泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容と体験談
泌尿器科は専門性の高い診療科です。扱う疾患も、膀胱炎や尿管結石など一般的に知られている疾患から、尿失禁や尿閉、泌尿器がん等、泌尿器に関する疾患はすべて泌尿器科で対応します。
さらに泌尿器科は、泌尿器科系の症状を訴える小学生から100歳を超える方まで、老若男女問わず多くの患者に関わる診療科です。
私は総合病院の泌尿器科外来に看護師として約4年間勤務していました。
しかし、泌尿器科外来で働く看護師は、専門的な処置に対応するだけでなく、幅ひろい年代に対応するコミュニケーション能力と看護ケア力が必要とされます。
以下で、泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容や、働いて感じたことを私の経験から説明していきます。
執筆・監修看護師- エリア:神奈川県在住
- 保有資格:看護師、がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
- 経歴:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
- 専門分野:消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科
看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容
泌尿器科外来は専門性の高い診療科であるため、患者に行う処置や検査がとても多いです。
そのため、泌尿器科外来で働く看護師は、患者の検査・処置の介助やスケジュール管理、診察介助等が、主な仕事内容です。
私が勤務していた泌尿器科外来では「外来、診察室、処置室」の担当に看護師が分かれていました。その日の仕事を外来、視察室、処置室の担当看護師が声を掛け合いながら、行っていました。
以下で私の経験をもとに、泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容の詳細を説明していきます。
検査や手術を患者へ説明
泌尿器科系の症状を訴える患者の場合、泌尿器科病棟等に入院して行う検査や処置・手術も多いです。
そのため、私が勤務していた泌尿器科外来では、患者への病名告知から手術や検査の説明を行うことが看護師の仕事でした。
泌尿器科外来の看護師は、検査や手術がトラブルなくスムーズに行うために、検査や手術までにスケジュールを立て、患者やその家族に理解してもらうことが大切です。
診察前の患者への尿検査や採血
泌尿器科の疾患がある患者の多くが、医師の診察前に尿検査や採血が泌尿器科外来にオーダーされています。
そのため、泌尿器科外来で働く看護師は、
- 対象の患者に必要な検査がオーダーされているか
- 患者が検査を行っているか
などを確認することが、はじめの仕事です。
また、患者への尿検査の実施確認や採血などは、泌尿器科外来の看護師が行います。
化学療法を受ける患者への対応
がん治療に力を入れている病院の泌尿器科外来の場合、1日に数名抗がん剤治療予定の患者の診察予約が入ります。
そのため、化学療法を受ける患者の採血結果が出た場合、できるだけ早く診察を受けさせ、化学療法室へ患者をすばやく案内することも、泌尿器科外来で働く看護師の仕事でした。
医師の診察介助
私が勤務していた泌尿器科外来では、患者数が多く、医師は診察の合間に自分の患者の膀胱鏡検査などを行っていました。
そのため、泌尿器科外来で働く看護師は、医師の指示を受ける前に、処置や検査を行う患者の状態を把握し、スムーズに診察が回るように配慮することも仕事の1つです。
また、超音波検査などのセッティング、前立腺の触診などの準備は、医師の診察介助の合間に看護師が行います。
患者への検査や処置の実施・介助
私が勤務していた泌尿器科外来では、主に以下のような検査や処置を患者に行います。
- 尿道や膀胱瘻などのカテーテル交換
- 膀胱鏡検査
- 超音波検査
- ウロフロー検査
- 逆行性腎盂造影検査や膀胱造影検査
- 尿路結石に対する体外外衝撃破結石破砕術
- ホルモン治療のための皮下注射 等
そのため、患者への検査や処置の実施・介助は泌尿器科外来で働く看護師の大切な仕事です。
以下で、泌尿器科外来で看護師が行う検査・処置の実施・介助について体験事例を説明していきます。
患者の膀胱鏡・カテーテル交換などの処置
私が勤務していた泌尿器科外来では、患者へ診察の合間を縫って、膀胱鏡やカテーテル交換を行っていました。そのため、膀胱鏡検査やカテーテル交換が必要な患者が来院したタイミングで、看護師が処置室準備を行います。
また、膀胱鏡検査で膀胱鏡を使用した場合には、膀胱鏡の洗浄を行うことも泌尿器科外来で働く看護師の仕事内容の1つでした。
ホルモン治療中の患者の皮下注射を実施
前立腺がんは泌尿器がんの中で一番多い疾患です。
また、高齢の方が罹患することが多く、手術ではなくホルモン療法を行っている場合も多いため、診察後に泌尿器外来で治療薬を皮下注することがあります。
その医師の診察介助に看護祖として入った時は、とても忙しかったです。
透視下で行われる検査の準備と介助
泌尿器科の疾患がある患者の尿管や腎臓の検査、ステント留置などは透視下で行われます。
そのため、私が勤務していた泌尿器科外来では、以下のことも看護師の仕事の1つでした。
- 透視下で行う特殊検査や処置の把握
- 検査や処置の時間管理
- 患者の更衣などの準備
- 造影剤や処置器具などのセッティング
泌尿器科外来の看護師から医師に声をかけ、検査を行ってもらっていました。また、緊急で検査が入ることもあります。
看護師のIC同席
私が勤務していた泌尿器科外来では、時間を要する患者への病状説明や手術説明などの診察が午後にありました。
泌尿器科外来の患者は良性・悪性を問わず、入院が必要な検査や手術が多かったです。
そのため、看護師は医師のインフォームド・コンセント(IC)に同席し、
- 患者の検査や治療の確認
- 様々な説明書や同意書の確認
- 術前検査や自己血輸血等のスケジュールの確認
などを行うことが、泌尿器科外来で働く看護師の仕事です。
看護師の体験事例
また、半日の外来で、5名以上の入院予定患者が出てしまうと、書類を整理する時間がなく、残業になることもありました。
泌尿器科外来で看護師として働いて感じたこと
私が、泌尿器科外来で看護師として働いて、感じたことや身に付いたことを説明していきます。
泌尿器科外来で勤務を希望される看護師の方は、是非参考にしてください。
排泄物を多く扱う診療科
泌尿器科は、尿を扱う診療科のため、排泄物を扱うことが苦手な看護師は、おすすめできない診療科だと感じました。
ただ、泌尿器科外来で働く看護師として、スタンダードプリコーション(標準予防策)を行うことで、感染リスクは下げることはできます。
患者数が多く忙しい
泌尿器科は、症状を訴える患者の数に対して、専門医が少ない診療科だと私は感じました。
患者数が多いうえに、処置も行う必要があるため、泌尿器科外来で働く医師や看護師も必然的に忙しいです。
また、特殊検査の準備と診察介助、手術などに関する看護オリエンテーションなど、看護師個人に任される仕事も多かったです。
泌尿器科疾患と対処法を学ぶことができる
泌尿器科は、膀胱炎や尿管結石、前立腺肥大、そして尿失禁などの患者が来院する診療科です。
年齢や体調と共に、誰もが一度は経験する疾患や症状でありながら、患者自身が相談しにくい症状でもあります。
そのため、泌尿器外来の看護師は、その治療や対処法を身に付けることができるため、周りの誰かが泌尿器系の症状に悩んだ時に力になることができます。
以下では、泌尿器科外来に看護師として勤務した際に身に付いた、学んだことを体験からお伝えします。
ウロストミー看護を学べる
尿路変更(尿の流れを通常の経路から経路変更するための外科的処置)をした患者は、泌尿器科に継続してかかります。
そのため、ウロストミー(外科的に造設された尿を排出するための開口部)の排泄ケアを看護師として継続して関われます。さらに、皮膚・排泄ケア認定看護師を目指す時に必要な経験を積むこともでき、看護師として排泄ケアのプロフェッショナルになることが可能です。
泌尿器がんの治療に詳しくなる
病院の現在の流れとして、手術以外の患者のがん治療は、外来で行っている場合が多いです。
そのため、がん告知から治療支援に始まり、前立腺がんに対するホルモン療法、膀胱がんに対するBCG療法、腎がんに対する分子標的薬、そして、すべてのがんに対する抗がん剤治療などは、病院に勤務する外来の看護師が関わります。
がん看護が学びたい看護師の方は、泌尿器科外来でも十分にスキルと学ぶことができると私は感じました。
泌尿器科系の検査知識が身に付く
泌尿器科系の病棟は、周術期看護と終末期看護が中心です。泌尿器科の疾患がある患者に必要な検査(特殊検査やカテーテル交換などの手技や介助)は、泌尿器科外来の看護師が中心で行います。
そのため、看護師として泌尿器科系の検査知識が身に付きます。
希望の診療科への求人探しは看護師転職サイトを活用しよう
看護師が病院へ転職を検討した際に調べる看護師求人は、一般的に病棟、オペ室、外来等では区分されています。
そのため、看護師が病院への転職時に希望の診療科への配属を考えた場合、面接時に交渉する必要があります。面接時に交渉は行ったことがない、どうやって交渉して良いか分からない看護師の方が大半だと思います。
だからこそ、交渉の代行を行ってくれる看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用をおすすめします。
看護師転職サイトは、あらかじめ条件に合う(希望の診療科に配属される)病院求人をピックアップしれくれますし、面接を含めた前後に交渉も行ってくれるため、スムーズに希望の診療科への転職活動を進めることができます。
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対応配属先 | 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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まとめ
泌尿器科外来で働く看護師は、泌尿器症状を訴える多くの患者が効率よく診察を受けられるように対応しつつ、膀胱鏡やカテーテル交換などの検査や処置の準備を手際よく行う技術が求められます。
また、がん治療を受ける患者への対応や、入院して検査・手術を受ける患者のスケジュール管理と説明も行わなければなりません。
泌尿器科外来を受診する患者は多く、当日の緊急検査や処置も当然多くなります。
そのため、泌尿器科外来で働く看護師は、忙しさにストレスを感じたり、排泄物に汚染されそうになったりすることもあります。
しかし、泌尿器科は専門性が高い診療科のため、カテーテル交換やウロストミーの患者、がん患者やその家族の方にとっては、自分のことを知っている看護師は頼りになる存在であり、頼られることでやりがいを見出すことができます。
排泄ケアを深めたい、がん治療を学びたいと考えているのならば、看護観を深めることができるため、一度は泌尿器科外来で働くことを私はおすすめします。
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資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
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