整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容と体験談
超高齢化の影響もあり、整形外科クリニックは大抵どこの地域にも見られるようになりました。
看護師として内科系の診療科しか勤務経験がない場合、「整形外科クリニックの看護師の仕事内容はなんだろう?」と疑問に思うかもしれません。
整形外科クリニックでは、怪我や関節の問題で訪れる患者が多く、診察のサポートからリハビリテーションの補助まで幅広く看護師が担当します。
私の経験をもとに、整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容や、実際に働いて感じたことを詳しく説明していきます。スポーツ整形外科に関しては「スポーツ整形外科で働く看護師の仕事内容と体験談」を参照してください。
執筆・監修看護師- エリア:栃木県在住
- 保有資格:看護師
- 施設経験:精神科病院、一般病院、クリニック、デイサービス、イベント会場医務室
- 専門分野:精神科、内科、整形外科、透析室
看護専門学校を卒業後、精神科病院に就職し、約3年半勤務しました。その後、結婚・出産・育児のため看護職を離れ、専業主婦となりました。6年間のブランクを経て、パートやフルタイムで働きながら転職を繰り返し、現在は整形外科クリニックでパート看護師として勤務しつつ、月に数回アルバイトをしています。
整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容
私が勤務していた整形外科クリニックでは、来院する患者に対し、外傷性や先天性の骨・筋肉の疾患、運動器の病気などの診察、検査、処置を行っていました。
そのため、整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容は、一般のクリニック同様に医師の診療補助、検査介助、採血や注射、点滴、処置を担当します。
以下では、私の経験をもとに、具体的に整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容について説明していきます。
医師の診察補助
整形外科クリニックでの医師の診察補助は、他のクリニック同様に、医師がスムーズに診療や治療を行うために欠かせない看護師の仕事内容の1つです。
具体的には、診察室の準備、必要な医療器具や消耗品の点検、消毒や整理整頓の実施から始まり、検査の準備や処置の補助、患者の体位変換などを看護師が行います。
勤務する整形外科クリニックによっても異なりますが、基本的に多くの患者が来院するため、限られた診察時間内で円滑に診察を行う必要があります。そのため看護師は、医師が診察する際に患者に対して適切な声がけや誘導、介助が必要です。
また、整形外科クリニックの場合、患者のケガや疾患の程度によっては、自力での動作が困難な場合もあるため、状況に応じて適切な声がけや介助を看護師が行います。
看護師の体験事例
また、消耗品や処置に使用する滅菌器材の期限切れや、必要物品の不足などがあると、スムーズな診察・処置に影響が出るため、毎日確認してきちんと準備しておく必要がありました。
医師の外科的処置の介助
整形外科クリニックの患者は、外傷による裂傷や骨折、捻挫などの怪我で来院・通院する場合があります。
そのため、整形外科クリニックで働く看護師は、患者が外傷による裂傷などの場合には、医師が行う創部の消毒の介助や処置、創部縫合や抜糸の介助を行います。
また、骨折や捻挫などの場合には、医師が行うギプス固定やシーネ固定の介助をします。
看護師の体験事例
ギプス固定やシーネ固定の介助などは、最初は戸惑いましたが、一つ一つ覚えていくうちに徐々に慣れました。外科などで経験のある方なら、十分に対応できると思います。
注射・点滴・採血の実施・介助
勤務する整形外科クリニックによって異なりますが、医師の指示のもと、看護師が患者に対して注射・点滴・採血などを行います。
(整形外科クリニックによっては、医師がすべてを行い、看護師は医師の介助のみを行う場合もあります。)
特に整形外科クリニックでは、患者に対して痛み止めの注射を打つことが多く、精密検査が必要な患者には採血を実施します。
看護師の体験事例
採血や注射、点滴に関しては、看護師として病棟等の経験があれば問題なく行えるレベルです。整形外科クリニックに来院する患者は内科の患者とは違い、血管がもろくないため、これまで一般病棟で働いていた看護師であれば、こうした処置にそこまで苦労することはないと思います。
また、整形外科クリニックの場合、外傷や疾患による痛みやショック、苦痛などによる患者の不安も大きいため、看護師として適切な声掛けや対応が、スムーズな診察や治療を行うために必要でした。
レントゲン撮影・CTやMRIの介助
整形外科クリニックに来院する患者の多くは、スポーツや日常生活での転倒や接触などの事故により身体のどこかに怪我をし、痛みを抱えています。
その患者の痛みの原因や損傷部位を特定し、診断するために、レントゲン撮影やCT、MRIが必要になります。
勤務する整形外科クリニックの設備によって異なりますが、圧倒的に患者へのレントゲン撮影が多く、その際に看護師はその介助を行います。
また、一般的にはレントゲン撮影時のセッティングは放射線技師が行いますが、自力での移動や動作が困難な患者の場合には、必要に応じて看護師が介助します。
看護師の体験事例
特に、若い女性や男性、子供は放射線の影響を受けやすいため、少量の被爆であってもプロテクターを装着して不要な被爆を防ぎます。
リハビリ職や放射線技師との連携
特に規模が大きな整形外科クリニックの場合、リハビリテーションを担当する理学療法士や作業療法士、レントゲンやCT、MRIなどの検査を担当する放射線技師との連携することが看護師の大切な仕事です。
勤務する整形外科クリニックによって異なりますが、患者のリハビリテーションを積極的に行っている場合も多くあります。
医師から検査やリハビリテーションの指示が出た際には、依頼の連絡や情報伝達を行い、患者がスムーズに検査やリハビリを受けられるようにすることが看護師として大切です。
看護師の体験事例
効率よく業務を行うためには、他職種と円滑に仕事が進むように、看護師として心がけることが大切だと感じました。
整形外科クリニックで働く看護師のメリット・デメリット
私が整形外科クリニックで看護師として働いて感じたメリット・デメリットを説明していきます。
整形外科の専門分野が学べた
整形外科クリニックで働いて感じた看護師のメリットとしては、整形外科の分野である運動器の疾患など、専門的な知識を学ぶことができたことです。日々進化している医療の現場では、従来の治療方法だけでなく、新たな治療方法や専門的な技術の向上にも積極的に取り組んでいる整形外科クリニックや医師が多くいます。
整形外科クリニックとしても、定期的に勉強会を開催している場合があり、運動器の疾患や治療、リハビリなどに興味がある看護師にとっては、学びながら働ける環境があります。
さらに、整形外科クリニックでは、スタッフ同士の連携が重要であるため、理学療法士や作業療法士、放射線技師と協力しながら仕事を進める機会が多く、チーム医療の一員としてのスキルも身につけることができます。
効率よく看護師としての業務を行うためには、他職種との円滑なコミュニケーションが必要であり、看護師としての成長も期待できると感じます。
幅広い年齢層とのコミュニケーション能力の向上した
私が勤務した整形外科クリニックでは、赤ちゃんから老人まで幅広い年齢層の患者が来院するため、それぞれの年齢層や人間性に合ったコミュニケーション能力が身に付いたと感じます。
特に慢性的な腰痛や肩、膝などの痛みを抱え、定期的に通院している患者と関わる機会が多く、コミュニケーションを通じて患者の気持ちに寄り添った対応が看護師として求められました。
時には患者から受けるクレーム対応を看護師が行わなければならないこともありましたが、多くの場合、他のスタッフや上司が一緒に対応し、手助けしてくれるため、心配する必要はありませんでした。
私は病院勤務しか経験がありませんでしたが、整形外科クリニックでの勤務を通じて、患者とのコミュニケーションやクレーム対応など、看護師としてだけでなく、社会人としても必要なスキルを身に付けることができたと思います。
整形外科以外の分野を経験できず業務も単調
どの診療科にも言えることですが、整形外科クリニックは単科のクリニックであるため、整形外科以外の分野に対する看護師としての知識や技術を学び、経験する機会が少なくなります。
そのため、クリニックに勤務していても、幅広く経験を積みたいと考える看護師の方にはデメリットに感じるかもしれません。
また、整形外科クリニックの看護師の業務内容は単調になりがちで、同じことの繰り返しの日々に物足りなさを感じることがあります。
しかし、整形外科という単科のため、日々の業務もある程度決まった内容になり、看護師として仕事の流れや内容を覚えることで、他のスタッフと協力しながら、混雑時や緊急時以外はゆとりを持って働くことができる点はメリットだと感じました。
人間関係の問題と勤務体制
一般的な病院では、勤務するスタッフ数が多く、勤務体制も日勤や夜勤などがあり、人事異動も頻繁に行われます。しかし、整形外科クリニックの場合、基本的に看護師も他のスタッフも日勤のみの勤務となり、勤務する人数も最小限のため、一緒に働くメンバーも毎回ほぼ同じです。
そのため、何かトラブルや問題が発生した場合、解決できなかった場合には、勤務の調整や異動などの対応によって距離を置くことができず、気まずい思いや嫌な思いをしながら働かなければならないことがあります。
整形外科クリニックに限ったことではありませんが、人間関係がこじれてしまうと、看護師として働き続けることが困難になってしまうこともあります。
整形外科クリニックの看護師求人が多い転職サイト
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対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
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対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
整形外科クリニックで働く看護師の仕事内容は、幅広い年齢層の患者に対する診療補助や処置、レントゲン撮影等の検査介助など、多岐にわたる役割を担っています。
私は内科系からの転職で、外科経験がない状態でかつブランクもあった状態で整形外科クリニックに飛び込みましたが、数ヶ月で業務に慣れることができました。
整形外科クリニックでは、他の職種と連携・協力しながら業務を進めるため、看護師としてだけでなく、社会人としてのスキルも高められる環境だと感じました。
しかし、一方で仕事を覚えてしまえば業務が単調になりがちで、整形外科以外の分野の経験が積みにくい点や、クリニックという狭いコミュニティで人間関係の問題が解決しにくい場合もあります。
私もそうでしたが、転職を考えている現役看護師の方や仕事を始めようと考えている潜在看護師の方にとって、求人探しは大変なことだと思います。
今回整形外科クリニックについて紹介しましたが、求人探しをしている方々が自分に合った環境で看護師として生き生きと働ける職場を見つけることができるように、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
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