小児科外来で働く看護師の役割と仕事内容について
私が看護師として勤務していた病院の小児科外来は、受診に来る患者の数は1日に100人を超えることもありました。
私にとって小児科外来というのはかなり大きな部署でした。
私の経験をもとに、小児科外来で働く看護師の仕事内容・1日のスケジュール・必要なスキル、私が働いて感じたメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。
執筆・監修看護師- エリア:東京都在住
- 保有資格:看護師、介護支援専門員
- 職務経験:総合病院(病棟・外来勤務)、クリニック、特別養護老人ホーム、障害者支援施設
- 診療科経験:ICU、外科、形成外科、泌尿器科、小児科、内科、皮膚科、脳外科
これまで病院では救命病棟から外来まで、そして今は特別養護老人ホームと障害者支援施設で働いている(シングル)ママさんナースです。介護支援専門員の資格も持っています。自分にあった「看護師としての働きかた」を見つけられるようにアドバイスしていけたらと思っております。
小児科外来で働く看護師の役割
(小児科役割については、違う看護師の方に執筆いただいています。)
私は、総合病院の小児科外来に産休育休後より約2年働いていました。
小児科病棟経験はありましたが、病棟と外来とは全く異なるため戸惑いも多かったのをよく覚えています。
私が実際に、小児科外来の看護師として担っていた「役割」について、体験から説明いたします。
執筆・監修看護師- エリア:神奈川県在住
- 保有資格:看護師
- 職務経験:大学病院、国立病院、訪問入浴サービス
- 診療科経験:小児内科・外科、整形外科、脳外科、耳鼻科、形成外科
都内大学病院にて特別病棟(全科)と小児科病棟で7年間勤務。結婚を機に約10ヶ月休職し、その間スポット看護師アルバイトを経験。その後、横浜市内の国立病院へ再就職。外科病棟で働いていました。第一子の産後育休から復帰し、外来へ復職。第二子出産とともに市外への転居も決まり退職。現在2人の子育てをしており休職中。子どもが就学したら復職したいと、今からウズウズしています。看護師の仕事が大好きなので魅力をお伝えし、困った時のアドバイスなど、私の経験を率直にお伝えできればと思います。
的確なトリアージの実施
子供は、症状をうまく伝えることが難しいため、客観的情報(バイタルサイン、呼吸音、検査データ、レントゲン写真など)を正しく拾い、さらに家族からの情報も含めアセスメントを行い、患者の診察の順番を配慮することが小児科外来看護師の役割です。
この時のトリアージを誤ってしまうことで、外来の待合室で急変が起きたり、体調の悪化が進んでしまったりすることもよくあり、注意が必要です。
看護師の「五感」を働かせる必要がある
体重が少なすぎる子供や、身長が低めの子供など、少し栄養に問題がありそうな場合や、待合で待っている時の親の様子でなにか気になることがあった場合には、「なにかおかしい」と看護師の五感を働かせる必要があります。
家族から情報収集
先にも少し述べましたが、家族からいつ頃からどんな症状があったのかなど聴取し、患児の様子と照らし合わせアセスメントすることが小児科外来では必須です。
小児科外来には、とにかくたくさんの患児が訪れます。
そのため、入院患者と話すような感覚でいると追いつきません。しかし、小児科外来に訪れる保護者は、こちらの聞いたこと以上に話して来ます。
この情報を、看護師がうまく聞き分け、重要なポイントを絞り込むことが、小児科外来には求められます。
医師と連携
これは外来全般に言えることですが、小児科外来は医師との連携も、看護師の重要な役割です。
子供からの情報収集時に看護師が異変に気付いた場合、医師へ報告を行います。
例えば、子供の身体にアザが見えた・予防接種や健診が未実施などです。このことにより、子供の虐待等の早期発見にもつながります。
プレパレーションの実施
言葉でわかる子供に対しては「プレパレーション」をしっかり行うことも外来看護師の役割です。
特に、採血・注射・点滴挿入など痛みがともなうものに関しては、安全に行う必要があるためです。
また、保護者にとっても自分の子供が何をされるのか分からないまま、待合で待っているのは不安を強くするため、必ず保護者にも説明をし、同意を得てから行います。
捕捉説明:プレパレーションとは?
プレパレーションとは、不安・緊張・恐怖心などを最小限に抑えるためのケアのことです。
このケアには、
- 患児・家族に正しい情報を伝えること
- 子供の感情表出を助けること
などが含まれます。
小児科病棟との情報交換
小児科外来には、喘息や先天性の疾患などが原因で、普段から繰り返し入退院している患児も多いです。
そのため、小児科外来と小児科病棟ではこういった患児の情報交換を看護師が定期的に行うことも役割の1つです。
小児科外来で働く看護師の仕事内容
小児科外来で働く看護師の主な仕事は「医師の診療補助」です。
看護師は、順番通りに患者を診察室に案内し、聴診の際は嫌がって泣いてしまう子供を抑えることや、声をかけたりします。
また、診察中は医師から指示された物品を渡すことも看護師の仕事の1つです。診察後には患者が分からないこと、不安に思っていることがある場合には、看護師から説明を行います。
他にも、小児科外来で働く看護師の仕事内容を、私の体験から以下で詳しく説明していきます。
注射・点滴の準備・抜針
小児科外来で働く看護師は、予防接種などの注射の準備、点滴の準備、医師が針を刺した後の処置(抜針まで)を行うことが仕事の1つです。
基本的には医者が診察をした後に、医者自身が注射を行いますが、病院によっては看護師が行います。(勤務する小児科外来によって異なります。)
検査・処置の説明・補助
小児科外来では、患児やその親に対して検査・処置の説明や補助を行うことも仕事の1つです。
患児に対してレントゲン、心電図、脳波の検査を行う場合、看護師が説明書を用いて説明し、検査室に行くように伝えます。(場合によっては、患児を看護師が検査室まで案内することもあります。)
また、怪我などで処置が必要な患児については、看護師が親にどのような処置を行うか説明し、処置中は診察室の外で待っていてもらうように声掛けを行います。
病状が悪く入院の必要がある患児の場合、看護師が入院手続きの説明を行います。手続きが終了したら病棟へ連れていき、病棟看護師と申し送りを行います。
1日のスケジュール例
私が勤務していた小児科外来では、看護師は以下のようなスケジュールで働いていました。
8:30~ | 外来全体の申し送り |
---|---|
8:45~ | 外来の診療準備 |
9:00~ | 診療開始 |
12:00~ | ・午前中の診療終了 ・休憩 |
13:00~ | ・午後の専門外来開始 ・予約外の対応 |
16:30~ | 午後の診療終了 |
17:00~ | ・外来の片付け ・明日の診察の準備など |
17:30 | 勤務終了 |
このスケジュールだけ見ると、他の外来と流れは変わらないのですが、小児科外来は午前も午後も患者数が多いです。
それに、午後は専門外来である場合や、予約外を救急外来で受けず外来で受けることが多いため、1日中患者が途切れることがありません。(病院によって異なります。)
仕事で求められたスキル
小児科外来では、生まれたての新生児から幼少期、青年期と幅広く関わらなくてはなりません。
年齢によってそれぞれの関わり方があるため、看護師はそれらをしっかり理解しておかなければなりません。
そのため、小児科外来で働く看護師は、新生児~青年期までの過程を理解しているスキルが求められ、小児科外来では親が同伴するため、様々な年代の親に対しての対応がうまくできるスキルも求められました。
小児科外来で働いて私が感じたこと
小児科外来で働いて私が感じたメリット・デメリットを体験から説明していきます。
幅広い病気や疾患の知識を習得できた
私が小児科外来で感じたメリットは、新生児から青年期までの幅広い病気や疾患の知識を習得できたことです。
様々な年齢の子供(患児)と関わるため、その年代に合った状態を把握することができ、看護師としてのスキルアップに繋がります。
小児科外来で、それらを学ぶことは大変ですが、その分やりがいがある診療科です。
子供の扱いがうまくなった
小児科外来で働くと毎日子供(患児)と接するため、具合が悪く機嫌が悪い子供に対してもうまく接することができるようになるなど、子供に対する扱いがうまくなりました。
私は働くうちに、自然と子供との関わり方を、年齢によってうまく使いこなせるようになりました。
何度も顔を合わせることで子供の通常の状態が分かるため、具合が悪いときなどのアドバイスが行いやすくなり、親を安心させてあげられることができます。
他の外来に比べてとても忙しかった
私が勤務していた小児科外来は、午前も午後も患者が受診に来るため、休む暇がありませんでした。
小児科外来では、点滴や吸入などの処置が多いため、看護師の人数が少ない場合、常に急いで動き対応しなくてはならなくなります。
私の勤務していた小児科外来は大型連休や年末年始も行っていたため、休むことが出来ず、ローテーションで出勤していました。
親の対応が難しかった
治療中に子供が大泣きしていると「なんでこんなに泣いているの?対応が悪いからだ!」と苦情を言う親もいました。
どれだけ子供の治療のために必要だと説明しても、理解してくれない親もいたため、看護師として対応が難しかったです。
希望の診療科への求人探しは看護師転職サイトを活用しよう
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対応 雇用形態 | 正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託その他 |
対応 勤務形態 | 常勤(二交替制)、常勤(三交替制) 、夜勤なし、夜勤専従 |
対応施設 | 病院、クリニック・診療所、美容クリニック、施設、訪問看護ステーション、看護師資格・経験を活かせる一般企業、治験関連企業(CRA、CRCなど)、保育施設 、その他 |
対応 診療科目 | 美容外科、小児科、産科、婦人科(レディースクリニック)、整形外科、循環器内科、心療内科、消化器外科、心臓血管外科、スポーツ整形外科、脳神経外科、眼科、形成外科、消化器内科、歯科、精神科、血液内科、外科、内科、神経内科 |
対応配属先 | 病棟、外来、手術室、内視鏡室、ICU、透析、救急外来、訪問看護、管理職の仕事 |
対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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公式サイト:https://kango.mynavi.jp/
まとめ
大人になると小さい子供と関われる機会は少なくなりますが、小児科外来で勤めると小さい子供と関われる機会ができ、子供が好きな看護師にはとてもやりがいの持てる仕事になると思います。
私は小児科外来で看護師として働き、子供が元気になって「ありがとう」と言ってくれる時は、本当にうれしい気持ちになり、元気をもらうこともできます。
しかし、子供から元気をもらえる反面、子供の急変時の姿を見るのはとても辛いです。
また、子供の急変時は親も気が動転してしまうため、親の対応もしながら急変児の対応もしなくてはならないという最悪な状況になる時もあります。
このような小児科外来の特徴を把握した上で、看護師としての転職に挑んでもらえたら幸いです。
この記事が少しでも、小児科外来で働こうと思っている看護師にお役に立てると嬉しいです。
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資本金 | 14,000,000円 |
事業内容 |
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厚生労働大臣許認可 | 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) 特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
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