ベビー専門の小児訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容と体験談
訪問看護でも小児科専門・精神科専門と専門性に特化したステーションが増えてきています。
私が在籍している訪問看護ステーションは、主にNICU(新生児集中治療室)を卒業した幼児(ベビー)を専門に訪問看護を行っています。
NICU・GCU(継続保育室)・小児科を経験している看護師や助産師の方は、これまでの経験を生かすことのできる職場だと感じています。
全国的にも数が少ない小児訪問看護ステーションではありますが、私の経験を元に仕事内容と働いて感じたことを説明していきます。
通常の訪問看護ステーションは「訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容と転職時の選び方」を確認してください。
- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師、がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
- 職務経験:総合病院、訪問看護
- 診療科経験:NICU、GCU、小児科、内科、採血室、保育所
看護師になりもうすぐ20年。NICU・GCUを約8年、ベビー専門の訪問看護師を約9年と主にあかちゃんの看護を専門に仕事をしてきました。大学病院、某有名病院などさまざまな施設で仕事をしてきたことや訪問看護ステーションを起業した経験など、珍しい記事も書けたらと思っています。
ベビー専門の小児訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容
冒頭で説明した通り、ベビー専門の小児訪問看護での対象は小児(主にNICUを退院した児)となり、患者・家族のニーズに合わせた専門性の高い訪問看護を提供する必要があります。
また、私が勤務していたベビー専門の小児訪問看護ステーションは1日に3件~5程度看護師が訪問し、基本的に利用者は医療保険による訪問看護の提供を受けます。
医療保険を使用して行う訪問看護は週1~3回が基本ですが、患者のケースによっては同じお宅に毎日訪問、1日に複数回訪問することもあります。
訪問看護として、訪問時に行う看護師の仕事内容例は以下の通りです。
小児の全身状態を観察 |
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人工呼吸器の管理 |
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気管内吸引、口鼻腔吸引 |
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胃ろう管理 |
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沐浴の介助 |
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ミルクの与え方の観察 |
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以下で、ベビー専門の小児訪問看護師としての仕事内容を説明していきます。
看護計画の作成
ベビー専門の小児訪問看護師は、医師の治療方針や家族の状態なども踏まえ、患者に合った看護計画を作成することが仕事の1つとなります。
働く看護師は、
- 家族構成
- 主にケアを行う方の確認
- どのように生活しているのか
など、十分な情報収集を行い、看護計画を立てていきます。
看護師の体験事例
また、ADL(日常生活動作)も全てにおいてケアが必要であり、ケアを行うのはすべて家族になります。看護師が無理な計画を立てることで負担が大きくなり、家族のバランスや生活リズムを崩壊してしまうおそれもあるので注意が必要になります。
成長発達支援
ベビー専門の小児訪問看護の場合、NICUを退院した小児の多くは発達がゆっくりであったり、遅れていたりしますがその子のペースで成長発達をしていきます。
看護師は普段から成長発達を促すようなケアを取り入れていく必要があり、他にはない仕事となります。
看護師の体験事例
また、オムツ交換をする際は足のマッサージや体操を行うこと、日常ケアの中にも、看護師はひと工夫します。
リハビリテーション介助
リハビリテーションの指示がある小児が訪問看護の利用者であることがあります。その場合、小児は地域の療育センターや病院などでリハビリテーションを行います。
自宅では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが作成したリハビリテーションメニューを訪問時に看護師が一緒に行うこと、家族に指導することが仕事となります。
家族や訪問看護師が日常的にリハビリテーションを行い、継続していくことが児の成長につながっていきます。
看護師の体験事例
赤ちゃんは成長発達の過程にあり、リハビリテーション次第では今後の発達が大きく変化する可能性もあります。
最近では理学療法士が中心となって訪問リハビリテーションを行うサービスも増えてきており、医療ケアが複数ある児にとっては外出せずにリハビリテーションがうけられるため安心です。
家族のケア
ベビー専門の小児訪問看護では、看護師は家族の話を出来る限りゆっくり傾聴します。
場合によっては、家事ヘルパーなど利用できるサービスを保健師に相談・短期入所やデイサービスの利用など、家族にかかる負担の軽減をはかります。
家族のケアを重点的に行う理由
例えば、長期入院のあとようやく退院した我が子との生活は喜びも大きい半面、24時間医療者のいない状況で医療ケアを行う不安や、必要なケアをすべて行わなければならないというプレッシャーなど、身体的にも精神的にも負担が大きくなり、家族にストレスが生じてしまいます。
とくに母親は小さく産んでしまった、健康に産んであげることができなかったと自責の念を強く持っていることが多く、退院後の育児やケアをがんばりすぎてしまう傾向があります。
また、NICUを退院した児は未熟性が強く、感染すると重症化する可能性も高いため外出を控える家族が多くなり、悩んでしまうこともあります。
管理者への報告と情報の共有
ベビー専門の小児訪問看護では「報告をすること」が重要な看護師の仕事となります。
理由としては、得た情報も、報告しなければ問題の抽出、異常の早期発見ができない可能性が高いためです。
1人で訪問している分「見落とし」がでてしまうこともあるため、仕事終わりには必ず所長に報告を行い、スタッフ全員が把握できるようにするなど、細かい情報をきちんと報告し他のスタッフの意見も取り入れられるようにすることが求められます。
他業種との連携
ベビー専門の小児訪問看護は、他業種との連携を密に行う必要があり、看護師の大切な仕事です。
連携する他業種としては、医師・病院看護師・訪問看護師・往診医・往診看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理士・保健師・社会福祉士・児童福祉士・保育士・ヘルパーなどです。
これらの関係者がすべて集まり、カンファレンスを実施することもあります。退院後、小児に関わる人のつながりは大きく拡がり、共に児の安全を守り、成長発達を支援するためには多職種の連携が大切です。
私が働いて感じたメリット・デメリット
私がベビー専門の小児訪問看護ステーションで働いて感じたことは沢山ありますが、以下で特に皆さまにお伝えしたい、私が感じたメリット・デメリットを説明していきます。
病棟経験(臨床経験)は数年必要だった
勤務する訪問看護ステーションによりますが、小児やベビーを対象とした訪問看護ステーションでは、採用条件として以下の経験を求められる場合が多かったです。
- NICU・GCU・小児科などの臨床経験
- 看護師として5年以上の臨床経験
- 助産師資格もあればなお可
私が在籍しているベビー専門の小児訪問看護ステーションでは、看護師スタッフ全員がNICU経験者でした。
看護師の体験事例
仕事にやりがいを感じた
ベビー専門の小児訪問看護ステーションでも、一般の訪問看護と同じように訪問時は1人ですべてを行わなければならないため負担が大きな仕事です。
しかし、これまでの経験を生かし責任を持って行うため看護師として大きく成長できると感じます。
訪問看護師を実際に経験することで、病院で仕事をしていたときには知らなかったことや学びが多くあり、やりがいと充実感を私は感じることができます。
看護師の体験事例
家族のケアは難易度が高かった
ベビー専門の小児訪問看護で、一番難しいと感じる仕事は家族のケアでした。
訪問看護では家族との距離が近くなる分、トラブルも起きやすく、何気なく言った一言で家族が不快になることや、場合によっては家族から訪問を拒否されてしまい、担当看護師の変更を余儀なくされることもありました。
コミュニケーションが大切になる職場
そんなときに看護師は、ケアの方法を修正することや家族に合わせ、うまくコミュニケーションをとらなければなりませんでした。
家族の支援を得られない時もあった
残念ですが、NICUを退院した小児には、家族からの虐待やネグレクト、育児放棄などが起こることが実際にありました。
看護師の体験事例
小児の体重が減少したことで、経管栄養が指示どおりに行われていないことが明確になり、母親と話す中で「可愛いと思えない」という言葉がきかれるようになりました。
医師、保健師にも相談し、ショートステイを利用したり、児童相談所の職員と連携をはかったりして対応することになりました。可愛い赤ちゃんを間近でみている私にとって辛い経験でした。
24時間体制(オンコール)の場合がある
24時間体制をとっているベビー専門の小児訪問看護ステーションもあり、私が勤務している訪問看護ステーションではオンコール体制を取っており、緊急用の携帯電話を順番で持ち、夜中でも早朝でもすぐに対応できるようにスタンバイしなければなりませんでした。
また、場合によって緊急訪問を行うこともあり、看護師の私たちにとっては負担の大きい仕事だと感じます。
訪問看護ステーションの看護師求人が豊富な転職サイト
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非公開求人 | 豊富 |
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対応 雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤 |
対応施設 | 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター |
対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
特徴 | ・看護師の転職求人が豊富 ・転職支援サービスが手厚い ・転職の相談から行える ・院内・施設内情報に強い |
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サイト名 | マイナビ看護師 |
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対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師、ケアマネジャー |
対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
NICUを退院した小児のケアは専門的であるため、これまでは地域の訪問看護ステーションは引き受けにくい状況がありました。
そこで小児訪問看護の中でもベビー専門の小児訪問看護が注目されています。
ベビー専門の小児訪問看護師に求められることは「的確なアセスメントと判断力」であり、より広い視野をもって情報を収集しなければなりません。
私は訪問看護に興味があり、転職を考えている方の中でNICU・GCU・小児科を経験したことがある方は、是非、ベビー専門の小児訪問看護ステーションで経験を生かし活躍して欲しいと願っています。
希望する方は、看護師転職サイトなどで求人を紹介してもらうことができますので、利用をおすすめします。
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運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
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