現在働きながら看護師として転職活動を行っており、来週に面接が3件入っています。面接で「いつから働けますか?」と聞かれた場合、どのように回答すれば良いでしょうか。
また、現在の職場に退職も伝えていない状態となります。(32歳/看護師)
転職先が決まってから、退職を伝えることは、ご自身の生活を考えると問題ないと言えるでしょう。ただし、おおよそ退職に掛かる引継ぎ期間・退職手続きの期間を考慮しておくと良いでしょう。(就業規則の確認や同じ職場の同僚がどれぐらい退職に時間が掛かったかを、あらかじめ確認しておきましょう。)
また、看護師の転職面接でいつから働けるかを確認された場合、以下のポイントで説明することがおすすめです。
- 入職できる予定日を「月」で伝えること
- その予定日になる理由を伝えること
- 入職に対して前向きな姿勢を見せること
- 予定であることを伝え、改めて回答することを伝える
具体例文としては「10月から入職すること(働くこと)を予定としており、お時間をいただきたいです。いち早く入職を行い、御院で学び、貢献したいと考えておりますが、現在勤務中のため、引継ぎ・退職手続きの期間と考えております。内定をいただき次第、現在の勤務先と調整・日程交渉し、改めて入職可能な日時をお伝えいたします。」
看護師が転職する施設(病院・クリニック・介護施設等)にもよりますが、2ヶ月~3ヶ月が一般的に待つことができる期間と言えるでしょう。
(場合によって6ヶ月先や1年間先まで、待ってもらうことも可能ですが、双方の状況によるでしょう。)
以下で、さらに詳しく説明していきます。
目次
転職先が「いつから働けるか」の質問をする採用側の意図
看護師の転職先である病院・クリニック・施設等が「いつから働けるか」ということを聞く、採用側の意図を説明していきます。
「いつから働けるか」は合否に関係はない?
看護師転職面接時に、採用担当者から「いつから働けるか?」と聞かれた場合、「採用がほぼ決定した!」と考える看護師も多いですが、そのようなことはありません。
「いつから働けるか」の質問は、すべての転職者に行っていることであり、採用担当者が必ず聞く項目です。
転職する施設の人員の状況によって、採用まで余裕がある場合や、すぐにでも採用したい場合などがあり、確認します。
そのため、この質問は合格には関係ありませんが、「看護師が伝える期間によって」不合格になる可能性が秘めている質問であると言えます。
また、面接から採用するまでに期間が空けばあくほど、辞退される場合も多くあるため、「採用をした場合、転職をおこなってくれるか」という確認を行っています。
もしも、「いつから働けるか」の質問がなかった場合
看護師転職面接時において、「いつから働けるか?」などの質問がなかった場合、採用時期が決まっている募集以外は、「不合格のフラグ」が立っていると考えて良いでしょう。
そのため、次の転職先を探すことに注力しておきましょう。
また、聞かれない場合でも合格し採用したい旨を伝えられる場合もありますが、採用担当者の質が低いとジャッジすることが可能なため、転職するかどうかを改めて検討しましょう。
入職するか、看護師の意志確認
「いつから働けるか」という質問は、入職するかどうか、看護師の意志を確認している場合もあるため、注意が必要です。
例えば、以下のような看護師は不採用になるケースが多いと言えるでしょう。
- 自己都合で入職日を先延ばしする方
- 入職可能日が曖昧な方
- 入職意欲や意志が確認できない方
そのため、前向きな回答が返ってこなかった場合や、入職意志がないと判断された場合は、不合格と考える場合も多いと言えるでしょう。
「いつから働けるか」の看護師が回答するマナー・NG例
看護師が転職時に面接で「いつから働けるか」ということを聞かれた場合のマナーと、NG例について説明していきます。
内定から入職日まで待てる期間は1ヶ月~3ヶ月
看護師が病院・クリニック・施設等に転職する場合、一般的に内定から1ヶ月~3ヶ月程度の期間が、雇用先が待てる期間だと考えておきましょう。
雇用先の募集時期を指定されている以外で、それ以上の期間となる場合、周囲の誰もが納得する理由が必要となります。(特別な理由がある場合は、誠心誠意、理由と共に説明しておきましょう。)
そのため、働きながら看護師として転職活動をする場合は、少なくとも4ヶ月前から求人を探し、転職希望日の3カ月前から面接などの転職活動することをおすすめします。
詳しくは「看護師転職に必要な6つの準備!転職スケジュールと期間を解説!」を確認してください。
現在の勤務先の就業規則等を確認しておく
看護師として現在勤務している場合で、就業規則等がある場合は、確認をしておきましょう。
就業規則には、「退職日の2カ月前までに告知する」などの規則が設けられている可能性があり、なるべくルールに従うことで円満退職を行いましょう。
さらに詳しくは「看護師 円満退職の方法!退職理由やスケジュール」を確認しておきましょう。
また、法的(民法第627条第1項)には、看護師が退職を申し出た日から通算して2週間(14日)を経過した場合に退職とすることは可能ですが、トラブルの原因となる可能性もあり、まずは円満退職を心がけましょう。
民法第627条第1項民法第627条第1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
出典:民法第627条
避けるべきNGな回答例
「いつから働けるか」という質問を看護師が面接時に受けた場合、以下のような回答を避けた方が良いと言えるでしょう。
面接時の印象が悪くなることはもちろん、働きたいと感じた病院・施設等の場合でも、不採用になる可能性があります。
NG例1 | 「他の病院・施設も面接の予定が入っており、すみませんが、選考状況次第となります。」 |
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NG例2 | 「現在の勤務先の上司に確認しなければいけないので、今は予定が分かりません。後日ご連絡しても良いでしょうか。」 |
NG例3 | 「現時点では分かりませんが、おそらく内定から2ヶ月程度だと思います。」 |
NG例4 | 「現在離職中ですが、転職先をしっかりと検討している段階なので、1ヶ月ほどお時間が欲しいです。」 |
NG例5 | 「現在の勤務先退職後に、有給消化となるため、入職は3ヶ月後になりそうです。」 |
NG例6 | 「転職するか迷っており、入職予定日は現時点で分かりません。」 |
上記のような回答は避けておきましょう。
曖昧な回答を行うと、無計画の看護師だと思われてしまう可能性もあるため、注意しておきましょう。
「いつから働けるか」の看護師のベストな回答例文
看護師が転職時に面接で「いつから働けるか」を質問された場合のベストな回答例文とそのポイントを解説していきます。
勤務中の看護師の回答例文
例文
「10月から入職すること(働くこと)を予定としており、お時間をいただきたいです。いち早く入職を行い、御院で学び、貢献したいと考えておりますが、現在勤務中のため、引継ぎ・退職手続きの期間と考えております。内定をいただき次第、現在の勤務先と調整・日程交渉し、改めて入職可能な日時をお伝えいたします。」
ポイント解説
現在勤務中の場合は、まずは「予定日を月単位で伝えること」が大切です。
月単位で伝える理由としては、雇用先の入職準備などを考えての発言と受け取られ、好印象を相手に与える点や、「内定から」と伝えないことで自分ベースである発言を避けるためです。
そのため、例え日程が決まって無くても予定日を伝えておくことがポイントとなり、以下のような項目を伝えると良いでしょう。
- 何月から入職(働くこと)を予定しているか
- 入職に対して前向きな姿勢を見せる
- その予定日になる理由を伝えること
- 予定であることを伝え、改めて回答することを伝える
また、在職中で予定であることは必ず伝えておきましょう。
離職中の看護師の回答例文
例文1
「現在離職中のため、御院のご都合に合わせることが可能です。」
「現在離職中のため、いつでも入職することが可能です。」
例文2(理由がある場合)
「現在離職中ではありますが、来月の7月から入職を希望しています。家庭の事情で恐縮ですが、現在、親が介護施設に入っており、その施設を変更する予定で、移転の準備等で時間をいただきたいと考えています。6月末までには問題なく終わっていますので、7月には入職が可能です。」
ポイント解説
基本的に離職中の場合、「明確な理由」や「周囲が納得する理由」がない限りは、勤務希望先に合わせることが無難です。
理由もなく、入職日を引き伸ばした場合には、他の病院・施設の結果待ちではないかと考えられてしまうためです。
合格が出た後でも断ることは可能なため、無難な回答を行っておきましょう。
まとめ
看護師の場合、勤務する職場によっても「いつから働けるのか」という回答を考える必要があります。
例えば、比較的、規模が大きな病院や介護施設などはある程度、内定から看護師の入職までの期間は待つことが可能と言えますが、クリニックで急に人材が不足している場合は、待つことが難しい可能性もあります。
希望する転職先によっては、看護師として退職してから転職活動をした方が良いケースもありますし、自身の生活を考えて働きながら転職した方が良いケースもあります。
そのため、自分が働きたい施設を検討した上で、ライフスタイルも検討し、適切な回答をするように心がけていきましょう。