看護師の体験談

プリセプター看護師の役割・指導方法・目標設定を体験から解説

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新年度になり、今年から初めてプリセプターになった看護師や、新人教育担当係りになった看護師もいるのではないでしょうか。

プリセプター制度は、一般的にプリセプティ(新人看護師)1人に対して、プリセプター(先輩看護師)が1人つき、1年間支援する教育制度です。

私は、病棟で看護師として10年以上勤務し、その中でプリセプターを5回以上経験しています。

今回は、新人教育に関わっている看護師にぜひ読んでもらいたい内容です。

以下では、プリセプター看護師の役割と目標設定について、私の経験から詳しく説明していきます。

執筆・監修看護師
執筆・監修看護師
小平希 看護師
小平希 看護師
  • エリア:オーストラリア在住
  • 保有資格:看護師、Registered Nurse
  • 施設経験:総合病院、デイサービス、訪問入浴、イベントナース、ツアーナース(旅行添乗)
  • 専門分野:整形外科、消化器外科・内科、腎臓内科、腫瘍内科

日本で看護師として3年間総合病院で働き、海外に住みたい夢を叶えるためオーストラリアに看護留学へ。2017年に念願のオーストラリアの正看護師になりました。日本の看護の良さを海外にもっと広めていきたいと思っています。海外看護師、海外医療に関する記事を中心に書いていきます。

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プリセプター制度とは

プリセプター制度とは

プリセプター制度とは、プリセプターシップとも呼ばれ、厚生労働省の新人看護師研修ガイドラインによると、以下のように定義されています。

プリセプターシップとは、新人看護職員1人に対して決められた経験のある先輩看護職員(プリセプター)がマンツーマン(同じ勤務を一緒に行う)で、ある一定期間新人研修を担当する方法。
出典:新人看護職員研修ガイドライン(厚生労働省)

また、プリセプターという用語は、教授者、教師を意味する英語「Preceptor」に由来しています。

以下では私の経験をもとに、看護師から見たプリセプター制度を再確認していきます。

プリセプター制度とその他の新人教育体制

プリセプター制度とその他の新人教育体制

病院等における新人看護師(新卒看護師)の教育は、以下のような教育方法(教育体制)が一般的です。

プリセプター制度プリセプター制度とは、プリセプティ(新人)1人に対してプリセプター(先輩看護師)が1人つき、通常は1年間支援する制度です。
チューターシップチューターシップとは、各新人に決まった相談相手(チューター)を配置し、学習方法、悩みごとなどの精神面、生活面など広範囲にわたり相談や支援を行います。
メンターシップメンターシップとは、メンターは新人を援助、指導、助言を行い相談に乗る役割です。通常は直接的な実施指導ではなく、支援者的役割をしています。
チーム支援型チーム支援型とは、特定の指導係を置くのではなく、チーム全体で新人を教育・支援する方法です。

病院の募集や看護師転職サイト等の看護師求人を見ていると、ほとんどの病院では、新人教育体制にはプリセプター制度が採用されています。

そのため、プリセプター制度が病院で最も一般的に活用されている看護師の教育方法です。

個人的には、1対1のプリセプター制度は、新人看護師の離職防止に一番効果的だからではないかと考えられます。

何年目くらいの看護師が一般的にプリセプターになる?

何年目くらいの看護師が一般的にプリセプターになる?

各病院、病棟によって異なりますが、プリセプターとなるのは3年目から5年目看護師が多いようです。

看護師として自立し、かつ新人看護師と年齢が近く、新人看護師にとって相談しやすい相手となるのが、3年目から5年目看護師だからだと推測されます。

 

看護師の体験談:プリセプターの看護歴

私が勤務していた病院の病棟では、同じ時期に私を含めて3人の看護師がプリセプターとなり、新人看護師の教育を担当しました。

1人は4年目看護師、2人目は5年目看護師、私は10年目看護師と、かなり年齢にばらつきがありました。

当時、私の病棟には3年目看護師がおらず、このような配属になったようです。

私は、幼稚園児の母親だったため、勤務時間終了後は子供の迎えのためすぐに帰ってしまい、プリセプティ(新人看護師)と話せる時間があまり取ることができませんでした。

そのため、できればプリセプターは年齢が近く、同じような環境の看護師が適していると感じます。

プリセプターの看護師の役割とは?

プリセプターの看護師の役割とは?

プリセプターの役割について、厚生労働省では以下のように示しています。

プリセプターは自分の担当する患者の看護ケアを、担当の新人看護職員(プリセプティ) とともに提供しながら、仕事を通してアセスメント、看護技術、対人関係、医療や看護サービスを提供する仕組み、看護職としての自己管理、就業諸規則など、広範囲にわたって 手本を示す。
出典:新人看護職員研修ガイドライン(厚生労働省)

プリセプターの看護師の役割は様々ですが、新人を育てる看護師とって良いでしょう。

また、新人看護師を指導するプリセプター行動の概念化(J-STAGE)では、プリセプターの役割を下記のような項目に分けています。

  1. 新人看護師の情報を多角的に収集し、個別性を反映した指導計画を立案する
  2. 指導目標達成を目指して、立案した計画に沿った指導と評価を実施する
  3. 新人看護師とその場の状況を査定し、査定結果に応じて指導目標達成と事故防止を目指す
  4. 新人看護師が業務を継続できるように、問題現象の解説や心理的支援を行う
  5. 自己の不在時にも新人看護師指導を継続するために、病棟看護師やクライエントからも協力を取り付ける

以下では、プリセプターの看護師の役割を、私の実体験から詳しく説明していきます。

新人看護師の職場への適応を促す役割

新人看護師の職場への適応を促す役割

プリセプターとしての役割の1つは、新人看護師(新卒看護師)の職場への適応を促すことです。

特に、初めての就職で今までの大学生活とは全く違った環境に、いきなり放り込まれた新卒看護師は、適応するまではストレスがかかります。

また、すべてのことがとても新鮮である一方、新しい職場での人間関係はどんな人でも緊張するものです。

そのため配属された病棟で、年齢が近いプリセプターは、新人看護師がどんなことで困っているか想像がしやすいため、その分サポートもしやすいのです。

 

職場へ適応してもらうためのサポート例

例えば、新人看護師がリーダー看護師に声をかけにくそうだというのをプリセプターは察知し、

  • 「一緒にリーダーに聞きに行ってみようか。」
  • 「今日のリーダーさんはとても話しやすい人だから大丈夫だよ。1人で聞きに行ってごらん。何かあったら私にいつでも聞きに戻ってきも良いよ。」

など、声を掛けて新人看護師(新卒看護師)の職場への適応を促すサポートを行います。

小さな声掛けですが、このような積み重ねが、新人看護師が病棟の先輩看護師たちに上手く馴染んでいけるポイントです。

新人看護師の頃は、先輩看護師に声をかける時は、緊張しますよね。

その時に、プリセプターが新人のそばにいてあげるだけでも新人看護師はかなり楽に感じるでしょう。

新人看護師の精神面への支援を行う役割

新人看護師の精神面への支援を行う役割

プリセプターの一番の役割と言っても良いのが、プリセプティの精神面への支援です。

新人看護師は、どうしても仕事に慣れないことや、先輩看護師に指摘を受けたことで「自分は看護師に向いていないのではないか・・・。」と思ってしまうことがあります。

その際にプリセプターから、

  • 「どうしたの。今日はいつもよりも積極的じゃないね。何かあった?」
  • 「仕事の後にご飯でも行く?」

など、話を聞いてあげる場を持つことが、新人看護師にとって精神面への支援になるでしょう。

大きな悩みが無い場合でも、新人看護師は自分が落ち込んでいることをプリセプターが気づき、心配してもらえたことはとても嬉しいものです。

私の経験ですが、プリセプターは新人看護師と毎日一緒に働いているため、「しぐさや表情が、なんとなくいつもと違う」ことは、直接口に出さない場合でも気づいてあげることが大切です。

 

補足説明

特に、初めてのアクシデント・インシデントがあった時は、新人看護師はとてもショックを受けます。

プリセプターとしての私の経験から、アクシデント・インシデントの内容自体を話すのも良いですが、新人看護師がどう感じたかという感情部分にフォーカスして話を聞いてあげることが、おすすめです。

新人看護師の技術的な指導を担う役割

新人看護師の技術的な指導を担う役割

プリセプターは、新人看護師に技術的な指導を行う役割もあります。

新人看護師と一緒に、患者のケアに入ることが多いプリセプターですが、教育担当係やリーダーだけでなく、プリセプターも看護技術の指導を行います。

技術を指導するときは、まずプリセプターが新人看護師の理解度を把握し、その新人看護師にあったレベルで進めていくことが大切です。

 

言葉で説明せず実技を示し、評価してあげること

プリセプターは、新人看護師に対して看護技術を言葉で説明するだけではなく、実技を示すことが大切です。また、新人看護師にも実際に技術を施行してもらい、終わった後に必ずプリセプターが評価をしてあげましょう。

新人看護師は自分がどのくらいできたか知り合いものであり、プラスの評価をもらうと次回も頑張ろうと前向きになることができます。

もちろん、プリセプターが技術に不安がある場合は、先輩看護師にケアに入ってもらい、新人看護師と一緒に学ぶことも良いでしょう。

プリセプターとして、信じ看護師と一緒に学ぶことを恥ずかしがる必要はありません。新人看護師に対して誰でも最初は未熟であり、練習して習得していくものだと示すことができます。

新人看護師から頼られるお姉さん的な存在

新人看護師から頼られるお姉さん的な存在

プリセプターは、新人看護師と年齢が近い場合が多く、病棟内で一番信頼できる「お姉さん的な存在」でいることが大事な役割だと私は感じます。

特に、新卒看護師にとっては、初めての就職、看護業務、医師など他の医療従事者との関わりなど、仕事以外にも分からないことだらけです。

それを一つ一つ教えてあげるのがプリセプターだと、私は考えています。

 

上司から注意を受けるのもプリセプターの役目

プリセプターがどんなに厳しくしようと甘やかそうと、プリセプティ(新人看護師)が何か仕事ミスをしてしまった場合、上司はプリセプターに注意をしてきます。

それは、あなたがプリセプターとして成長するための教育でもあり、振り返りを行いながらプリセプティに教育をしていきましょう。

プリセプターを初めて経験する場合、新人看護師のことで怒られること、注意を受けることは、私は当たり前のことだと考えており、その注意を確認・実践しながら気にすることなく、新人教育を行っていくと良いでしょう。

プリセプターが押さえるべき指導方法について

プリセプターが押さえるべき指導方法について

新人看護師(プリセプティ)を指導する際に、プリセプターが押さえておきたい指導方法について、私の経験からご紹介します。

新人看護師の現在の能力を把握すること

新人看護師の現在の能力を把握すること

プリセプターは、新人看護師が現時点で「どのくらい看護業務を理解しているか」「実践できているのか」を確認しましょう。

新人看護師の技術チェックリストは、便利な評価方法の1つです。

どの項目が達成でき、どの項目が達成できていないかをプリセプターは把握し日々の指導に生かしましょう。

 

看護師の体験談:技術チェックリストの活用

私が勤務していた病院では、病院全体と病棟ごとの技術チェックリストが2種類ありました。

病院全体のチェックリストは感染予防や、基本的な看護技術で、病棟ごとはその病棟の専門的な看護技術のリストになっていました。

私の病棟は整形外科と消化器外科の混合病棟であったため、病棟のチェックリストを埋めるのに時間がかかり大変でしたが、新人看護師の評価が適切に行えるため、便利で互いに成長を感じることもできました。

新人看護師が自ら考えられるように促すこと

新人看護師が自ら考えられるように促すこと

新人看護師で居られるのは1年間だけです。

その1年間で、できるだけ自立した看護師になってもらいたいとプリセプターは考えるものです。

そのためプリセプターは、新人看護師に全てを与えるのではなく、自ら考えられるような行動を促す関わりが必要です。

例えば、

  • なぜ自分の患者はこの点滴補液を使っているのか
  • 患者の血液データから言えることは何か
  • 既往歴で腎臓に問題がないか

など、少しプリセプターがヒントを与え、答えは新人看護師に考えてもらうのです。

新人看護師が調べても分からないといってきた場合は、調べかたが十分でなかった可能性があるため、どうやって調べたかを確認し、一緒に調べ方から行ってみるのも良いでしょう。

他の新人看護師と比べないこと

他の新人看護師と比べないこと

同じ病棟に2人以上の新人看護師がいた場合は、どうしても比較対象になってしまいます。

私はプリセプターとして、他人(他のプリセプティ)と比べることに意味はないと考えています。

そのため、私は新人看護師が「過去の自分と比べて、どう成長しているか」ということに注目しています。

私は自分の新人看護師時代に、先輩看護師から悪気はなかったようですが「他の新人看護師が新しい看護技術ができるようになったのにね」と言われ、傷ついた経験があります。

先輩看護師やプリセプターの一言で、新人看護師は自信とやる気をなくしてしまいます。注意してください。

プリセプティ(新人看護師)と信頼関係を築くこと

プリセプティ(新人看護師)と信頼関係を築くこと

プリセプターとして大事なことは、プリセプティ(新人看護師)との信頼関係です。

その信頼関係を築くために、プリセプターが行うポイントは以下の4つです。

  1. プリセプティの能力に合わせてステップを明確にすること
  2. 一緒に成長する姿勢を見せてプリセプティに寄り添うこと
  3. プリセプティのことを誰よりも見ること
  4. プリセプターがプリセプティの話を聞ける相手になること

プリセプター役割と一緒の部分もありますが、指導を円滑に行うため、プリセプティ(新人看護師)との信頼関係をいかに築いていくか考えることが大切です。

プリセプティの不安を取り除き、自信をつけてもらい、確実に育てあげるためには、プリセプターの存在はとても大きなものです。

「振り返り」での指導方法と注意点

「振り返り」での指導方法と注意点

プリセプターと行う振り返りは、その経験に対して、新人看護師(プリセプティ)が自分の気持ちを表出する場です。

プリセプターは常に聞き役となり、新人看護師が「どのように感じたか」、「どうしたら良かったのか」という振り返りが自分でできるように促してあげると良いでしょう。

 

分からない事は新人看護師だけに任せず、一緒に調べてあげること

振り返りの中で、不安な看護技術や知識があれば、プリセプターは新人看護師と、その場で一緒に調べてあげましょう。

プリセプターが「後で調べておいて」というのは簡単ですが、新人看護師は宿題が多くなり、「仕事後に勉強しなければならないと」と感じやすいです。

さらに、それらが積み重なることで、知らない間にどんどん負担になっていきます。

そのため、プリセプターが一緒に問題解決をする事で「調べればすぐに分かるということ」「知らないということは、誰にでもあるためストレスにしないということ」を振り返りで伝えましょう。

その他指導でプリセプターが注意すべきこと

その他指導でプリセプターが注意すべきこと

その他指導でプリセプターが一番注意すべきことは、自分の仕事とプリセプティ(新人看護師)への指導にストレスを感じやすくなりますが、厳しく教育をしすぎないことが大切です。

過剰に厳しすぎるプリセプターによる指導では、良い看護師は育ちません。

 

指導に気持ちを入れすぎないように注意する

プリセプターを任される看護師は、共通して責任感が強い、または仕事ができるタイプの看護師が多いです。

そのため、プリセプティ(新人看護師)に気持ちが入りすぎてしまい「私が責任を持ってこの新人を育てあげなければ!」と、気持ちが空回りする事態になりやすいです。

決してあなた(プリセプター)1人で、プリセプティを育て上げるわけではありません。周囲の看護師やスタッフと協力もしながら、指導していくことを心がけてください。

プリセプター自身の目標設定の方法と例

プリセプター自身の目標設定の方法と例

私の病棟では、プリセプターの上にアソシエイト(シニアプリセプター)という5年目以上の先輩看護師が付き、新人看護師と私(プリセプター)の両方をサポートしてくれました。そのため、プリセプターとプリセプティの目標設定の立て方についても指導を受けることができました。

病院によって、新人教育体制は若干異なるため、自分の病院の体制を理解しながら、考えてみてください。

自分の病院の看護部の教育目標、病棟の教育目標などを参考に、プリセプター自身の目標を立ててみましょう。

以下では、プリセプターとプリセプティ(新人看護師)のそれぞれの目標設定の方法を、私の経験から説明していきます。是非参考にしてみてください。

プリセプターの目標設定のポイント

プリセプターの目標設定のポイント

まずは、プリセプター自身の目標設定のポイントを6つ説明していきます。

  1. 病院・看護部や病棟の目標から、プリセプターの目標設定を考えられているか
  2. プリセプターの役割に合っているか
  3. 前向きな目標になっているか
  4. 具体的な目標になっているか
  5. すぐに行動可能な目標になっているか
  6. プリセプティの指導のポイントを押さえられているか

特に、病院・看護部や病棟の目標をあらためてプリセプターは確認を行い、自身の目標設定を考えると良いでしょう。

現在目標を立てているプリセプターも一度チェックしてみましょう。

 

プリセプティの指導のポイント例

プリセプティ(新人看護師)の指導のポイントを、プリセプターの目標に入れておくと、実践と指導、合わせた良い目標設定できます。

今まで、説明してきたプリセプティへの指導のポイントを確認しましょう。

  • プリセプティを把握する
  • プリセプティの話を聞く
  • プリセプティへ実技を見せる、説明する、確認する
  • プリセプティへ声掛けする、褒める
  • プリセプティと話し合う
  • プリセプティと学び合う
  • プリセプティに目標を持たせる
  • プリセプティに体験させ、考えさせる
  • プリセプティに自己評価を行わせ、プリセプターも付き合う
  • プリセプティがミスしたときの対応を考える

目標設定のポイントを把握したら、次は月単位でプリセプターの目標を考えてみましょう。

プリセプターの「月間」の目標設定方法と例

プリセプターの「月間」の目標設定方法と例

プリセプター自身の目標の具体例を挙げてみました。

1ヶ月目(4月)新人看護師が分からないことは毎日メモに書いてもらい、勤務が同じ日に確認して解決する。
4ヶ月目(7月)新人看護師が病院全体の技術チェックを80%埋められるように、毎日勤務の終わりにチェックリストを確認する。

以下で、1ヶ月目(4月)と4ヶ月目(7月)の目標に関しての詳細を説明していきます。

 

1ヶ月目の目標設定の補足

1ヶ月目は新人看護師にとって新しい環境に慣れることに必死な時期です。そのため、新人看護師から不安や疑問がどんどん湧いてくるでしょう。

その新人看護師の不安や疑問を、その時だけにすることなく、プリセプターができるだけ解決してあげるための目標設定です。

そうすることで新人看護師は、翌日の勤務は前日よりも少し自信がつきます。その積み重ねが自立した看護師を育てるのだと私は考えています。

 

4ヶ月目の目標設定の補足

4ヶ月目の新人看護師は、少しずつ看護業務に慣れ、インシデントが起こり始める時期でもあります。

プリセプターは、「新人看護師に看護技術をどんどん覚えてもらいたい」という気持ちと、「新人看護師が一人で行うことでミスにつながるのではないか」という不安もでてきます。

そのため、プリセプターの目標に「技術チェックを確実にすること」を項目で入れておけば、新人看護師のインシデントを防ぐ対策の1つになります。

また、新人看護師が行えない技術は、いつできるかリーダーと相談し、その技術を積極的に新人看護師が入れるように考慮してもらうことも大切です。

プリセプターの「年間」の目標設定方法と例

プリセプターの「年間」の目標設定方法と例

年間の目標は、最終的に1年後にプリセプターとして、どう新人看護師(プリセプティ)に関わり、どのような変化を期待するかに焦点を当て、評価できるものにしましょう。

例として、以下のような目標です。

  • プリセプティが自信を持ち、自立した看護が行える
  • プリセプティが夜勤業務を行えるようになる
  • プリセプティが入院患者・オペ後の患者の受け持ちができる
  • プリセプティの悩みや相談を受け、辞めないで1年間過ごせる

大きな年間の目標を決めることで、毎月・毎日、具体的にプリセプターとして何を行わなければならないかを考えていきましょう。

まとめ

以上の内容からプリセプターの看護師の役割と、目標設定について理解できたでしょうか。

初めてプリセプターを行う看護師の方は、経験を通して教育の難しさを学び、先輩看護師達の思いを汲むことができるようになり、病棟運営の実態も見えるようになっていきます。

1年後の自分と新人看護師(プリセプティ)の成長ぶりを楽しみに、プリセプター制度を活用していきましょう。

また、プリセプティをプリセプターが指導する上で悩みや疑問などが生じた際に、支援や相談相手になるエルダーナースについては、「初めてエルダーナースを経験した看護師の体験談~悩みとやりがい~」を確認しておきましょう。

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新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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