CCUで働いた看護師の役割・仕事内容の体験談
CCUは、「coronary care unit」の略で日本語にすると冠状動脈疾患集中治療室、又は心臓(心臓専門の)集中治療室であり、主に心筋梗塞や狭心症で急性発症し、緊急の処置・管理を要する患者が対象の部署です。
【病院内におけるCCU の位置付け】
CCUは、重症心血管疾患患者をできるだけ早期に収容し治療を開始することを主目的とし、施設内の各部門だけでなく、当該地域の医療機関や救急隊とも連携する部門である。
出典:CCU設置のための指針(JSICM)
しかし、各病院によってCCUの位置づけや形態としては、以下のように異なります。
- 冠疾患のみ扱うCCUがある病院
- その他の大血管疾患も扱うCCUがある病院
- ICUの中の一角にCCUとしての部屋を併設している病院
さらに病院の規模や設備によっても、CCUで入院している患者の合併症リスクや重症度が変わってきます。
私は、看護師として医療センター(700床)のCCUに勤務していました。
以下では、私がCCUで働いた経験をもとに、働いて感じたCCU看護師の役割や仕事内容を説明していきます。
執筆・監修看護師- エリア:広島県在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:国立病院、市立病院、一般病院
- 専門分野:外科、整形外科、耳鼻咽喉科、ICU、ER、透析室、手術室
看護学校を卒業後、普通に総合病院に就職しましたが、「何でもできるジェネラリスト看護師」を目標に、もっと自由に自分の意思で色々な分野の看護を学びたく、派遣での仕事を経験。現在は総合病院でライフワークバランスを大切に勤務しています。
CCUで働く看護師の役割や仕事内容
CCUは冠状動脈疾患を主に扱うため、その特徴故、看護師にとって大変シビアな職場であり、臨機応変に対応することが求められます。
さらに、患者が急変することも多く看護師のCCUでの役割や仕事内容はとても重要です。そして、患者に鎮静剤を使用してでも安静にすることを求められ、多くの点滴や生命維持装置を使用する部署でした。
私が勤務した医療センターのCCUで働く、看護師の1日のスケジュール例(日勤)は以下通りです。
8:00~ | 医師の回診 |
---|---|
8:30~ | 申し送り、カンファレンス |
9:00~ | 点滴作成、患者の内服チェック |
9:30~ | 患者の転出、転入の準備 (適宜緊急入院の受け入れ) |
10:00~ | 患者の転出 、検温、心臓リハビリ、清潔ケア |
11:00~13:00 | 食事介助など(看護師は交代で休憩) |
14:00~ | オペ迎えや冠血管の内科的治療後の患者受け入れ、心臓リハビリ |
16:00~ | 申し送り |
看護師のスケジュールだけでお伝えすると、全く忙しさが伝わりませんが、患者が重症であるということは医師の頻回の診察もあり、状態が変わればその都度、看護師への指示も変わります。
そのため、CCUで働く看護師は、肉体的にも精神的にも強いストレスを抱えた患者と接するのは勿論ですが、精神的に大きなストレスを抱えた患者の家族と接することも多い部署です。
以下では、CCUで働く看護師の役割や仕事内容を、私の体験から詳しく説明していきます。
医師の診療介助や検査補助
CCUでは重篤な患者が多く、CCU内で行う検査や治療も多くあります。
例えば、
- X線撮影
- 動脈血酸素飽和度測定
- 心臓超音波検査
- 軽食道超音波検査人
- 工透析
- IABP、PCPS、SGCモニタリング
など、24時間継続的にCCUの患者に対して治療とモニタリングが行われます。
そのため、CCUで働く看護師は医師が行う治療や検査の介助を行うことが仕事であり役割です。
看護師の体験事例
また、使用する医療機器のセッティング方法や使用法も熟知し、患者の準備や周りの環境整備まで配慮しスムーズに治療や検査が行われるようにしなければなりませんでした。
モニタリングと異常の早期発見・早期対応
CCUに入院している患者は必ずと言って良いほど、心電図などのモニターが付いています。
また、CCUでは比較的自分で訴えることができる患者が多いですが、自覚症状も曖昧ではっきりしないこともあります。
そのため、CCUの看護師は、患者の訴えだけでなく様々な観察から必要な情報を得て、適切に早期対応をすることは、患者の生命を守る上で重要な役割です。
そして、CCUで働く看護師は常にモニターを監視し、患者の急変にいち早く気づくことや、異常の早期発見をしなければなりません。
看護師の体験事例
モニター上の変化は不明瞭だったため、12誘導心電図をとってみると、優位変化がみられました。すぐ医師に報告し、緊急心臓カテーテル治療(PCI:経皮的冠動脈形成術)を行うことになりました。患者は驚いていましたが、安心できるよう声をかけてカテーテル室に出床する準備を手早く行いました。
医師は手術や検査、その他の治療でCCUに常駐しているわけではないので、看護師もある程度、モニターが示す数字を分析することや、異常値に敏感にならなければなりません。
また、モニターの数字のみを見ていれば良いわけではなく、患者に寄り添い、五感をフル活用して患者の状態を把握することも当然ですが求められます。
患者急変時の適切な対応
CCUでは急変の可能性のある重症患者が多く、患者の急変が重なることもあります。
さらに、同時にもう1人の患者のモニター心電図が乱れ、顔面蒼白になっており、報告後にすぐに心肺停止。合わせて心肺蘇生法が行われました。
CU当直医師が両方の患者の対応ができないため、他科の応援要請をしながら家族に連絡、処置の準備や介助をするなど、看護師同士で役割分担しながら対応をしました。
このように、CCUで働く看護師は、迅速かつ適切な対応を行う必要があります。
対応を間違えてしまうと、患者の生命を脅かすことになりかねないため、患者の急変時対応は看護師の重要な役割です。
また、患者の看護ケアよりも優先されるのは、治療のスケジュールであることが多く、その日の朝に計画した看護師の行動プランで仕事ができる日は少ないです。
看護師の視点で患者に寄り添う
前述した異常の早期発見や診療の補助もとても大切ですが、CCUで働く看護師として、医師とは違う視点で患者に寄り添うことも求められ、重要な役割であり仕事内容でした。
CCUを担当している医師は、患者全体を診るというよりも、疾患に焦点を当て治療を行います。
とても大切なことですが、場合よっては意識のある患者に24時間の安静を強いることや、患者にとって苦痛が多くあることも確かです。
そのため、CCUで働く看護師は、その時に患者の代弁者になり、
- 医師と患者の苦痛緩和について話し合う
- 許される安静度の中で少しでも患者が楽になる方法を考える
- 患者の入院中の生活の質を向上させることに焦点を当てて働きかける
以上のことを行います。
患者に疾患を理解してもらう
患者は、体調が悪い場合や痛みがあると積極的に治療を臨みますが、治療が済み症状が無くなれば、危機感も薄れてしまいます。
CCUに入院している患者は、心臓の疾患を患っているため、一生注意して付き合っていかなければならない病気です。
そのため、CCUで働く看護師は、患者に病気を理解してもらい、しっかり向き合ってもらうきっかけを作る役割があります。
さらに、患者に病気の説明をした後にも理解度を確認することや、長期安静や入院生活での苦痛とストレスの有無もアセスメントすることも看護師の仕事です。
看護師の体験事例
CCUではドタバタと治療が行われるため、患者にとっては夢のような出来事なのか、治療後症状が落ち着いたときに「びっくりしました。まさか、突然こんなことになるなんて。仕事、休むわけにはいかないんですよ。」と早期退院の要望を話されました。
CCU看護師は、患者の気持ちに寄り添いながら、パンフレット等を用いて「心臓のどこに病変があり」「どのような症状が起こるものなのか」という疾患の基礎知識と原因となる生活習慣などを説明し、生活の振り返りと具体的な変容について話し合いを行います。
患者の家族への対応
心臓疾患を患ってるため、退院後に患者を支えるのは医療者でなく家族です。
そのため、CCUに入院している患者の家族が受け入れてくれるよう関わることも看護師の重要な役割です。
そのような家族に対して、私は、家族の気持ちに寄り添いながら、今現在の状況を丁寧に説明し、小さな変化も一緒に喜び、家族が少しずつ現実を受け入れ病気と向き合うことができるように関わりました。
今後も患者を支えるのは医療者でなく家族であるため、家族が受け入れてくれるよう関わることは大切です。
看護師の体験事例
患者やその家族と、人生や生命の尊さについて一緒に考えることや、一緒に回復を喜ぶことが、CCUで働く看護師にはできると感じます。
また、患者やその家族は、シビアな現場だからこそ、生命に真剣に向き合う姿勢が患者や家族との距離も縮めてくれるのかもしれません。
CCUで看護師として働いて感じたこと
私がCCUで看護師として働いた際に感じたことや、他の診療科や部署との違いを説明していきます。
心電図に強くなれる
CCUで看護師として働いて感じたことは、心電図が読めないことには仕事にならないことです。
そのためCCUに勤務することで、どんなに心電図が苦手な看護師でも、必ず読めるようになります。
他の診療科や部署では、
- ちょっとした不整脈が読める
- 致死性不整脈が分かる
以上のような心電図レベルで十分ですが、CCUの看護師は、心電図を見て心臓のどこが悪いかなど具体的に分かることが必要でした。
看護師の体験事例
また、心電図も詳しくなると、ほかの部署や診療科でも大変役に立ちます。
他にもCCUで看護師として働くことで、患者の水分出納の計算や電解質の検査データの見方などにも詳しく、より精密にできるようになります。
点滴管理が得意になる
CCUでは、患者への点滴で循環作動薬をたくさん使用します。
そのため、点滴管理なども他の一般病棟に比べて経験数が違うため、CCUで看護師として働いたことで、得意になりました。
さらに同時に、毒薬・劇薬の扱いにも精通するため、その副作用などにも詳しくなり、副作用の出現時の対応などにも慣れてきます。
そのようなことを学び繰り返すと、一般病棟では医師からの信頼も厚くなったことを今でも良く覚えています。
扱う医療機器が多く覚えることが多い
CCUには様々な生命維持装置等の医療機器があります。また、点滴1つに関しても、輸液ポンプ・シリンジポンプを使用しなければなりません。
その医療機器のメーカーによっても微妙に使い方が違うことや、メンテナンス方法が違うことは多々ありました。
さらに、医療機器は次々に新しい機器やサンプルが入るため、一度医療機器のマニュアルを整備すればそれでおしまいというものではありませんでした。
そのため、CCUで働く看護師は、他の診療科と比較して扱う医療機器が多く覚えることが多いです。
看護師の体験事例
また、私が勤務していたCCUの看護師たちは、普段の勤務時間中にできない仕事は家に持ち帰って行うことも実施していました。
ただし、最近はCCUでも分業化が進んでおり、臨床工学技士がマニュアルの整備等を行ってくれる病院も増えています。
看護師として「やりがい」がある
CCUは、他の診療科と比較して患者の急変が繁盛に起こるため、看護師に取って厳しい部署です。しかしその分、私は看護師としてのやりがいも多く感じることがありました。
ただし、悲しいですがCCUでは患者の死亡退院ということも起こります。
だからこそ、CCUの看護師として一般病棟に患者を送り出せることは、軽快退院と同じくらいに嬉しいものがありました。
医師の考えと看護の結びつきが分かる
前述したようにCCUは看護ケアよりも、患者の治療が優先される部署です。
そのため、CCUで働く看護師として、医師とのカンファレンスを持つ機会も多かったです。
そのようなカンファレンスでは、「医師が何を考えゴールをどこに設定し患者治療にあたっているのか」等、それらを身近で聞きながら自分も参加できるため、
- 医師の行う治療と看護の結びつき
- 看護が患者の状態を良くするために役に立っていること
などを感じました。
私は、看護師として様々な診療科を経験しましたが、CCUに勤務し、はじめて感じた経験でした。
看護師としての仕事量は多い
仕事量の多さと、患者の重症度が高いことにより、CCUは私(看護師)にとってストレス度が高い職場でした。
また、それ以外のストレスの原因としては、夜間も気の抜けない時間が続くということです。
一般病棟であれば、ある程度、患者の状態は落ち着いており、患者が眠る時間には看護師も休息をとったり、看護記録をつけたりと、デスクワークができる時間があります。
しかし、CCUのように患者の重症度が高いと、夜間も急変の可能性はあり、24時間の持続点滴は当たり前のため、看護師は点滴更新や、バイタルサインを見ながら、医師の指示に従い、与薬量の調整を行わなくてはなりませんでした。
看護師の体験事例
そのため、体力的になかなか厳しいことが良くありました。
「超急性期は若いうちに経験しておいた方が良い」と言われるのはこういった所以かもしれません。
また、CCUで鍛え上げられた先輩看護師たちは、基本的には皆怖いです。厳しいことを言われるのは、患者を守るため、看護のプロとしての仕事を求められるからです。
個人的には、経験年数が少なく、20歳代でCCUなど急性期の部署を経験する方が、指導する看護師も指導しやすいですし、独特の雰囲気にもなじみやすいと思っています。
CCUの看護師求人探しは転職サイトを活用!
CCUは、ICUなどに勤務していた看護師が異動することが多いですが、CCUの部署で看護師求人を募集している場合があります。
ただし、複数の診療科や部署を合わせて募集している病院が多く、採用面接時にCCUへ配属を行ってもらう交渉する必要があります。
そのため、交渉の代行を行ってくれる看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用を私はおすすめします。
看護師転職サイトは、あらかじめ条件に合う(希望の部署に配属される)病院求人をピックアップしれくれますし、面接前後での交渉も行ってくれるため、スムーズに希望のCCUへの転職活動を進めることができます。(同時に求人の有無も確認できます。)
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対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
CCUの看護師が診る疾患の代表的なものとして、急性心筋梗塞が挙げられますが、40代や50代の働き盛りの一家の大黒柱がある日突然倒れ、緊急入院となることも少なくありません。
そういった現実と必死に戦う患者・その家族を精神的に支えることも、CCUの看護師としての大切な仕事だと私は考えています。
患者やその家族に大きなストレスがかかっている現場での仕事は、看護師としても多くの心の葛藤や、体力的な負担を感じます。
しかし、死と隣り合わせである現場で仕事をすることは「生きるということ」「死ぬということ」を考えさせられる機会を与えてもらい、自分の人生観に良い変化をもたらしてくれる仕事ではないかなとも思います。
是非、CCUの看護師として一度チャレンジしてみてください。
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運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
お問い合わせ | https://peko.co.jp/inquiry |
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