための地域を問わないため、海外で働けると思う看護師もいるかもしれませんが、現実はトラベルナースとして働くことは難しく、海外で看護師として働くためには留学などの方法や、地域によっては看護師として新に資格の取得が必要となります。
トラベルナースの発祥は1980年のアメリカ
トラベルナースの発祥は1980年代のアメリカ(ニューオーリンズ)でした。病院やクリニックで看護師が不足しており、それを大胆に解決する方法として提供されたことが始まりです。
看護師の任期(派遣される期間)としては4〜13週間(12週間+1週間のトレーニング)、又は最大1年程度で設定されます。
※期間の設定については、病院・クリニックでの多くの課題や問題は「4週間~13週間」の間に解決しやすく、最大1年程度としている理由は、任期後に正規雇用(フルタイム)を希望する場合の延長期間とされています。
この制度により、病院やクリニック側は短期間看護師を雇うことが可能となりました。看護師不足を解消し、高い費用対効果を生むことが出来ました。
(出典:The History of Travel Nursing)
現在アメリカで行われているトラベルナースは、住む場所や、生活に必要なものは用意されています。そのため、引越しなどは不要で、自分の洋服や荷物など、スーツケースに収まる程度で十分事足りるそうです。
アメリカではこのトラベルナースという働き方が更に拡大していく模様で、2025年までに50万人まで拡大する予想です。(米国労働統計局の調べ)
日本では看護師のライフスタイルを重視して働くことが可能に
日本でトラベルナースとして働く際には、労働時間や条件、期間なども自分で決めることができます。そのため、好きな場所で好きな時に働きたいという看護師のライフスタイルを重視した働き方が可能です。
そのため、自由に働きたい、旅行気分で働きたいという看護師が多くこの制度を利用しています。
働く先は、看護師が不足している病院やクリニック、介護施設などがあります。都心部や北海道、沖縄や離島の時もあれば、リゾート地のようなところもあり、一般的に自分で勤務地を選ぶ(求人を選択できる)ことが可能です。
応援ナースとトラベルナースの違いは?
応援ナースとは、3ヶ月から6ヶ月程度で沖縄・離島・北海道・東京などに看護師として派遣される「即戦力看護師の短期高給料求人」の名称で、株式会社ナースパワー人材センターが運営する、看護師求人・募集転職・派遣サイトのナースパワー内で取り扱っている看護師求人です。
トラベルナース、応援ナースに違いはなく、同じである認識で良いでしょう。
ただ、「応援ナース」は、2018年03月30日に登録商標(株式会社ナースパワー人材センター:商願2018-40484)が行われており、応援ナース以外の求人を探したい場合は「トラベルナース」で検索すると良いでしょう。
トラベルナースの新型コロナウィルス感染症の影響は?
トラベルナース(又は応援ナース)は以前から求人募集はありますが、新型コロナウィルス感染症の影響により、クリニック、病院、保健所、コールセンター業務などで看護師が不足している地域があり、求人は豊富です。
また、コロナ渦の時期はワクチン接種のトラベルナース求人もありました。
現在では、コロナ渦で看護師が退職してしまった病院も多く、トラベルナース求人が豊富な時期でしょう。
トラベルナースで働くために知っておきたい知識
看護師がトラベルナースとして働く場合、最低限知っておきたい知識・情報としては以下の通りです。
勤務地 | 全国対応 (都市部、沖縄、北海道、離島が多い) |
---|---|
雇用期間 | 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月など |
勤務時間・勤務日数 |
|
雇用形態 | 契約社員、派遣、パート・アルバイトが多い |
給与 | 3ヶ月では総額90万円から180万円程度 |
福利厚生 |
|
資格・募集要項 |
|
各項目を以下で詳しく説明していきます。
トラベルナースの主な勤務地
トラベルナースの勤務地は様々であり、日本全国で勤務することが可能です。
しかし、一般的に以下のような勤務地が多いと言えます。
- 北海道エリア
- 沖縄エリア
- 各都道府県の離島エリア
- 都市圏エリア(名古屋・大阪・東京・福岡・札幌など)
- 都心部エリア(東京・千葉・埼玉・神奈川など)
看護師が不足している地域にトラベルナースとして働くため、上記のようなエリアが多いです。
また、働くエリアによって看護師の給与(又は時給)が大きく変わることも特徴的です。働く施設としては病院が圧倒的に多く、稀に介護施設やクリニックなどの募集もあります。
トラベルナースの期間(雇用期間)
トラベルナースの雇用期間は求人によって大きく異なりますが、一番多い期間は3ヶ月から6ヶ月間です。
トラベルナースの求人を探すことで、1ヶ月単位の求人もあります。中には長期間募集している求人もあり、12ヶ月間(1年間)を超える求人もあります。
そのため、最低でも3ヶ月以上はトラベルナースとして働くイメージを持ち、求人を探す必要があります。
トラベルナースの雇用形態は様々
トラベルナースは短期間の雇用になりますが、雇用形態としては主に以下の雇用形態が多いです。
- 契約社員(月収)
- パート・アルバイト(時給)
- 産休代行派遣や一般派遣(月収)
その他、有期雇用の正社員や紹介予定派遣(派遣後に正規雇用するか双方で判断する制度)など様々な雇用形態があります。
利用する転職会社や、働く場所(求人)によって細かく異なるので、確認しながら転職を考えていく必要があるでしょう。
トラベルナースの勤務時間・勤務日数
自由に働くことが出来るトラベルナースですが、勤務時間や勤務日数は、赴任する病院・施設に合わせる必要があります。例えば、
- 1日:7.5時間程度
- 週:4週8休
上記のような勤務時間や勤務日数が多く、「夜勤あり」の場合が多いです。
また、求人の内容によっては、勤務時間を複数の選択肢から選ぶことが可能な場合もあります。
補足の注意点
トラベルナースの注意点としては、3ヶ月から6ヶ月程度の任期となるため、基本的に有給休暇が付与される場合はありません。
また、トラベルナースとは、雇用形態によって働く病院・施設での看護師としての立ち位置が変わる可能性があるため確認が必要です。
例えば、正社員や契約社員で雇用された場合は、病院・施設で他の正社員と同様に業務を全うする必要があり、責任もあります。
トラベルナースに必要な経験年数や資格
トラベルナースに必要な経験年数や資格などの募集要項は様々ですが、以下のような条件が一般的です。
資格・免許 | 看護師又は准看護師資格の保有者 (助産師、保健師も求人があれば可能) |
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経験 | 3年以上の臨床経験(病棟勤務経験者) |
その他 | その他:配属される期間を遵守できること 優遇されやすい経験:ICUや救急外来・急性期病棟の経験 |
以上のような募集要項となり、トラベルナースとして働きたい希望があれば、看護師にとって応募しやすい条件でしょう。
(求人によっては様々な看護経験を求められる場合があります。)
また、その病院や施設にトラベルナースとして採用されるために面接は必要ない場合が多く、ほとんどの場合は書類選考で合否を判断されます。
トラベルナースの年収・給与・時給
トラベルナースの年収や給与、又は時給などは各求人によって大きく異なります。
弊社独自調べで、現在のトラベルナースの年収・給与(月収)・時給などの平均を調査しました。気になる方は是非参考にしてください。
平均年収 | 360万円~720万円程度/年 (12ヶ月間働き続けた場合) |
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平均給与(月収) | 30万円~60万円程度/月 |
平均時給 | 2,000円~3,500円程度/時 |
(※トラベルナース求人を扱っている転職会社より、最低金額と最高金額調査し、各平均を掲載)
トラベルナースの期間は3ヶ月から6ヶ月程度の働く場合が多いため、求人によっては3ヶ月で90万円から180万円程度、短期間で稼ぐことが可能です。
トラベルナースの福利厚生
トラベルナースの福利厚生は求人内容によるところが多く、必ず応募する前に確認するようにしましょう。
一般的な内容としては以下の通りです。
社会保険 | 社会保険完備が多いが、雇用形態によって変わるため確認 |
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交通費 | 往復の交通費は全額支給が一般的 |
家 | 引っ越し費用負担、又は家具付き賃貸、看護寮が用意されていることが一般的 |
家賃 | (施設側等の)全額負担が一般的 |
休暇 | 有給休暇などはないことが一般的 |
賞与 | 基本的にはないことが一般的 |
手当 | 勤務する病院・施設に合わせて手当が出ることが一般的 (例:夜勤手当など) |
求人によっては「トラベルナース手当」なども貰える場合もありますが、イメージとしてはトランクケース1つで新しい土地へ赴任し、仕事をするようなイメージです。
さらに看護師としてスキルアップを希望する場合は、(希望を伝えることで)院内研修などにも参加することが可能です。
補足の注意点
トラベルナースは短期の契約となる場合が多いですが、特に福利厚生はしっかりと確認しておきましょう。
例えば、引越し費用を負担してくれるとは言っても、その費用を一時立て替える場合もあり、求人内容によって様々です。
トラベルナース後に失業手当は受けることが可能?
トラベルナースの任期終了後に、失業手当(ハローワークの失業給付)を受け取ることは、以下の条件を満たして入れば可能です。
- トラベルナース後に働くことが可能で、仕事を探していること
(いつでも就職できる能力があり、就職活動しても就職できない状態であること) - 雇用保険の加入期間が過去2年以内に12ヶ月以上あること
さらに詳しい内容は「看護師がハローワークを完璧に活用するため知識!注意点から失業保険(雇用保険)まで」を確認してください。
トラベルナースとして働くメリット
トラベルナースとして働いた場合のメリットを看護師の体験事例も含めながら説明していきます。
自分のライフスタイルに合わせて働くことができる
トラベルナースは、自身の生活や仕事のスタイルに合えば、期間が限定されており、自分で就労期間を選択することが可能です。
そのため、正社員として働くことに比べ自分の人生プランやライフスタイルに合わせてスケジュールが組みやすいことが一番のメリットと言えます。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私がトラベルナースを検討したのは、語学留学に行くまでに数ヶ月の期間があったことがきっかけでした。
トラベルナースの勤務先の病院では、海外での看護師取得を目指し、日本と海外を行き来している看護師や、生まれ育った地元を離れるきっかけとして、他県の生活に触れる第一歩としての試用期間として考えている看護師の方などがいらっしゃいました。様々な経験をしている方との出会いがあり、いい刺激になりました。
様々な現場を経験でき成長につながる
トラベルナースとして病院に勤務する場合、看護師が不足している病棟に配属される場合も多く、未経験の分野で働く場合もあります。
また、経験がある診療科でも病院・施設が違えば、仕事のやり方も違い、様々な看護技術や方法を知ることが可能です。
さらに、地方の病院・クリニックであれば地域性にも左右され、高齢者が多い地域の場合は、患者に合わせた対応が必要となり、離島の診療所などであれば、限られた医療環境で最善をつくすことが看護師に求められます。
このように、トラベルナースとして様々な環境で勤務することで、看護師としての経験を増やすことができるメリットがあります。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私はトラベルナースを通じて、病院という同じ環境・看護師という同じ職業であっても、それぞれの土地によって、その環境に合わせて創意工夫を凝らされた看護技術があり、その技を新たに習得できることは楽しみでした。
また、まったく違う環境で育っていても、看護師として共通の意識をもってケアに取り組み、団結してチーム医療を提供できたことは大きな喜びにもつながりました。
様々な方との交流を通して、コミュニケーション能力の向上にもつながりますし、看護師としての価値観・視野を広げていく良い機会になると思いました。
様々な土地で楽しむことができる
トラベルナースは、募集があれば自分自身が希望する都道府県に勤務することができ、短期間で移住することで地域の良さを幅広く知ることが可能です。
もともと旅行が好きだという看護師は、働きながら旅行気分を味わうことができるため、プライベートが充実します。
また、日常生活の中にも発見があり、食べ物や方言、文化など、色んな新しい物に触れることができるのも利点です。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私はトラベルナースとして、離島で働きました。
島生活の醍醐味は何といっても大自然に癒されながら生活できることです。
島特有のゆっくりとした時間の中で生活するだけで、日々の疲れも癒されます。島の観光スポットを回ることや、マリンスポーツに興味のある人は様々なことにも挑戦できます。
島生活の間にスキューバダイビングの資格を取り、季節ごとの地域のお祭りに参加するのもとても面白いです。
旅行では味わえない島の面白さを働きながら味わえるのは、離島応援ならではの特権です。
看護師の体験事例
私がトラベルナースを利用したきっかけは、今まで働いていた病院を退職し、新しい転職先を探していたけれど条件に合うものがあまり見つからなかったためでした。
せっかく働ける時間があるのに無駄に過ごすのは・・・と感じ、旅行気分で働けたら良いなと考え沖縄県を選びました。
リゾート地のトラベルナースは私と同じ考え方の人も同僚におり、休日は一緒に遊んでいました。
同僚がいるとも限らないため、1人旅行できる方には良いと思います。
看護師の体験事例
私がトラベルナースとして働いた病院は、すでに同じトラベルナースの看護師が数名働いていました。
トラベルナースを行った理由は様々でしたが、似た境遇で働く仲間とは打ち解けやすい印象がありました。
そのため、全国各地の看護師・病院事情の意見交換や地元情報が得られるなど、普段出会えないような方との交友関係も広がりました。
生活費を節約できる
トラベルナースの場合、看護師の福利厚生が充実しているため、引越し費用、住宅補助、水道光熱費など、生活のあらゆるお金を雇用先が負担してくれる場合が多いです。
そのため、正規雇用などで病院に勤務する看護師よりも、生活費を節約でき、貯金に回すこともできます。
ただし、多くのトラベルナースを行っている看護師の場合、赴任先での家賃が掛かりませんが、引っ越しを行わない限りは自分が暮らしている家があるため、家賃を負担することになります。
また、トラベルナースを行う環境によっては、生活には不便な場所(スーパーやコンビニが遠いなど)である場合もあります。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
トラベルナースを行う病院によって看護寮や社員寮の有無はありますが、寮のある病院の場合、必ずいわゆる白物家電といわれる必要最低限の家電がすでに設置してありました。
遠方から派遣されたスタッフ、独り暮らしが初めての方など、一から家具家電の購入をしなくても良いので、とても負担が少ないと思います。
看護師の体験事例
私はトラベルナースで、ただ行ってみたい土地だけを選んだため、周辺の環境などは調べていませんでした。
実際行ってみたら近くには小さいスーパーしかなく、大きいスーパーに行くには車で30分〜40分いったところでした。
もちろんドラッグストアもコンビニも近くにはなく、通販を頼んでもなかなか届かないとかなり不便なところでした。
勤務地となる病院・施設は必ず自分で調べることをおすすめします。
人間関係のトラブルが少ない
看護師の転職理由に多い「人間関係」です。しかし、トラベルナースはひとつの職場にいる期間は短いので、スタッフ間での人間関係トラブルに悩まされることは少なくなります。
人間関係のトラブルに巻き込まれた場合、通常であれば、個人で解決をする、異動願いを出す、転職をするなどの方法になりますが、トラベルナースの場合、期間が決められていることが前提という特殊な働き方のため、気にすることもないです。
これまで人間関係に悩み、「また人間関係のトラブルに巻き込まれるかもしれない…」という不安をお持ちの方は、トラベルナースとして働く方法も選択肢のひとつとして考えるのが良いでしょう。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
トラベルナースは契約期間が決まっているからこそ、看護師同士やスタッフ同士の人間関係も割り切って自分の考えを伝えることができると思います。
また、私はトラベルナースを数回行っていますが、人間関係でトラブルになったことはありません。
契約期間を延長できる場合がある
トラベルナースとして働く雇用形態にもよりますが、多くの病院・施設は看護師が不足しているため、契約期間の延長をお願いされる場合もあります。
ただ、契約期間があらかじめ決まっているので、看護師から見たら断りやすく、気に入った勤務先があれば契約期間を延長できることがメリットです。
また、トラベルナースを通じて、その地域や病院が気に入り、その地に住む看護師もいます。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
トラベルナースは病院により異なりますが、3ヶ月から6ヶ月程度勤務期間となり、私が勤務した病院は指定の契約期間を終えた後、更新をすることも可能でした。
病院側は看護人員を確保したいため、延長を要望される人事の方が非常に多い印象でした。
また、更新する場合の働く期間は、病院との交渉次第で自由な場合が多かったです。
看護師の体験事例
私はトラベルナースで初めて働きましたが、契約終了期日が近づいてくると病院側と、延長または契約終了かの話し合いを行いました。
ただ、契約終了を選択したとしても、基本的にそこでトラブルになることも、過度な引き止めに合うこともありませんでした。
そのため、契約期間だけを全うすることで、特にトラブルもなく辞めることができます。
高給与・基本給が高い場合が多い
トラベルナースの看護師求人の特徴として、「一定期間、様々な地域の看護師として働き、稼ぐことができる」というイメージが看護師に強くあり、高給与な病院・施設が多いです。
給与が高いということもトラベルナースとして働く魅力のひとつです。
ただし、慢性的に看護師が不足しており、トラベルナースとして働いてほしいため、高給与の場合があります。そのため、忙しい病院も多く注意が必要です。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私がトラベルナースで勤務した病院では、契約社員として雇用されていたため社会保険や年金等は負担してもらえました。
給与形態も、他の職員や一般派遣の看護師とは違う独自の給与体系で、正社員と比べ基本給は非常に高く(月40万円~50万円)設定されていました。
ただ、夜勤もありましたが、夜勤手当だけは病院の規定の通りでした。
トラベルナースのデメリット
トラベルナースとして働いた場合、看護師が感じる一般的なデメリットについて説明していきます。
配属先が選べず、忙しい病院である可能性が高い
トラベルナースの求人を探す場合、勤務地や勤務施設などは確実に選択することが可能ですが、病院名や診療科・病棟などの配属先は分からない場合もあり、デメリットです。
病院名が公開されていない理由としては、「忙しい病院であり、看護師が不足している病院だ」と世に知らしめていることと変わらないため、正社員採用などに影響を及ぼすためです。
また、複数のトラベルナースとして働く看護師が在籍している場合もあれば、単身であなた1人と言う場合もあります。
さらに、看護師は配属先を選ぶことができない上に、トラベルナースの特性上、看護師が不足している地域に出向いて働くため、忙しい病院である可能性が高く、働く覚悟が必要となるでしょう。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私は今まで病院に勤務し、内科系の病棟や終末期患者を受け持つ機会の多い病棟で働いていました。
トラベルナースで配属された病院は、脳神経外科病棟や地域包括ケア病棟など未経験の分野でした。
雇用された病院は人員不足の深刻な病棟に、トラベルナースを配属させていたため、必ずしも自分の経験に見合った病棟で働けるとは限りませんでした。
看護師の体験事例
私がトラベルナースで配属された病院は、県内でも有名な忙しい病院でした。
ただ、他県からサポートに来てくれているという認識はスタッフにあり、残業も必要以上に行うことはありませんでした。
私としても人数が少ない環境で働く看護師の助けになって良かったと感じています。
看護師の体験事例
私が働いた病院では、トラベルナースを行っている看護師に対しては、超過勤務(残業)を行った場合、給与が上がってしまうため、私が勤務した病院では残業をなるべくしないように注意を受けました。
残った仕事は正社員に引き継いで勤務終了となり、雑務も少ない職場でした。
看護師としてのキャリア形成が難しい
トラベルナースで働く場合、その後の看護師としてのキャリア形成が難しいことがデメリットです。
採用関係者がトラベルナースに抱くイメージとして、「短期派遣(3ヶ月~6ヶ月)を繰り返し行っている看護師」として見られる場合が多いです。トラベルナースを辞めて正規雇用の看護師に転職する場合に、トラベルナースとしての期間、看護師の経験値として認識してもらえるか分かりません。
また、トラベルナースを続けたとしても昇給や賞与、退職金もなく、役職などのキャリアアップを目指すこともできません。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私はトラベルナースとして、3か所の病院で、2年間勤務しました。
その後、正社員として病院に転職しようと思った際に、人事側に転職回数が多い看護師という印象を持たれました。
面接時に説明して理解を得ることはできましたが、それ以前に、転職回数が多いことを理由に書類審査で不採用と判断されたこともありました。
家庭がある看護師は働くことが難しい
トラベルナースの場合は、現在住んでいる都道府県を選択しない限り、パートナーがいたり、子どもがいたり、家庭がある看護師には難しい働き方です。
理解のある家族でも、女性が多い看護師の場合は、子どもがいれば転校させるか単身赴任となり、実際は難しいでしょう。
まだまだ家庭を持つ予定はないという看護師でない限りは、トラベルナースに従事するのは難しいかもしれません。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私は東京都に住んでいる看護師ですが、実際に東京都で働くトラベルナースの求人に応募し、働いた経験があります。
都道府県を移動していないためトラベルナースと呼べるか分かりませんが、一般の派遣や、契約社員と同じような働き方になります。
もし、家庭と仕事を両立しており、トラベルナースで働いてみたいと考える場合は、地元で検討してみてはいかがでしょうか?給与が高い点のみがメリットです。
体調不良は欠勤扱いとなり収入が減る
トラベルナースの任期は3ヶ月から6ヶ月程度であり、一般的に有給休暇が付与されません。
(法定有給休暇は勤務6ヶ月目に付与されるため、6ヶ月以上トラベルナースとして同じ病院・施設で働く場合は有給休暇が付与されます。)
例えば、任期中に体調を崩し休んだ場合には「欠勤」の扱いとなり、休んだ日数分を給与から差し引かれます。
そのため、体調管理を十分に行うことができる準備や、現在の自身の体調を考慮してトラベルナースとして働きましょう。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
トラベルナースで6ヶ月以上、同じ病院で働きましたが、6ヶ月以上勤務すると有給休暇を取得することができます。
しかし、正社員で働いているときに取得できるような各種特別休暇などは一切ありませんでした。
また、6ヶ月の内、2日ほど体調を崩した際には、欠勤扱いになり給与が減額しました。
昇給やボーナス(賞与)がない
トラベルナースで働く場合、すでに短期間での給与が高いと言うこともあり、例え1年間働いた場合でも昇給やボーナス(賞与)がない職場がほとんどです。
トラベルナースの場合、賞与がないため、賞与を含めた給与は正社員の方が高くなる場合もあります。
また、退職金などの制度も適用外となるため、働く職場により待遇は正社員よりも悪くなる可能性もあります。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
トラベルナースで長く一つの病院で勤務していたとしても、ボーナスや各種手当金はありませんでした。
基本給が高いため、月々の手取りは多くなりますが、ボーナスなどはありませんので、正社員の時と比較して年収が多くなるという印象はありませんでした。
看護師の体験事例
トラベルナースとして働いた際に、一部病院で、奨励金制度があったことがあります。
主に僻地の病院で、この制度が採用されているようで、深刻な人員不足で、なおかつ交通面でも非常に不便な場所であることが多いそうです。
そこでの勤務を終えた後に、3ヶ月で10万円、半年で20万円など、奨励金が支給されました。
トラベルナースの求人を探し転職する注意点
トラベルナースの求人を探して、転職を考えている場合、注意したいポイントを説明していきます。
初めては1ヶ月~3ヶ月任期の求人を選択しよう
トラベルナースを初めて行う場合、1ヶ月から3ヶ月が任期の求人をなるべく選択することをおすすめします。
理由としては、任期を全うする必要があるためです。トラベルナースが初めての場合、短期間のトラベルナースを経験することで、自分に向いているかどうか確認することができます。期間が短い方がトラベルナースの不安を解消することができるでしょう。
ただし、トラベルナースは6ヶ月間の任期が一番多く、1ヶ月や3ヶ月単位で求人を募集している病院・施設などは、人員不足の深刻さや、交通面や環境面の不便さから、看護師に人気がない場合があります。そのため、注意しながら職場を選択しましょう。
看護師として即戦力が求められることを理解する
トラベルナース(又は応援ナース)は、その性質上、看護師が不足している、人手が足りない病院や施設で働く場合が多いです。
(中には、人手が足りないだけでゆったりとした雰囲気の慢性期病棟などもあります。)
そのため、看護師としては即戦力が求められているため、現在ブランクがある看護師や、病院・病棟勤務から長く離れている看護師の場合、例え条件を満たしていても不向きと言えます。
また、病院や施設によっては教育制度が整っておらず、トラベルナースとして勤務する看護師も、あなた1人だけということもあるため、注意しましょう。
看護師の体験事例
看護師の体験事例
私はトラベルナースとして数回働いていますが、全く未経験の分野で教育もなく、同僚の看護師に聞きながら即戦力として働く場合がありました。
この時は、精神的にも不安はありますし、改めて勉強しなければならないことも多くなりました。
ただ、同僚に指導を受けながら仕事をすることはできるため、過度に不安になる必要はないと思いますが、気持ちの面での覚悟は必要かもしれません。
看護師の体験事例
トラベルナースでは、配属先の病院によって、出勤初日から受け持ち患者を持つこともあります。
新人として入職した時のような、順をおってのオリエンテーションはほとんどないか、非常に簡潔に説明される程度です。
雇用する側も即戦力としての看護師として採用しており、初日からフル稼働になることも覚悟して臨まれるのが良いと思います。
トラベルナース後の働き方を考えておく
トラベルナースとして働いてみようと考える看護師の方は、旅行気分で仕事ができる、忙しい業務でも気分転換ができる環境、短期でお金を稼ぐためなど、様々な理由で応募します。
基本的にトラベルナースとして働くと3ヶ月から6ヶ月程度の任期となるため、あっという間に任期終了の日が来てしまいます。そのため、トラベルナースとして働いた後のことを事前に考えておきましょう。例えば、
- 他の病院・施設に転職・就職する
- 派遣看護師として働く
- 再度トラベルナースとして働く
- しばらく看護師を休む など
トラベルナースとして働く前に、今後の働き方について考えておくことで、心の余裕やこれからの準備をすることができます。トラベルナースとして働きながら感じたこと、実際に働いてみた経験をもとに、看護師としての今後のキャリアプランをどうしていきたいか考えることが可能です。
また、転職・就職を考えている方は、仕事が途切れないようにトラベルナースとして働いている勤務期間に、次の職場も探しておくと良いでしょう。
今後の看護師としての働き方を考える上でもトラベルナースで、知らない土地に触れ、知らない職場で働き、気分をリフレッシュする、刺激を受けるのは良いことでしょう。
雇用形態によって看護職賠償責任保険制度を検討しておく
トラベルナースとして働く場合、雇用形態によりますが、特に紹介予定派遣や一般派遣で勤務する場合は「看護職賠償責任保険制度」を検討しておきましょう。
看護職賠償責任保険制度は一般的に、以下の内容となっています。
- 日本国内での看護師業務において法律上負担しなければならない損害賠償の保険
- 働く看護師の業務中の事故等への保険金
看護職賠償責任保険制度は様々な会社から出ていますが、代表的なものとして「日本看護協会の看護職賠償責任保険制度」は1年間で2,650円と破格のため、不安な方は検討しておきましょう。
待遇が転職会社によって違うため、複数社登録する
トラベルナース(又は応援ナース)として働く看護師の給与・待遇・福利厚生は、応募する求人や登録する転職会社により条件が違います。
そのため、以下でご紹介する看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の複数登録を行い、自分の条件に合うトラベルナース求人を紹介して貰いましょう。
最終的に、利用する看護師転職サイトを1つに絞り込み、その他登録したサイトは断る必要があるため、多くても3社程度に留めておきましょう。
トラベルナース・応援ナースの募集が多い転職・求人サイト
トラベルナース又は応援ナースの看護師求人の募集が多い看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)をご紹介します。
基本的に登録をまずは行い、担当者に希望条件を伝え、担当者から求人を紹介して貰うシステムとなります。
(徳洲会のトラベルナースに関しては転職サイトではございませんので注意してください。)
マイナビ看護師のトラベルナース
転職会社名 | マイナビ看護師 |
---|---|
募集エリア | 全国可能 (都市部・沖縄・離島・北海道が多い) |
雇用形態 | 契約社員、パート・アルバイト |
期間 | 原則6ヶ月間(3ヶ月も豊富) |
給与 | 給与:30万円から60万円/月 時給:2000円程度から |
施設 | 病院、介護施設 |
特徴 |
|
マイナビ看護師は、大手転職会社のため、看護師に提供する福利厚生や待遇が整ったトラベルナース求人が多いです。
そのため、トラベルナースとして働く場合、必ず登録は行っておきたい転職会社です。
また、マイナビ看護師は求人の約40%が非公開求人(インターネット上に出ておらず、担当者から提案される求人)のため、登録して担当者に条件を伝えましょう。
公式サイト:https://kango.mynavi.jp/
ナースパワーの応援ナース
転職会社名 | ナースパワー |
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募集エリア | 沖縄、離島、首都圏、北海道 |
雇用形態 | 一般派遣・産休代行派遣 |
期間 | 6ヶ月(又は3ヶ月) |
給与 | 看護師:30万円~50万円/月 准看護師:25万円~40万円/月 ※エリアによって異なる |
施設 | 病院、介護施設 |
特徴 |
|
ナースパワーは、37年の運営実績がある老舗の看護師転職サイトです。
また、「応援ナース」という言葉を生み出した会社でもあり、一般派遣や産休代行派遣に対して、トラベルナースと同様に、住まいや引っ越し代などを負担して看護師を派遣するというサービスを長年行っています。
トラベルナースを希望する場合、必ず登録して求人を比較したい転職サイトです。准看護師の求人も多いことから、准看護師の方は利用必須でしょう。
公式サイト:https://www.nursepower.co.jp/
MCナースネットの応援ナース
転職会社名 | MCナースネット |
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募集エリア | 全国 |
雇用形態 | 委託契約、派遣、パート・アルバイト |
期間 | 求人によって様々(1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月) |
給与 |
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施設 | 病院、クリニック、介護施設、企業 |
特徴 |
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MCナースネットの応援ナースは、沖縄や離島などの求人もありますが、トラベルナースとしてのサポートはあまり充実しておらず、求人によっては看護寮を利用する場合もあります。
地域差があるため、登録後に担当者に必ず詳しく話を聞きましょう。
ただ、高給与の応援ナースも多いため、短期間で稼ぎたい方にはとても向いているため、登録を検討しておきましょう。
公式サイト:https://mc-nurse.net/
パソナのトラベルナース
転職会社名 | パソナメディカル |
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募集エリア | 全国可能 (北海道・東京・沖縄・福岡・鹿児島など) |
雇用形態 | 一般派遣、紹介予定派遣 |
期間 | 3ヶ月~12ヶ月 |
給与 |
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施設 | 病院、クリニック、医療業界等 |
特徴 |
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看護師専用ではありませんが、パソナもトラベルナースの求人を掲載しています。
大手のパソナのためフォロー体制が手厚い特徴があります。
ただ、求人数がとても少なく紹介予定派遣(派遣後、双方同意のもと、その勤務地で正社員となる)が多いためトラベルナースで全国を飛び回りたい看護師には向かないかもしれません。
一度求人を確認してみましょう。
公式サイト:https://nr.pasonamedical.com
注意:徳洲会が行っているトラベルナース
運営名 | 徳洲会看護師人材センター |
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募集エリア | 全国可能 (例:北海道、沖縄など) |
雇用形態 | 常勤職員(有期雇用の正職員) |
期間 | 6ヶ月から1年間のロングステイ |
給与 |
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施設 | 全国71ヵ所にある徳洲会グループの病院・介護施設に勤務 |
特徴 |
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徳洲会グループが行っているトラベルナースは、トラベルナースという名前をつかった、徳洲会グループ内の看護師採用のため、注意してください。
(新型コロナウィルス感染症のピーク時は、コロナ重症センターやワクチン接種のトラベルナース求人を募集しておりましたが、こちらも徳洲会グループの求人でした。)
イメージしているトラベルナースのようなサポートではなく、将来的に徳洲会グループの病院・介護施設で勤務したい看護師が利用すべきでしょう。
その場合、通常の看護師転職サイトを利用して転職した方が、給与・待遇は良い可能性があります。
ただし、他県の徳洲会グループの病院・施設に転職を考える場合、引っ越し費用を負担してくれるため総額でお得な場合が多いですが、トラベルナースを行うのであれば、転職会社を利用した方が良いでしょう。
公式サイト:http://www.tokushukai-recruit.jp
その他のトラベルナース求人
看護師が応募できるトラベルナース求人を取り扱っている転職サイトは全国的に少ないため、求人数は多くありませんが、以下の2社でも取り扱いがありご紹介します。
以上の転職サイトにもトラベルナース(又は応援ナース)の求人が掲載されています。
上記の転職サイトに比べると、転職支援のサポートが手薄のため、利用は個人のご判断でお願いいたします。
まとめ
トラベルナースは旅行好きな看護師に向いています。資金が必要な場合は、3ヶ月で100万円以上、生活費もそこまでかからずに短期的に稼ぐことも可能な看護師の働き方です。
実際に一定期間トラベルナースとして働き資金を貯めてから、1~2ヶ月くらい海外旅行を満喫している看護師もおり、その後また資金集めのためにトラベルナースとして働き、再び長期間の海外旅行に出るという生活を繰り返しているケースもあります。
また、トラベルナースを通じて自分の知識・技術の不足部分を再発見し、新たな技術習得ができるだけでなく、どこに行っても通用する看護技術が身につくでしょう。
さらに、沖縄や離島などのリゾート地にある病院・施設を選択することで、非日常的な環境の中で楽しく働くことができます。都会の喧騒から離れたい看護師や、心機一転、環境を変えたい看護師にとっては、非常に有意義な経験ができるはずです。
ただし、即戦力の看護師が求められることや、田舎暮らしが苦手な人にとっては、かえってストレスになってしまう可能性もありますので注意しましょう。
この機会に興味をもってトラベルナースの求人を探してみてください。
このサイトの運営者情報
運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
お問い合わせ | https://peko.co.jp/inquiry |
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