眼科で働く看護師の仕事内容と体験談
病院の眼科病棟で働く看護師は、どのような仕事を行っているか知っている方は少ないのではないでしょうか。
眼科病棟の看護師の仕事は、他の診療科や病棟と比較してシンプルな場合が多く、日々の煩雑な業務から解放されたいと考えている看護師には向いていると感じます。
以下では、私の経験をもとに眼科病棟で働く看護師の仕事内容や、働いて感じたことを説明していきます。
執筆・監修看護師- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:小児専門病院、総合病院、市民病院
- 専門分野:NICU、小児科、脳神経外科、眼科
看護師を初めてから、小児専門病院、総合病院、市民病院に勤務し、NICU、小児科、脳神経外科、眼科等の病棟看護師歴が長いですが、結婚を機に、主婦になった経験もあります。臨床を離れて気づいたこともたくさんあり、少しでもお役に立てるような記事を書いていきたいと思います。
眼科病棟で働く看護師の仕事内容
眼科病棟に入院する患者は、白内障、緑内障、硝子体疾患の手術、糖尿病性網膜症に対する眼内注射などが主です。一般的に眼科病棟では、例えば手術の場合は、片目なら2泊、両目の場合3泊というように病院と医師の方針により、患者の入院期間が決まっています。
患者の入院目的が主に手術であるため、患者への術前検査や診察の付き添い、手術出し・迎え、術後の創部の管理・観察、点眼薬・眼軟膏の管理及び与薬、退院指導などが、眼科病棟で働く看護師の主な仕事内容です。
また、クリティカルパス(診療計画表)を導入しており、入院から手術、退院の流れまでの全てがあらかじめ決まっていました。
以下は、私が眼科病棟に勤務していた際の白内障手術を受けた患者の入院から退院までの看護師の仕事内容の流れです。
患者入院日(1日目) | ・入院時のオリエンテーション実施 ・患者のバイタルサイン測定 ・手術の必要物品の確認 ・手術申し送り書の作成 ・看護記録 |
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右眼の白内障手術(1日目) | 【手術の流れ】 1.手術前に散瞳剤の点眼を数回実施 (瞳孔を開き手術しやすくするため) 2.患者に手術着に着替えてもらう 3.患者へのバイタルサイン測定 4.手術室へ患者を送る (15分程度で終了する局所麻酔を行う) 5.手術後、患者を迎えに行く 6.術後の患者のバイタルサイン測定 7.患者へ抗生剤点滴投与する 8.1時間程度、安静にしてもらう |
左眼の白内障手術(2日目) | ・患者の左眼の手術を行う(手術の流れは右眼と同じ) ・患者の点眼ができているか確認する ・退患者の院後の生活についての説明を行う ・看護記録 |
退院日(3日目) | ・退院指導等 (抗生剤が点滴から退院後は内服に切り替わるため説明を行う) ・看護記録 |
患者の入院から手術、退院までの流れは、特にトラブルがなければ、看護師の仕事はルーチン業務であることが多く、(クリティカルパスが用いられていることもあり)看護の内容が明確化されていました。
以下で、私の経験から眼科病棟で働く看護師の仕事内容詳細を説明していきます。
入院時のオリエンテーション
私が勤務していた眼科病棟では、患者への入院時のオリエンテーションや注意点などの説明は、看護師が行う仕事でした。
また、入院時のオリエンテーション後に看護師は、患者のバイタルサイン計測や手術申し送り書の作成、手術の必要物品の確認なども行います。
看護師の体験事例
それまでに、看護師は在院患者の検温や環境整備、昼の内服薬の準備を済ませておく必要がありました。
さらに、入院患者の手続きやオリエンテーションを進め、合間を縫って入院時の記録を看護師が記載していきます。
患者の点眼の処置・指導
手術前の検査に向け、患者の点眼の処置を行うことも看護師の仕事の1つです。
検査時間になると、瞳孔を開く点眼(散瞳剤の点眼)を使用しているため、安全に配慮しならが看護師は患者の検査に付き添います。
また、手術前の検査後、看護師は患者のケアを行います。ただ、ADL自立している患者が多いため、主に看護師は声かけを行い、夜間は眠前に点眼、眼軟膏の処置をします。
患者への点眼指導も看護師が行います
手術後の点眼は、主に抗生剤と抗炎症剤で数種類あり1日4回程度行います。
手術後にすぐに退院となる場合も多く、手術後は感染しやすい状態であるため、清潔な状態での点眼をするように患者を看護師が指導します。
主に指導の内容は、点眼前の滅菌、点眼の間隔、点眼の期間などを説明します。
手術当日の患者のサポート
手術当日、眼科病棟の看護師は、以下のことを患者に行っていきます。
- ルート確保や補液を開始
- 検温・食止めの時間の伝達
- 手術のスケジュールの確認
- 患者のバイタルサイン測定や排泄の促し
- 患部の観察や血圧の確認
勤務する眼科病棟によっては、手術件数が多いため、スムーズに行えるよう、術前処置(点眼など)や手術出しを、時間通りに看護師は進めていく必要があります。
看護師の体験事例
さらに、手術の時間は当日決まることがほとんどで、決まり次第医師から連絡が入るような慌ただしさでした。
また、眼科の手術の出棟、帰室は患者の状況に合わせて独歩か車椅子で行っていました。眼の疾患のため歩行時は患者が転倒しないように気を付ける必要がありました。
手術後の看護・観察
手術後の患者の看護や観察(出血の有無、疼痛の有無、見え方が急におかしくなった等の症状がないか、バイタルサインに変化がないかの確認等)も眼科病棟で働く看護師の仕事の1つです。
また、ADLに問題ない患者が多いですが、術後に片目を塞がれることで、転倒や転落リスクが上がるため、安全配慮にも注意が必要です。
さらに、高血圧や糖尿病など、日頃の管理が重要な基礎疾患を持つ患者もいるため、常用薬や治療状況などの情報を漏れなく収集し、全身状態の管理を看護師が正しく行う必要があります。
看護師の体験事例
また、目の手術のため術後は患者の見え方が変わっている場合や、手術で気分不快を訴える患者も多かったです。
さらに、手術後すぐに良くなる患者もいれば、徐々に視力が回復する患者もいるため、日々の見え方の変化に戸惑う患者もいました。
患者への退院指導
術後の経過に問題がない場合、患者へ退院指導も眼科病棟で働く看護師の仕事です。
(眼科に入院する患者のほとんどが、手術を終えたら翌日には退院します。)
基本的に退院後は、患者の入浴や運動に制限があり、車の運転もできません。
また、日常生活に変化が出るため、患者が不安に思ったり、疑問に思ったりすることがないように、患者の受け止め方を確認しながら、看護師が指導を行います。
さらに、退院時に日常生活で注意すべき点を、患者本人やその家族が理解できるように、看護師が伝えることが大切です。
看護師の体験事例
看護師は、患者の退院指導までを含む時間を重視した行動計画を組み、合間を見て準備することや、臨機応変な対応が必要でした。
眼科病棟で看護師として働いて感じたこと
私が眼科病棟で看護師として働いて感じたことを説明していきます。眼科病棟に転職を考えている看護師の方は、是非参考にしてください。
看護の内容が明確化されルーチン業務が多い
眼科病棟に入院する患者は、入院から退院までの流れが、おおよそ決まっているため、看護師の役割や仕事内容もある程度限られている印象です。
さらに、短期間の入院で患者数が多いため、看護師は同一作業を繰り返す業務(ルーチン業務)です。
そのため、ルーチン業務をしても飽きずに、どうすればもっと良くなるのかを考える事ができる看護師が、眼科病棟には向いているように感じます。
また、他の診療科からの転職等でも、看護師として手術時間に合わせた術前処置、術後の管理の経験を重ね、慣れてしまえば眼科病棟の仕事はスムーズに行えることが多いです。
看護師の仕事は楽だと感じる
他の診療科や病棟と比較して、眼科病棟で働く看護師の仕事内容は、体力的・精神的に楽だと感じました。
眼科病棟に入院している患者は自立している場合も多く、看護師が直接介助を必要とするような患者は少なく、身体的な疲労がありません。
さらに、眼科病棟の患者が急変することも少なく、インシデントなどの事故も発生しにくいことから、精神的に感じる看護師も多いです。
また、一度看護師として手術前後の手順を覚えてしまえば、新しく覚える事はほとんどなく、難しい処置もありませんでした。
眼科は残業が少ない病棟です
もちろん、勤務する病院によって異なりますが、眼科病棟ではクリティカルパス(診療計画表)を導入している場合が多く、看護師の残業が少ないです。
また、患者の入院中のスケジュールも決まっており、1つの手術時間も短いため、看護師は仕事の計画がとても組みやすいです。
眼科病棟の夜勤は他の診療科より楽
眼科病棟で働く夜勤看護師の仕事内容は、主に手術後の患者の観察、点眼の確認です。
他の診療科と比較して、患者の急変が限りなく少ないため眼科病棟の夜勤は楽に感じる方が多いと思います。
もちろん、手術後の観察は患者に変化がないか、点眼をしっかり行えているか、点眼方法などをしっかりと確認する必要はあります。他にも、手術前に比べて見え方に変化があるため転倒しやすく、消灯後はさらに転倒のリスクが高くなるため注意をします。
それでも、眼科病棟はADL自立の患者が多く、点滴などもないため看護師は見守りを行っている事が多いです。
看護スキルの向上が難しい
前述したように、眼科病棟は、入院から退院までの流れが一定であり、ADLに問題がない患者が多いことから、看護師に必要とされる看護技術も限られています。
さらに、目という限局的な部位を扱うことから、看護の知識の幅も広がりにくいと感じました。
眼科患者の看護はバイタルサイン測定、点滴投与、点眼指導、退院指導がメインです。そのため、患者の清潔ケアや採血などを行う機会が激減し、使用する薬剤も限られていました。
スキルアップ・キャリアアップの勉強にも困りました
眼科病棟の看護師の仕事では、治療を行う医師によって手術方法や使用する機材・薬剤などが異なるため、分からない事があれば先輩看護師や医師に直接確認することで、問題なく業務を行うことができます。
しかし、眼科病棟で働く看護師が、スキルアップのために勉強しようと考えた時には、とても困る診療科だと私は感じます。
看護師のスキルをアップさせるために、先輩看護師のやり方をよく観察して真似をすることや、本を読むことやネットで調べることがしか、私はできませんでした。
患者と看護師の関係性が薄い
眼科病棟の場合、メリットにもデメリットにも感じますが、患者と看護師の関係性は薄いです。
そのため、私が勤務していた眼科病棟では、看護師が患者との関係でぎくしゃくすることや、トラブルも少ないです。
私は、眼科病棟に看護師として勤務し、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えが行いやすかったです。
また、1日の手術件数が多い眼科病棟では、患者とゆっくり関わる時間も持ちにくい状況にあります。
そのため、患者とゆっくり深く関わり、寄り添った看護を行いたいと考えている看護師にはデメリットに感じるでしょう。
眼科は混合病棟にあることが多い
私は眼科病棟への転職を行う際に、いくつかの病院を確認しましたが、眼科だけで1つの病棟が形成されることは少ないです。
そのため、眼科病棟は混合病棟になっているケースが多いでしょう。
眼科病棟の看護はシンプルと言えますが、眼科以外の科の組み合わせによって、仕事量が大きく変わってくるため、眼科を希望する看護師の方は注意してください。
私が転職した病院は、眼科と整形外科病棟との混合でした。
整形外科病棟の患者を同時に受け持つ時は、そちらの看護で忙しく、肉体的負担もかなり負担がかかりました。
眼科の看護師求人が多い転職サイト
眼科へ看護師として転職を希望する場合、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することをおすすめします。
理由としては、特に病院へ転職を希望する場合は、希望の診療科(眼科)へ配属されるように面接時に交渉する必要があるためです。
面接時に交渉は行ったことがない、どうやって交渉して良いか分からない看護師の方が大半だと思います。だからこそ、交渉の代行を行ってくれる看護師転職サイトの活用しておきましょう。
さらに、病院の場合、眼科の単科病棟を探してもらいながら、混合病棟の場合の診療科も検討しておきましょう。
看護師転職サイトは、あらかじめ条件に合う(希望の診療科に配属される)病院求人をピックアップしれくれますし、面接を含めた前後に交渉も行ってくれるため、スムーズに希望の眼科への転職活動を進めることができます。
以下では、交渉能力が高く、眼科の看護師求人が豊富な看護師転職サイトをご紹介します。2社程度登録を行い、比較しながら活用しておきましょう。
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対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
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対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
眼科病棟で働く看護師について、説明してきましたが仕事内容は伝わりましでしょうか。
私、実際に働いてみて、初めて眼科看護師の仕事が分かりました。
また、眼科病棟の看護師にはやりがいが少ないともいわれますが、私は点眼指導や退院指導の説明後の患者の反応が良かったり、「良く分かりました」「とても分かりやすい説明ですね」などと言われたりすると、とても看護師としてやりがいを感じました。
手術件数が多く時間で動くことも多いため、テキパキ動ける看護師の方が眼科病棟には向いていると思います。
眼科の看護自体はシンプルで、経験がなくても、慣れてしまえばつまずくことも少ないですが、眼科と組み合わせられている診療科にも注意してください。
是非、眼科の看護師を目指してみてはいかがでしょうか。
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代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
お問い合わせ | https://peko.co.jp/inquiry |
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