皮膚科看護師(病棟)の仕事内容とメリット・デメリット・体験談
皮膚科は皮膚の疾患を扱う診療科であり、疥癬、熱傷や褥瘡などの外傷、湿疹、蜂窩織炎、メラノーマなどの皮膚がんなど疾患の種類はとても多いです。
その疾患の中で入院が必要な患者はあまり多くなく、ほとんどは外来受診で治療していくことが多いです。
そのため皮膚科病棟は患者数が他の科に比べて少ないため病院によっては他の科と混合病棟になっていることがあります。
皮膚科病棟での看護師の仕事は、他の診療科とは少し異なり、患者の急変が少ない落ち着いた環境で働けるのが特徴でした。
主な業務は点滴や採血、軟膏塗布など基本的なケアが中心で、家庭やプライベートを大切にしたい看護師にとって働きやすい職場です。しかし、やりがいを感じる場面が少ないと感じることもあり、キャリアアップやスキル向上を目指す看護師には物足りなさを感じることがあるかもしれません。
以下では、皮膚科病棟で働く看護師の仕事内容や、メリット・デメリット、そして私の体験談を通して、皮膚科病棟での仕事の実情を説明していきます。
執筆・監修看護師- エリア:京都府在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:大学病院(混合病棟)、総合病院
- 専門分野:脳神経外科、呼吸器内科、腎臓内科、放射線治療科、皮膚科、麻酔科、血液内科、内分泌内科
地方の大学病院で約6年勤務し、その間妊娠・出産も経験し出産後も子どもを保育園に預けながら中核病院で正社員として働いていました。その後京都に移り住み現在は子育てしながら訪問入浴・デイサービス・健診など派遣看護師として働いています。私自身子どもを育てながら色々な勤務形態で勤務した経験があるのでママさんナース、これから結婚・出産を経験する方々に私の経験をもとに情報を発信していきたいと思います。
皮膚科病棟で働く看護師の仕事内容
私が勤務していた皮膚科病棟では、点滴が必要な帯状疱疹の患者や、熱傷、褥瘡、悪性腫瘍の抗がん剤治療や放射線治療を受ける患者が多く入院していました。
そのため、皮膚科病棟で働く看護師の主な業務は、患者の状態観察、入浴や排泄の介助、点滴や採血、軟膏塗布、医師によるガーゼ交換の補助、検査への移送などでした。
ただし、病院によっては手術を行う場合もありますが、皮膚科の手術は他の診療科に比べて短時間で終わることが多く、術後もICUに入ることなく病棟に戻ってくる患者がほとんどでした。
以下では、私の経験をもとに、皮膚科病棟での看護師の具体的な仕事内容について詳しく説明していきます。
患者の状態観察
皮膚科病棟では、患者が皮膚疾患を抱えているため、看護師は皮膚の色や湿潤、発疹や炎症の進行具合などを細かく観察します。
患者の状態観察は、看護師の基本的な業務であり、患者の健康状態を的確に把握し、適切なケアや対応を提供するために欠かせません。
さらに、皮膚疾患が全身の状態に影響を与えることもあるため、看護師はバイタルサインの測定を行い、血圧や脈拍、体温、呼吸状態をチェックして、患者の体調が安定しているかを常に確認します。
看護師の体験事例
特に、患部が患者自身では見えない場所にある場合、患者自身もその変化に気づけないことがあります。
毎日写真を撮って状態を比較するわけではないため、交代勤務の中で自分が毎日観察できない場合、現在の皮膚の状態を看護師が経験に基づいて判断しなければなりませんでした。
そして、患者の皮膚の状態観察に関しては、教科書にすべてのケースが載っているわけではないため、分からない時は経験豊富な看護師に意見を求めることや、医師がガーゼ交換を行う際に、皮膚の状態について医師がどのように評価しているかを聞き取りながら、看護師としての観察力を養っていく必要がありました。
患者のガーゼ交換の補助
医師が行う患者へのガーゼ交換の補助は、皮膚科病棟における看護師の重要な仕事の一つです。
皮膚疾患を抱える患者の中には、褥瘡(じょくそう)や熱傷、手術後の傷など、定期的なガーゼ交換が必要な場合があります。
ガーゼ交換は、感染予防や傷の治癒を促進するために非常に重要な処置ですが、特に感染のリスクが高い部位や、複雑な傷口においては、医師の指示に従いながら看護師が補助を行います。
看護師は、医師が傷口の状態を確認しやすいように準備を整え、ガーゼや消毒液、交換に必要な器具を用意します。また、医師がガーゼ交換をスムーズに進められるよう、傷口を清拭することや、交換の際に皮膚を支えるなどの補助も行います。
特に、皮膚が敏感な患者の場合には、ガーゼを外す際に痛みや不快感を最小限に抑えるように細心の注意を払います。
看護師の体験事例
しかし、皮膚科病棟でのガーゼ交換は、使用するガーゼの種類や物品が非常に多く、他の診療科では使用しないものまで使用することが特徴です。
外科病棟では、ガーゼを創部の上にそのまま置いてテープで固定することがほとんどですが、皮膚科病棟では、同じガーゼでも広げて巻いて使用するなど、さまざまな固定方法があります。そのため、皮膚科病棟の看護師としては、ガーゼ交換に使用する物品の名前や使い方を覚えることが必要でした。
実際に、私も外科病棟での勤務経験を経て皮膚科病棟に配属された際、ガーゼの種類や使い方が異なるため、医師の介助に全く対応できなかった経験があります。
患者への軟膏塗布
患者への軟膏塗布は、皮膚科病棟で働く看護師にとって日常的に行われる重要な業務の一つです。
皮膚疾患を抱える患者には、湿疹や乾癬、アトピー性皮膚炎、熱傷、褥瘡など様々な皮膚トラブルがあり、それぞれに応じた軟膏の塗布が治療の一環として行われます。
軟膏塗布は、皮膚の治癒を促進し、患者の快適さを保つために非常に重要なケアであり、看護師としての技術や経験が活かされる業務の一つです。
看護師の体験事例
そのため、軟膏の名前や、どの疾患に使用するのかをしっかりと覚えておくことが看護師として必要でした。
患者も疾患によっては複数の軟膏を処方され、自己管理を行っていましたが、特に高齢の患者は混乱してしまい、どの軟膏をどのように使えばよいか分からなくなることがありました。そのような場合に、患者に適切な説明をするためにも、軟膏について正確に把握しておくことが大切でした。
患者の清潔のケア
患者の清潔ケアは、皮膚科病棟で働く看護師にとって非常に重要な仕事内容の一つです。
皮膚疾患を抱える患者は皮膚が非常にデリケートであるため、看護師による適切な清潔ケアは、感染予防や治療効果を高めるために欠かせません。
例えば、定期的な洗浄や消毒が必要な患者に対しては、優しく患部を洗浄し、清潔な状態を保ちます。さらに、乾燥や刺激を避けるため、使用する石鹸や洗浄剤にも細心の注意を払い、患者一人ひとりの皮膚状態に応じたケアを行います。
また、入浴が難しい患者には、温かいタオルで体を拭くことや、部分的な清拭を行うことで、快適さと清潔さを保つよう努めます。
看護師の体験事例
例えば、入浴できる患者には入浴を促し、その後に軟膏の処置を行い、動けない患者にはタオルで体を拭くなど、看護師が清潔を保つケアを担当していました。
皮膚科病棟で働く看護師は、他の診療科からは業務が少ないように見られがちですが、実際には患者に必要な処置やケアが多く、忙しい職場だと感じます。
患者への点滴・採血や投薬管理
皮膚疾患を抱える患者は、炎症を抑えるための薬物療法や栄養補給、抗生物質の投与が必要となることが多く、点滴や投薬の管理は不可欠です。
そのため、皮膚科病棟で働く看護師は、医師の指示に従い、適切な薬剤を正確なタイミングで投与することが求められます。
また、採血も治療効果の評価や患者の状態把握のために定期的に行われますが、これも看護師の重要な業務の一つです。
看護師の体験事例
しかし、皮膚科病棟に入院している患者は、皮膚に何らかのトラブルを抱えていることが多く、皮膚のコンディションが悪くなっていたり、皮膚が硬くなっていたり、浸出液が出ているために針を刺すことが難しい場合もありました。
さらに、患者の皮膚トラブルのない部分や血管が見えやすい部位を選ぶ必要があるため、針を刺せる場所が限られることもよくありました。
そのため、皮膚科病棟では他の診療科と比べて、看護師としての注射のスキルが特に重要だと感じました。また、どうしても患者の血管に入らない場合は、先輩看護師に代わってもらうこともありました。
患者の入浴や排泄などの介助
皮膚科病棟に入院している患者は、皮膚の状態が非常にデリケートであることが多いため、入浴や排泄の介助には看護師として特別な注意が必要です。
例えば、入浴時には、皮膚の感染リスクを最小限に抑えるため、適切な温度と清潔な環境を整えることが求められます。また、乾燥しやすい皮膚の患者には、保湿ケアも併せて行い、皮膚の状態に応じたサポートを提供します。
このように、入浴や排泄などの介助は、皮膚科病棟で働く看護師にとって、患者の快適さと健康を維持するために欠かせない重要な業務の一つです。
看護師の体験事例
そのため、入浴や排泄などの介助時は看護師においても皮膚トラブルを悪化させないための知識も必要でした。
皮膚科病棟で働く看護師のメリット・デメリット
私が皮膚科病棟の看護師として勤務した際に、他の診療科や病棟と比較して感じたメリット・デメリットをご紹介していきます。
残業が少なく忙しい雰囲気はない
勤務する病院にもよりますが、皮膚科病棟では患者の状態が急変することはほとんどなく、緊急入院も少ないため、日勤帯も夜勤帯も落ち着いた雰囲気の病棟が多い印象です。
さらに、皮膚科病棟では他の診療科に比べて看護師が行う点滴処置が少なく、全介助が必要な患者もあまり入院していません。
そのため、皮膚科病棟で働く看護師は、残業が少なく、忙しいことが少ないという点がメリットだと感じます。
患者の急変に備える緊張感も少なく、穏やかな気持ちで勤務できるため、家庭やプライベートの時間を大切にしたい人にとって非常に働きやすい職場です。
患者の死に立ち会う機会が少ない
他の病棟と比較すると、皮膚科病棟では亡くなる患者が非常に少ない印象があります。
また、私が勤務していた皮膚科病棟では、皮膚科以外に疾患を抱えている患者は、主にその疾患に対応する病棟に入院していたため、皮膚科病棟で患者の死に立ち会うことはほとんどありませんでした。
そのため、皮膚科病棟では、患者の死に立ち会う機会が少なく、看護師としての精神的ストレスが他の病棟や診療科に比べて非常に少ないことがメリットだと感じます。
難しい看護技術がいらない
皮膚科病棟で働く看護師の仕事内容は、主に点滴や採血、軟膏塗布といった基本的な看護技術が中心です。
通常の病棟でも行われる処置が多く、皮膚科病棟では高度な看護技術が求められる場面は少ないため、これは看護師にとってメリットにもデメリットにもなり得ます。
また、皮膚科病棟では、看護師が命に関わる処置を行う機会がほとんどなく、必要な看護技術が限られていることが特徴です。
そのため、育児休暇明けやブランクのある看護師でも、自信を持って無理なく働ける職場だと感じます。
看護スキルの上達が難しい
皮膚科病棟で働く看護師は、点滴、採血、軟膏の塗布、ガーゼ交換の介助といった基本的なケアが中心で、難しい処置や急変時の対応を経験する機会がほとんどありません。
そのため、看護技術が十分に身についていない新人看護師や、キャリアアップやスキル向上を目指している看護師には向いていない病棟であり、デメリットに感じることもあります。
さらに、何年も皮膚科病棟で働いた看護師が、他の診療科の病棟に異動や転職した際に、必要な看護技術で困るというケースも実際にあります。
ただし、ガーゼ交換の仕方など皮膚科が専門としている部分をしっかりと学ぶことができることや、皮膚科看護師に関わりの深い皮膚・排泄ケア認定看護師などの認定看護師の資格もあるため、皮膚科病棟に転職や異動したからといって、全く看護師としての学びがないわけではありません。
看護師としてのやりがいが少ない
私の経験からですが、皮膚科病棟で働く看護師は、シンプルな業務が多く、患者のために看護計画を立てることや、退院に向けてスタッフ間でカンファレンスを行い、それを基に患者指導や退院支援を行う機会が非常に少ないです。
さらに、喜ばしいことに、皮膚科病棟の患者は緊急を要することや急変することがほとんどなく、治療が順調に進み、予定通りに回復して退院するケースが多いです。
そのため、他の診療科や病棟に比べて、看護師としてやりがいを感じる場面が少ないと感じる方も多いかもしれません。
皮膚科病棟の看護師求人が多い転職サイト
皮膚科病棟で働く看護師の仕事内容は非常にシンプルで、患者の急変が少なく、病棟が慌ただしくなることもありません。
こうした理由から、皮膚科病棟への転職や就職は、落ち着いて働きたい看護師や、育児休暇明け、ブランクがある看護師にとって非常におすすめです。
ただし、看護師求人で皮膚科病棟に限定した募集を行っている病院は少ない傾向にあります。
そのため、皮膚科病棟への転職を希望する場合、面接の際に交渉が必要になることがあります。しかし、転職時に交渉の経験がない看護師も多く、どのように交渉すれば良いのか迷うこともあるでしょう。
そこで、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用がおすすめです。
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対応 診療科目 | 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科 |
対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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病棟看護師求人が豊富!ナースではたらこ
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サイト名 | ナースではたらこ |
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公開求人数 | 95,367件 (2024年12月2日時点) |
非公開求人 | 豊富 |
対応職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応 勤務形態 | 常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
皮膚科病棟で働く看護師の仕事内容や、メリット・デメリットについて、私の経験をもとにお伝えしてきました。
皮膚科病棟での仕事は、比較的シンプルで急変や緊急対応が少ないため、落ち着いた環境で働けるのが特徴です。育児休暇明けやブランクのある看護師にとっては、無理なく復職できる病棟としてのメリットがあります。
一方で、看護技術の向上を目指す方や、やりがいを求める方には、経験の幅が限られる点がデメリットと感じることもあるかもしれません。
内科や外科病棟と比べると、皮膚科病棟はマイナーな診療科かもしれませんが、患者とのコミュニケーションや基本的なケアに重きを置き、穏やかに働きたい看護師には適した職場です。
ぜひ一度、皮膚科病棟の看護師としてチャレンジしてみてください。
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運営会社 | 株式会社peko |
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会社ホームページ | https://peko.co.jp/ |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
代表取締役 | 辻󠄀 昌彦 |
設立 | 2015年6月 |
資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
連絡先 | 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00) |
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