2020年3月30日に発表された、日本看護協会による「2019年 病院看護実態調査」では、正規雇用看護職員の離職率は10.7%と横ばい、新卒採用者は10.7%と横ばい、既卒採用者の離職率は17.7%と依然と高い割合を維持していることが分かりました。
(既卒採用者は「新卒ではない看護職経験者」と定義。)
看護職員の離職率、過去6年間の推移は以下の通りです。
新卒看護師の離職率の割合は、2017年度に比べ、0.3%上昇し、7.8%となっています。2020年に起こっているコロナ渦は、看護師の離職率に大きく影響することが今後予想されます。
また、2019年の調査では看護師の離職率が高い都道府県は東京都が14.6%、続いて神奈川県13.7%、滋賀県・高知県13.6%という結果となりました。
正規雇用の看護職員、新卒看護師、既卒看護師全体で見ると、秋田県が最も離職率が低く5.1%となります。続いて、鳥取県6.7%、福井県7.6%となります。
病床規模別・看護職員離職率
2019年の病院看護実態調査での看護師離職率を病床規模別で確認していきましょう。
無回答を除くと、以下のことが分かります。
- 病床数99床以下の離職率は、正規雇用、新卒、既卒共に高い
- 新卒看護師は病床数が多いほど、離職率は低下する
- 正規雇用の看護職員は99床~199床の離職率が最も高い
- 正規雇用の看護職員、既卒看護師は400床~499床が最も離職率が低い
- 新卒看護師は300床~399床が最も低い
病床数が多い病院の場合は、看護師の離職率が低いことがあり、前年のデータを持ても同様のことが言えます。
これは、その病院で働く看護師の人数、規模の大きな病院の福利厚生や給与が離職率に大きく関係してそうです。
病院別(設置主体別)看護師の離職率
次に、2019年の設置主体別・看護職員の離職率を確認してみましょう。
無回答・不明の回答を除くと、以下のことが分かります。
- 正規雇用の看護職員、新卒看護師は「その他公的医療機関」の離職率が最も高い
- 正規雇用の看護職員、既卒看護師は公立病院・地方独立行政法人の離職率が最も低い
- 新卒看護師は厚生農業協同組合連合会の離職率が最も低い
- 既卒看護師は医療法人・社会福祉法人の離職率が最も高い
など、看護師として長く同じ病院で仕事を続けようと思った場合は、「公立病院・地方独立行政法人」を選択した方が良いと言えます。
公立病院・地方独立行政法人の正規雇用される看護師は、地方公務員(地方独立行政法人は準公務員)となるため、福利厚生や待遇が良いことが挙げられますね。
都道府県別看護師の離職率
正規雇用の看護職員、新卒看護師、既卒看護師全体で見ると、秋田県が最も離職率が低く5.1%となります。続いて、鳥取県6.7%、福井県7.6%となります。
看護師の離職率が高い都道府県としては、東京都が14.6%、続いて神奈川県13.7%、滋賀県・高知県13.6%という結果となりました。
データ参照元
- 調査・画像引用:日本看護協会「2019年 病院看護実態調査」
- 対象:全国の病院8,300施設(看護部長に回答依頼)
- 調査期間:2019年9月2日~10月11日
- 調査方法:自記式調査票の郵送配付・郵送回収
- 回収状況:有効回収数 3,385(有効回収率 40.8%)
さらに詳しくは「2019年病院看護実態調査」を確認してください。